2011年02月19日
【会話力】『誰とでも仲良くなれる人の聞き方・話し方』岩崎一郎

誰とでも仲良くなれる人の聞き方・話し方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ちょっと変わったコミュニケーション本。よくある「話し方の本」の著者とは違い、本書の著者である岩崎一郎さんは、コテコテの研究者タイプ、かつ、対人恐怖で44歳まで人付き合いが苦手だったお方。
ところが、渡米をきっかけに「日米合わせて3000人に声をかけて」データを収集し、会話のパターンやタイミング、話題の選び方等を研究したのだとか。
……って、これ自体が研究者タイプですねw
本の帯に「話がうまい人のマネは、逆効果でした」とあるように、話下手な方ほど納得できるかも!?

【目次】
chapter1 まずはここから。盛り上がる会話にはパターンがある
chapter2 盛り上がるきっかけのつくり方
chapter3 相手の話を面白いほど引き出す聞き方
chapter4 場を盛り下げずに話を続ける技術
chapter5 相手に「好印象」を残す会話のコツ
chapter6 会話をもっとスムーズにする論理的な話し方
chapter7 5つの話し方の傾向から探る、ベストな接し方
【ポイント】
■1.会話は最初が大事では、会話を盛り上げるためには何が必要なのでしょうか?
それは、会話のはじまりでいかに相手の注意を自分にひきつけるか、ここがポイントになります。(中略)
私は会話の「初速」と呼んでいますが、話のすべりだしがうまくいき、初速がつけばそのあとで盛り上がる確率がかなり高くなります。
■2.話題を途中で変える「ギア・シフト」は30秒目安で
ギア・シフトするとき、「こんなにすぐ話題を変えたらおかしいのでは?」と思うことがあるかもしれません。ギア・シフトの間隔は、当然感じ方に個人差はありますが、私の経験から導き出した答えは、「30秒」です。それより短い間隔でギア・シフトすると話が無意味に飛んでいる感覚を相手に与えてしまいます。
30秒ごとに少しだけ話のギアをシフトさせると、相手は違和感をあまり感じることがありません。そして何より、話が盛り上がり続けます。
もちろん30秒以上話を続けてもいいですが、話が続きそうもなければ30秒くらいでギア・シフトさせて、別の話題を持ってきていいのです。
■3.盛り上がる会話に「観察」は必要不可欠
私は普段から話をする前に、相手をできるだけ観察するようにしています。
相手が身につけているもの、服装、身だしなみ、手にしているものから鞄や靴など、相手に不審に思われない程度にざっと見渡して、雰囲気を感じとるようにしています。(中略)
観察とは「相手への興味」であり、「相手を理解したいと思う力」と言い換えてもいいかもしれません。
この観察が直観力を鍛え、結果的に前述した「仮説」の精度を高めていきます。
■4.相手の「好きなこと」や「こだわり」を引き出そう
自分に興味を持ってもらうためには、相手自身に興味を示すだけではダメなのです。
相手が興味を持っている「好きなもの」「こだわっているもの」を見つけ、興味を示さなければなりません。
そして、見事相手の興味を引き出すことができたら、さらにその話題を掘り下げていく。
つまり、こだわりをさらに引き出すことが盛り上がる会話の重要なポイントなのです。
■5.女性に多い「感覚タイプ」の人と会話をするときには「感情キャッチ話法」で
私が感覚タイプの人と会話をするときにあ、相手の感情からさかのぼって自分の話をするようにしています。
つまり、次のような順番です。
○「相手の話から感じた感情」→「その感情を表現するイメージ」→「そのイメージに合う自分の体験」
まず相手の話の裏にある感情を受け取り、そのときのイメージを心に描きます。そして、それと同じような感情を持った自分の体験について話すのです。
■6.会話を広げる3つの質問パターン
(1)何が好きですか?
(2)どうして好きなのですか?
(3)(その好きなことをしているとき)どんな気持ちですか?(中略)
なぜ、こうした質問がよいかというと、どれも相手の体験やそれに関連することを聞くものだからです。
これなら「ネタぎれ」は起こりませんし、前項で「記憶」の話をしたように人が体験などを思い出すときには、「そのときの感情」も一緒に湧き上がるので、好きなことを聞けば、相手はとてもいい感情を持ちます。
■7.下心があるとうまくいかない
多くの人はやましい気持ちがあるとき、「私は何も狙っていませんよ。ナチュラルですよ」と本音を隠そうとするので、その言動が余計に「この人は何か隠している、企んでいるな……」という警戒感につながるのかもしれません。
逆説的ですが、たとえば気に入った異性がいて、その人の連絡先が欲しかったとしても連絡先を欲しいと思ってはいけないのです。
これは男性でも女性でも同じです。
まずは自分のギラギラした欲は忘れて、相手を喜ばせることに意識を向けましょう。
そうすれば、自然と次につながっていきます。
【感想】
◆上記のポイントでは、実際に会話例を出していなので分かりにくいのですが、本書で収録された事例のほとんどが、「女性に対するもの」だったりします。これは、そもそも著者の岩崎さんが、女性となかなかコミュニケーションができないことから、米国滞在時に心理学セミナーを受講し、その講師(50代のアメリカ女性)に悩みを相談したことが発端。
セミナーが終わった後も岩崎さんは、彼女に女性心理について教わり、冒頭で触れたように、その流れで「3000人に声をかけて」データを収集されたよう。
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| ` ⌒/ ─' 'ー\
. | /( ○) (○)\
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \ それって、ナンパ(ry
ヽ |、 ( ヨ |
/ `ー─− 厂 /
| 、 _ __,,/ \
というワケで、本書の内容はおそらく「モテネタ」にもなるのだと思われw
◆ただし、少なくとも事例にあるのは、例え「初対面」であるにせよ、ストリートでいきなり声をかけたりするようなものではなく、パーティやちょっとした集まり、さらには、マックの店員さんやお店で相席になった人等々。
それまで話す必然性がないところから、違和感なく会話に持って行くには、どのようにしたら良いのか?
さらに、会話を盛り上げ、場合によっては連絡先まで聞いてしまうにはどうしたら良いのか?
こういった問いに、3000人のデータベースから導き出されたのが、本書のコンテンツなのだと思います。
◆それぞれについて言うなら、「ギア・シフト」の30秒ルールというのは初見でしたが、その他のTIPSは意外にもオーソドックス。
例えば、相手を「観察」して、「好きなこと」や「こだわり」を引き出す、というのは、この本でもお馴染みですね。

モテる話術 (ソフトバンク文庫NF)
参考記事:【モテ】「モテる話術」(2008年05月16日)
なお、男女によって違うらしく、女性は「身に着けているもの」、男性はモノそのものより「モノやコトを成し遂げた『努力』や、その『成果』」にこだわりが強い傾向があるとのこと。
女性については、まさに上記の参考記事にある「それ、どうしたの?」という問いかけのやり方ですし、男性は「相手の武勇伝を聞く」というメソッドを類書で読んだ記憶が。
◆もちろん、サンプルに多く含まれているであろう外国人(女性?)と、日本人とでは対応が違う可能性は否定できません。
それでも、岩崎さんは「10%が上出来と言われるビジネス成約率を58%に、また、恋愛経験なしの40代独身の恋愛成功率を55%に引き上げる実績を誇る」(アマゾンの著者紹介より)という方ですから、本書の内容は汎用性もあると思われ。
個人的には、第6章の「論理的な話し方」は、本書のテーマから言うと蛇足なような気がしないでもないですが、ビジネスの成約には論理性も必要でしょうし、むしろこの辺の方がアメリカの大学で准教授までされた岩崎さんらしいのかも。
また、今回は割愛しましたが、相手に話しかける前に、「仮説を立てる」ところなども、いかにも「研究者肌」っぽいな、と感じました。
文字通り「人付き合いが苦手」な方に読んで頂きたい1冊!

誰とでも仲良くなれる人の聞き方・話し方
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【これは使える!】「キラークエスチョン」山田玲司(2009年08月19日)
【編集後記】
◆その岩崎さんが、奥様と出会い、結ばれる前を描かれたのがこちら。
出逢いの法則
なかなか評判も良いようですね。

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