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2012年02月14日

あの芥川賞作家もびっくり 驚愕の『論理で人をだます法』


論理で人をだます法
論理で人をだます法

【本の概要】

◆今日お送りするのは、ちょっと昔に出た「詭弁」に関する1冊。

本書を読むと、こうした詭弁に私たちも日頃から接している(使っている?)ことが分かります。

アマゾンの内容紹介から。
「論理を学び、交渉力を磨けば、仕事も生活もうまくいく」。こんな本がちまたにあふれています。でも、ほんとにそうですか? 「論理的な正しさ」と「内容の正しさ」は実は無関係で、論理はいくらでも悪用することができます。優秀な政治家、セールスマン、コンサルタント、宗教家はこのことを無意識に知っており、日々「活用」しているのです。本書は米国の高校教師が、論理の「悪用のしかた」約150種類をまとめ、わかりやすく解説した本です。「論理力」「交渉力」好きなあなたに必読の本です。

「論理力」「交渉力」はさておき、『影響力の武器』が好きな方なら要チェックです!

なお、タイトルは久しぶりに「ホッテントリメーカー」のお世話になりました。


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【ポイント】

■1.プライドや忠誠心に訴える
「もしわが国を誇りに思うのなら、祖国の繁栄と成長を願うのなら、国債を買いましょう」
「なんですって、おみくじを買わない? 神様を信じてないんですか?」
「もう食事に連れてってもくれないじゃないの。あたしのこと人に見せたくないと思ってるんだわ。もう愛してないのね」
 プライドや忠誠心へのアピールは、とんでもない単純化をする。国債を買わないからといって、それが即、愛国心がないってことにはならない。くじを買わなくても信仰は持てる。女房と外食しないからって、もう誇りに思わないとか、愛していないとかいうことにはならない。


■2.並列
 2つの発言が行われる。両者の関係は説明されない。でもその発言が内容的に近いので、両者は関係があるとほのめかされる。
 たとえばこんな新聞の見出し。
「市長、第3期の出馬を断念」
そしてキャプションには
「破産に瀕す市財政」
 市の財政悪化が、市長のせいだとはどこにも書かれていないけれど、読者はまちがいなく、そう推測するよう仕向けられている。


■3.オマエモナー
 ジョーンズがターナーに、
「報告が遅れたからって文句言うな。おまえだってしょっちゅう遅れるだろう」
なんて言う。これは事実かもしれないけれど、関係ない。いま問題になっているのは、ジョーンズの行動であって、ターナーの振る舞いではないからだ。ターナーの振る舞いは別の問題だ。
 さらにターナーが締め切り破りの常習犯だったとしても、それでジョーンズの行動が正当化されるわけじゃない。「オマエモナー」の虚偽は、「罪のなすりつけ」とも呼ばれる。


■4.決めつけ
 決めつけも、まちがった権威づけの一種だ。決めつけで議論するときは、思いこみでものを言っている。自分が正しいと思っていることを、真実そのものと考えてしまう。決めつけを示すよくある導入句に、
「ご承知の通り……」
「確信していることですが……」
「私の経験によれば……になります」
といったものがある。(中略)

主張を裏づける具体的な証拠を提示できない人は、自分の主張について自信がなく、何も知らないのだ。過去の経験は、推測や判断のよすがにはなるが、それだけに頼るのは危険だ。それがたとえ専門家であっても、推測は推測にしかすぎない。


■5.問題のすり替え
ハリエットがサムに向かってこう言う。
「ライフルはもっと慎重に扱ってよ。死ぬかもしれないでしょ」
するとサムが返事をする。
「それを言うなら、道を横断したってやっぱり死ぬかもしれないだろ」
 サムの言い分は正しいかもしれないが、ここでは関係ない。問題をすり替えたところでなんの証明にもならない。


■6.オール・オア・ナッシング
 「私の提案に賛成するかしないかの2つにひとつだ」と言うとき、実際には提案の一部は賛成でも全部は賛成できないこともある。
「犯罪者を完全に野放しにするか、さもなければ警察に無制限の権限を与えるかだ」
 もちろん野放しにもいろいろレべルがあるし、警察の権限にも段階はあって、発言者はそれを無視している。別に犯罪者を完全に野放しにする必要はないし、警察に無制限のカを与えることもない。


■7.無効な対比
 無効な対比は、まったくちがったものを比べようとしたり、不適切な尺度を使ったりする。
「労働組合が大企業相手に太刀打ちできるというのはひたすらナンセンスだよ。ゼネラルモーターズやゼロックスやガルフ&ウェスタンの1社だけでも、組合全部をあわせたよりお金を持ってるんだから」
 これは事実かもしれないけれど、でもこの対比は無意味だ。労働組合の最大の力は、交渉能力と組合員数からくるのであって、持っているお金からくるのではないからだ。


【感想】

◆先日『影響力の武器』を再度ご紹介したところ、この本についてご連絡を頂きました。

実は本書は出た当時に購入していたものの、何故かご紹介しておらず。

丁度はてな界隈で、論理的思考に関するエントリーが話題になっていたので、この機会に、と思って取り上げてみた次第です。

論理的思考を鍛える5つの反論のパターン/「きのこVSたけのこ」論争に終止符を! - デマこいてんじゃねえ!

もっとも本書は「論理的思考」と言うよりは、むしろ逆で、訳者あとがきで山形浩生さんも
厳密に言えば「人を論理から逸脱させる方法」とでもしたほうがよかったかもしれない。
と言われてます。


◆また、冒頭で触れたように、本書にはこういった「詭弁」が全部で155個も挙げられており、今回の記事も、その中からたった7つをご紹介したに過ぎません。

割愛した中にも「あるある!」的なお話もたくさんありました。

例えば「パーセントの悪用」。
「コード市長の時代に、汚職は半減しました」
と言った場合に、じつは犯罪者が4人から2人に減っただけ、という可能性もあるわけで。

これなどは、確かにウソは言ってないものの、誤解させようとしているのは明らかです。


◆似たようなもので「ことばのあいまいさを悪用する」なんてものも。
「あのバンパーのへこみはおまえのしわざか」
と問われて、違うよ、と答えたものの、実は「へこませたのは僕じゃない、実際にへこませたのはあの駐車メーターだ」と思っていたというオチ。

我が家でも、「いつも脱いだ服を洗濯機に入れてないじゃないか」と言う私に、ムスメは「いつもじゃないもん」と言いごたえするのですが、彼女にとっては、1週間のうち1日でも2日でも入れていれば「"いつも"じゃない」んですな、これが。

もっとも、私自身もこのブログで本を紹介する際に「各方面で話題沸騰中!」なんて、具体的な媒体に触れずに漠然と言っちゃったりしているので、ヒトのことは言えないのですが。


◆もちろん本書は、こういった「詭弁」「説得技法」を用いることを薦めているわけではありません。

逆に、あらかじめ知っておけば、議論等で相手に使われた場合に、「あー、あのパターンね」と対処することが出来る、という意味で「防御」の役割を果たしてくれるものではないか、と。

自分自身、今回挙げた7つのパターンは、相手に言われていたら、お恥ずかしながら「一理ある」と思っていたものばかり。

同じように、「人を信じやすい」方には、一読をオススメしたいです。


「みなさん、買ってますよ!」←(注)バンドワゴン・アピール(詳しくは本書をw)

論理で人をだます法
論理で人をだます法
日常は意味のない会話にあふれている
感情的表現(1)―人を丸め込む
感情的表現(2)―人を扇動する
感情的表現(3)―ほのめかしをうまく使う
番外編 論理のごまかしを見分ける
無関係な話を持ち出す
話をそらす
あいまいさと不正確な推測
混乱と不正確な推測
原因と結果の混同
単純化しすぎる
まちがった比較や対比
はぐらかし
番外編・何のための議論か、を考えよう
誤解を招きやすい表現
番外編・三段論法について
最後に


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【編集後記】

◆これはまた物騒なタイトルな。

電通 洗脳広告代理店
電通 洗脳広告代理店

なんでも昨日からアマゾンキャンペーンが開始されているのに、在庫表示されず「圧力がかかっている」という話もある模様。

ドクター苫米地ブログ − Dr. Hideto Tomabechi Official Weblog : 『洗脳広告代理店 電通』 (サイゾー刊) 本日開始、アマゾンキャンペーンをリアル書店に拡大 - ライブドアブログ

もし在庫が出ても、「即回収」の可能性もあるかもしれませんね。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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