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2011年02月04日

【せどり道】『大金持ちも驚いた105円という大金』吉本康永


大金持ちも驚いた105円という大金
大金持ちも驚いた105円という大金

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトルからは分かりにくいですが、俗に言うせどりによって、ローン地獄から抜け出した方の実録体験記。

成毛眞さんのブログで以前拝見して、何となく気になっていたものの、その時点で在庫切れだったので買わずにいたら、なんと成毛さんのブログで最も売れている本とのこと(下記記事から推測すると190冊は超えるハズ)。

『図書』12月号 第742号 「私と本の時間」欄掲載:成毛眞ブログ

最近になって在庫が復活したので、やっと読んでみたのですが、なるほど面白いですよ、これw

本好き、書評系ブロガーの方なら、一読の価値アリです!


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【目次】

第1章 ローン地獄

第2章 アマゾンへの出品

第3章 せどり生活のスタート

第4章 訪れる失敗

第5章 アコーディオン買い

第6章 せどりの日々

第7章 著名人本の価値

第8章 車の買い替え

第9章 パソコンと本の分類

第10章 アマゾン一人勝ち

第11章 せどりのジャンル

第12章 税理士登場

第13章 古物商許可証取得

第14章 さまざまなお客様

第15章 売り上げ記録は更新中だが…

第16章 せどりの技術

第17章 ある日のせどり旅

第18章 ローン地獄からの脱出

第19章 本の運命


【所感などなど】

◆本書は、ノンフィクションとはいえ、「せどりのノウハウ」をうたったものではありません(結果的にそれに触れてはいますが)。

それゆえ、いつもの「ポイント」等は割愛。

個人的に感じたところを書き連ねてまいります。

結果的に(?)ノウハウチックなものが中心なのが私らしいのですがw


●好みと売れ筋のギャップ

◆著者の吉本さんは、もともと読書家であり、家には1000冊ほどの本があった(その前に引っ越しで3000冊ほど処分してしまっていた)方。

そしてせどりを行っていくにつれ感じたのが、「自分の嗜好と売れる本とのギャップ」です。
 あくまで仮定の話ですが、私がリアル古書店を開店していたら、本棚に揃えただろう書籍は、小説、文学、詩、哲学、思想、歴史などのジャンルが中心になっていたと思います。そして、まったく売り上げが伸びず、早晩、閉店のやむなきにいたったのではと想像しています。
ならば売れる本は、どういうジャンルかというと……。


●吉本さんの出品しているジャンルの在庫数ベスト5
 1.医療・看護・介護関係の書籍
 2.パソコン・ネット関係の書籍
 3.理工・化学・生物などの理系の書籍
 4.料理関係の書籍
 5.バンドスコアー
実際に売上高から拾ったものではないにせよ、「売れる本」しか仕入れない以上、在庫のジャンルがこうであれば、おのずとこの傾向になるのだと思います。

確かに普通の読書好きが読むものではないですね。

それぞれのジャンルが、なぜ売れるのかについての考察もされていますが、詳しくは本書にて。


●回転本って何?

◆せどり業界では、せどりしてすぐに売れる本を「回転本」というのだそう。

吉本さんにとっての回転本とは、以下の本だとか。

金持ち父さん貧乏父さん
金持ち父さん貧乏父さん

細野真宏の世界一わかりやすい株の本
細野真宏の世界一わかりやすい株の本

道をひらく
道をひらく

このうち、『金持ち父さん〜』は、さすがに最近は値が下がったので、せどりしない、とのこと。

やはり、「ベストセラーよりロングセラー」なんですね。


●せどりの際の心がけ

◆吉本さんがせどりをするために心がけているのが以下の4点。
 1.タイトルが魅力的な本を見つける
 2.著者の名前をできる限り覚える
 3.出版社の名前をできる限り覚える
 4.ベストセラーよりロングセラー
このうち、4番目についてはマーケットプレイスの値付けを見てもあきらかで、ベストセラーと呼ばれるものは、なまじ流通量が多いため、旬を過ぎるとかえって値崩れが激しいです。

ミリオンを達成したものの多くが、1円で売られているのは、皆様ご存知のことかと。

また、出版社を覚えておくと「単行本を文庫化する恐れ」(文庫化されると単行本は値崩れする)があるかないかが分かるので、これまた必須の知識のようです。


●その他面白い本など

◆本書では、ほとんど各章ごとに「売れて印象に残った本」と題して、タイトルとそのエピソードが挿入されていて、これがまた結構興味深かったりします。

そこで何冊かご紹介。

自由からの逃走 新版
自由からの逃走 新版

⇒翻訳ものとしては代表的なロングセラーで、ブックオフの105円コーナーで見つけたら即せどり。


嵐の秘密―生い立ち編
嵐の秘密―生い立ち編

⇒吉本さんが唯一せどりしたタレント本。


百年の孤独
百年の孤独

⇒なぜか文庫化されない名著。


ビアス短篇集 (岩波文庫)
ビアス短篇集 (岩波文庫)

⇒絶版のため高値で取引されており、新刊書店で買ってアマゾンで売った唯一の本。


●その他感想など

◆何というか、ビジネスとしてせどりをやるのも大変だなー、と言うのが、本書を読んでの率直な感想だったりします。

例えばそれって、私にしてみたら、「株の本が売れるから、株の本を読んで紹介する記事を書く」というのと同じじゃないですか。

そう考えると、なまじ本好きな方にとっては、結構ツライ作業なはず。

もっとも吉本さんはローン地獄を抱えていたので、ほかに選択肢がなかったのだとは思いますが。


◆私の場合は、勉強本もモテ本も好きですし、いわゆるハック系や文房具も大好物なんで、その意味ではこういったミスマッチはあまりないかも。

ただ、いい本だし、オススメしたいものの、あまり皆さんに響かないジャンル、というのはあったりするわけでして。

例えば、マーケティング本やアイデア本、というのは、実際のビジネスシーン等で活かしにくいためなのか、本のクオリティほど反応はないです。

それもあって、「読んだけど記事にできない」⇒「余裕がないので、記事にできない本は後回し」という悪循環にはまりがち。

この辺は、「軽くスルーされるだろうけど記事にする!」という強い意志みたいなものが必要なのかもしれません。


◆本書は、収録されたノウハウ自体は、せどりをしない方にとっては活かせませんが、著者の吉本さんの等身大の成長記として読むと味わい深いです。

なるほど、人間やる気になれば、ここまでできるものなんですよ!

そして、最終章で、著者とその息子さん、さらにはお孫さんとをつなぐこの本のお話には、ちょっぴりジーンときたワタクシ。

つきのぼうや (世界傑作絵本シリーズ・デンマークの絵本)
つきのぼうや (世界傑作絵本シリーズ・デンマークの絵本)

あまりに出来すぎな気がしないでもないですが、本にはそんな「チカラ」があるのだな、と。


古本を巡る冒険の旅にようこそ!

大金持ちも驚いた105円という大金
大金持ちも驚いた105円という大金


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【編集後記】

やはり(?)当ブログではなかなか扱えない村上春樹さんの新作。

村上春樹 雑文集
村上春樹 雑文集

値段はさておき、435ページの大作となっております。


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