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2012年02月02日

【ソーシャル活用】『ザ・サンキュー・マーケティング』ゲイリー・ヴェイナチャック(著),金森重樹(監訳)


ザ・サンキュー・マーケティング
ザ・サンキュー・マーケティング


【本の概要】

◆今日お届けするのは、個人的に「監訳キング」だと思っている金森重樹さん関与の最新作。

さらに、「俺100」の聖幸さんも対談PDFでバックアップされているようなので、これは見逃せないな、と。

ゲイリー・ヴェイナチャック『ザ・サンキュー・マーケティング』のfacebookページを「いいね!」すると、特典PDFがダウンロードできます:[俺100]

正直、私自身がソーシャルツールを使いこなせていないのですが、本自体は興味深いので、簡単にご紹介しておこうかと。


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【ポイント】

■1.「サンキュー・マーケティング」とは?

◆本のタイトルでもある「サンキュー・マーケティング」とはいかなるものか。

これについては、「マスマーケティングの世界で孤立し、ないがしろにされ、無視されてきた消費者と親密な関係を企業が結んでいくこと」であると、ゲイリーは定義づけているとのこと(金森さんの解説より)。

具体的には、ツイッターやフェイスブックを用いて、消費者からの質問やクレームに対応したり、話題になるようなコンテンツを提供したりする等々。

本書ではそれは地域レベルのものから、マスメディアを使ったものまで多数の事例が紹介されています。


■2.超話題となったP&Gの広告戦略

◆その事例の中から1つ。

元プロフットボール選手のイザイア・ムスタファが出演した、P&G傘下のオールドスパイスのテレビCMです。



このCMはツイッターやフェイスブックで話題となり、様々なパロディ版もYouTubeに登場したのだそう。

その中からプロ仕様のものをw



その後、このムスタファ演じる「オールドスパイスマン」に質問を寄せるようソーシャルツールで呼びかけたところ、ものすごい反響があったのだとか。


■3.CEOが実践するボロコ

◆もう1つ、ブリトーの店を展開するボストンの会社・ボロコのCEO、ジョン・ペパーのお話を。
ある日ぺパーがツイッターで「ボロコ」と入力して検索すると、ボロコの店の音楽がうるさすぎると誰かが店のすぐ外で文句を言っているのがわかった。ぺパーは、ボストン中心部で営業しているその店に連絡をし、マネジャーに注意。マネジャーはすぐにボリュームを落とし、外に出て、直接、ツイートした本人にこのボリュームでいいかどうかを尋ねた。
この件は、その人物がボロコの対応のよさをツイートし、フォロワーの多くもそれをリツイート。

最終的には書籍で紹介されたのだそう。

また、ペパーはお気に入りのブリトーがメニューから消えてがっかりしている顧客宛に、心のこもった(しかもお店で使えるポイント付きの)メールを書いたりしています。

このメールの文面はなかなか素晴らしいものなので、ぜひご確認頂きたく(本書のP143おしまい辺りからです)。


【所感などなど】

◆いや何か事例を列挙しようとしたら、「ネタバレ自重」しなくてはいけない気がしたので、今回はこの辺で。

だって、アマゾンの内容紹介の事例部分がこうなんですよ。
◎アマゾンCEOのジェフ・ベゾスがザッポスを買収した理由
◎全米No.1書店「バーンズ・アンド・ノーブル」はどこで作戦を誤ったか
◎デニーズがおかした痛恨のミス
◎お客と深い仲になったリーボックの戦略
◎P&Gのキャンペーンは成功?失敗?
◎批判を賞賛に変えた有名ラッパーの動画
◎たった1回のツイートで25万ドルを稼いだIT企業
◎お客とともに涙をながす有名ホテルチェーン
付箋を貼ったところがことごとく該当していて「smooth涙目の巻」

おまけにP&Gの事例なんか、モロに載せちゃってるんですが……。

もっとも、「成功?失敗?」とあるように、上記のお話には大事な「続き」がありますので、そこまで読んで頂いて、「完全版」ということかと。


◆また、見逃せないのが冒頭の金森さんの解説部分。

ここでは本書を読む上で「間違えないようにしたい点」がいくつか挙げられています。

いわく、

●ゲイリーはソーシャルメディアだけで事業を拡大したわけではない

●核となる実績なくして、ソーシャルメディアでのブランディングはできない


等々、本書を読んで舞い上がりそうな方を戒めてらっしゃいます。

ただ、ぶっちゃけ戒められて「(´・ω・`)ショボーン」となってしまう方も多そうな……?


◆また、ソーシャルメディアは「人脈を可視化する」ものである以上、場合によっては活用できないケース(人)もいるというお話も。

例えば金森さんご自身が、「堅い職業」から「非常にやわらかい仕事」まで多岐にわたる会社の経営をしてらっしゃるため、ソーシャルメディアでのブランディングはできないそう。
 たとえば、ゲイリーが「ワインライブラリーTV」だけでなく、カジノを経営していたり、金融業をやっていたり、他人におおっぴらに言えない商売をやっていたりしたら、そんなにオープンマインドでソーシャルメディアと向き合えるはずはないわけです(あくまで仮に、の話ですよ)。
私も本業が比較的「堅い」仕事なため、やはり当ブログを絡めたところでの展開は難しいところですね。
 
逆に金森さんはこうも言われてらっしゃいます。
 言葉を換えれば、フラットでオープンな姿勢を打ち出し、単一の事業領域でビジネスを展開している企業には、ゲイリーの提唱するソーシャルメディアを使った「サンキュー・マーケティング」は最適と言えるわけです。
当てはまる方は、ぜひともご検討を。


これからの時代のワントゥワンマーケティングがここに!

ザ・サンキュー・マーケティング
ザ・サンキュー・マーケティング
解説■本当の意味でのワントゥワンマーケティングが実現する(金森重樹)

第1部 サンキュー・マーケティング=ビジネスの原点!

第2部 サンキュー・マーケティングで勝利する方法

第3部 サンキュー・マーケティグの成功例


【関連記事】

【豚組なう】「小さなお店のツイッター繁盛論」に学ぶ5つのポイント(2010年06月29日)

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【個人ブランディング】あなたが『Me2.0』を買うべき3つの理由(2010年05月02日)

フリーで使える「ビジネス・ツイッター」100選(2010年03月07日)

【スゴ本】『「ツイッター」でビジネスが変わる』ジョエル・コム(著),小林啓倫(訳)(2009年11月07日)


【編集後記】

◆今さらですが、ゲイリー氏の本はこの作品から読むべきでしょうね。

~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)
~Twitter、Ustream.TV、Facebookなど、ソーシャルメディアで世界一成功した男~ゲイリーの稼ぎ方(ソーシャルメディア時代の生き方・考え方)

タイトルに「稼ぎ方」なんて入っているので、苦手な方もいるかもしれませんが、至って真っ当な内容です。


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この記事へのコメント
               
smoothさんこんにちは。いつもご紹介ありがとうございます。Cooking with Dog とかをみていると、動画ブログの可能性の大きさについて感じられますよね。素晴らしい感想に加えて動画の事例も添付していただいてありがとうございます。実は、本書の事例にでてくるのと同じく、1年前にうちの歯科医院でもグルーポンでホワイトニングのキャンペーンをやったんですけど、そこから定着する患者さんがほとんどいなくて大変でした。審美系と保険の患者さんは親和性がないんですよね。

Posted by 金森重樹 at 2012年02月03日 00:05
               
>金森重樹さん

監訳者様直々のコメントありがとうございます。
実は"Cooking with Dog"は知りませんでした。
今見ましたが、なかなか面白いですね〜(
衛生管理上どうなの、とは思いますが)。

グルーポンの件も興味深いです。
いずれは金森さんご自身が、こういったテーマでご本を書かれるのを期待しております。

今後ともよろしくお願いします。


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年02月03日 03:53