スポンサーリンク

2010年08月24日

【戦略思考】『プラットフォーム戦略』平野敦士カール,アンドレイ・ハギウ


プラットフォーム戦略
プラットフォーム戦略


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、土井英司さんが「10年に1度の戦略本」と言われたことで、アマゾンで激売れした1冊。

私も直後にアマゾンアタックしたものの、今まで放置しておりました(サーセンw)。

著者のお2人のうち、平野敦士カールさんはご存知の方も多いと思いますが、アンドレイ・ハギウ博士は、アマゾンによると
プラットフォーム戦略の世界的権威でもあり、競争戦略論の大家、マイケル・E・ポーター氏の再来とも言われ、史上最年少でハーバード・ビジネス・スクールの准教授になった
という方なのだそう(テラスゴス!)。

未読の方は、今からでも読んでおくべき注目作です!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

Chapter 1 世界最先端のプラットフォーム戦略とは?

 合コンでは幹事が一番得をする
 世界最古のクレジットカードは食事のクラブ
 プラットフォームビジネスはエコシステム ほか

Chapter 2 ケースで学ぶ プラットフォーム構築のための9つのフレームワーク

 勝てるプラットフォームの3つの特徴
 プラットフォーム構築の9つのフレームワーク

Chapter 3 プラットフォームの横暴にどう対処すべきか
 
 プラットフォームの横暴 
 戦略的プレーヤーの場合の対処方法
 戦略的プレーヤーではない場合の対処方法

Chapter 4 フリー、オープン化という「負けない」戦略

 ソーシャルメディアでのアプリケーションはなぜ儲からないのか
 なぜグーグルは携帯電話端末を発売したのか
 日本のSNSの戦略

Chapter 5 日本企業復活への処方箋

 日本の産業再生に欠かせないプラットフォーム戦略思考
 日本企業は何をすべきか
 電子書籍プラットフォームはビッグチャンス


【ポイント】

■1.プラットフォーム戦略とは?
1.多くの関係するグループを「場」(プラットフォーム)に乗せ、
2.マッチングや集客などさまざまな機能を提供し、
3.検索や広告などのコストを減らし、
4.クチコミなどの外部ネットワーク効果を創造する
ことで、新しい事業のエコシステムを構築するという戦略です。


■2.勝てるプラットフォームの3つの特徴

 1.自らの存在価値を創出すること(検索コストと取引コストを下げる)

 2.対象となるグループ間の交流を刺激すること(情報と検索)

 3.統治すること(ルールと規範を作リクオリティをコントロールすること)


(詳細は本書を)


■3.1日100万ぺージビューでも倒産したペッツ・ドットコム
 ペット用の食料などは重量があり、ペッツ・ドットコムの送料はアマゾンで買うよりも高くついてしまっていました。しかたなくペッツ・ドットコムは送料を補てんすることにしましたが、結局赤字を拡大させるだけになってしまい、破綻したのです。
 ぺッツ・ドットコムは、プラットフォームが本来与えるべきコスト削減の機能を提供できなかったのです。たとえば送料以上に安く商品を売る仕組み(売れ筋商品を自社販売)やオークションのような会員間の交流を促進する仕組みなど、収益モデルの多角化を検討すべきだったといえるでしょう。


■4.NTTドコモのL字型展開
 もしあなたの会社がキラーコンテンツを数多くもっているのであれば、それをテコにして他のコンテンツホルダーとアライアンスを組み、プラットフォームを構築すればよいでしょうし、もしあなたの会社が一定数のユーザーと他のサービスで接点があるのであれば、そこをテコにコンテンツを集めていくのが効率的でしょう。
 すなわち、自社がすでに保有する強みをテコに横に展開していくほうが、成功確率は高まるのです。これを「L字型」の展開と呼んでいます。


■5.長期的なキャッシュフローや収益の予測をつねに行う
 多くの成功しているプラットフォームは、かならずしも最初に誕生したものではありません。このことが、長期的な戦略の重要性を物語っています。プラットフォームにおいては、ファーストムーバー・アドバンテージ、すなわち最初にリスクをとって参入したものが勝利するという法則が成り立たないのは特筆すべき点です。
 なぜなら多くの成功したプラットフォーマーは、過去の失敗例や成功例をもとに自らの戦略を変更することで、勝利を勝ち取っているからです。


■6.「メーカー発想」と「プラットフォーム戦略発想」の違い
 ここでの「メーカー発想」とは、研究開発費や製造原価に利益を上乗せして発売する、通常の一企業がとる発想です。しかしこのような発想ではうまくいかないのが、プラットフォーム・ビジネスの特徴なのです。
「メーカー発想」と「プラットフォーム戦略発想」の1番の違いは「将来の市場の拡大を予想してそのリスクをとれるかどうか」という点でしょう。メーカーにとっては、作れば作るほど赤字になるが、いつかはソフトが売れて回収できますという発想に、自らリスクをとって参加する勇気が出ないことは想像に難くありません。


■7.イーベイのSkype買収が失敗したワケ
イーベイはおそらくグループ間の交流を促進するための手段として「オークションをする人同士が会話できたらもっといいのではないか」と考えたのでしょう
 しかし現実にはこれは逆効果をもたらしたようです。
 もしあなたがオークションで自分のものを早く高く売りたいときに、買うかどうかまだわからない買主たちと何度も直接テレピ電話で話したいでしょうか。
 つまり「なるべく高く売りたい人となるべく安く買いたい人は直接話をしたがらない」という人間の素直な感覚に反するものだったのです。


■8.ソーシャル・メディアでのアプリケーションはなぜ儲からないか
 さらに先程もお話したように、アップルのようにプラットフォーマーがiPadのような端末まで自社で手がける垂直統合を行った場合には、ソフトでは利益を出さずにハードで利益を確保する戦略に出てくる可能性が高くなります。
 その場合には、もしあなたの会社がコンテンツを提供してもプラットフォームの価値を高めるだけに終わり、ちょうどアタリショックのような価格破壊が起こる可能性が高く、収益的にはきわめて厳しい結果となるでしょう。
 実際iPhoneなどの携帯電話アプリケーションでは毎日100を超える新作が登場しており、無料のものも多く、価格も急激に下落しています。


【感想】

◆本書はハードカバーであり、また内容的にも重そうなので、読み始める前は、どれだけ時間がかかるか不安だったのですが、意外とすんなり読了。

これは、装丁からはうかがい知れないくらい(?)「図解が親切」なのと、「事例が豊富で分かりやすい」からかと。

事例について言うなら、何たって、Chapter 1の最初のネタが「合コン」ですからねーw

著者のハギウ博士は、果たして「合コン」なんてご存知なんでしょうか?

その他の事例も、「アタリショック」や、「アマゾンとトイザらスの対立」など、興味深いものが多々。

既知のものも、改めて「プラットフォーム戦略」として検討し直すと、腑に落ちたりもしました。


◆そう言えば、以前読んだこちらの本。

「ハンバーガーを待つ3分間」の値段―企画を見つける着眼術 (幻冬舎文庫)
「ハンバーガーを待つ3分間」の値段―企画を見つける着眼術 (幻冬舎文庫)

この本の中に、著者の斎藤由多加さんが、リクルート時代に編集部に配属された「週刊住宅情報」「コンテンツではなくシステムである」と見抜くクダリがあるのですが、これこそまさに「プラットフォーム戦略」!

参考記事:【再録】★「ハンバーガーを待つ3分間の値段」斎藤由多加 (著)【マインドマップ付き】(2006年01月18日)

マーケットプレイスでは1円とかで売られてますけど、上記の参考記事でも書いてるように、ぶっちゃけ、コレ、「スゴ本」だと思われ。

記事を読んで興味を持たれた方には、一読をオススメしておきます。


◆ところで、上記事例を見ても、「規模が大きすぎ」て、プラットフォームを「提供する側」としては、自分ごとに捉えにくいのではないでしょうか?

その一方で、プラットフォームを「提供される側」としては、アプリケーションの例にもあるように、私たちでも参加は可能です。

ただし、あくまで「提供する側」の思惑に従わざるを得ず、ビジネスモデルとしては、舵取りが難しい模様。

また、まだプラットフォーム自体が確定していない「電子書籍」に至っては、アプリも乱立(?)しており、今後どうなるのかまだ分からなかったりします。

出版関係者の皆様におかれましては、本書を熟読し、次の1手を考えて頂きたく。

私自身、Kindleを買うべきか否か迷っておりますので。


◆本書は、「戦略本」の割には間口が広く、多くの方に読まれることを想定された作りだと思います。

特に、『FREE』や、『異業種競争戦略』辺りがお好きな方なら、お気に召すことウケアイ。

まぁ、私がオススメしなくても、土井さんはもちろんのこと、アマゾンでは見えなくなってしまった本の帯で大前研一先生「全てのビジネスパーソンに一読を薦める」と言われてるんですがw


「場の持つチカラ」を理解するための1冊!

プラットフォーム戦略
プラットフォーム戦略


【関連記事】

【立ち位置を考える】「リ・ポジショニング戦略」ジャック・トラウト(2010年07月03日)

【オススメ】「異業種競争戦略」内田和成(2010年02月04日)

【スゴ本】「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン (著), 小林弘人(監修)(2009年12月02日)

【水平思考】「コトラーのマーケティング思考法」(2009年02月06日)

【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)


【編集後記】

◆いよいよ本田さんの新刊が登場。

本田直之式 ハッピー・ワークスタイル 〜秘訣はiPhoneとMacの連携にあり〜
本田直之式 ハッピー・ワークスタイル 〜秘訣はiPhoneとMacの連携にあり〜

アップル製品を1つも持ってない私でも、これは是非読んでみたいな、と。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「企業経営」へ

この記事のカテゴリー:「マーケティング」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
Comments(2)TrackBack(0)企業経営このエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/51853435
この記事へのコメント
ご紹介いただきまして誠にありがとうございます!
感激しました^^

ハギウ博士は合コンいっているかは
確認しておりませんが、、、彼の例では
デートクラブでしたが日本では合コンの
方がよいということになった経緯があります

今後ともよろしくお願い申し上げます

平野拝


Posted by 平野敦士カール at 2010年08月24日 12:34
>平野敦士カールさん

著者様直々のコメントありがとうございます。
なかなかアマゾンに在庫が入らず、完全に出遅れてしまいました(涙)。

なるほど、ハギウ博士はデートクラブでお考えでしたか。
確かに日本なら合コンの方がしっくり来ますね(笑)。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年08月25日 04:52