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2011年10月25日

【速報】『スティーブ・ジョブズ I』が想像以上に濃厚だった件


スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ I


【本の概要】

◆いよいよ本日から発売されるスティーブ・ジョブズの「本人公認」の評伝の1巻。

都内では昨日から(お店によっては朝から)店頭に並んでいました。

2巻に分かれているのにもかかわらず、この1巻だけでも448ページというボリューム!

私も夕方からスタバにこもったり、誰もいなくなった事務所で夜中まで読み続けて、何とか読了できました。

その結果はこのようなことに……。




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【所感などなど】

■ジョブズ本人の希望により作られた本

◆本書の他の多くの本との一番の違いは、小飼さんも指摘されていたようにジョブズの希望により著者のウォルター・アイザックソンによって書かれた本であるということ。
どうして私に伝記を書いてほしいと思ったのか、ジョブズに訊ねてみた。
「話を聞きだすのが上手だろうと思ったからさ」
そのアイザックソンは、以下の自伝の著者でもあります。

アインシュタイン その生涯と宇宙 上
アインシュタイン その生涯と宇宙 上

キッシンジャー―世界をデザインした男〈上〉
キッシンジャー―世界をデザインした男〈上〉

余談ですが、前者については、下巻の当初の翻訳のずさんさが話題になったこともありましたがw

一方、本書の執筆に際しては、ジョブズは全面的に協力。
ジョブズへの取材は40回ほどもおこなった。パロアルトの自宅の居間で本格的におこなったインタビューもあれば、えんえんと散歩しながら、あるいは車中、電話でおこなったものもある。彼のところへは18ヵ月ほど通ったが、その間、ジョブズはどんどん打ち解け、細かなところまで教えてくれるようになっていった。
また、ジョブズの話の裏どりや肉づけをおこなうため、「合計100人を超える彼の友人、親族、競争相手、敵、仲間などからも話を聞いた」とのこと。

それは濃厚にもなります罠。


■その誕生から『トイ・ストーリー』まで

◆下記目次の通り、本書はジョブズの誕生から、名作『トイ・ストーリー』のヒットまでが、その範囲となっています。
第1章 子ども時代 捨てられて、選ばれる
第2章 おかしなふたり ふたりのスティーブ
第3章 ドロップアウト ターンオン、チューンイン
第4章 アタリとインド 禅とゲームデザインというアート
第5章 アップルI ターンオン、ブートアップ、ジャックイン
第6章 アップレ供.縫紂璽┘ぅ犬量詭世
第7章 クリスアンとリサ 捨てられた過去を持つ男
第8章 ゼロックスとリサ グラフィカルユーザインターフェース
第9章 株式公開 富と名声を手にする
第10章 マック誕生 革命を起こしたいと君は言う……
第11章 現実歪曲フィールド 自分のルールでプレイする
第12章 デザイン 真のアーティストはシンプルに
第13章 マックの開発力 旅こそが報い
第14章 スカリー登場 ぺプシチャレンジ
第15章 発売 宇宙に衝撃を与える
第16章 ゲイツとジョブズ 軌道が絡み合うとき
第17章 イカロス のぼりつめれぱ墜ちるだけ
第18章 ネクスト プロメテウスの解放
第19章 ピクサー テクノロジー・ミーツ・アート
第20章 レギュラー・ガイ 凡夫を取り巻く人間摸様
第21章 『トイ・ストーリー』 バズとウッディの救出作戦

基本的には時系列通りかと。

ただし、第20章はジョブズの女性遍歴(?)や彼の子供たちについて言及しています。

最初の娘、リサのお母さんであるクリスアン・ブレアンや最後の妻であるローリーン・パウエルの存在は有名ですが、その間のことは私は全然知らなかったワケでして。

特に「某有名フォーク歌手」との交際は、有名なんですか(ググってもヒット数が少ないので、ネタバレ自重)?

ちなみに、最近ネット上で話題になった、ジョブズの実父との遭遇の話は、この第20章に含まれています。


■「捨てられた」という思い

◆ジョブズが養子だったことは、両親がオープンだったこともあり、本人も知っていました。

ただ、本人は一部否定しているものの、その後のジョブズの考え方等に影響を及ぼしていたよう。
「なにかを作るとき、すべてをコントロールしようとするのは彼の個性そのもので、それは「生まれたときに捨てられた」という事実からくるものだと思う。環境をコントロールしたいと考えるし、製品は自分の延長だと感じているようだ」
 そう語るのは、長年、いっしょに仕事をしてきたデル・ヨーカムだ。
それはまた、後にアップルを追放された際の落ち込みようにも反映されていた模様。
ジョブズがここまで落ち込んだのもわからないではない。ジョブズにとってスカリーは父親的存在だった。マイク・マークラも。アーサー・ロックも。この1週間で、3人すべてに捨てられたのだ。赤ん坊時代に拒絶されたという原体験が呼び起こされたのだろうと、友だちで弁護士のジョージ・ライリーは言う。
「彼にとっては、そここそが自分だ、というほど大事な部分なのだと思います」
 だから、マークラやロックなど父親的存在に拒絶されると、自分はまた捨てられたと感じてしまう。

◆一方で、自分が赤ん坊のときに「捨てられた」ように、自分自身もリサを捨てたことに関しては、このように後悔していました。
あのときは、違う対応ができればよかったなと思う。あのころは自分が父親になるというのが想像できなくて、きちんと向き合うことができなかったんだ。でも、僕が父親だとする鑑定結果をおかしいと思ったことはない。あの子が18歳になるまで養育費を払うことにも同意したし、クリスアンにもある程度のお金を渡した。パロアルトに家を見つけて手を入れ、ただでふたりに住まわせたりもした。あのあと、母親は学校に通っているけど、その学費も僕が払ったんだ。正しい行動をしようと僕なりの努力はしたつもりだ。でも、やり直せるものならやり直したいと思う。
その後大きくなったリサとは同居をしたりしているのですが、詳しくは本書にて。


■「現実歪曲フィールド」は後から習得したものだった

◆ジョブズの代名詞のように使われる「現実歪曲フィールド」ですが、これは元から彼に備わっていたものではなかったそう。

本書ではその件に関して、ジョブズが強く影響を受ける「ある人物」が登場します(詳細は本書の第3章にて)。

当時の友人だったダニエル・コトケの弁。
「彼が入ってくると、皆、すぐに気づくのです。リードに来たころのスティーブは真逆でした。それがロバートと付き合うようになって、少しずつオーラをまとうようになりました」
ちょっと信じられないのですが、コトケによると当時のジョブズは「恥ずかしがり屋でおとなしく、引っ込み思案」だったとか。

ちなみに、このジョブズ特有の言動に「現実歪曲フィールド」と命名したのは、マックチームのソフトウエアデザイナー、バド・トリブルで、『スター・トレック』のとある回から思いついたそう。

詳細については、第11章の「現実歪曲フィールド 自分のルールでプレイする」にてご確認を。


■ジョブズとゲイツの確執

◆かつては盟友だったジョブズとビル・ゲイツも、GUIをめぐって、対立。

「アップルから盗んだ」とののしるジョブズに、ゲイツの「伝説の一言」が発せられます。
「なんと言うか、スティーブ、この件にはいろいろな見方があると思います。我々の近所にゼロックスというお金持ちが住んでいて、そこのテレビを盗もうと私が忍び込んだらあなたが盗んだあとだった――むしろそういう話なのではないでしょうか」
私はこの一言だけ知っていましたが、その前後の展開を知らなかったため、この話が含まれる第16章は非常に興味深く読めました。

また、すぐ感情的になる(実際、よく泣いてます)ジョブズに対して、冷静なゲイツ。
「感情的な相手のほうが得意なのです。私自身は感情の起伏が少ないものですから」
いかにもゲイツらしいお話です。


■『1984年』と『Lemmings』

◆アップルがスーパーボウルで放映したCM『1984年』は、多くの方がご存知でしょう。



ならば、その翌年に、同じようにスーパーボウルで発表されたこちらは?



その後のジョブズの失速を予感させるような謎のCM。

その経緯については、第17章にて。


【まとめ】

◆私自身が読了済みのジョブズ関係本については、以前こちらでご紹介させて頂きました。

【全11冊】私の読んだジョブズ&アップル本あれこれ(2011年10月09日)

本人非公認の伝記等については未読なため、一部、ジョブズファンならガチガチに既知の内容も上記で触れているかも。

それでも本書は「ジョブズ公認」だけあって、今回新たになった話も多く含まれているのだと思います。

もちろん公認だからこそ、ジョブズを持ち上げている可能性はどうしても否定できないのですが。


◆ただ、例えばジョブズをアップルから追放したジョン・スカリーについても、私は冷徹に切り捨てたものだと思っていましたが、本書を読んで、想像以上にスカリー自身もダメージを受けていたことがわかりました。

事実、ジョブズの解任直後にスカリーも辞任を決意しています(結局は慰留されてとどまりますが)。

このように、必ずしもジョブズだけをヒーローにしているのではない点も、本書の特徴と言えるかと。

著者のアイザックソンも、「矛盾する記憶はなるべく公平に取り扱うとともに、情報源を明確に示すように努めた」そうですし。


◆本書は読み応えはありますが、ポイントだけをまとめたビジネス書ではない分、「読んでストレートに成果が望める」わけではありません。

それでもアイザックソンはこう言っています。
「彼の物語には示唆に富む部分と注意しなければならない部分の両面があり、そしてイノベーション、キャラクター、リーダーシップ、価値についての教訓が含まれているのだ。
確かにスティーブ・ジョブズという稀代のカリスマの人生から、学べる点は私たちにも多々あるかと。

そして当然、「この続き」も読みたくてたまらないわけなんですがw


今だからこそ、読みたい1冊!

スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ I


【関連記事】

【全11冊】私の読んだジョブズ&アップル本あれこれ(2011年10月09日)

【スゴ本】『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』カーマイン・ガロ(2010年07月11日)

【スゴ本再び】『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則』カーマイン・ガロ(2011年06月27日)

【名言】「スティーブ・ジョブズ名語録」桑原晃弥(2010年08月05日)

【若き日のジョブズ】『ジョブズはなぜ、「石ころ」から成功者になれたのか?』桑原晃弥(2010年09月28日)

【Apple】「スティーブ・ジョブズ神の交渉力」竹内一正(2008年05月28日)


【編集後記】

◆当然こちらでは、II巻目をご紹介しなくては。

スティーブ・ジョブズ II
スティーブ・ジョブズ II

ジョブズの復帰やらiMacやらiTunes、iPod、iPhone、iPad等々、現在のアップルの製品群がいよいよ登場です!


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Posted by smoothfoxxx at 08:30
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スティーブ・ジョブズ II 【本の概要】◆今日お送りするのは、一週間ほど前にご紹介したジョブズの伝記の続き。 参考記事:【速報】『スティーブ・ジョブズ I』が想像以上に濃厚 ...
【神話完結】『スティーブ・ジョブズ II』ウォルター・アイザックソン【マインドマップ的読書感想文】at 2011年11月03日 10:03
この記事へのコメント
丁寧な書評、ありがとうございます。ほかの伝記も訳しましたが、今回、とても公平な取り扱いになっていると思っています。いい面も悪い面もとりあげてある、と。

翻訳については、よろしければ、私のブログのほうをご覧ください。
Posted by 井口耕二 a.k.a. Buckeye at 2011年10月25日 20:33
>井口耕二 a.k.a. Buckeyeさん

翻訳者様直々のコメントありがとうございます。
井口さんにおかれましては、日経BPさんのジョブズ本でもお世話になりました。
ご紹介頂いた井口さんのブログのエントリー、私のTwitterのTLではガンガン流れてきており、午前中の時点で3つとも拝読させて頂きました。
とにもかくにも、大変な作業、お疲れ様でした。

私も今回の記事は、読むのに5時間、書くのに3時間かかっていましたが、井口さん大変さに比べたら屁みたいなものですネ(笑)。
2巻目も楽しみにしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年10月26日 01:24
"かつては盟友だったジョブズとビル・ゲイツ" にびっくり。

「某有名フォーク歌手」も気になります。





Posted by せんちえ慶次 at 2011年11月10日 14:39
>せんちえ慶次さん

ご無沙汰です!
あれ?そのコメントだと、まだご本読まれてませんね!?
至急読んでくださいマセ〜!!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年11月11日 07:29