2012年02月21日
【仕事術】『一生食べていくのに困らない 経理の仕事術』吉澤 大

一生食べていくのに困らない 経理の仕事術
【本の概要】
◆今日お送りするのは、税理士の吉澤 大さんによる「主に経理の方むけ」の仕事術の本。既に「俺100」の聖幸さんがご紹介されているので、ご存知の方も多いことかと。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は「ミスなく正確に、速く仕事をこなす」ことをテーマに、これからの経理パーソンに求められる、さまざまな仕事術を紹介する。
定型業務のマニュアル化など時間効率を上げるテクニックはもちろん、ペーパレス化やITツールを使ったタスク管理・情報共有など、最新の事例を織り交ぜて解説。処理能力のアップだけに限定せず、プロの経理として経営に貢献するための会計データの作成法や、銀行からの融資の引き出し方についても言及する。
経理の方はもちろん、そうでない方にも役立つTIPSがありました!

【ポイント】
■1.「後処理」よりも「前準備」に時間をかける今日のうちに明日行うべき仕事を明確にし、その優先順位を把握しておき、そのうえで明日の作業を思い描きながら先に必要な資料をすべて準備するという「前準備」を徹底的に行っておけば、その後の処理は問違いなくスムーズに進めることができるでしょう。
今日の最後の作業が、明日の準備なのか、終わらなかった仕事を片づけるのかでは、翌日の処理に大きな違いが出てくるはずです。その差が日々積み上がることで、著の成果と時間効率の差が加速度的に大きくなっていくのです。
■2.量稽古でポイントを見分ける
力の入った姿は、仕事のできる人から見れば格好悪く見えるかもしれません。でも、それで構いません。誰だって最初はそうだったはずです。1つの仕事に全力で取り組むことではじめて力を入れるべきポイントがわかるのですから。
これは決して根性論ではなく、最短ルートで成果を上げるための絶対的な法則なのです。
事実、「時間効率のいい仕事をしている」と思われる人たちにその理由を聞くと、ほとんど例外なく「膨大な量の仕事をこなしていた時期があった」と答えます。
誰もがそういう量稽古のなかから時間効率アップ、知的生産性アップに必要な「制約時間内で一定の成果を出す方法」を身につけていくということなのでしょう。
■3.教わり上手になる
私は仕事柄、他人にものを教えることが多くあります。やはり、こちらが教えたことを素直に聞き、教わったことをすぐに活用しようと努力する人に対しては、もっといろいろ教えてあげようと思うし、こちらがリスクを取り、フォローをしながらでも成長のためのチャンスを与えてあげようと思うものです。(中略)
自分の主義を声高に主張するのは格好のいいことかもしれません。しかし、それでチャンスをつかみ取り続けられるのは、自分一人の努力でずっと成長し続けられる、ひと握りの能力の高い人だけにすぎません。
だから、自分が正しいと思うことをするためにも、まずは「しっかりとアドパイスを聞き」「そのことをすぐに実行し」「その結果を報告する」という「教わり上手」になることをおすすめします。
■4.クイックレスポンスで顧客満足度を上げる
たしかに、「集中して仕事に取り組むため、メールチェックは朝夕だけに限定する」ことが仕事の効率アップにつながるともてはやされた時期がありました。
しかし、私はそうしていません。むしろ、スマートフォンを使って、できるだけ頻繁にメールをチェックできるようにしています。
私があえて時間効率を犠牲にしてまで「クイックレスポンス」にこだわるのはなぜだと思いますか? それは、「相手の仕事の流れを止めない」ことで「顧客満足度を上げる」ためです。
願客満足度は「スビード」×「クオリティ」という計算式で表されると私は考えています。クオリティ(品質)を上げることは大変ですが、スピードのうち、とくにレスポンス(反応)だけはその人の気持ちしだいですぐにでも上げることができるはずです。
■5.未経験でも「得意だ」といって仕事を受け、本当に得意にする
実際、私も勤務税理士時代には、本当は未経験の仕事でも、すべてこのように答えて担当業務をどんどん増やしていきました。
そのおかげで他の人よりも圧倒的に速いスピードで、多くの特殊案件に携わることができました。その結果として、人よりも短い期間で独立開業することができたのだと思ってます。
もちろん私は今でも、決してウソをついたとは思っていません。というのも、その仕事をいったん受けた後に必死に努力をして、事案が終了するころには本当に得意になっていたからです。
■6.なりたい自分になるために「目の前の仕事の専門家」になる
投資(資産運用)の一般的な原則として、資金に余裕がないときの運用は、リスクの小さいものからはじめるべきです。ハイリスク・ハイリターンの投資ができるようになるのは、資金にある程度の余裕ができてからのはずです。
勉強するための時間の運用も同じです。時流に合っていても、先々実務に使うかどうかわからないことを学ぶより、目の前の仕事で確実に成果に結びつくことから学んだほうが、その努力は報われます。安全確実な「時間の投資」だといえるでしょう。
そのうえで時間的な余裕が少しずつできてきたら、現状のコアスキルを磨くとともに相乗効果が生まれるスキルもつけ加えながら、「なりたい自分」に近づいていってください。
■7.チェックリストは「その結果どうなるのか」という形式で書く
マニュアルは「何を」「どうする」という形式で書くと申し上げましたが、チェックリストでは「その結果どうなるのか」という形式で書くともっと効果の高いものになります。言い換えれば、「マニュアルどおりの作業が確実に行われた結果が正しいものであるかどうかを確認するにはどうしたらいいのか」という基準で書くのです。
つまり、マニュアルであれば「AをBする」と書いてあるものをチェックリストでは(AをBした結果)「CとDが一致することを確認したか?」というように書きましょうということです。
【感想】
◆本書の構成は下記目次をご覧頂くとして、今回抜粋したのはそのほとんどが第1章の「社長が手放したくない経理パーソンの仕事の習慣」から。見出しには「経理パーソン」とありますが、上記の通り、本質的な部分は経理関係に限られたものではありません。
一方第2章では、「ペーパーレス」を目指す吉澤さんらしい、各種ツールやサービスの使い方が紹介されています。
この辺は、DropboxやGoogleタスク等々、クラウドサービスがお好きな方にはお馴染みのところかと。
ちなみにクラウドではないのですが、ヤマト運輸の「機密文書リサイクルサービス」は、吉澤さんに教えてもらって、私も本業で使っております。
機密文書リサイクルサービス(法人・個人事業主のお客様) | ヤマト運輸
◆なお、上記ポイントの4番目の「クイックレスポンス」ですが、実際、吉澤さんにメールを出すと「出先から失礼します」と言って、ホントに素早いお返事が返ってくるというw
逆に、内容的に急ぎでない場合には申し訳なくて、「急ぎではありませんので」と一言付け加えたくなるくらいです。
そういえば、こちらの本にも、「億万長者は手紙やメールを返信するスピードが違う」なんてお話がありましたね。

「先延ばし」にしない技術
スピーディーに反応すれぱ、どんな状況でも他人の好感と信頼を得ることができる。なぜなら、人は相手がスピーディーに反応してくれるとき、自分が尊重されていると感じ、相手を信頼できる人だと判断するからだ。電話やメールの応答が遅れたり、返事がなければ、その人が自分を無視したり侮辱しているように感じられると言う人も多い。もちろん、メールチェックにかこつけて、「メルマガをつい読みふけってしまう」というのは問題外でw
◆さて、この1,2章が初級者でも取り入れられるものであるのに対し、3章以降は中級者以上の内容が展開されます。
第3章では「仕事を他人に振るTIPS」、第4章では「エクセルや資料の使いこなし方」等々。
そして第5章が、吉澤さんの最もお得意な「資金調達」ということで、経理職以外の方でも役立つ内容ではあるものの、やはり経理職の方に適した内容となっています。
もちろん、独立して何かおやりになりたい方なら、こういった知識も持っておいた方が良いかもしれません。
◆ところで、本書の出版を記念して、セミナーが開かれるとのこと。
読者限定無料セミナー「「一生食べていくのに困らないホンネの経理の仕事術」」〜代わりの利かない経理プロフェッショナルになるには〜
本書がそのまま入場チケットになり、本がない場合には入場料が3000円ということは、セミナーに興味のある方なら、本書は3000円の価値があるということかと(ですよね?)。
「500人の前で行うスピーチコンテストで優勝」し「3000時間以上の講師経験」のある生・吉澤さんは一見の価値アリw
それにしても、確定申告で忙しいはずのこの時期に本を出す税理士というのもどうかと思いますが、3月決算の会社の経理の方は決して暇ではない、4月後半にセミナーを開くと言う男気にも惚れましたw
「代わりのきかない人材」になるために!

一生食べていくのに困らない 経理の仕事術
はじめに ほんとうに経理職は営業職に食わせてもらっているのか?
Chapter1 社長が手放したくない経理パーソンの仕事の習慣
Chapter2 今より30分早く仕事を終える時間術
Chapter3 作業を分解し業務のムダを省いて利益に貢献
Chapter4 社長の期待に120%応えるデータ提供
Chapter5 資金調達での活躍がもっとも評価を上げる!
おわりに (才能×努力)×運=成果
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【編集後記】
◆アイデア本好きなら要チェックの1冊。
アイデア・バイブル
『考具』の加藤昌治さんがナビゲーターとして取扱説明書を執筆してるそうです。

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