スポンサーリンク

2011年10月29日

【オススメ】『自分のアタマで考えよう』ちきりん


自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、自称「おちゃらけ社会派ブロガー」ちきりんさん待望の新作。

ネタはちきりんさんのブログでもお馴染みのものであっても、「文章としてはゼロからの書き下ろし」ということで、かなり大変だったよう。

参考記事:『自分のアタマで考えよう』内容紹介(叱られたからやり直し!) - Chikirinの日記

ちなみに、本書で俎上に乗せられるネタにはこんなところが(アマゾンの内容紹介より)。
◎プロ野球の将来性
◎結論が出ない会議の秘密
◎少子化問題のゆくすえ
◎婚活女子の判断基準
◎消費者庁が生まれた真相
◎就活で失敗しない方法
◎自殺の最大の原因
◎電気代の減らし方
◎NHK、BBC、CNNの違い
これらを斬るための「ちきりん流・思考の11のルール」とは?


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【ポイント】

■1.情報ではなく「意思決定プロセス」が必要
 私たちがなにかを決めるときには「情報」とは別に「意思決定のプロセス」が必要です。たとえば、ある洋服を買おうと思ったけれど価格を見て買うのをやめたとしましょう。その意思決定ができるのは、「その洋服の価格」という情報を集めたからではなく、「この質、このタイプの服に関しては、1万円以下でないと私は買わない!」という意思決定プロセスを自分の中にもっているからです。(中略)

先ほどの社長直轄プロジェクトも同じです。彼らは情報ばかり集めていて、「どういう情報があれば、どんな結論を出すべきなのか?」という意思決定プロセスについてなにも考えてきませんでした。だから情報が集まってもなにひとつ決まらないのです。


■2.合計特殊出生率を上げても少子化問題は解決しない
 たとえ合計特殊出生率がこれから一切下がらなくても、親の人数がここまで減ってしまえば当然に子供の数は急減します。
 重要なことは、「合計特殊出生率を上げる」という少子化対策だけではこの問題はもはや解決できないということです。もちろん合計特殊出生率を今より下げないことは重要です。しかしそれだけでは解決できないほど急速に「親世代の人数が減る」というのが、日本の現状なのです。


■3.比較の基本は「縦と横」
 ちきりんが社会人として最初に証券会社で働きはじめたとき、先輩に「企業分析の基本は二種類の比較だ。財務データはまず競合他社と比較すること。その次に、過去と現在を時系列に比較すること。まずはそれだけでいい」と教えられました。
 以前に対談させていただいたライフネット生命保険の出口治明社長も、いつも「縦と横に見る視点が重要」とおっしゃっています。これも、「縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること」と、「横=他者比較=国際的な視点でものごとを見ること」とのことですから、やはり比較といえばこの二種類を覚えておくべし、ということなのでしょう。

「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由
「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由

参考記事:【自分軸の大切さ】『「思考軸」をつくれ』出口治明(2010年06月27日)



■4.レベルをそろえると本音がわかる
「なんだかレべルがそろっていないな。おかしいな?」と気がついたら、わかりやすくなるよう同じレべルのものをそろえて書き、レべルを整理してみるとよいでしょう。そうするとレべルがそろっていない本当の理由が浮かび上がってきます。
 アフリカの人口を個々の国ごとに言えないのは、そうしてしまうと「アフリカでのチャンスが大きい!」と言いにくくなるからです。「非正規での働き方を望んでいる人もいる!」などと言い出すのは、正社員になりたいのに、なれずに放置されている人への対策を考えたくないからでしょう。
 同じように、消費者庁などという省庁が必要になるのは、他の省庁が相変わらず消費者のことなど考えず、ひたすらに担当業界の権益確保や規模拡大のために存在しているからともいえるのです。


■5.自分独自のフィルターを見いだし、それで勝負する
 世間から与えられた「業種」や「企業規模」といった既存のフィルターにそって必死で就職活動をする学生と、「とにかく新機能を増やして価格を下げればいいはず!」と「機能」や「価格」以外のフィルターを探そうともしない企業の姿勢は、ある意味でよく似ています(報われない努力のために疲労困憊しているという点でも両者は同じ状況にあります)。
 重要なことは、与えられたフィルターになんの疑問ももたず、そのまま受け入れて必死に頑張ることではなく、「自分(自社)独自のユニークなフィルターを見いだし、それで勝負していこう!」という発想に転換することです。
 自分独自の選択基準を見つけること、それがなにであるかを考えること、それこそが「自分の頭で考える価値のあること」なのです。


■6.思考を視覚化する
 私はブログでもよくグラフ、図や絵などの視覚化情報を使うのですが、その際、最初は言葉で考えたことを「この考えを図にすると、どんな感じになるかな?」と思いながら書いてみます。すると、図の配置や順番をどうするのか、形を丸にするのか四角にするのか、どこに色をつけるべきかなど、迷うことがたくさん出てきます。言語で考えていたときには抜け落ちていた思考部分について(=抜け落ちていたことにさえ気がつかなかった部分について)、絵にするためには明確にする必要が出てくるからです。


■7.思考と知識の理想的なカンケイ
 新たな情報が手に入ったときには、「この情報を納めるのに適した思考の棚はどんな棚だろうか?」と考えましょう。複雑な棚である必要はありません。シンプルな二次元(縦軸×横軸)の表でいいのです。
(1)知識は思考の棚の中に整理すること
(2)空いている棚に入るべき、まだ手に入っていない知識を常に意識すること
(3)それらの知識が手に入れば言えるようになることを、事前に考えておくこと
これが、ちきりんが考える「知識と思考の、理想的なカンケイ」なのです。


【感想】

◆付箋を貼ったところから、ザーッと気になった部分を上記で挙げてみましたが、このうち具体的な事例について踏み込んでいるのは、2番目だけ。

もちろん、個々の事例についての分析(思考)についても「目からウロコ」とばかりに付箋を貼っているのですが、基本的にネタバレを防いでおります。

ただ、それ以上に大きかったのが、そういった事例の「斬り方」が見事だったこと。

前作も「スゴ本」だったのですが、どちらかと言うと、ちきりんさんの「斬り口」にばかりに私は目が行ってました。

それに対して本書は、「いかにその結論に達したか」の「考え方」が主なテーマです。

まさにタイトル通り「自分のアタマで考えよう」ということかと。


◆そしてその「思考」のために大事な要素の1つが「視覚化」ということで、本書には、図がふんだんに使われております。

いつもなら、携帯でパシャっと撮って画像を貼っちゃうところですが、上記ポイントの6番目に「ブログでもよくグラフ、図や絵などの視覚化情報を使う」とあったので、ちきりんさんのブログの写真館から同じものを探してみました。





上のグラフは何の説明書きもないですが、本書ではしっかり解説されていますのでご安心を。

ただ、私が一番ツボった「階段グラフとビジネスプロセスを組み合わせた図」が見つからなかったのが残念でした。

過去1年分のエントリーをほぼ全部チェックしたのですが、見つからずに断念……。


◆ところで、極めて個人的に気になっていたのが、冒頭のネタの中にもあった「婚活女子の判断基準」というお話。

これは婚活女子が男性を「2×2」の二次元の表で判断するものです。

いくつかある基準(顔やら身長やら家柄やら)の中からちきりんさんが挙げられているのが「相性」と「経済力」(その是非は別としてw)。

両方とも高ければもちろん「即ゲット!」で、両方とも低ければ「圏外」になります。

では、片方だけ高い場合には彼女らはどういう対応をとっているのか……?

男性の立場から考えると、女性の接し方が微妙な場合の理由が分かるかも(詳細は本書を)。

ただ、ちきりんさんは『「経済力」は女性側からはコントロール不可能』と言われてますが、むしろ「経済力」(の妥協点)の方が「女性からの歩み寄りが必要」だと思うんですけどね(と、自分のアタマで考えてみたw)。


◆今までロジカルシンキング本やフレームワーク本を何冊か読んできましたが、それらと比べても本書の読みやすさや面白さは際立っています。

ひとつには、本書で扱っているネタが、ガチガチのビジネス寄りのネタではなくて、ほぼ全部身の回りや社会のことだったりするからかと。

もっとも、大事なのはタイトルにもあるように「自分のアタマで考える」こと。

本書の「さいごに」にもこうあります。
 自分の頭だけで考えていると、最初は泣きたくなるくらい幼稚な考えしか浮かんできません。ついつい答えを見たくなってしまいます。考えの深い人や博識な人が近くにいれば、すぐにその人の意見を聞きたくなってしまいます。でも、そこをグッとこらえて自分で考えるんです。
 この「自分の頭で考える」という、非効率ではあるけれどもすばらしく楽しい思考の世界を多くの方に楽しんでいただきたいと思っているし、そしてそのために、この本が少しでも役に立てばと願っています。

目からウロコの「思考のワザ」を身につけるために!

自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう
序 章 「知っている」と「考える」はまったく別モノ
     プロ野球の未来について考えてみよう
第1章 最初に考えるべき「決めるプロセス」
     会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?
第2章 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
     合計特殊出生率が上がっても少子化は止まらないです
第3章 あらゆる可能性を検討しよう
     日本にも格安生活圏が必要では?
第4章 縦と横に比べてみよう
     戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道
第5章 判断基準はシンプルが一番
     婚活女子を見習おう!
第6章 レベルをそろえて考えよう
     生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた
第7章 情報ではなく「フィルター」が大事
     就活のための企業研究が無意味なワケ
第8章 データはトコトン追い詰めよう
     自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?
第9章 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
     階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!
終 章 知識は「思考の棚」に整理しよう
     世界の大事件、NHK、BBC、CNNはこんなに違ってた


【関連記事】

【人気ブロガーがデビュー】『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』ちきりん(2011年01月20日)

【自分軸の大切さ】『「思考軸」をつくれ』出口治明(2010年06月27日)

【オススメ】『そこまで言うか!』勝間和代,堀江貴文,西村博之(2010年09月06日)

【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)

【強力!】「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」勝間和代(2008年06月15日)


【編集後記】

◆今日ご紹介したちきりんさんのデビュー作。

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法
ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

今回、改めて自分の書いた上記の記事を読んで、読み返したくなりましたw

さすが「月間100万PV」ブロガーは違います!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 10:00
Comments(0)TrackBack(0)ビジネススキルこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/51972371