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2011年09月23日

【オススメ!】『僕は君たちに武器を配りたい』瀧本哲史


僕は君たちに武器を配りたい
僕は君たちに武器を配りたい


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の『武器としての決断思考』と同日に発売された、瀧本哲史さんのもう1冊のご本。

『武器としての決断思考』も良かったですが、当ブログ的にツボだったのは、むしろ本書の方でした。

単行本でそれなりに厚い(300ページ弱)のにも関わらず、丸善丸の内店では初回入荷分が瞬殺とのこと。

私も思わず付箋を貼りまくりました!




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【ポイント】

■1.ブラック企業の見分け方
 まずべンチャー企業で注意すべきなのは、新しいサービスや市場で、非常に業績を伸ばしているように見える会社だ。売る商品が決まっていて、急激に拡大している市場があり、多数の会社がその市場に殺到しているときは、シェアの奪い合いになる。そのため短期間に大量の営業社員を募集する必要が出てくるわけだが、得てしてそういう会社はブラック企業になりやすい。(中略)

 いつの時代でもこうした会社は存在するが、ITブームのころに各地で携帯電話の販売店を大量出店した某社や、最近でいえばクーポンビジネスのトラブルで話題となった某社の業種などが、まさにこのタイプのブラック企業と言えるだろう。


■2.士業でもマーケティング的発想で稼げる
 最近の会計士の業界で、いちばん儲けているのは、企業向けにそれぞれカスタマイズした「節税商品」を作っている人々だ。税金というのは、法規制がコロコロ変わる。そのため、それに合わせて節税のやり方も変わってくる。だから税制と会計に専門知識を持ち、企業に合わせて節税商品を作れる会計士は、コモディティにならないのである。
 さらに進んで、節税できた金額のうち何%かを成功報酬としてもらうというビジネスを始めている会計士もいる。その場合、節税のリターンをクライアントとシェアできるので、たくさんの利ザヤを稼ぐことができる。そのため公認会計士の中で、いちばん儲けているのは、節税商品を専門にしている事務所なのだ。


■3.現在、凋落している業界にチャンスが眠っている
イノべーター的な観点からすれば「落ち込んでいる業界にこそ、イノべーションのチャンスが眠っている」と考えられる。
 なぜなら、それらの事業の根本が、人間の知的欲求を満たしたいという思いや、より快適な場所に住みたいという根源的な欲求に基づいているからである。問題はその欲求に、既存の業界大手企業が提供する商品やサービスが応えられなくなっていることであって、ニーズ自体が消滅しているわけではまったくないからだ。


■4.すぐれたリーダーとはある種の「狂気の人」
 学校では「みんなの上に立つ人はすばらしい人」と習うが、現実の歴史では、そういう「すばらしい人」が、人の上に立って何か大きなことをなしたことはほとんどない。
 日本人の多くは、謙虚ですばらしい人格を持ったリーダーを好むが、そういう人は実際にはリーダーにはなれないのである。歴史に名を残すレべルの企業を作ったようなリーダーというのは、みなある種の「狂気の人」であることが多いのだ。


■5.住宅ローンはリスク管理できない人のもの
 日本では結婚して子どもができたあたりから、ローンを組んで家を買うのが当たり前のような風潮があるが、それは銀行や不動産会社などから「そう思い込まされている」だけの話だ。経営者でもない普通の人が、数千万円の借金を背負うのは家を買うときがほとんど唯一の機会である。
 そうすると、それだけの借金がどれぐらいの意味を持つのか、また35年というローン期間には、どんな予測不可能な事態が待ち構えているのか、正確なリスクを計算することができなくなってしまう。銀行と不動産会社が作った35年ローンという仕組みはそうした「リスクを正確に計算できない人々」を狙った商品であると覚えておいたほうがいい。


■6.トレンドとサイクルを見分ける方法
 トレンドとは、長期的な視点で、一定方向に世の中が変化していくことを指すときにも使われる。(中略)
 それに対して「サイクル」とは、より短期的な、「繰り返す」変化のことを呼ぶ。(中略)

 ある出来事が、サイクルなのか、トレンドなのか、これから世の中にどのような影響を及ぼしていくのか。それを見分けるための感度を磨くために私がオススメする方法は、2年前の日経新聞や日経ビジネス、週刊ダイヤモンドなどの経済紙・経済情報誌をしばらく読んでみることだ。あるとき日経新聞が「注目企業」として取り上げていた企業が、数年後、日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」という人気連載に取り上げられているのを、これまで何度も見てきた。
 一時期は大儲けして急激に社員を増やし人気の企業となったのに、あるときを境に急激に事業が縮小していき、最終的に倒産や民事再生という事態に陥る。そうした企業のほとんどが、時代のトレンドとサイクルを見誤った事業戦略を立てているのである。


■7.合法なインサイダー取引を行う
「株式投資ではないインサイダー取引は、100%違法ではない」と述べたが、それをより具体的にいうと、「公開・非公開は問わず、この会社は伸びると確信したら、株式以外の投資をすればいい」ということである。(中略)

たとえば、「このお客さんは必ず伸びるから今のうちに重点的に訪問してパイプを作っておこう」というのはインサイダー取引ではない。つまり相手が上場企業であっても、株式投資以外の方法で投資するのであれば、何の問題もないのである。
 これから生き残っていくのは、個人も会社も、そうした「投資」をきちんと行っていけるかしる。先行きが見えにくい時代たからこそ、ある時点でのひとつの投資活動が、その後の自分の未来を大きく変えるのである。


【感想】

◆本書は、下記目次にもあるように、最初の3つの章で「現状」について分析を行い、それに続く第4章で「生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ」について解説しています。

このうち「生き残れない2つのタイプ」とは
1.商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)

2.自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
の2つ。

一方、「生き残る4つのタイプ」とは
3.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)

4.まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)

5.自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)

6.投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)
の4つ。

そして第5章からの4つの章では、これら「生き残る4つのタイプ」について、実際の具体例を交えてさらに掘り下げています。


◆まずは「マーケター」。

分かりやすい例として、上記2番目のポイントでは「士業」について挙げましたが、従来「士業」は資格があるだけで食べていける側面がありました。

ただし、提供するサービスに差異がないと、もはや士業ですらコモディティに過ぎず、そこから脱却できるのが「マーケター」である、と。

ちなみに、士業の世界に「マーケティング的思考」を大胆に持ち込んだ中の一人が、金森重樹さん。

例えばこの本は、従前の士業に慣れ親しんだ人からしたら、「目からウロコ」の1冊でしょう。

超・営業法
超・営業法

参考記事:「超・営業法」 金森重樹 (著)(2005年06月02日)

具体的な手法は、行政書士向けですが、考え方自体は「マーケター」そのものです。


◆同じように、「イノベーター」や「リーダー」についても、それぞれ第6章、第7章にて分析。

面白かったのが、「イノベーター」における「あえて潰れそうな会社に入って徹底的に研究し、潰れる前に退職して、そこを叩き潰す会社を作る」という考え方です。

日本での具体例として挙げられていたのが牛丼の松屋で、もともと松屋は吉野家がもとになって生まれた会社なのだとか。

また、「リーダー」についても、その多くが何らかの「コンプレックス」に突き動かされているのだそう。

読者の皆さんも、もしこういった「負の側面」があるのならば、「リーダー」になる素養をお持ちなのかもしれません。


◆なお、「投資家」の登場する第8章は、実は一番付箋を貼っております(割愛した部分も含めて)。

とにかく考えるべきは、「リスク」と「リターン」であり、瀧本さん曰く、人生の重要な決断をするときに覚えておくべきは、「リスクは分散させなくてはならない」のと「リスクとリターンのバランスが良い道を選べ」の2点とのこと。

その意味で最悪なのがフランチャイズチェーンで、「ハイリスク・ローリターン」の最たるものだそう。

そして第9章の冒頭では、京都大学で「起業論」を指導している瀧本さんが、IBTECという全世界規模の学生向けのビジネスプランコンテストに、学生を率いて出場し、日本の大学で初めて決勝ラウンドの8チームに残ったお話が登場します。

参考記事:インテルR 教育支援プログラム : IBTEC

この部分は、実は本書の大きな読みどころの1つなので、お見逃しなく(今回は割愛しちゃいましたが)!


◆本書を読んで最初に思ったのが、「橘玲さんにテイストが似ている」ということ。

それはお二人とも「投資」が専門であるからか、「リスクとリターン」について冷静に分析しているからかもしれません。

と言うわけで、以前から好きな作家さんとして橘玲さんを挙げていた私としては、本書もオススメしないワケには参りませぬ。

新人さんが同時に(しかも同日に)2冊出すとは、結構常識はずれですが、それに値するクオリティでした。


久々に激オススメ!

僕は君たちに武器を配りたい
僕は君たちに武器を配りたい
はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり
本書で手に入れた武器


【関連記事】

【スゴ本!】『武器としての決断思考』瀧本哲史(2011年09月22日)

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【相互依存】『人生を10倍自由にするインターディペンデントな生き方実践ガイド』勝間和代(2010年12月10日)


【編集後記】

◆本書と一緒に読んで頂きたいのが、昨日ご紹介したこちらです。

武器としての決断思考 (星海社新書)
武器としての決断思考 (星海社新書)

2冊とも大ヒットの予感。


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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この記事へのコメント
とっても勉強になりそうな本ですね!

教えて下さりありがとうございます。
Posted by マグロ船 齊藤 正明 at 2011年09月23日 18:04
>マグロ船 齊藤 正明さん

この本は、マジでオススメです!
ぜひご覧あれ!

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年09月24日 09:02