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2010年07月27日

【ミシュラン】「世界でいちばん小さな三つ星料理店」奥田 透


世界でいちばん小さな三つ星料理店
世界でいちばん小さな三つ星料理店


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログとしては珍しい「料理人の方」によるご本。

先日、ブログのコメントで、だいすけさんに教えて頂き、アマゾンアタックしましたw

装丁だけ見ると、「写真満載の料理本」のようですが、中身は、「働き方の哲学」といった方が良いほどの、ガチな内容です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
いま、もっとも注目を浴びている39歳の日本料理人・奥田透の初の単行本。
高校のときに居酒屋でアルバイトをしたのをきっかけに、“たまたま”料理の道へ。
その後、苦難の連続で、包丁すら握らせてもらえない修行時代が続く。
その著者が、なぜ短期間で料理人としての才能を開花させ、自分の店を構えてわずか5年でミシュラン三つ星を獲得できたのか?
そこには、料理界以外にも通用する、仕事に向き合う哲学の真髄が!
思わず襟を正したくなる1冊でした!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

第1章……少年時代

第2章……料理人人生、はじまる

第3章……憧れの青柳へ

第4章……ついに、独立を果たす

第5章……銀座小十、開店

第6章……ミシュラン三つ星へ


【ポイント】

■1.人を喜ばせる才能はあった
私より才能のある人間が、じっさい私の店にも何人もいますし、それを認めることは苦でもなんでもありません。自分の能力に限界があることは、自分がいちばんよく知っているからです。しかしその一方で、人を喜ばせる才能はもしかしたらあるかもしれないと思っています。若いころから、この店はもっとこうすれば喜ばれるのにとか、もっとこうしたらお客さんに受けるのにといったことはよく考えていて、そのときに考えていたことはいまになっても間違っていなかったという確信があります。


■2.「石の上にも3年」の本当の意味
 よく「石の上にも三年」といいますが、その三年の間じっと座っているだけでなにもしなければ、三年経ってもなにかが急にできるようになるわけではありません。
 やるべき仕事をいま目の前にある「面倒」と見るか、将来のための「勉強」と見るかでその成果は大きく違ってきます。先のことを考えたらやるし、いましか見ていなければやらない。それが仕事であり修業だと思うのです。


■3.できないことがわかったら、素直にそれを聞けばいい
 何度も言いますが、「できない」と言う人間は、できないことがわかっていないからできないのです。勉強も同じです。どこがわからないのかと聞かれても、わからないところもわからないから、いつまで経ってもわからない。
 少なくとも「わからない」と言うことを恐れない人間でありたい。私はいまでもそう思っています。


■4.京料理の老舗で受けたカルチャーショック
 掃除の仕方にしても、学ぶところがありました。とにかく同じところを毎日磨く。ホコリひとつない、「そこはもう昨日掃除したじゃないか」というようなところでも、毎日磨く。そこのご主人がおっしゃった「四百年経っていても磨けば光るんだよ」という言葉が、心に響きました。毎日、丹精込めて磨いていれば、最初に建てたときよりもきれいになる。古くなると汚れたりくすんだりするのが当たり前だと思っていたのが、古くなればなるほど美しさを増していくものもあるのだという考え方は、目からウロコが落ちる思いでした。


■5.お客さんの"常識"に沿った対応をする
 例えば、お出しできるまでに十五分くらいかかるとしたら、最初から「十五分くらいかかります」と言われて待つ十五分と、なにも言われないで待つ十五分では、同じ十五分でも、感じる長さがまったく違います。あるいは、少ないお客さんのなかで待つ十五分と、満席の状態で待つ十五分も違います。
 私がやっていたのは、そのような、「自分だったらこうであってほしい」と思う常識を一つひとつ満たし、クリアしていくということでした。


■6.接客の基本は「心」
 この仕事をしていて感じるのは、本当に商売というのは心理学的な要素が強い世界なんだなということです。
 さっきの「かゆいところに手が届く」話ではありませんが、本来、かゆいというのは異常事態なわけですから、最初から感じさせないのがいちばんです。
 それでも感じさせてしまったなら、「かゆい」と言われる前に掻いてさしあげる。
 人間というのは、不快を口にすることで、ますます嫌な気分になってしまうわけです。だから、せめて「かゆい」と言わせないことを心がける。それが接客の基本であるような気がします。


■7.やらずに後悔はしたくなかった
 よく「実はオレも若いときはこんなことをやりたかったんだ」という言葉を口にする人を見かけますが、ちょっと酷な言い方をすると「やりたかった、やりたかった」という人は、結局「やらなかった人」なのではないかと思うのです。
 ですから、私もいずれ「やりたかった」で終わってしまうのかと考えたら、それは絶対に避けたいことだと思いました。やって後悔するならまだしも、「やらなかった」ということで後悔はしたくなかったのです。


【感想】

◆上記で引用した部分は、いずれも奥田さんの修行時代のお話で、本書で言うと、第4章まで。

ミシュランで三つ星を取る「銀座小十」の開店以降のお話は、第5章以降になります。



当ブログの読者さんにとっては、おそらくこの4章までの方が、コンテンツとしてマッチすると思い、重点的に拾いましたが、お話としては、5章、6章も見逃せないところ。

静岡で開いたお店が大好評で、無理に東京に出る必要もなかった奥田さんは、ほとんどツテもない状態で銀座に日本料理店を開店するものの、客足が全く伸びず大苦戦してしまいます。

挙句の果てには資金繰りに苦しみ、死をも意識する、という状態から、いかにミシュランで三つ星を獲るのか……という「大逆転劇」ついては、本書をご覧アレ。


◆ただ、奥田さんが一般的な「三つ星料理人」のイメージとかなり違う点は、皆さん読まれて驚かれると思います。

「子どもの味覚は3歳まで」とか「5歳まで」とか言われるところ、奥田さんのお母様は「料理下手」で、ご両親も奥田さんも、食に対するこだわりはそれほどなかったそう。

しかも奥田さんご自身も「手先の不器用さにかけては誰にも負けない自信があった」と言われていますし、修行開始時の奥田さんが、後にミシュランで星を獲るとは、誰も思わなかったのではないでしょうか?

同じ店(「青柳」)で修行していたライバルであり、一緒にミシュランの星をもらうことになる兄弟子の山本征治さん(本書では"龍吟"と呼ばれています)とは偉い違い。

そんな「料理を作る才能に元から恵まれていたのではない」一人の料理人が、成功するまでに何を考え、何をやってきたか、を克明に記しているのが本書、というワケです。


◆とにかく奥田さんの「働くこと働くこと」

いずれ独立するために、昼間割烹旅館で働き、夜「接客を学ぶため」にクラブでボーイのバイト。

その後、「仕入れを学ぶため」、クラブを辞め、魚の卸売市場で早朝バイト。
 年収ベースで見れば、同級生たちの半分どころか三分の一でしたが、「いまに見よれ」と自分を奮い立たせました。
 大学に行った友だちが合コンだ飲み会だと浮かれている間、私は毎日魚と野菜の山に埋もれていましたが、いつかこの苦労が花開いて実になるのだと自分に言い聞かせました。
実際に、これらの苦労がすべて実っているのがスゴイな、と。


◆本書を読んで、自分の毎日の仕事ぶりについて「生ぬるい」「もっとやれる」と思う方は少なくないと思います。

少なくとも私はそうでしたし、自分の仕事のための「苦労」には、無駄なことは何一つない、と思った次第。

逆境を物ともせず、自分の力で「未来」を切り開いていく奥田さんの姿には、きっと皆、励まされるハズ。

人間、「やればできる」もんですね!


夏休みに正座して読みたい1冊!

世界でいちばん小さな三つ星料理店
世界でいちばん小さな三つ星料理店


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【編集後記】

◆おなじみ、石田 淳さんの新作が登場。

3日で営業組織が劇的に変わる行動科学マネジメント
3日で営業組織が劇的に変わる行動科学マネジメント

「営業」×「行動科学マネジメント」というのは、いい相性だと思われ。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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この記事へのコメント
本当に襟を正して読みたくなる本ですね!
Posted by 齊藤正明 at 2010年07月27日 12:31
smoothさん、こんばんは♪以前のコメントお返事しようと思ったんですが、続けて書き込めないとかでコメントできませんでした(汗)

っていうか「世界でいちばん小さな三つ星料理店」、本を読んでくれて無茶苦茶ありがとうございますm(- -)m!!!先日購入してくれた履歴があったんですがsmoothさんが購入してくれたんでしょうか?じゃなかったとしても嬉しいです、ありがとうございます。

そうですね、表紙の装丁を見るとかなり料理の本なんですが、著者の奥田さんの写真も他に一切なく、料理本と期待して読んだらかなり肩透かし喰らいますね。それにしても、かなりしっかりした感想文!自分もまた改めて振り返ることができました。

いや…こんなにちゃんと書いてくれてほんとに嬉しいです。ちょっと感動してます(笑)
Posted by だいすけ at 2010年07月27日 23:14
>齊藤正明さん

いや、ホントおっしゃるとおりですよ。
自分の甘さを痛感いたしました(汗)。

>だいすけさん

ご本を買ったのは、確かに私です〜。(記事で言ってる「アマゾンアタック」というのは、そういうことなんですw)
でもおかげで(?)アマゾンでは私が記事にする前から在庫切れなんですが(涙)。

多分、書店では見かけてたと思うんですが、どう考えても料理本にしか見えないので、スルーしていた模様。
こちらこそ教えていただき感謝です。
最近、ベタな仕事系の本を読んでることが多かったので、いつもと違ったタイプの本も良いかな、と思った次第です。

読書ではあまり冒険しない方なのですが、また掘り出し物があったら教えてくださいマセ(笑)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年07月28日 04:15