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2011年10月22日

【時間術】『「結果を出す人」の手帳の秘密』美崎栄一郎


「結果を出す人」の手帳の秘密
「結果を出す人」の手帳の秘密


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日のアソシエの手帳特集号の記事でもご紹介した、美崎栄一郎さんの手帳術本。

自分が手帳を持たない人間のため、実は手帳術本自体はそれほど興味がないのですが、手に取ってビックリ。

「これ、手帳術本というより時間術とか仕事術本ではないですか!」

アマゾンの内容紹介から。
「手帳は、自分の時間をコントロールするための台本なのです」仕事ができる人の「手帳の秘密」を公開!時間の調整・スケジューリングの仕方、実行するときの思考方法など、目からウロコの1冊。
確かに「良い意味で予想を裏切られた」1冊でした!


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【ポイント】

■1.1日の案件を3つ以上いれない
これは実は佐々木かをりさんの手帳術がヒントでした。彼女の手帳術では、あらかじめ実行する時間を書き入れることを推奨していました。この考え方を改良しました。わざわざ実行する時間を書くのは面倒なので、実行する時間を前後に確保し予定を詰めすぎないように意識する。3時間をブロックとして、つまり打ち合わせ+実行時間と孝えるようになったのです。そうすると、1日5行だけ書ければよいので、月間の予定欄だけですむようになりました。


■2.時間をしぼりだすために道具を使う
 道具を買う私の基準は、今使っているものとり「スピードが速くなる」か「質が上がる」かです。iPhoneを買ったいちばんの理由も、メールを見る時間が短くなるからで、それだけでも意味があると思いました。
 メールについては、iPhoneでも添付ファイルは開けますが、小さい画面で拡大して見るのは効率が悪いわけです。添付ファイルが早く開けて見やすいiPadのほうが絶対いいと思って購入しました。
 自分の仕事を早くできるのは、どの道具なのかを考えて、新しい道具を買う/買わないを決めています。


■3.立ち仕事には「疲れないサポーター」
 価格が1万円ほどなので、「ストッキング(実はサポーターですが)に1万円?」と思っていましたが、足が楽になるという4万円の靴を買うつもりだったので、思い切ってストッキングを買ってみたのです。
 効果があるのかどうか、3日間の立ち仕事のときに試してみました。初日、いつものとおり仕事をすると、案の定、足はクタクタです。仕事が終わったあとは何もやりたくありません。そして2日目にストッキングをはいてみたところ、信じられないぐらい楽でした。
 3日目は「洗濯してでも翌日もはこう」と思ったくらいで、それ以来、立ち仕事が多い日には愛用しています。

(スキンズ)SKINS パワーソックス
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■4.日付チェックにはATOK
 ATOKの機能で気に入っているのは、カレンダーが不要になることです。たとえば「○月×日」と打つと、「△曜日」と瞬時に変換されるのです。「今日」と打って変換すると、「○月5日」と出て、「昨日」と打つと「○月4日」、「明日」と打つと「○月6日」とサッと出てきます。
 私の場合、もうこれだけのために導入したといっても過言ではありません。日付を入れるためけっこう時間を取られていたからです。(中略)

 8000円ぐらいのお金を出しただけで、作業を減らせるのです。今やっている作業の時間が短縮されるツールを買うということは、その時間をお金で買っているということですから、常にアンテナを張って、自分に必要な新しいツールを探すようにしています。

ATOK 2011 for Windows [ベーシック] 通常版
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■5.自分しかできない仕事を探す
 自分しかできない仕事を探し、それをこなせるスキルを身につけると、その仕事は全部自分に回ってくるため、やりたい仕事ができ、しかも社内で自分の価値も高くなります。
 その結果として、自分があまりやりたくない仕事を振られなくなるのです。(中略)

 ポイントは、誰もやっていない仕事で、しかもそこに自分が価値を見いだせる仕事という点です。この逆の仕事、つまり、自分はやりたくないけれど、自分しかできない仕事をしては、時間がもったいないでしょう。
 私も入社して何年かは、やりたくなくても言われた仕事を全部やっていました。新入社員とはそういうものでしょう。しかし、雑用的なやりたくない仕事で私しかできない仕事をつくると、それをずっとやり続けないといけないことに気がつきました。「やりたくない仕事を"自分しかできない仕事"にしたらいけないんだ」ということです。


■6.会社の人と時間外に過ごすことの意義
 それまでは、会社の人と会社の時間外まで食事をする、飲み会をすることは時間の無駄だと思っていました。仕事の話は会社の就業時間にすればいいのですから。
 しかし、そういう時間は、建設的な話が出ることに意味があるのではないことがわかったのです。人間関係が円滑に流れるようになることに意味があるわけです。
 そう考えると、この時間にも意味がある。何気ない時間を大事にしないといけない、何気ない時間をつくるために、仕事の時間を効率よくしようと工夫するのです。


■7.何か聞かれたらすぐその場で対応する
 子供ができる前は、仕事でもプライべートでも、何かで割り込まれて自分の時間を中断させられるとイライラしていました。
 子供ができてからは、やっていたことを中断して、すぐその場で対応することがいちばんいいということに気づきました。
 それを仕事の面でも取り入れています。部下が質問してきたときはその場で答えると決めてからは、コミュニケーションがすごくうまくいくようになりました。「美崎さんはいつでもすぐ答えてくれる」と思うと、気楽に来てくれます。
「気楽に来られる」ことが、仕事を一緒にしている上ではすごく大事なのです。
 気楽に行けない人のところには、それこそ本当に手がつけられなくなってから行くケースが多いのです。


【感想】

◆本書はタイトルには「手帳」とは入っているものの、表面的な手帳のお話、つまり記入の仕方やどういう手帳を使うか、というお話は最初の「introduction」にしか登場しません。

ただ、そこで述べられていたのが、著名人の手帳の秘密。

著名人を初めとした、さまざまな手帳術や時間術の本を読んで美崎さんが辿り着いた結論は、「手帳に秘密があるわけではなく、時間に対する考え方のところに秘密がある」ということでした。
 手帳に書くと目に見えるカタチになりますが、大事なことは、その手帳に書く内容の時間の調整の仕方、スケジューリングの仕方、実際に実行するときの思考方法なのです。
続く第1章以降、本書もその「思考方法」を主軸に展開していきます。


◆面白かったのが、一見無駄と思われるような時間に対する考え方で、上記ポイントの6番目にあるように、俗に言う「アフター5」まで会社の人と一緒にいることの意義を、美崎さんは見い出されてます。

これらは、昔の日本では、ある意味「当たり前」であったのに、最近の風潮としては否定されていましたが、逆にそこに価値を見い出されたのはさすがだな、と。

確かに一緒にいる時間は、生産的ではないですが、それが仕事をする際にコミュニケーションロスを防ぐのであれば、ペイできるはず。

さらには、次の仕事で一緒になったときにも、同じように仕事が円滑に進むのであれば、おつりがくるでしょう。


◆また、最終章では「プライベートの時間の活かし方」ということで、基本的には仕事以外の時間がテーマです。

最近、時間術本でも、「効率化一辺倒」から、その「質」について触れられているものを見かけるようになりましたが、本書も同様。

とはいえ、ポイントの最後に挙げたように、子供との過ごし方から、仕事での対応の仕方を編み出された、というのがミソです。

結局、効率的に仕事をこなすことで、プライベートに余裕が持てたからこそ、割りこまれても対応できたのであって、この辺は「うまくサイクルが回っている」と言えそう。

一方、プライベートに余裕のない私は、子供に中断させられると「後で!」と言ってしまっているのですが。

  (ノ∀`)アチャー ←ダメじゃん


◆個人的には、ポイントの5番目にある「雑用的なやりたくない仕事で私しかできない仕事をつくると、それをずっとやり続けない」というお話に、グサッと来ました。

「まるで昔の私のことじゃないですか!」

そう、会社員時代、私はとある「雑務」を極めたため、社内で自分だけがその問題に対処できるようになってしまいました。

挙句の果てには、期末になると問合せや依頼が殺到し、電話中に次から次へとかかってくる別の電話のメモが、電話機に貼られまくっていたという。

「やりたくない仕事を"自分しかできない仕事"にしたらいけない」と、当時の私に伝えてやりたかった……。


◆本書の「はじめに」で美崎さんが言われているのが、本書は「普通のサラリーマンができるものになるよう」意識して書かれたそう(美崎さんは普通のサラリーマンじゃないですがw)。

なるほど、経営者や独立した方の手帳術と違い、妙に(?)リアリティに溢れています。

さらにはプライベート面(特に子供)もカバーしている、という点で、私にとっては広い意味での「時間術」の本として、非常にしっくりしました。


普通のビジネスパーソンなら読むべき!

「結果を出す人」の手帳の秘密
「結果を出す人」の手帳の秘密
introduction
1 時間に対する考え方
2 時間に投資する
3 仕事時間をどう活かすか
4 移動時間の活かし方
5 プライベートの時間の活かし方


【関連記事】

社会に出る前に知っておくべき『最強の人生時間術』のこと(2011年09月02日)

【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)

【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)

【時間術】「エンジニアのための時間管理術」Thomas A. Limoncelli(2008年06月13日)

【時間管理&仕事術】「儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方」吉澤 大(2008年02月28日)



【編集後記】

◆何やら都内某大手書店で売れまくっているらしいのがこちら。

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

場所柄もあるのかもしれませんが、2日で200冊弱というのは凄すぎます。


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この記事へのコメント
               
お邪魔します。守男です。
この本、買います。
手帳活用を、どうすればいいか悩んでたので。
ただアフター5を、一人で過ごしたいので・・・
会社の同僚と飲むのは、典型的な時間の無駄と決めてるので・・・
でも、多大な参考になりそうです。

学びを有難う御座います。
Posted by 守男 at 2011年10月22日 13:42
               
>守男さん

お気に召されたようで何よりです!
もし、ウチでお買い上げ頂けてたのなら、感謝です(涙)。

本書では美崎さん流の手帳の使い方にも触れられていますが、やはりキモとなるのは、時間に対する考え方だと思います。
私も会社員時代は、あまり同僚と飲まなかった(部署が海外グループで忙しかったこともありますが)のですが、逆に休日に一緒に遊びに行ったりしてたのが良かったのかもしれません。

そして、学びはこの本から得て下さいね!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年10月23日 01:51