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2011年06月22日

【55のメソッド】『教える技術』石田 淳


行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術
行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「行動科学マネジメント」でお馴染みの石田淳さんの最新刊。

今回のテーマは、「教える」ことであり、まさに行動科学マネジメントにピッタリではないか、と。

アマゾンの内容紹介から。
企業経営者、現場のリーダー層から短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えると絶大な支持を集める、日本の行動科学マネジメントの第一人者の「教える技術」。「ほめ方」「しかり方」はもちろん、新人・中途社員・大人数など場面で使える55のメソッド。どこからでも読めて、スグ使える「教え方」が満載。「行動」を変えれば、人が変わり、会社も変わることを実感できる本。
他人に任せられず、ついつい自分で抱え込んでしまう方にはオススメです!


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【ポイント】

■1.成功談ではなく失敗談を話す
成功談ではなく「こんなミスをしたことがある」「私も新人の頃には、そういうことがまったく理解できなかった」「こうやったら、うまくいかなかった」といった失敗談をフランクに話してください。
 そうすることで、「あ、この人も自分と一緒なんだ」という共感が生まれ、その結果、その先輩や上司が教えてくれることを受け入れやすくなるのです。


■2.ビジネスと教育の時間軸の違いを理解する
部下の教育がうまくいかないと悩んでいる人の話をうかがうと、このビジネスと教育の時間軸の違いを理解していない方が、とても多くいます。人を育てる立場であるリーダーや管理職は、自分のなかに「短時間で結果を出す、ビジネスの時間軸」と「数ヵ月から数年かけて取り組む、教育の時間軸」の両方を持つこと、そして教育の時間軸を常に意識しながら"今月末までにこれをやりなさい"という指示や要求を出すことが求められるのです。


■3.教える内容を「知識」と「技術」に振り分ける
 たとえば、ボーリング初心者にボーリングを教える場合なら、教えるべき「知識」にあたるのが、投球のマナー、ゲームの基本ルール、ボールの選び方、ボールの回転と軌道の関係性、スコア表の記号の意味など。
 一方の教えるべき「技術」は、ボールの持ち方、助走の仕方、投球フォーム、ボールのコントロール法といったことになります。(中略)

 教える内容を「知識」と「技術」に分けることで、指導手順の決定や、その人にはどこからどこまで教える必要があるか? の見極めが、すっきりと体系的にできるようになります。


■4.指示や指導は具体的な表現に言語化する
「真心をこめる」の場合、たとえば"商品は必ず両手で渡す""そのあとお客様の目を見てから会釈をし、そのまま3秒間静止する"というふうに具体化すれば、誰でもその行動ができますし、サボりようがありません。そうすれば、お客様からは「このお店の接客には真心がこもっている」と感じていただけることでしょう。


■5.指示は1度に3つまで
 人間は一度に数多くのことを言われても、それを受け止めることができません。
 私は一度に伝える量の限度は、具体的な行動で3つまでだと思っています。
 たとえば営業であれば、「1日4件訪問すること」「挨拶はこういうふうにしなさい」「忘れずにパンフレットを渡す」といったレべルの3点が限界です。
 "部下が思うように働いてくれない!と言っている方たちは、みな求めることが多すぎるのです。


■6.100点をとる成功体験で成長をサポートする
 部下の教育や育成は、上司からのはたらきかけやサポートによって、その効果をよりいっそう高めることができます。代表格とも言えるのが、その部下が確実に成し遂げられる仕事を与えて、成功体験を積ませるという手法です。(中略)

 仕事がわかっていない人、教えてもできない人を引き上けるには、確実にできる課題を与えて100点をとらせること。
 早い段階でこうした達成感をたくさん持たせることで"やればできるんだ"と思えるようになるので、そこから徐々に、レべルの高い課題を与えていく。
 このような過程を、上司がつくっていくことがとても大切です。


■7.その人の人格や性格を叱らない
「キミはだらしないから、業績が上がらないんだ」「普通なら誰だってできることができないなんて、どういう育ち方をしたのか?」……。
 こう言われた部下や後輩は、いったい何を直せばよいのでしょう?
「いつもぼけっとしているから、仕事ができないんだ」と言っても、何の解決にもなりませんし、そう言われた部下はその上司への信頼感を確実に失うでしょう。
 あくまでも、焦点を絞るのはその人の「行動」です。
(やるべきなのに)やらなかった行動、(やってはいけないのに)やってしまった行動だけを対象にしなければいけません。


【感想】

◆石田さんの「教える系」のご本では、以前こちらをご紹介したことがありました。

超!部下マネジメント術-1/3の時間と労力で人が育つ!インストラクショナルデザイン-
超!部下マネジメント術-1/3の時間と労力で人が育つ!インストラクショナルデザイン-

参考記事:【Amazonキャンペーン有】「超!部下マネジメント術」石田 淳(2009年01月23日)

内容については、上記参考記事を読んで頂くと宜しいのですが、ぶっちゃけ結構難しかったワケでして。

それに比較すると、本書は分かりやすく書かれており、非常に読みやすかったです。

また、ハック系の作品のように「55の教える技術」として、それぞれの内容を独立させているのも良かったかと。

全部を実践することは難しくとも、できるものから選んで取り入れれば良いと思います。


◆なお、基本的に本書はビジネスシーンで活用すべき内容なのですが、実はそのまま「子育て」にも応用可能。

というか、具体例として「子育て」が出てくるところも何か所がありました。

例えば、お母さんが子どもの「毎日30分勉強する」という行動「のみ」に焦点を当てていたため、読めないほど汚い字で書いていたことに気がつかなかった、というお話。

これは結果的に「30分勉強する」だけでなく「汚い字で書く」という行動まで強化していたという例なのですが、「それ何て我が家」状態ですよ(マジで)!

……いえ、本来は「上司は部下の勤務時間だけでなく仕事の中身にも注目せよ」というお話なんですけどね。


◆また、ノーマルの「教える技術」とは別に、最終章では「大人数に教える場合」として、セミナー等で「教える」場合の注意事項もアリ。

本書のテーマとは若干ズレるので上記ポイントでは割愛しましたが、人材開発分野の第一人者、ロバート・パイク氏による「90/20/8法則」なるものを、ここでご紹介しておきます。
・研修は90分以上連続して続けない
・少なくとも20分ごとに形式に変化を与えたり、研修のペースを変えたりする
・8分ごとに参加者を研修に参画させる
自分自身、セミナーに参加してダレることもあるので、この法則は納得しました。


◆上記で触れたように、本書は読みやすいのが特長です。

ですから、ご自分が部下や後輩の指導に悩む方だけなく、そういう方に差し上げるのも良いかもしれません。

もちろんベースとなるものは「行動科学マネジメント」ですが、表面に出ているのはほとんど最低限の部分だけであるため、過去、石田さんの著作を読んで苦手意識を持たれた方でも大丈夫だと思います。

私もさっそく、子育てに活用してみようかと。


応用範囲の広い1冊!

行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術
行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術
CHAPTER 1「教える」前に心得ておいて欲しいこと
CHAPTER 2 上司がやるべきことは
CHAPTER 3 部下のためにできることは
CHAPTER 4 どう伝えるか
CHAPTER 5 どのくらい教えればいいか
CHAPTER 6 ほめることが大切
CHAPTER 7 「叱る」と「怒る」は違う
CHAPTER 8 継続させるために
CHAPTER 9 こんな場合はどうするか?
CHAPTER 10 大人数に教える場合

【関連記事】

新入社員が選ぶ超イカした『人気講師のすごい教え方』10選(2010年11月03日)

【オススメ!】「できる新人指導者の躾けるチカラ」落合文四郎(2009年02月03日)

【Amazonキャンペーン有】「超!部下マネジメント術」石田 淳(2009年01月23日)

【Amazonキャンペーン有】『部下の「やる気」を育てる!』小林英二(2008年09月24日)

【五者たれ!】「できる人の教え方」安河内哲也(2007年07月24日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本に関係して。

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】
アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

なかなか面白そうなヨカン。


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