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2011年01月27日

【20代でもおk】『40歳からの知的生産術』谷岡一郎


40歳からの知的生産術 (ちくま新書)
40歳からの知的生産術 (ちくま新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、社会調査からギャンブルまで多くの著作を残されている谷岡一郎さんの最新作。

本書では、谷岡さんが忙しい中、いかにして「時間を捻出」し、興味を持った分野で「出版にこぎつけられたか」の秘密に迫ります。

アマゾンの内容紹介から。
忙しくて時間はないのに、責任は大きくなるばかり…。増え続けるプロジェクトをこなし、確実に成果を出すにはどうすればいいのだろう?本書は、あなたのパフォーマンスを最大化するための、とっておきの技術を披露する。究極の時間管理術から、ファイルを駆使した情報整理術、情報発信の戦術と戦略まで、今すぐ使えるノウハウの数々を大紹介。少ない時間で最大の効果をあげるための、知的生産の秘訣を明かす。
ノウハウレベルではなく、もう1段上のレベルで考えさせられることの多い1冊でした!


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【目次】

序 10のプロジェクトを同時にこなす時間管理―本書の内容と若干の自己紹介

1 クリエイティブな時間はそれほど多くない―face to faceの情報量と質

2 集中する時間の確保

3 時間を大切にする―無駄な時間の「仕分け」について

4 「本を読む」ノウハウ

5 情報を捨てるためのファイル整理法―時間軸クリア・ファイルの活用

6 知を蓄積する環境―常に持ち歩く2冊のノート

7 セレンディピティ能力

8 自己の方法論を確立する―戦略と戦術の使い分け

終章 最後に笑う者の勝ち


【ポイント】

■1.人は情報量の少ないものに慣れると理解力が衰える
少しの会話で、相手の素性を見抜き、本音とうわべを見極めることのできる人間がいる。しかし長年つき合っても、相手の真意を見抜けない者もいる。そのような者にとってフェイス・トゥ・フェイスの会話も、ケータイのメールも同程度の情報交換レべルでしかないのである。(中略)

 恐ろしいことは、情報量レべルの低い媒体に慣れた人は、より高次の媒体を理解する能カが衰えていく、という仮説である。仮説ではあっても、人間の能力は普段訓練し、習慣づけられたレべルの能力が発達し、それ以外のものが劣化していくことは経験上の真実だ。スポーツや体力など、身近な例を挙げるまでもない。
 ここで言いたいことはもうお分かりのことと思う。普段の生活において、情報量の少ない便利なものだけに頼ると、本来ならもっと得ていたはずの多くの重要な情報を失う結果となる、という筆者の確信である。


■2.集中力は日々の訓練や努力で向上可能である
 2010年現在、日本の囲碁界の第一人者とされるのは張栩(ちょうう)九段(棋聖など四冠)である。この張栩九段が書いた文章がある。(中略)
 また、疲れて寝る前に布団の中で、その日打った碁を頭の中でもう一度再現してみます。頭の中で詰碁をするのはもちろん、脳の中で超高速で石を並ぺたりもします。
 スポーツでも仕事でも同じだと思いますが、普段の練習でできないことを本番で成功させることはできません。脳の体力についてもまったく同じことで、いざ対局の時に最後のひと搾りをしようとしても、いきなりできるはずがありません。普段から「疲れきった脳に最後のひと仕事をさせる訓練」を積んでおかなければならないのです。

勝利は10%から積み上げる
勝利は10%から積み上げる
 すごい内容だ、寒けすら覚える。さておき集中力というものは、日々の訓練や努力で向上可能であることがわかるというものだ。


■3.人と会うためには自分を磨く
筆者が主張するのは、コミュニケートしてもムダな人とコミュニケートするのは、時間が惜しいということだ。会う価値のある人、また必要な人とのコミュニケートは奨励される。逆に言えば、あをた自身も相手にとって会う価値のある人間でないと不公平であろう。お互いにプラスになるコミュニケーションでなければ、そもそも長続きしないと言いたいのである。そのためには、自分を磨く以外の方法はない。


■4.リーダーは間違っても良いが、決断はすべし
 今の世の中、過去に例のない事例に答えを出さなくてはならないケースは(特に組織のリーダーにとって)、いくらでもある。逆に言えば、答えのない事例に答えを出せるものがリーダーであるぺきなのだ。リーダーの決断に人が付いてくるか否かは別の問題であり、リーダーに必要なもうひとつの重要な条件でもあるのだが、何にせよまず「決断できる」ことが重要なのだ。
 正直に言えば、その決断は「結果的に正しい」必要すらない。リーダーは進むべき方向性を示し、皆が同じ方向に行くよう努力するだけでよい。ただ失敗したあとで、「私の決断は正しかったが運がなかった」という説明を皆が受け入れるならリーダーを続けるもよし、そうでない時はリーダーをやめるもよし、というだけのことなのだ。


■5.マニュアルを作る側になる
「世の中にはマニュアルが溢れており、たとえばディズニーランドに行くとしたらどんな順でまわるべきか、どこで昼食を摂るのがよいのか、などと細々と教えてくれるだろう。それらを賢く利用するのは否定しないし、良いことでもある。しかし諸君、こう考えたことはあるだろうか。『どこかにこのマニュアルを作った人がいる』のだと。
 ここであなたがたにあえて問う。あなたがたは将来までずっとマニュアルに従う側でいたいのか。それともマニュアルを作る側になりたいのか。むろん後者だと信ずるが、マニュアルを作る側になりたいなら、常に自分で考えるくせをつけなさい」、と。


■6.レファレンスは知のスタートライン
 聞いた話で恐縮だが、アメリカの社会科学界で最近報告された変数として、「自宅の居空間(リビングルームやキッチン)に、辞書または(百科)事典など(英語で"reference book")が何冊あるか」という質問項目があるそうだ。その論文によると、「3冊以下」と「4冊以上」という回答肢で、その家庭の教育レべル――両親や本人など家族全員についての教育レべル――がかなり(統計学上有意に)異なるという。
 手元に辞書・事典や年表など、いろいろなレファレンス・ソースがあり、その都度参照するくせをつけることは、大変良いことだと思う。ネット上の検索を否定はしないが、漢字や英語のスぺルなど、自分で調べ、自分で書いてみることによって、「手が覚える」という効果があるのだと信じている。そして前にも言及したことであるが、より重要なポイントは、ネット検索で情報を受け入れ続けるくせがつくと、将来、情報を発信する側になる可能性が(きわめて)低くなる、ということ。レファレンス・ブックを手元に置く環境こそは、知を発信するための生活環境の基本だと思うのである。


■7.その人と人生を取り換えたいか?
 筆者は卒業式などで話をする時、こんな話をすることがよくある。

「……世の中には頭にくることが嬉しいことの倍くらいあります。たとえば働き始めるとイヤな上司にいじわるをされることもあるだろう。同僚や部下にもズルイタイプの人がいて、損をさせられるかもしれない。そんな時はこう考えなさい、『この人(イヤなヤツ)と人生を取り替えたいか』と。
 おそらく今日卒業する人は皆こう考えるはずです、『私は私で良かった』と。そう考えない人はまだ、自分の人生に対する哲学を持ちきれていない人だとも言えるでしょう。『私は私で良かった』の次は、その人を許してあげなさい。なぜならその人は(私のようになれないため)かわいそうな人だからです……(攻略)」


【感想】

◆本書は第1章〜第3章までが「時間管理術」、第4章〜第6章までが「情報管理術」、第7章〜第8章までが「知的生産管理術」となっており、いわゆる「知的生産術系の王道」ともいえる構成になっています。

実際、目次をご覧頂ければお分かりのように、「集中する時間の確保」ですとか「情報を捨てるためのファイル整理法―時間軸クリア・ファイルの活用」なんて、モロにそっち系の見出しがついていますし、確かにその内容もあるのですが、本書の価値はもっと別のところにあると思われ。

それが上記で挙げたいくつかのポイント。

知的生産を行う前の「心構え」「考え方」に関するものです。


◆例えば、初っ端の「情報量の少ないものに慣れると理解力が衰える」という話を読んで思ったのですが、日頃から何でもメールで済ませていると、電話ならわかるであろう相手の声の調子やしゃべり方から察知すべき情報も、本当に電話をした際に分からなくなるのではないでしょうか?

さらに、もっと怖いのは、目の前にいるなら気付くべき、相手のちょっとした表情や態度すら、実際に会った時に読み取れなくなる可能性もあるということ。

もちろんこういった事に関しては、読み取るためのノウハウ本みたいなものもあるのですが、そもそも昔だったら、分かって当たり前だったハズです。

やはり昔からよく言われるように、「現場に顔を出すことも大事」なのだなと、出不精の私も反省してみたり。←遅杉


◆また、レファレンスの件は、私の場合は「子育て」の面からも、もっと意識すべきこと。

とにかく本に興味を持ってくれれば良い、とあれこれ与えてきましたが、レファレンス、という観点はありませんでした。

勝間さんが「ひみつシリーズ」好きだというので、こんな本も買ったのですがw

動物のひみつ (学研まんが ひみつシリーズ)
動物のひみつ (学研まんが ひみつシリーズ)

いずれ子供たちに「情報を発信する側」になってもらうためにも、リビングの本棚にレファレンスブックを置かなくては。

とりあえずこんなのとか。

現代用語の基礎知識 2011年版
現代用語の基礎知識 2011年版



◆本書はタイトルに「40歳からの」とは入っていますが、世代関係なく読んで得るところのある良書だと思います。

図や写真を入れられないので完全にカットしてしまいましたが、野口式をベースにしたファイリングシステムや名刺管理法などもアリ。

ただし、ガチガチなデジタル派の方だと、ちと微妙かも。

もっとも、「本来そういう方こそ読むべき本」なのかもしれませんが。


じわじわ来る深い内容の1冊!

40歳からの知的生産術 (ちくま新書)
40歳からの知的生産術 (ちくま新書)


【関連記事】

【知的生産】『梅棹忠夫 語る』小山 修三(聞き手)(2010年09月22日)

【知的生産】『一瞬で伝える「わかりやすさ」の技術』齋藤 孝(2010年05月29日)

【Input&Output】『竹内流の「書く、話す」知的アウトプット術』竹内 薫(2009年05月03日)

【超】『超「超」整理法』野口悠紀雄(2008年09月25日)

【知的仕事術?】「知的生産のためのすごい!仕事術」晴山陽一(2008年06月07日)


【編集後記】

◆今日の「ちょっと気になる本」。

〈アイデア〉の教科書 電通式ぐるぐる思考
〈アイデア〉の教科書 電通式ぐるぐる思考

「電通式」というのに惹かれて手に取ったんですが、えらく薄いんですよ、これ。

112ページということなので、ほとんど小冊子レベル

ただし、似たジャンルで『アイデアのつくり方』という、もっと薄い本(102P)もあるので、この本もひょっとしたら!?


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Posted by smoothfoxxx at 08:30
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