スポンサーリンク

       

2011年01月28日

【新境地!?】『残念な努力』美崎栄一郎


残念な努力
残念な努力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、美崎栄一郎さん1月出版群の中の1冊。

スキルフルな作品が多い美崎さんですが、本書は珍しく自己啓発系のコンテンツを取り扱っています。

また、今までの作品とはちょっと違うシニカルな視点と、それを際立たせるかのような軽いユーモアが、過去の美崎さんの作品を知る自分にとっては新鮮でした。

まさに、「一本取られた」1冊です!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

第1章 「ノート」に関する残念な努力

第2章 「サービス」に関する残念な努力

第3章 「時間」に関する残念な努力

第4章 「企画」に関する残念な努力

第5章 「人間関係」に関する残念な努力


【ポイント】

■1.議事録は時系列ではなく、重要なものから
 あなたが、司馬遷(中国の歴史書『史記』の著者)か、司馬遼太郎のような歴史家でもない限り、議事録を時系列で書き綴る必要はない。
 議事録は、あとからその会議の内容、特に決定事項を知るためにまとめているのであって、会議の雰囲気を後世に伝えるためにあるのではないだろう。
 討議した内容と結果がわかれば充分で、書く順番は、重要度が高いものが先に来るのが好ましい。あえて言ってしまえば、議事録なんて最後まで読まれないことも多いのだから、項目を列挙するなら、最初に必要な内容を持ってくるべきなのだ。


■2.仕事のツールにこそお金をかけるべき
 ネクタイは、毎回同じもので商談に臨むわけにはいかないが、ノートやぺンは何度同じものを使っても、着たきリスズメとは言われない。
 実際、私の知っているできるビジネスパーソンは、みんな良い道具を持っている。できないビジネスパーソンで高いスーツは買えなくても、高いツールにはわりと簡単に手が届く。これを使わない手はない。
 さらにいうと、ノートだけでなく、いつも同じものを使っていても違和感のないかばんのようなツールも、良いものを買っておいた方が、相手への印象は良くなる。(中略)

 高級といえど、絶対額は安い投資であるノートのようなツールにお金をかけておけば、普通のシャツやスーツを着ていても、不思議と仕事ができるように見えたりする。そうやっているうちに、真の実力をつければ良いのだ。


■3.球場ではビールだけではなく応援する楽しさを提供すべき
 もしホームランを打った選手、たとえば小笠原道大選手がホームランを打ったあとに、彼のグッズの販売に回ってきたら、どうだろう? 買う確率が上がるのではないか。
 飲み物の種類を増やすより、野球場に来たという体験につながるグッズ販売をした方が、次へ繋がると思うのだが、いかがだろう。
 ちなみに小笠原道大選手は千葉出身だが、そういうプロフィールを電光掲示板に表示するだけでなく、冊子などにして渡してみてもいい。
 よリチームや選手への親近感がわくような材料を、客にどんどん提供するのだ。


■4.駅の「残念」を解決するサービス「えきペディア」
 いらない広告の宕板をそこらじゅうに貼るくらいならば、もっと必要な情報を載せるべきではないだろうか。設備があっても、どこにあるのかわからなければ、意味がない。そんな経験も踏まえて最近、自衛のために、えきペディアというサービスを使うようになった。(中略)

 具体的には、JR代々木駅であれば、都営大江戸線の駅からJR代々木駅北口まで、階段を使わずにエレべーターで乗り換えることができるが、西口側に向かうと階段の上り下りが発生することが、えきペディアを見ればわかる。(中略)

 残念なサービスの裏側には、その残念を解決するための便利なサービスも存在していることがわかるだろう。



■5.空きのあるコインパーキングはわざとだった
「常に空いている箇所をつくるくらいがちょうど良い。いつも満車の駐車場はとめられないと思うから、お客さまが来なくなる。だから1台2台は空いているように駐車場の数を設計することが大事なのだ」
 私はまったく逆の発想をしていた。
 そう言われれば、たしかにそうだ。いつもレジが混んでいるとわかっているスーパーマーケットからは、私も遠ざかっていた。駐車場でも同じなのだ。いつも空いていることによって、車をそこに回そうと考えるのである。
 空いていることが残念なのではない。空いていないことこそが、逆に客の足を遠ざけるのだ。


■6.メールは最初に見た時に処理する
 私の場合、たとえば断りのメールなどは、即答で返事をすることにしている。メールを読む→自分の予定を確認する→他の予定が入っている。その時点でもう断るしかないわけだ。考える必要はない。
「先約があります。ごめんなさい」
 これで、相手は別の相手を探すことができる。(中略)

 基本的にメールは2度読まないで、即決することに決めている。メールを2回開けても、2回目にドラマは起こらない。内容もまったく同じた。変わるはずがない。マンネリ化が進むだけで、新しい気づきがビンビン得られるわけではないだろう。


■7.会うことによってこそ、背後のバックグラウンドや文脈を読み取ることができる
 一度会ってみれば、その人がどんな人か、どんなことをやってきた人かが分かり、その人の発する情報の信頼性も確認できる。そして、年に数回でも会っていれば、そのあとのやりとりは、ネットでもメールでも大丈夫だ。
 しかし、一度もあったことがない人のブログやツイッターなどから発信される情報には、そこまでの裏は読めない。
 つまり、その人に会うことで、背後のバックグラウンドや文脈を読み取ることができるようになり、より深く情報を読み解くことができるのだ。


【感想】

◆本書は、「ノート」「サービス」「時間」「企画」「人間関係」のそれぞれのテーマごとに、美崎さんが日頃「残念」と思われている「努力」が提示され、それに対する美崎さんの提言が述べられています。

この辺、本書が意識したと思われる(多分)山崎将志さんの本と方向性としては似ているかも。

ただし、山崎さんが「コンサルタント・経営者」としての視点であるのに対し、美崎さんはあくまで「サラリーマン」としての視点に立っているのが特徴。

例えば、行き帰りの電車の中で目にしたいくつかのネタが、本書内でどのように活かされているか、といった記述を見ると、何で美崎さんが本業の傍ら、何冊もの本を書くことができるのか分かるハズ。

まさに「残念じゃない努力」の賜物なのだな、と。


◆また、上記で引用した部分でもお分かりのように、美崎さんにしては珍しく、文体が「ですます」調ではなく「である」調になっているのも本書の特徴の1つです。

それに加えて、「残念」な事象をバッサバッサと斬っているので、思い当たるフシのある人はグサっときているかもしれません。

とはいえ、意図してされているのでしょうが、やたらと話に「オチ」がある分、そこはかとなくユーモラスなわけでして。
 私は関西人だが、本の著者としてはその価値を特に活かしていない。人ごとではない。
「まだまだ、想像力も工夫も足りまへんわ」
 と、少し関西弁で文章を書いてみたが、残念な思いつきでしかない。
 関西人なのに、オチで滑るという残念な結末を噛みしめながら、どうやって人の価値を活かせば良いサービスになるのか、残念な人の働かせ方をしている居酒屋に行ったとき、再度考えてみたいと思う。
これをあとがきとかではなくて、本文で書かれている、というのがスゴイ(?)ですw


◆個人的には、取り入れたい点&改めたい点が多々。

特に、仕事のツールは機能性を優先(ジェットストリーム等)していましたが、やはり見た目も大事なんだな、と。

仕事で打ち合わせに使うノートも、今は普通の文具店で買ったものを使ってるんですが、もっと良いものに代えたいワタクシ。

A4サイズのリング式で、高級そうなの、といったらやはりコレですかねぇ……。

マルマン A4 ノート ニーモシネ 5ミリ方眼罫 N180 ブラック
マルマン A4 ノート ニーモシネ 5ミリ方眼罫 N180 ブラック

やはり、もうすぐ発売の美崎さんのこの本を読んで勉強すべきか?

[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!
[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!

ちなみに、美崎さんはポール・スミスのファンだそうですが、私は20年以上前に、コベントガーデンの本店で遭遇したことがあります!←えばりたかっただけw


◆なお、今回の直接のテーマではないものの、本書内で明らかにされている美崎さんの「本作りの秘訣」も見逃せないところ。

企画やタイトル、編集者との関係等々、「いつかは著者に!」と思われている方なら、必読です。

なるほど、本を読みやすくするには、●●●を意識すればいいんですね〜(ネタバレ自重w)。

……と本を書くツモリもない私でも目からウロコの情報がありました。


新たな美崎さんの一面を垣間見れる1冊!

残念な努力
残念な努力


【関連記事】

【仕事術】『残念な人の仕事の習慣』山崎将志(2010年09月21日)

【実践】『たった1分でできて、一生が変わる!魔法の習慣』から学んだ8つの習慣(2010年08月28日)

【働き方】「残念な人の思考法」山崎将志(2010年04月28日)

【一万円】『成功する人だけが知っている「一万円」の使い方 』向谷匡史(2010年08月30日)

【アイデア】『「考え方」の考え方』指南役(2008年10月30日)


【編集後記】

◆昨日からnujabesがヘビロテ中。

もうすぐ一周忌なんですね……。



Modal Soul
Modal Soul

R.I.P.


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。