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2011年02月21日

【名手の技術】『プロアナウンサーの「伝える技術」』石川 顕


プロアナウンサーの「伝える技術」 (PHP新書)
プロアナウンサーの「伝える技術」 (PHP新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、カテゴリーとしては、プレゼンテーションですが、スピーチや講演に役立つ1冊。

著者の石川 顕さんは、元TBSのスポーツ担当アナウンサーで、"「リピート率日本一」の人気の講演講師で、現在でも全国各地をめぐること年間150回を超える"方でもあります。

なるほど、プロアナウンサーらしく、基本的なものからハイレベルなものまでテクニックが満載。

また、スピーチに使えるちょっとした小ネタも勉強になりました!


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【目次】

第1章 いい声はだれでも出せる

第2章 話術は「間術」である

第3章 スピーチ・プレゼン達人術

第4章 「つかみ」の極意

第5章 これはNGフレーズです

第6章 日本語の力


【ポイント】

■1.両肩を開き、口端を1センチアップさせる
 まず、椅子に浅く腰かけて、背骨をピーンと伸ばします。
 次にここがポイントなのですが、両肩をグッと開きます。(中略)
 そして、顔を上げる。その際、上げすぎないように顎を少し引きます。するとどうしても、表情が硬くなってしまいがちです。
 そこで肩の力を抜くために、唇の両端を1センチ上げて、にっこり笑ってください。(中略)
 すると、自然といい声が出るのです。


■2.言葉を心地よく伝える鼻濁音
 鼻濁音(鼻に息を通して発する音)とは、通常の「ガギグゲゴ」という濁音を「ンガ、ンギ、ング、ンゲ、ンゴ」と発音します。このように「ン」を前につけると簡単にできるテクニックです(ここでは鼻濁音を「カ゜キ゜ク゜ケ゜コ゜」と便宜的に表記します)。
 たとえば「音楽」は「オンガク」ではなく「オンカ゜ク」。こうすると、汚い濁音を耳に心地よい音に変えてくれます。(中略)
 一方、「ガッコウ」(学校)や「ギンイロ」(銀色)のように、語頭は鼻濁音になることはありません。


■3.一本調子を避けるために句読点にも大中小のサイズがあると考える
同じ句点「、」「。」でも、それぞれ大中小のサイズがあるとイメージしてください。同じ句点「。」でも、短い"間"のような小さなマルもあれば、「……(3秒くらい)」の"間"をとらなければならないような大きなマルのときもあります。同じ読点「、」でも、「……(2秒くらい)」の"間"もあれば、ポンポンと短い"間"もある。これらを話の内容に応じてうまく使い分けられる人は、しゃべりの名手でしょう。


■4.とちらないためには思い切って単語を区切る
プレゼンテーションでも、自分はこの単語が言いにくいと感じたら、思い切って単語を区切って"間"をとればいいのです。(中略)

 あるスポーツアナウンサーから「石川さん、とちらない方法を教えてください」と質問されたことがありました。「ニュースや実況にしても、石川さんはほんとうにとちりが少ない」と言うのです。そこで思い返してみたら、私は難しい選手の名前などはブツブツ切って読むのが習性になっているようです。よくとちるアナウンサーには、これを教えると「助かりました」とずいぶん感謝されました。


■5.あがり症を克服する呼吸法
 まず目をつぶって、足の裏から空気を吸い込む気持ちで大きく息を吸ってください。その吸った空気を、膝からお腹に、そして胸から頭のてっぺんまで(あくまでそういうイメージで)もっていく。そこで1回止めて、今度はゆっくりと、小さく息をフーッと吐き出す。これを2、3回くりかえすと、たいへん落ち着きます。息を吸うときは自然に、吐き出すときは最後の最後まで思いっきりが肝心です。


■6.「問いかけ」でつかむ
私は講演会や授業で、しばしば問いを投げかけることをします。
「ところでみなさん、人間の一生はおよそ何日くらいだと思いますか? ちょっと考えてみてください」
 ここで、しばらく時間を置きます。
「みなさん、たった3万日なんですよ!」(中略)

 こんな感じで、話し手の問いかけに聞き手が解答を出すキャッチボールを設定すると、双方のあいだに連帯感も生まれます。話題のニュースで「つかむ」ことと共通するのですが、会場の一体感をつくることができれば、「つかみ」としては目的を十分に達成できたといえるのです。


■7.五感に訴える何気ない修飾語を用いる
 冷房がききすぎた新幹線で、「コーヒーいかがですか」より「温かいコーヒーいかがですか」と言われたら、ふと飲みたくなりますよね。「温かい」のひと言でコーヒーの芳ばしい香りまで漂ってくるような気がします。実際、車内でこうして声をかけていた販売員の売り上げは高かったそうです。なるほど、何気ない修飾語が予想以上に人間の心理に訴えることがあるのだなあと、あらためて感じました。


【感想】

◆今までご紹介してきたプレゼン系のご本と違って、声の通りや、あがったり、とちったりしないためのTipsが多いのが、本書の特徴かと。

特に鼻濁音というのは、知識として聞いたことはありましたが、プロはそういう点まで意識されていたとは(常識?)。

事例として挙げられていたのが、都はるみさんの『北の宿から』。

サビの「♪女〜心の〜」の「おんなごころ」という部分を、当初「コ゜コロ」ではなく、思いっきり「ゴコロ」と歌っており、聞いていたTBSのアナウンサー全員が思わず苦笑いしたのだとか(その後しばらく経ってから鼻濁音に直して録音済みとのこと)。


◆また、ポイントの冒頭でも「唇の両端を1センチ上げて、にっこり笑う」とあるのも、別に相手に対して好印象を与えるためではなく、いい声を出すため。

何でも、笑顔になって顔の筋肉が上がると、骨格もそれにつられて上がり、それによって頭頂にある共鳴腔が開いて、まろやかな響きのあるいい声になるのだそう。

共鳴腔って聞いたことがなかったのですけど、ググってみたら、なかなか面白いサイトが(立教大学グリークラブさん)。

【高音・低音が出ないのは…】

石川さんのこのやり方は、のちにラジオ番組のインタビューで骨格を研究している大学の先生に確認してお墨付きをもらっているので、スピーチで抜きんでたい方はお試しアレ。


◆ところで、結婚披露宴の司会を務めることもある石川さんは、数多くの来賓者の名スピーチにも接しており、本書にはその事例も収録されています。

その中でも印象的だったのが、小泉信三氏の本の中にある手紙から引用されたフレーズ。

学徒出陣で海上作戦に参加するという報せを受けた、息子信三氏に宛てたものです。
<<君の出征に臨んで言って置く。吾々両親は、完全に君に満足し、君をわが子とすることを何よりの誇りとしている。僕は若し生まれ替って妻を択べといわれたら、幾度でも君のお母様を択ぶ。同様に、若しもわが子を択ぶということが出来るものなら、吾々二人は必ず君を択ぶ。(後略)>>
自分も人の親として、このスピーチには色々と考えさせられることがあったワケでして……。

海軍主計大尉小泉信吉 (文春文庫)
海軍主計大尉小泉信吉 (文春文庫)


◆今回は特に触れておりませんが、第5章はNGフレーズ集。

注意しておきたい敬語や、面白いところでは「結婚式で使ってはいけない言葉」等々。

「破れる」とか「切れる」がいけないのは知ってましたが、「重ねて」や「ふたたび」もいけなかったとは!

ビジネスシーンのみならず、それに付随するシーンでも役立ちそうな1冊です。


スピーチはプロに学ぶべし!

プロアナウンサーの「伝える技術」 (PHP新書)
プロアナウンサーの「伝える技術」 (PHP新書)


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【編集後記】

◆昨日の未読本記事に載せ損ねたのですが、これも気になる新作。

ベッカー教授、ポズナー判事の常識破りの経済学
ベッカー教授、ポズナー判事の常識破りの経済学

取り扱っているネタも『超ヤバい経済学』系っぽいですしw


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Posted by smoothfoxxx at 08:30
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