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2011年11月19日

【50のメッセージ】『藤田晋の成長論』


藤田晋の成長論
藤田晋の成長論


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日ご紹介した中の1冊である、藤田晋さんの新刊。

本書のあとがきによると、やはり日経ビジネスアソシエでのコラムを再編集したものだそう。

アマゾンの内容紹介から。
何が成長のために必要なのか、何が成長を妨げるのか。
成長を継続・加速させた い人だけでなく、成長の鈍化を危惧している人にも役立つ50のメッセージ。
24歳で起業し、環境変化が激しいネット業界で走り続けてきた藤田氏ならではの成長論がぎっしり詰まった1冊。
クールに見えますが、なかなかアツい方なのだな、とw


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【ポイント】

■1.「すべて自分の責任」と覚悟し、言い訳しない
「説明」と「言い訳」の違いは、態度で分かります。例えば、「予期せぬトラブルが起きて…」という発言。「自分は全く悪くない」と思っての発言は、その気持ちが態度に表れます。当然、そうなると聞き手は「言い訳」と捉えるでしょう。
 一方、「すべて自分の責任だけれども、こういう事情で問題が起きて…」という気持ちで発言した場合は、聞き手は「説明」と受け取ります。ポイントは、「すべて自分の責任」と覚悟を決めて話しているかどうかではないでしょうか。


■2."運"で片づけると成長しない
 そもそも運には、きちんとした正体があります。運と思われている事柄の大半は、運ではありません。「運が良い」と言われている人の多くは、泥臭い努カを積み重ねて周りから運が良いと思われる状況を築いています。(中略)

 時間軸で見た時に、今現在の事象だけに注目すると運に左右されたと感じてしまいますが、過去を振り返って考えれば、それは運ではなく必然だということが分かります。長い目で見て手を打っているかどうか。幸運に見える人は、中長期的に考えて事前に手を打っています。それが花咲く時、周りは「運が良い」と言うわけです。


■3.あえて空気を読まない応用力を持つ
 例えば、空気を読みつつも、「空気を読まないで行動するとどうなるか」とイメージしてみてはどうでしょう。そうすれば、単に空気を読めて満足してしまうことはなくなります。(中略)

 空気を読んでいないかのような態度を取ると、「天然だね」とか「鈍感力がすごいね」とからかってくる人が少なからず出てきます。皆さんの周りにも天然と思える人がいるかもしれませんが、少なくとも仕事ができる人は、天然ではなく意識的に空気を読まずに行動していると思います。


■4.小さくとも約束をしたら実現を目指す
 どんなに曖昧でも、小さい案件でも、約束を交わしたら、必ず自分のToDoリストに入れて、実現の可否はともかく、自ら実現へ向けて動きましょう。「約束して実現すべく動いた。けれども無理だった」となれば、諦めもつきますし、相手も「単なる社交辞令だと思っていたのに、しっかり詰めてきた」と好意を持ってくれるかもしれません。
 誘いのフレーズをあたかも社交辞令のように使うことが常態化している現在、改めて"言葉の重み"について考え直してみてはいかがでしょうか。


■5.藤田流ホウレンソウのやり方
30%の仕上がりで一度上司に報告をして、方向性などを確認します。そして、期日の2〜3日前までこ7O%まで持っていく。この段階で、上司の求めている最低限の要件を満たしておくことが大切です。そして、残りの日程でプラスアルファを想像し、完成度を高めていく。当たり前のようですが、こうすると「あいつに頼むと予想以上の仕上がりになる」と評価されます。


■6.正しい方法で"初心"に立ち返る
 自分探しは否定しませんが、少なくとも今の自分を形成している原点を見つけられなければ、心底納得はできないだろうし、恐らくおかしな方向に進んでいってしまうと思います。これまで全く追いかけてこなかった子供の頃の夢を今から追うのは無謀です。そういう自分探しは、単なる現実逃避に過ぎません。
 原点や軸が見つからない人は、過去を振り返るのではなく、中長期の目標を定め、まさに"今"を初心として設定するといいでしょう。


■7.圧倒的な強みを持つまで弱みは見ない
 そもそもビジネスは、自分の価値を会社なり顧客なりに提供していくものです。そういったプロ意識があれば、自分の強みを生かそうとするのが当たり前。そう考えると、圧倒的な強みを持っていない状態で、弱点を何とかしようとするのは、プロ意識に欠けると言えます。
 例えば、将来のためにと、苦手の英語やプログラミング言語の勉強に時間を割いている人がいます。その行為を全否定するわけではありませんが、それが本当に「自分の圧倒的な強み」になるかどうかは、冷静に考えた方がいいと思います。結果を出せなかったり、仕事に生かされなかったりして、徒労に終わるかもしれません。


【感想】

◆本書のあとがきに、藤田社長の著書でよく言われることとして「すごく普通のことが書かれているけど、実は忘れがちな大切なことが書かれている」というものが挙げられています。

そして本書もまさにそう。

「王道」と言えば「王道」、「真っ当」と言えば「真っ当」な言葉が、ほぼ全編を通じて展開されています。

この辺、かつての盟友であったホリエモンとは違うところ。

何せあちらは、トリックスターよろしく、「常識の真逆」を狙ってましたから。


◆ただ、その「常識的な内容」に、藤田社長の体験なり経験が加味されているのが、本書の魅力。

上記ポイントの3番目では、「計算して空気を読まない」ことを推奨されていますが、実際、藤田社長は「計算君」と言われたことがあるのだそう。

それに関しては、「ビジネスの世界で生きている以上、計算して動くのは当たり前」とバッサリ。

「本当に天然で仕事をしているとしたら、その方が心配です」とまで言われてるんですが、「二番煎じは意味がない(キリッ)」とブログで言った翌日に、「Amebaなう」って言うのも、計算した上のことだったのか……?

          ,      /〃ハヾ  / ∧∨〃、ヾ} l| :}ミ;l\
        /〃// / 〃l lヽ∨,〈ヾ、メ〈 }} ;l リ ハ l`!ヽ.
          //' /,'  ,' 〃 l l川/,ヘ丶\;;ヽ/:'/〃∧ l ト、:l !
         〃,'/ ;  ,l ,'' ,l| レ'/A、.`、\;;ヽ∨〃/,仆|│l }. |、
         i' ,'' l| ,l ' l. !| l∠ニ_‐\ヽ;\,//,イ| l | l ト/ λ!   、
.        l ;  :|| ,'i:/ l| |:|: |``'^‐`ヾ∨`゙//|斗,l ! | ,タ /l.| l  三__|__
       l ' l |」,' l' lハ |'Ν    ̄´ /` ,|l_=ミ|! ly' ,〈 :|| |  口 |
        |l .l H|i: l | ゙、| l        _.::: ,!: l厂`刈/ /!} :l|    ‐┬‐
        |! :l |)!| ! |  ヽ      '´ ’/'_,.   ノイ.〃/|!    │田│
        l|l |l 「゙|l |`{             ..   _   |}/,ハ l     ̄ ̄  
       |!l |l、| !l :|.      ‘ー-‐==ニ=:、__j:)  l'|/|l リ    、 マ
ヽ ̄ニ‐、__.」乢!L!lヱL」__           ー、 `'''´   从「 /     了 用 
 \ `ヽ\      /l |       / ̄´     //        '"`ー‐
.  ,、  l  ゙、    / ' |、      {        /l/         ,
   '}  l  ゙,    /   |:::\      }     ,.イ/          レ |  
   l  l   l  ,.イ   l:::::::::\__   `'-‐::"// |′          ノ
   l   !   K ヽ,、 \「`''''''''"´:::::::;;:" //          
.    l   l   ト、\( _.... ヽ  .:.::::::::;;″ /'       _    
\   |  l|  八、ヽi´    | .:.:::::::::::::i' .:/'"´ ̄ ̄ ̄ ,.へ\



◆一方、「なるほど」と思ったのが、ポイントの最後の「弱みは見ない」こと。

あくまで「圧倒的な強みがない状態で」という前提付きではあるものの、ここまでハッキリ「英語(例えばですが)を不要」と言い切られるトップも珍しいカモ。

同じネットサービスでも、楽天のような、英語公用語化はありえなさそうです。

もちろん、おっしゃりたいのは「選択と集中」であり、「強みに集中すべき」なのは当然のこと。

私も相変わらず、FacebookやGoogle+を放置しているのですが、それらをマスターしたり、閲覧する暇があったら、もう1本記事を書くようにします!

(`・ω・´)キリッ


◆本書は、前作的位置づけである『藤田晋の仕事学』が良かった方なら、迷わず「買い」でしょう。

また、経営者とはいえ、まだお若いだけあって、威圧的なところも皆無。

今回は割愛しましたが「"他人の嫉妬"とうまくつきあう」といったお話を読むと、何故に自慢話を話されないのかが分かる気がします。

様々な経験の上澄みを、淡々とまとめられている分、ある種の凄みを感じたワタクシ。

ビジネスパーソンが、会社生活の中で成長していくためのツボを、良く押さえた1冊だと思います。


ビジネスパーソンがスキルアップするために!

藤田晋の成長論
藤田晋の成長論
第1章 成長を続けるためには
第2章 コミュニケーションカを高めるには
第3章 折れない心を作るには
第4章 アイデアを実現するには
第5章 本物のリーダーになるには


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【スゴ本】『20代で人生の年収は9割決まる』土井英司(2010年12月21日)


【編集後記】

◆お待たせしました!

この本、在庫復活しました。

6時間でできる!2ケタ×2ケタの暗算―岩波メソッドゴースト暗算
6時間でできる!2ケタ×2ケタの暗算―岩波メソッドゴースト暗算

私もさっそく到着待ちでございます。


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