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2012年03月07日

【『影響力の武器』悪用編?】『だましの手口』に学ぶブラック手法6選


だましの手口 (PHP新書)
だましの手口 (PHP新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、3年程前に出た本であるにもかかわらず、中古でもまったく値崩れしていない注目作。

先日、アマゾンの「ヒット商品(過去24時間で最も売上が伸びた商品)ランキング」で見つけて、捕獲して参りました。

アマゾンの内容紹介から。
振り込め詐欺―なぜテレビでこれだけ報じているのにだまされてしまうのでしょうか。ほとんどの人は「知っていた」のにだまされたのです。ただ、知っているだけではダメです。その裏の「心の法則」を知らないと、カモにされます。たとえばウソの話で恐怖心をあおり、身内を装った泣き声で家族愛を引き出す、巧妙な手口で仕掛けてきます。振り込め詐欺から各種の悪徳商法まで、豊富な実例を知る心理学者が、だましのトリックを明快に解読します。とっさのときにも役立つ「対処法」付き。

振り込め詐欺だけでなく、様々なセールスから宗教まで、まさに「だましの手口」が満載でした。

思わず付箋も貼りまくり!



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【ポイント】

■1.オウム真理教の「ジェットストリームアタック」
オウム真理教の勧誘では、3人が三様の役割を演じていました。まず1人目は恐い顔をして厳しい口調で、「お前は罪人だから、このままでは死ねば間違いなく地獄に落ちて永遠に苦しみあがく」というふうに脅して恐怖心をあおります。そして、もう1人は、温和な顔つきで優しく「でも信者になって一生懸命修行すれば大丈夫だから」と、入信を迫ります。そして3人目は、知的な顔つきで冷静な口調で、教団の思想がいかに筋が通っているかということや、地獄に落ちることも本当だけれども、メンバーになってがんばれば救われることも間違いない話だと、理論的に説明します。


■2.「待ち合わせ場所にワザと遅れる」
わざわざ時間をつくってきた相手は、イライラしながら待ち続け、もう来ないからあきらめて帰ろうとしたタイミングで「待たせて、ごめん」と言い訳しながら現れるのです。待たされたほうは、せっかく待ったんだから、このまま帰っても意味がないという気持ちから、話を聞くだけならいいだろうという気持ちにさせられてしまうのです。
 ただ相手の話を聞くだけだったらだまされたわけではないので、たいした問題ではないと思うのは大間違い。あなたはすでに「待つ」ことによって、(あなたの貴重な)時間をいわば先行投資していることになります。だれでも先行投資を「ドブ」に捨てたくはないので、柑手を、話を聞くだけの価値のある人として扱ってしまうのです。


■3.「開き直ってウソをつく」
 ある破壊的なカルトで、勧誘時に「私たちは、宗教団体ではありません」ときっぱり否定する団体があります。「ウソはよくないではないか」と抗議すると、彼らは、「こんなウソをつくのは本意ではないが、日本人は宗教嫌いだから、よいことを教える方法として仕方がない。後で本当のことがわかったら感謝されることだから、よいのだ」と開き直っています。


■4.「勧誘を断られたら泣く」(女性限定)
 それに対して、彼女はびっくりした顔をして雄二くんを見つめ、英会話に興味があると言ったじゃないとか、こんないい機会はないとか、特別の価格だとくり返しました。そして雄二くんが、再びかぶりをふると、彼女は、いきなり顔色を変え、その大きな瞳に涙をいっぱいに浮かべたのでした。彼女は、ハンドバッグからハンカチを取り出し、涙を拭きながら、こう言いました。「ひどい……。雄二くん、ひどいよ。こんなに一生懸命説明させておいて」。さらに、涙をこぼしながら彼女は、訴えました。「私は、このまま会社に帰ったら、上司に怒られるのよ」


■5.「うなずき要員を配置する」
 ところで、先物取引の詐欺とか、破壊的カルトの路上での勧誘とかでは、二人で行動している場合をよく見かけます。先に述べましたように、1人は研修期間とみなすことができますが、だましなど対人的な影響には別の効果をもたらします。そのような場合、たいていは、1人が商売やら勧誘の話をして、もう1人はまさに研修中という感じで特に口を挟みません。というのも、代わる代わるしゃべって話されると、強引な感じがして、荒手の手法となり、強制的すぎます。そこで、1人が話し手で、もう1人は、いかにもその話に感心するような素振りで黙って聞いているのです。そして、そのもう1人が話し手の内容にときどきうなずくぐらいであると、かえってだまされる側は、優しい雰囲気ながら数的優位の影響力をいっそう受けてしまうのです。


■6.「あらかじめ携帯電話をつながらなくさせる」
 たとえば、一人暮らしの娘が交通事故を起こしてしまったから示談金がいるというシナリオのケース。詐欺の電話が入ったときには、娘本人は電話口に出てこなかったようで被害者である母親は、振り込む約束をして電話を切ってから娘の携帯に電話をしたそうです。すると、「現在、電波の届かないところか、電源が入っていないため、かかりません」のメッセージが流れてきました。被害者は、娘は日頃、こんな時間に電源を切っているなんてことはないと確信してしまい、本物なんだと思い込んでいきました。しかし、実際は、娘はそのころ、携帯の電源を切っていました。なぜかというと、朝からしきりに、イタズラ電話がかかってきていたのです。その内容があまりに失礼だし、しつこいので、彼女は我慢ならなくなって、電源を切ったのでした。解説するまでもなく、だます側の仕掛けです。


【感想】

◆今回は引用のボリュームが多かったので、いつもより少なめで6つほど。

ただし、冒頭の画像のように付箋を貼りまくったので、結果的に割愛した部分はかなりありました。

というのも、本書で扱っている「詐欺」の対象がかなり広いのがその一因。

明らかな犯罪である「振り込め詐欺」だけでも手口が多いのに、いわゆる「悪徳商法」の方も「催眠商法(SF商法)」「デート商法」「点検商法」「マルチ商法」「霊感商法」等々盛りだくさんです。

さらにこれに、「宗教の勧誘」まで加わるのですから、それはお腹も一杯になります罠。


◆さて、「悪徳商法」の方は、古くから脈々と続いているやり方が今も通用しているのは、この本に書いてある手法が古びてないことからも分かります。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

参考記事:【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)

『実践編』の方が、まっとうなビジネスの事例中心であるのに対して、こちらはモロにセールスやら宗教の勧誘のネタが多いのは、ご存知の方も多いことかと。

それに比べると、犯罪である「振り込め詐欺」は、日々進化をとげている模様。

実は、「下手に公開すると真似される」ということで、本書でもある程度はその手法について伏せているようです。


◆とは言え、本書の序章で紹介されている振り込め詐欺の事例はかなり秀逸で、私が電話を受けたとしても、果たして詐欺だと見破れるかどうか。

設定は、「旦那さんの運転する車が追突事故を起こした」という電話が、奥さんにかかってくるのですが……。

●電話に出た旦那さんは泣き声まじり(で本物か分からず)

●事故の被害者の助手席には妊婦が乗っていて、事故のショックで破水した

●警察の人が電話に出て「保険屋と弁護士と話をした結果」で示談をすすめる……


そもそも女性の方にとって、「妊婦が事故にあった」(しかも自分の旦那が加害者)と聞いて、相手を疑うような事が言えるものでしょうか?

しかも、さらっと読み流して全く意識しなかったのですが、被害者が言った「赤ん坊が無事生まれるように祈っていてくれますか」というセリフも意味があるのだとか。

何でも「祈る」という行為は、精神を「どうか、無事に」と集中させ、その間「もしかして、だまされた?」という思考が働かないのだそうです。

こ、これはキツい……。


◆また、「電話とはいえ、どうして身内の声か否かくらいわからないのか?」と私は思っていたのですが、これにも理由がありました。

まず、人は声を聞くと、音の高さやイントネーションから「知人の中でもっとも近い声を発する人」がいないかを検討し、そこそこ当てはまりそうな人を見つけると、その人かどうかを判断する手がかりを見つける、とのこと。

つまり、少しでも当てはまるところがあれば「よし、たぶんこの人だ」と思い込む傾向にあるのだそう。

ゆえに、「聞き間違い」は高齢者だけの問題ではなく、20歳前後の人でも平気で起こりうるのだとか。

それが「振り込め詐欺」のように、相手が泣いていたり、短い言葉を発するだけだと、さらに判別は難しくなるわけですね。

ちなみに私の実家にも「オレオレ詐欺」の電話がかかってきたことがあったのですが、文字通り「オレ、オレ」しか言わず、私が日頃自分のことを「オレ」とは言わないので、天然ボケの母でもニセモノだとわかったというw


◆ちょっと「振り込め詐欺」の話ばかりしてしまいましたけど、上記ポイントにもあるように、本書は幅広い分野について取り扱っています。

また、「確証バイアス」や、「保有効果」といった心理学的用語について、欄外で解説してくれている点もポイント高し。

加えて各章のおわりには「とっさの対処法」として、それぞれの「詐欺」に対する処方箋もありがたいところかと。

3年前の本ではあるものの、今なお読む価値が十分にある良書だと思います。

まさに、「備えあれば憂いなし」の1冊。


「自分は大丈夫」と思っている人こそ危ないです!

だましの手口 (PHP新書)
だましの手口 (PHP新書)
序章 振り込め詐欺の手口を知る
1章 自信過剰がはまる罠
2章 心の状態につけ込む
3章 リアリティの落とし穴
4章 誠実な人ほどご用心
5章 だましてくる人はどんな人?
6章 集団パワーの恐さ
7章 だましの手口を見抜く―練習課題付
8章 だましにあう前にしておくこと


【関連記事】

【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)

【詐欺師の法則】『詐欺師たちの殺し文句』に学ぶ5つの心理テクニック(2011年10月06日)

絶対に公開してはいけない「詐欺師の逆転話術」(2010年05月09日)

「〜カンニング竹山と考える〜大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか」竹山隆範(2007年04月05日)

【ウソ看破?】「相手の隠しごとを丸ハダカにする方法」デビッド・J・リーバーマン(2010年04月02日)


【編集後記】

◆今日の本に関連して。

詐欺師たちの殺し文句―あなたの「欲」と「迷い」を見逃さない! (主婦の友新書)
詐欺師たちの殺し文句―あなたの「欲」と「迷い」を見逃さない! (主婦の友新書)

この本も、過去の「詐欺の事例」が豊富で勉強になりました。

レビューは、上記関連記事でご確認を。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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