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2010年10月26日

【ヤバ本】『ウェブで儲ける人と損する人の法則』中川淳一郎


ウェブで儲ける人と損する人の法則
ウェブで儲ける人と損する人の法則


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、『ウェブはバカと暇人のもの』でお馴染みの中川淳一郎さんの新作。

過去の著作では、ネット界隈についてネガティブな発言をされていた印象がありましたし、また、読んだからといって、何かアクションがとれる類のものではありませんでしたが、本書は別です。

ネットニュース編集や、ネットプロモーションの企画といったお仕事をされているだけあって、タイトル通り「ネットで稼ぐための方策」をズバリ指南。

企業の広報・宣伝のみならず、マスメディア関係者や、はたまた私たち市井のブロガーにとってもお役立ちなテクニックが満載でした!


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【目次】

第一章 ネットで儲けることの現実

第二章 クリックされない情報は無価値

第三章 ネットニュースはこう作られる

第四章 間違いだらけの企業の情報発信

第五章 テレビと出版社はネットと相性が良い

第六章 ネットとの幸せな付き合い方


【ポイント】

■1.ネットユーザーは企業の「親切の押し売り」には乗らない
 ネットユーザーの時間とクリックは有限である。彼らは自分が欲しい情報、トクする情報を検索によって見つけ、たまたま訪問したサイトや常に見ているサイトに貼られた面白そうな情報へのリンクをたどって、クリックという貴重な行為をしているのである。「頑張る女性を応援したい」などという企業側の「親切の押し売り」的なサイトに人が殺到することは、なかなかない。


■2.ネット独自にウケる「ネット文脈」
「ネット文脈に合っている」とは、簡単に言うと「クリックしたくなるもの・広げたくなるもの」のことであり、ユーザー本位のものだ。ネット文脈と相対するのが「新聞文脈」である。これは「新聞社が選んだ『皆にとって大事なもの』」を意味する。
 このネット文脈と新聞文脈が明確に異なるということを見られるのが、新聞の一面とネットニュースの「トピックス」の違いである。


■3.ネット文脈に必要なウケる要素11(抜粋)

1.話題にしたい部分があるもの、突っ込みどころがあるもの

2.身近であるもの、B級感があるもの

4.テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフー・トピックスが選ぶもの

6.芸能人関係のもの

7.エロ

9.時事性のあるもの



■4.ヤフー・ニュースは「島田紳助」である
 島田紳助といえば、人気バラエティ番組の司会者として、雛壇に並ぶ多くの芸人をいじり、発言に突っ込みを入れたりする。紳助が認めたり、気に入ったタレント・芸人はCDデピューをプロデュースされたり、番組中でも発言の機会をたくさんもらえる。逆に、紳助から嫌われてしまえば、芸能界から干されてしまう。
 ネットニユースもこれと同じで、ヤフー・ニュースからいかに取り上げられるかが自社サイトのPV増加に影響するため、ヤフーの顔色をうかがっている(ヤフー・トピックスがピックアップしてくれそうな記事を配信する)のである。


■5.「渋谷でカップヌードル3万個配布 待ち時間最大120分」というタイトル
 ここで意図したことは、「カップヌードル38周年渋谷で3万個配布」では絶対にPVを稼げない、ということである。ネットでしきりと発言する人は、他人を貶めるのが大好きだ。だからこそ、私は彼らが貶めるべく「120分」の一言を見出しに入れた。この「120分」に反応し、「バカじゃね」や「ご苦労なこった」や「この貧乏人」などとバカにしたくなるだろう人が続出することが予想でき、記事はPVを稼ぎ、さらには「カップヌードル38周年」という事実も多数の人に伝わるだろうと孝えた。
 そうすると案の定、高いPVを稼ぎ、ネットの各所でこの記事へのリンクが貼られ、「たかが百数十円のカップヌードルが欲しくて、120分も並ぶ人たちがいるなんて……」などと多くの人が書き込み、この記事を話題にした。


■6.ネットで話題化するために重要な7つのこと(抜粋)

1.76〜77頁「ネット文脈に合ったネタ」に準じた情報を発信する

3.マス広告とネット戦略を強引に連動させる必要はない(ネットはユーザーが好き勝手に情報を発信するカオスの世界であり、そこ独自の文化が存在するため)

5.ユーザーの善意に期待しない。ネットユーザーはそこまであなたの会社のことを気にしていない。たまたま好意的に書かれたらラッキーと思うべき

6.コピぺ(コピー&ぺースト)されてなんぽ。文字をJPEG化したり、画像プロテクションをしたりすべきではない。画像を貼る場合は、画像の説明をテキストで埋め込む



■7.「製品のウリ」より「ユーザーの読みたいこと」
 ネットニュースでは、まずは読んでもらうことが大事なのだ。そして、読ませるためには前出「ネット文脈に合ったネタ」に従った情報を前面に持ってくる必要がある。
 広報部員は、ブランドや商品の担当者、営業から「違うんだよ! そんなのがウリじゃないんだよ!」などと言われてしまうかもしれないが、「ネットユーザーが読みたいのはこの部分です」と明確に言い、反論しなくてはいけない。
 なぜなら、商品担当者や営業はあくまでも「製品のユニークな点」「画期的な点」だけを言いたいわけで、「何が世間的にウケるか」は考えていない。広報担当者に「お前はポイントがずれているんだよ!」と怒りたくなってしまうのだ。


■8.「NEWSポストセブン」立ち上げに際し中川氏が提案した6つのこと(抜粋)

2.最新の雑誌(週刊ポスト、女性セブン、SAPIO、マネーポスト)の見本誌を発売前に吟味し、ネット文脈に合った記事を、ネット用にシンプルに編集し、ネット文脈に合った形の見出しをつけましょう。ネットに記事をアップするのは、雑誌の発売日。それから、次号の発売まで細切れで情報を出し、PVを獲得しましょう。

4.雑誌がこれまで数十年間にわたって培ってきた情報を「アーカイブ」としてネット上にアップしましょう。

5.これらの記事をヤフーをはじめとしたポータルに配信し、アクセスを稼ぎましょう。今、ポータルサイトは週刊誌系のネタが足りていないので、ほかが始める前にやっちゃいましょう。

6.訴えられないレべルのネタを出し、あとはエロはやめましよう。未成年も読む携帯電話向けに配信できません。



【感想】

◆今までの中川氏の著作に比べると、非常に生産性の高い内容でした(失礼)。

上記ポイントでも抜粋しまくったように、ネットニュース編集者ならではの、「アクセスを集めるためのコツ」が盛りだくさん。

特に、本文が全く同じであっても、付けるタイトル1つによって、アクセス数が天と地ほど違う、というのは、ある程度の規模のサイトをやっている方なら、実感できるハズ。

ポイントの5番目のカップヌードルの件も、普通にタイトルを付けていたら、おそらくスカだったと思います。


◆同じように、中川さんの提案どおりに立ち上がったサイト、「NEWSポストセブン」「ネット文脈仕様」のよう。

小学館、雑誌4誌を統合したニュースサイト『NEWSポストセブン』オープン | ブック | マイコミジャーナル

……と、この下書きをしている時点ではアクセスが集中し過ぎて落ちているようなんですがw

NEWSポストセブン











確かにキチンと取材をして書かれた記事の中から、ネットウケするものを選び、かつ、クリックされやすいタイトルを付けたら、それはアクセス集まります罠


◆また、ポイント6.の3番目の「連動させる必要はない」という件に関して補足があって、マス広告で芸能人等を使った場合、「ネットでは彼らを使うべきではない」のだそう。

一瞬「?」となりましたが、要は芸能人だと「イメージ管理」の問題があって、「ネット文脈」に沿った発言ができない、のだとか。

さらに、その芸能人との契約期間が終わったら、コンテンツを削除する必要があるため、「アーカイブ性」も活かせない、となれば、確かに芸能人を使うメリットは少ないです。

なるほど、マス広告とは別に、キチンと企画をしないといけないわけですね。


◆本書ではさらに、必ずしも成功したとは言えなかった、小島よしおのUst中継についても分析。



中川さんは具体的に、こういう仕込みを入れておけば上手くいっただろう、というアドバイスまでされています(詳細は本書を)。

Ustやツイッターではなく、とあるサイトを使う、というのは、私たちでも応用可能。

うーん、一歩間違えたら叩かれそうですが、上手くハマれば効果は絶大かもしれません。


他にもネタだらけで、付箋貼りまくりましたよ!

ウェブで儲ける人と損する人の法則
ウェブで儲ける人と損する人の法則


【関連記事】

【Web1.374?】「ウェブはバカと暇人のもの」中川淳一郎(2009年04月25日)

【オススメ】「ヤフー・トピックスの作り方」奥村倫弘(2010年06月12日)

【攻略!】「ヤフートピックスを狙え」菅野夕霧(2010年04月17日)

【裏ワザ?】初心者でもできる「テレビに出る技6つ」(2009年07月26日)

【ウェブ】「ウェブを炎上させるイタい人たち」中川 淳一郎(2010年02月10日)


【編集後記】

◆先週お送りした「NAVERまとめ」を利用して私が作ったまとめの1つが、こちらのサイトさんにご紹介頂きました!

女性からモテるためのコツ色々教えてやんよ!

おかげで、それまで4000弱だったページビューが、9500を超えてしまったという(ありがとうございます)。

ちなみにこちらが、そのNAVERまとめ。

【モテ】女性からモテるためのコツ色々 - NAVER まとめ

やはり、今日ご紹介した本の言うとおり、「ネット文脈」に沿ったネタは、ウケが宜しいようで。


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