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2010年10月14日

【オススメ】『35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』渡邉正裕


35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)
35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ニュースサイト、「MyNewsJapan」編集長である、渡邉正裕さんの「キャリア本」

新書とは思えない濃さで、「キャリア形成」のノウハウを伝授してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
大企業に入れば、それで成功という時代ではなくなった。40歳で給料が頭打ちになり、それ以降は徐々に給料が下がる時代に突入している。こんな時代に、20代、30代のビジネスパーソンはどう対処すべきなのか?本書では、35歳までに、「動機」と「能力」をもとにした「稼げる力」を増強することを提案する。迷える若者のための一冊。
これから就職する方はもちろん、転職を考えている方、さらにはこのまま勤め上げたい方まで、必読の内容です!

思わず付箋も貼りまくりw

35歳までに読むキャリアの教科書










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【目次】

第1章 なぜ今、キャリア論なのか

第2章 年齢別の新しい俯瞰図

第3章 「ポスト戦後」のキャリアモデル

第4章 動機を顕在化するには

第5章 能力を開発するには

第6章 望む仕事内容に就くには

第7章 国がやるべきこと


【ポイント】

■1.IT化・グローバル化で「世界基準」に給与も雇用も収斂
 IT化が進み、納品もインターネット環境さえあれぱ瞬時にできるようになった。これまで日本国内の中小IT企業が請け負っていた仕事は、人件費の安いインド人や中国人の仕事に置き換わりつつある。これまでどおりに仕事を受注しようと思ったら、中国人並みに日本人社員の給与を下げるしかない。(中略)

 パナソニックが発表した2011年度の採用計画によると、1390人中1100人を海外で採用し、国内は290人に減らすとしている(2009年度、2010年度は500人ずつ国内で採用した)。人件費が高い日本人よりも、海外新興国で現地の人を採用するほうが優秀な人材を低コストで採用でき、合理的だからだ。日本人は給与減どころか、雇用すら滅らされていく。


■2.採用で人的資本のポテンシャルが重視される理由
 なぜ採用でポテンシャルがそれほど重視されるのかというと、米国のようにすぐに解雇ができない日本の法体系の下では、正社員は定年まで雇うことが大前提になってしまうからだ。来年1年だけ働いてくれればいいのなら、いま現在の能力を重要視する。だが、今後30年以上も雇い続けることを考えたら、会社のカルチャーも吸収してもらわなければ困るし、伸ぴしろがあって、「育てがい」のある人材である必要がある。つまり、法規制の問題からポテンシャルが過大評価されるのだ。


■3.「動機」「能力」「現実の仕事内容」を交差させる
(1)動機=Want=やりたいこと(夢・欲求)
(2)能力=Can=できること(知識・技術)
(3)現実の仕事=Must=やらなきゃいけないこと(仕事内容)

 この「現実の仕事」は人の内面ではないので、動機・能力とは並列ではない概念だが、この三つを合致させ、その面積を拡大していくことこそが幸せなキャリアの目標だ、というのが私の結論である。


■4.「与えられた仕事のなかで、やりがい(動機)を見つけよ」は本当か?
 多くの自己啓発セミナーでも、そう教えるだろう。何に対しても前向きに取り組め、目の前の仕事を一生懸命がんばるのだ、無駄な仕事なんか世の中にはないのだ、と。
 だが、これらは戦後のパラダイムを引きずっており、間違っている。企業という器自体が消滅したり売却されたりする変化の時代に、企業を中心に社員個人のキャリアを考えるなど、本末転倒である。「ポスト戦後」時代においては、企業は、社員の一生を保障できない。ようは、会社が与えた仕事を黙々とやらせるほうが、短期的には会社にとって都合がよいから、社員にそう思わせたいだけだ。


■5.10億円あってもその仕事をするか?
 内発的な動機であることを確認するのに最適な問いがある。「いま10億円持っていてもなお、その仕事をやるか?」、または「1円の稼ぎにもならないが、その仕事をやるか?」。YESと答えられるなら、その仕事は内発的動機に基づいている。(中略)

「自分らしい仕事ができて、満足できた」「本当の自分自身に近づいている感じがある」。そう思える瞬間が、内発的な動機に結びついている。自分の一生をかけて今の職業をやり遂げたいと思えるか。たとえ客観的な報酬ゼロでも、ワクワクしながらやり続けられる仕事なのか。それが、内発的な動機を知るカギになる。


■6.「将来能力」に投資する
才能(資質)がおぼろげながらにでもわかったら、そこに集中的に時間を投入して知識と技術を身につけ、強みを作り出していかねばならない。ピジネスパーソンは、強みになる能力開発に時間を重点配分しなければならない。
 その場合、直近の目に見える収入は重要ではない。むしろ、目には見えない能力が開発される分を、常に年収に上積みしてトータルで考えるべきだ。なぜなら、あとあと、プラスオンで(時には複利で)効いて来るからである。


■7.産業分析でキャリアショックを未然に防げ
 産業分析の結果、「規制に守られ、能力開発が停滞している」「市場価値よりも過大評価されている」「技術革新でスキルが陳腐化する」「産業が丸ごと負け組になる」。そのように感じられたら、社内外に異動して、次の展開を真剣に考えなければならない。会社任せにしていたら、キャリアショックに見舞われた際に、自力で生き抜けなくなってしまう。
 たとえば、今から構造不況業種である新聞・テレピ・大手出版に入社せんという若者は、よほどの覚悟が必要だ。会社の中高年社員らにさんざん「仕送り」し続けた挙句、自らの給与は上がらず、スキルの市場価値も供給過多で高まらず、搾取されるだけされて社外に放り出されることが、ほぽ確実だからである。


■8.配属先によって市場価値が異なってくる事実
 たとえばKDDIは昨今、新卒を200人から250人ほど採用しているが、一括採用で配属先は運次第。(中略)

 30歳時点での市場価値が激烈に開くのは当然だろう。地方支社に配属になると7、8年、同じエリア内での異動となるのが通例だというから、北海道支社に配属となったA君は、まだ道内で「auショップ」のインセンティブ管理などを担当している。市場価値は年収400万円ほどだろう。一方、最先端のコンテンツ企画をケータイキャリア側で7年やったB君は、景気がよいコンテンツ制作会社やネットゲーム会社に600万円で転職できる。さらに、新興国での海外駐在を2年経験し、英語で通信インフラビジネスの経験を7年積んだC君なら、商社やメーカーに800万円で転職できるだろう。


【感想】

◆冒頭の画像のように、「コレは!」と思う部分は多々あったのですが、この辺で。

新書にしてはやや厚め(266ページ)でしたが、読み応えたっぷり

特に、今現在転職をお考えになっている方なら、必読だと思います。

ただし、これから考えようとする方でも既に間に合わない可能性は大であり、それがタイトルにある「35歳」の壁。

ようは、そのくらいの年齢になると「稼げる力の伸び率」よりも「ポテンシャルの減耗率」のほうが大きくなってしまうワケです。


◆本書では、そのデッドラインに達する前に、『「動機」「能力」「仕事内容」の3つを一致させる』ノウハウを展開。

ポイントでは取り上げておりませんが、渡邉さんが取材された具体的なケースが匿名で9名収録されており、それぞれの方について、この3つが転職(異動)ごとにどのように変化するかを図解つきで分かり易く解説されています。

それを見ると3つを一致させるのが、いかに難しいのかよく分かると言うか、転職戦線を比較的上手く切り抜けた方ですらこうなら、自分だったらどんだけ苦労するのか、というw

さらに、転職時点では成功と思えても、「その業界自体が陳腐化する」、という恐れもあります。

ほんの数年前ならJALに入社するなんて、大変な勝ち組だったワケですし、同じようなことが、上記ポイントで挙げたように新聞・テレビ・大手出版でも起こりうる(実際に起こっている)、と。


◆また、ポイントの6番目に挙げた「将来能力」のお話は、「損して得とれ」じゃないですが、将来を見据えて、目先の給料にとらわれず、自分の能力を高める重要性を指摘されています。

そう言えば土井英司さんも、「安月給でもキャリアを積む」ことをこの本で推奨されていましたっけ。

「伝説の社員」になれ! 成功する5%になる秘密とセオリー
「伝説の社員」になれ! 成功する5%になる秘密とセオリー

さらには、3つの要素のうちの1つである「能力」の開発について、第5章ではお馴染みの「ストレングスファインダー」が登場。

本書を読んで、初めてストレングスファインダーの結果の活用法が分かりました。←今頃w

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

参考記事:【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)

この辺の作品が好きな方には、多分本書はツボだと思われ。


◆私自身は、今後、職業(税理士)を変える予定はありません。

…と言いつつも、今後この「税理士」という職業が、引き続き存続する保証はないわけでして。

本書のタイトルには「35歳」とありますが、上記ポイントの8番目のように、新卒時からキャリアは始まっていることをお忘れなく。

もちろん、35歳を過ぎていても、一読の価値は十分にアリ。


現時点におけるキャリア本の大本命です!

35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)
35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)


【関連記事】

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【選ばれる人】「プロ・ヘッドハンターが教える仕事ができる人のひとつ上の働き方」兼本尚昌(2009年07月17日)

【キャリア育成】「本田式サバイバル・キャリア術」本田直之(2009年03月21日)


【編集後記】

◆いろいろな意味で(?)気になる2冊。

金欠の高校生がバフェットから「お金持ちになる方法」を学んだら
金欠の高校生がバフェットから「お金持ちになる方法」を学んだら

もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら
もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら

『もしドラ』好きの方にオススメしていいものやら……。


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Posted by smoothfoxxx at 07:30
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10年後に食える仕事、食えない仕事 【本の概要】◆今日ご紹介するのは、「MyNewsJapan」のオーナー社長兼編集長である、渡邉正裕さんの最新刊。 前作、『35歳までに読むキャリア( ...
【必読!】『10年後に食える仕事、食えない仕事』渡邉正裕【マインドマップ的読書感想文】at 2012年02月04日 09:03
この記事へのコメント
なるほど…… 僕自身も今のところ現在の仕事を変えるつもりはないのですが、まさしく35歳という年齢にある今、読んでおいた方が良さそうな一冊ですね。
先日、書店で見かけてスルーしてしまいましたが(汗)
Posted by Taka@中小企業診断士(業務休止中) at 2010年10月14日 07:42
smoothさま、

はじめまして。

私は37歳のときに大企業から従業員100人以下の会社に転職しましたが、その時、読んでおきたかったです(笑)。

「10億円持っていても、今の仕事をしますか?」と言われて、果たして即答できる自分がいるかどうか、ちょっと悩むところですね。

稼げる力、もっともっとつけなくては!と思いました。

いい本のご紹介、ありがとうございました。
Posted by 速読おやじ at 2010年10月14日 19:17
>Takaさん

Takaさんの場合、資格お持ちですから、必ずしも手遅れじゃないんですけど、準備するなら早いほうが良さそうですよ。
いずれにせよ、この本はオススメ。

>速読おやじさん

自分も大企業にいて、そこからストレートに今の職業についてしまいましたが、まったくの行き当たりばったりでした(汗)。

私もこの本を当時あったら読んでおきたかったな、と。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年10月15日 05:36