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2010年11月10日

【池上流知的生産術】『<わかりやすさ>の勉強法』池上 彰


<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)
<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、テレビでもお馴染み池上 彰さんの、当ブログでは初めてのご本。

タイトルに「勉強法」と入っていたので、てっきり勉強本かと思いきや、むしろ池上さん流の「知的生産術」とも言える内容でした。

アマゾンの内容紹介から。
池上彰氏は、テレビの現場で「わかりやすく伝える技術」を試行錯誤しながら身につけ、磨いてきました。本書のタイトルの「勉強法」は、「机に向かっての勉強」ではなく、「毎日の仕事や生活の中でできる勉強」という意味です。インプットからアウトプットまで、シンプルで、誰でも応用できることばかりです。それらのノウハウを惜しみなく、具体的にやさしく語ります。
下記目次をご覧いただければ、手に取りたくなってしまうことウケアイです!


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【目次】

第1章  テレビでプレゼンのヒントを学ぶ

第2章  話のキモ(中心テーマ)を見つけよう

第3章  プレゼン力を伸ばす

第4章  新聞の読み方、ネットの使い方

第5章  クリアファイルで情報整理

第6章  本の読み方

第7章  ノートのとり方、メモのとり方

第8章  わかりやすい文章を書くために

第9章  聞き上手は伝え上手になれる

第10章  時間を有効に使ってみよう


【ポイント】

■1.資料は綴じずに全体を把握する
 たとえば、プレゼンテーションをするとして、原稿が三枚になったとしましょう。
 この三枚を上下に重ねないで、横に並べておくのです。五枚でも同じこと。多少端が重なっていてもかまいません。
 こうすれば、いま全体のどこまで話しているか、常に確認することができます。予定より早く進みすぎている、時間がかかかっているなど、いつも確認できますから、途中で話のペースを変えることも可能になります。


■2.フロー情報とストック惰報を使い分ける
「この情報は、なんだかわかりにくいなあ」と感じたら、どこがわかりにくいのか、なぜわかりにくいのか、常に考えてみましょう。ここでも、「自分は何がわからないか」を自問自答するのです。
 それがわかれば、問題は半分解決したも同然。「わからない」部分を、今度は本などストック情報に当たって、自分なりに勉強してみるのです。
 フロー情報で自分がわからない部分を見つけ、ストック情報で勉強する。これを繰り返していくうちに、いつしかあなたは「わかりやすい説明」ができるようになっていくはずです。


■3.キモの部分をプレゼンの頭に持ってくる方法(1)「とにかく素晴らしいんです」
 NHKの駆け出し記者時代、私は、現場からのリポート用の原稿を書くときに、「とにかく大変なんです」と書き始めてみることを考えました。そうすると、「何が大変か」という部分からリポートすることになります。つまり、リポートのキモから話し始めることになります。(中略)

 あなたがビジネスの場でプレゼンテーションするときにも、「とにかく素晴らしいんです」とか「とにかく驚くべきことなんです」とか、まず書いてみましょう。そこから、「それは〜だからです」と続けて話を展開させていきます。全体のプレゼン原稿が完成したら、冒頭の「とにかく素晴らしいんです」という部分を削除します。
 こうすれば、いちばん大事なことから述べるという、プレゼンテーシヨンの大原則を、労せずして実行できるはすです。


■4.キモの部分をプレゼンの頭に持ってくる方法(2)「上司の突っ込み質問」
 たとえば、若いビジネスパーソンがプレゼンするとします。
 まず原稿を書くでしょう。そのとき、頭の中で、上司、たとえば部長をイメージして、プレゼン原稿の頭に、「きみ、この企画の目的は何かね?」「このプロジェクトのキモは何かね?」という上司の突っ込み質問を書き込んでみるのです。その質問に対して答えるつもりでプレゼン原稿を書きましょう。
 そうすると自然に、企画の目的やいちばん大事な点から話を始めることになります。その原稿ができあがったところで、上司の部長の架空の質問ははずしてしまい、あらためて整理すると、大変わかりやすい説明になります。


■5.アマゾンの読者レビューの使い方
 私もレビューは読みます。
 その際、そのレビューが文章として優れているかどうかに注目します。文章として優れているとは、感情的でなく冷静な筆致で、論理的な文章になっているか、ということです。
 その本を絶賛していれば、いいレビューということではありません。レビューを読む人のことを考えた、わかりやすい書き方をしているか、ということなのです。それだけの能カのある人が高く評価していれば、あ、この本は役に立つな、というのが、私のレビューの読み方です。


■6.ノートは左右のページを使い分ける
 たとえば、新製品についてのマーケティング調査で、消費者の意見を聞くとします。左側のぺージには、一言ずつ、お客さまはこういうふうに思っていますということをキーワードの形で書きます。
 たとえば「ピンクと白、ピンクを選ぶ」「500円、ちよっと高い。350円か?」などと左ぺージに書きます。後になってから、このときの具体的なやりとりを右ぺージに再現していけばいいのです。
 右べージの下には、そのお客さんはどんな人だったか、どんな表情だったか、そのときの自分の感想なども簡単に書いておきます。


■7.抽象的な「手垢のついた表現」を避ける
 抽象的というのは、難しい高尚な表現ということに限りません。たとえば「議論を呼びそうだ」「今後が注目されます」など、陳腐なありきたりな表現で逃げてしまうことがあるのです。
「議論を呼びそうです」って言うと、じゃあ、どういう議論を呼びそうなのかをちやんと言えよという話ですよね。(中略)

 ほかには「波紋を広げそうです」も逃げの表現です。書いている本人が、そのことについて「問題だ」と感じているけれど、何がどう問題なのか、わかりやすく表現できないとき、こんな表現が登場します。


【感想】

◆今回は、当ブログ的に人気が高い「ノウハウチック」な部分を中心にお送りしましたが、実は本書の「キモ」の1つは、池上さんの情報整理術

池上さんの読まれている「新聞」「雑誌」、そして「それらの読み方」等々。

さらには「海外の新聞」まで取り寄せていらっしゃるのだそう(「メールで送ってもらう」というやり方は知りませんでした)。

テレビに出るだけでなく、本もガンガン出されている池上さんの仕事振りの一端を、垣間見ることができました。


◆さらには第5章の大見出しにもなっている「クリアファイルでの情報整理」

吉越浩一郎さんを初め、愛用者は多いのですが、池上さんも、もっぱらクリアファイルを多用されているのだそう。

参考記事:【整理】「『仕事が速くなる プロの整理術』を読んで(A4とかクリアフォルダとか)(2008年12月10日)

本書では、フロー情報を集めたクリアファイルをストック情報に変化させる、池上さんのやり方も収録していますので、ご参考まで。

さらに第6章では「本の読み方」、第7章では「ノートのとり方、メモのとり方」なんて、「当ブログ的に美味しいネタ」が続いておりますw


◆読んでいて感じたのが、池上さんは「アナログの利点」を追求されているな、ということ。

初っ端の「書類を綴じない」ことも、上記では挙げてませんが、「紙の新聞」にこだわってらっしゃるのも、根底にあるのは「一覧性」というアナログならではのものです。

この辺は、「自炊ネタが人気」の当ブログの読者さん的には、微妙なのかも。

ただ、「キモの部分をプレゼンの頭に持ってくる方法」は、上記の2つとも極めて秀逸。

これは私もぜひ実践したいところかと。


◆実は本書は、「難しい話題」「わかりやすく伝える」事例として、新聞やテレビで話題になったニュースの解説がいくつも登場しています。

残念ながら、そのいずれもが、内容を分かるように「引用」するのが難しかったので、丸ごと割愛。

それでも実際に本書を読んで頂くと、「わかりやすさ」のために、「様々な工夫」が施されていることがよく分かります。

「難しいこと」を言って煙に巻く文化人はいますが、「わかりやすく伝える」ことを武器にされている方は、他にはいらっしゃらない気が。


池上さんのワークスタイルと舞台裏を覗ける1冊!

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)
<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)


【関連記事】

【プレゼン】『黒岩の法則』に学ぶメッセージ力を高める7つのポイント(2010年10月29日)

【プレゼン】「伝える技術50のヒント」を読んで知った7つのコツ(2009年08月29日)

【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)

【論理的な話し方】「ロジカル・コミュニケーション」安田 正(2008年05月10日)


【編集後記】

◆今日ご紹介の本は、池上さんの「わかりやさすさを考える」三部作の最終巻であり、それに先立つ二冊も好評発売中。

相手に「伝わる」話し方 (講談社現代新書)
相手に「伝わる」話し方 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)
わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

いずれも、送料入れたらマーケットプレイスよりも新刊買ったほうが安いという人気ぶりです。


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この記事へのコメント
               
「起承転結」ではなくて、びっくりするような結論を1番先に、というのが英語圏のプレゼンやらレポートの作り方ですね。逆に最初のブロックだけ見れば膨大な量の論文なんかもざっくり把握できるし、そこでたいしたことが書かれてなければ時間かけて読む価値なしと。

勉強の時はページをめくらないと次が見えないように見開きの右ページにだけ、仕事の時は情報が追加できるように左ページにだけにしか書かないって、以前やっていました。たしかにアナログならではな感じがします。
Posted by Coo at 2010年11月10日 10:06
               
池上さんの本、紹介いただきありがとうございます。私も氏の本を4冊ほど読んできましたが、私思うに、氏はたぶん「フレームワークを30も40も設定」しており、本からのインプット、新聞からのインプット、人の話、などなど、項目毎どんどん各フレームワークに放り込み発酵させ、別の項目との繋がりも見つけ、自分の考え方へと昇華させているんでしょうね。きっと毎日の努力も半端ではないんでしょうね。
Posted by 片木 at 2010年11月10日 22:25
               
>Cooさん

「結論が最初」というのは、確かに英文レポートではよくありますよね。
全てのブロックの最初の1文を読むだけでも、大体の内容がわかると言いますし。

ノートの書き方については、左右で分けたり先を引いて区切ったり、というのは、コーネル大学式でもありますし、結構メジャーかと。
色々試してみるとよいかもしれませんね。

>片木さん

今回の記事では割愛しましたが、池上さん、とんでもない数の新聞を読まれてらっしゃるんですよねw
子供系のも含めてw
ただ、真似たいのは単に情報を取り入れるだけではなく、「考えて」らっしゃるところ。
私なんかだと、とりあえず情報を摂取するだけで、その後が続かないので、反省しきりでした。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年11月11日 00:48