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2010年09月29日

【オススメ】『論理的にプレゼンする技術』平林 純


論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書)
論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログ人気のプレゼンネタの本。

フルカラーで図解も多かったので、読む前は「はいはい、図解本ね」とナメてましたがあにはからんや

アマゾンでの高評価も納得の意外な掘り出し本でした。

装丁のイラストでスルーしたら勿体無いと思われ!


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【目次】

第1章 「よいプレゼンテーション」って何だろう?

第2章 わかりやすい「プレゼンストーリー」を作る!

第3章 おろそかにしちゃいけない! 事前準備

第4章 資料作りの大前提を押さえる

第5章 わかりやすいスライドづくりの基本

第6章 聴衆を惑わす「発表資料」

第7章 聴衆が引き込まれる発表資料

第8章 プレゼン発表テクニック


【ポイント】

■1.理想のプレゼンに欠かせない3要素、「利益(トク)」「わかりやすさ(ラク)」「おもしろさ」
 利益(トク)というのは、あなたの提案を相手が受け入れ、行動したときの「相手の利益」です。また、「わかりやすさ(ラク)」というのは、聴き手がどれだけわかりやすく(ラクに・簡単に・自然に)あなたのプレゼンストーリーを理解することができるか、ということになります。そして「おもしろさ」は、本当に単純に、あなたのプレゼンに相手が感じるおもしろさ、です。


■2.わかりやすい「たとえ」を見つけてプレゼンする
 言葉でなにかを説明するうえで、とても便利なものがあります。それは「たとえ」です。自分が説明しようとする内容の本質は「聴き手がよく知っている、頭に自然に思い浮かべることができるどういうもの」に似ているかを示すたとえを使うと、聴き手にとってわかりやすい話を簡単にできるようになります。(中略)

 自分が説明しようとする内容をわかりやすくたとえるなにかがないか、知恵をふりしぽって考えてみてください。かならず、うまいたとえがあるはずです。そんなたとえを使わないのは、怪獣に"槍や刀だけで応戦するような"愚かしいことです。


■3.スライドは「背景は暗い藍色、文字は白色」という組み合わせで
スクリーンを使ってプレゼンをするとき、聴き手がいちばん見やすく感じるのは、背景は暗い藍色で、文字は白色という組み合わせです。なぜかというと、
★背景と文字の明るさが大きく異なるので、文字を容易に識別することができる
★藍色のような寒色は遠くに見える特性(収縮後退性)があるため、遠くにある背景に白い文字が浮き上がって見える

という一石二鳥の特性があるからです。


■4.Zの法則なら臨機応変に発表時間を調整できる
 Zの法則を意識して、スライド上に文章や素材を配置しておくことのメリットは、自然な順番で説明をしていくことが簡単になるだけではありません。何らかの理由で時間調整をしなければならないようなときでも、容易に対応できるようになります。
 たとえば、急に説明時間を短くしなければならなくなったとしたら、右に置いてある(それほど重要でない)補助資料素材の説明をせずに、先に進んでしまえばよいのです。スライド上の説明順が「大きなZ」から「小さなZ」に変わるだけですから、そんな場合でも、聴き手は補助資料の説明がなかったことに気づかなかったり、不自然に思ったりしないのです。


■5.前のスライドの最後で聴き手が感じた疑問、知りたいと思ったことは、次のスライドで説明する
 人はわかりやすい因果関係や必然性が好きで、それに沿って考え、動きます。わかりやすい因果関係や必然性でスライドがつながっていれば、聞き手にとってあなたが話すプレゼンのストーリーはわかりやすく、必然性をもった話に響いて納得してくれます。
 そして、あなたのプレゼンがわかりやすい因果関係と必然性に沿ってつくられていたら、現在のスライドで強調された話題について、よりくわしい話を次のスライドで聞けるはずです。あるいは、前のスライドでいくつかだされた話題が、気持ちよくキーワードで整理されて示されるはずです。だとしたら、聴き手は次のスライドを早く眺めたい、内容を知りたい、と思うことでしょう。


■6.無意味にセンタリングされた箇条書きは絶対にやめる
 プレゼン資料作成の実習講習をしてみると、受講者の方々が作成した資料の中で、なによりいちばん多く「わかりにくい資料」の原因となっているのが、不用意に使われた「悪いセンタリング」の数々です。
 本当に驚くほど多くの方々、たとえばある実習講習の受講者の作成資料を添削中に数えてみたところ、実に6割以上の人たちが、悪いセンタリングが施されたスライドをなんの疑いもなくつくっていたのです。(中略)

 悪いセンタリングにはいくつかのパターンがあるのですが、プレゼン資料でいちばん多く登場するわかりにくいセンタリングは「センタリングされた箇条書き」です。プレゼンのスライドでは、箇条書きテキストがひんぱんに利用されます。そういった箇条書きテキストに対し、なぜかセンタリングしてしまう人が不思議なほど多いのです。


■7.発表者が説明している筒所と聴き手が眺めているものを一致させるには?
 それは、「聴き手の目を惑わす余計なものをスライド上に見せない」ということにつきます。「発表者が聴き手に、その瞬間に見てほしいもの」以外は、見えないか、見えにくいようにしておくのです。テキストや図などは、必要なときに初めてスライド上に出現させる、必要でないときは隠す、といったように、「必要なものは必要なときに聴き手に見せる」「不必要なものは見せない」「必要なものしか聴き手には見えない」ようにすることで、発表者が説明している箇所と聴き手が眺めているものが一致します。
 パワーポイントであれば、シンプルなアニメーション機能(たとえばフェード)などを使い、スライド上の素材やテキストを必要なとき初めて出現させるようにしたいものです。


【感想】

◆今回ポイントで挙げた中で、「本書内では力を入れているのに割愛してしまった」部分がいくつかあります。

その1つが、「パワーポイントでの資料の作成テク」

例えば、こちらは行頭に「□」を設置し、そこに説明が終わるとチェックマークを入れられるようにするワザ。

論理的にプレゼンする技術1









資料作成の技術的な内容もさることながら、「チェックマークを入れる」ことにどういう意味があるのか。
 筒条書きで確認作業をわかりやすく示すテクニックは、とても単純でささいなことに思えるかもしれませんが、実はとても効果的です。なぜなら、いつも私たちが行っている作業感覚と直結しているからです。
 聴き手が「なるほど!」と納得した瞬間に、箇条書きにチェツクマークが示され、その瞬間に発表者がチェックするジェスチャーをしていれば、その納得感が聴き手の体の中に自然に染み入ってくるのです。
ということが分かっても、パワーポイントでどうやるのか分からなかったらどうしょうもないので、ここは有難いところ。

他にも、パワポでの資料作成上でのちょっとした効果的なテクニックが、図解でレクチャーされているので、パワポ初心者は要チェックで。


◆また、このシリーズの特徴で、図解する必要もないところでも律儀に(?)イラストを挿入している部分もあるものの、図があってこそ理解できる部分があるのもまた事実。

例えば、こんな折れ線グラフは分かりにくいのですが…。

論理的にプレゼンする技術2









こう作り変えれば、一目瞭然ですよね、という。

論理的にプレゼンする技術3









それ以前に、今まで何度か目にしていたこの形のグラフ、「何に使うのか」と思ってましたが、プレゼンで説明しやすかったんですね(知らなんだ)。

5章以降の3つの章は、「フルカラー&図解」という本シリーズの特長が十分に活かされていると思います。


◆また、やはり割愛してしまったお話で、「イメージ(画像・動画)」の効果と、その「使用上の注意点」というものがありました。

まず、イメージを使うと、聴き手にとって非常に理解しやすいのは事実です。

しかしここで1点注意すべきことが。

それは、プレゼンでイメージを見た聴き手には内容が伝わっても、聴き手がさらにほかの人に伝えようとする際には、「そのイメージがないため伝わりにくい」ということ。

そこで、イメージを使って説明したあとは、かならずそれを「キーワード」「短い言葉」で言い換えておく必要があるのだそう。

なるほど、言われてみればもっともです。


◆本書は新書形式で、かつ図解本であり、ページ数もそれほど多くありません。

しかし、書かれているコンテンツは見た目以上に、十二分に濃く、初心者から、よほどのベテランでもない限りは上級者にも得る点は多いハズです。

7月のジョブズの本で、プレゼン本も打ち止めかと思いきや、まだまだ学ぶことは多いことを実感した次第。

パワポのプロの方にとっては、パワポテクの図解説明部分はたるいかもしれませんが、それ以外の方なら無条件でオススメできる逸品かと。


さっそくヨメから「貸して」コールが来ております!

論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書)
論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意 (サイエンス・アイ新書)


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【編集後記】

◆同じサイエンス・アイ新書で前から気になっているのがこの本。

科学でわかる男と女の心と脳 男はなぜ若い子が好きか?女はなぜ金持ちが好きか? (サイエンス・アイ新書)
科学でわかる男と女の心と脳 男はなぜ若い子が好きか?女はなぜ金持ちが好きか? (サイエンス・アイ新書)

今回のプレゼン本が良かったので、買ってみようかとw


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この記事へのコメント
               
はじめまして。毎日楽しみにしているブログの一つでございまする。

この本、いいですよね。『論理的に話す技術』もとても参考になりました。

私、ソフトバンクのサイエンス・アイ新書が好きで、いろんなカテゴリーの書籍を読んでいます。

ただここの新書、書店で置いている場所がまちまちで認知度が低いのが残念でなりません・・・ソフトバンクだからかなぁ。しかし、ここの出版社が出す本はコンピュータ書籍もとても丁寧な書籍が多く、好感度高いのですが。

smoothさんの紹介をきっかけでサイエンス・アイ新書の認知度が上がるのを期待します!
Posted by オッキー at 2010年09月29日 09:05
               
>オッキーさん

はじめまして&コメントありがとうございます!
また、いつも当ブログをご覧頂き感謝です。

おっしゃるように、サイエンス・アイ新書は、認知度が低いというか、確かに置く場所もまちまちかもしれませんね。
基本的には新書コーナーなんでしょうけど、1冊1冊装丁も違いますし、中もフルカラーでキレイなんで、見た目的には新書とは違うんですが。

あと、この本の場合は、実際にパワポの資料がカラーで掲載されていて大変良かったのですが、図解本の中には「何でこんなものまで図で」というものもあり、テーマによってはフルカラーの図解がオーバースペックになっている可能性もあるのではないか、と思います。

いずれにせよ、今後も面白いものがあれば、サイエンス・アイ新書もご紹介していきますので、よろしくお願いしますね!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年09月30日 04:41
               
smoothさん、おはようございます。
久々にコメント書きますが、いつも楽しくチェックさせていただいています!

ということでこの本は早速アタック済み〜。
カラーで読みやすいし、テクニックだけじゃなくプレゼンの基本がわかりやすく書かれているので参考にしています。
先日の学会発表の前にこれを読んでいれば、間違いなく背景は暗い藍色にしたのですが、アンパイに白にしてしまいました(笑)。
Posted by ニャロメ at 2010年09月30日 09:14
               
>ニャロメさん

こちらこそご無沙汰しております。
私もニャロメさんの「ALL ABOUT」をRSSリーダーに登録してますよ(笑)!

おぉ、この本もアタック済みでしたか!
さすがでございます。
ウチもヨメがホントにプレゼンしなくてはならないらしく、この本を読むと意気込んでました。
プレゼン上手くいくといいんですが…。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年10月01日 03:21