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2010年05月19日

【ヤバ本】『「情報創造」の技術』三浦 展


「情報創造」の技術 (光文社新書 460)
「情報創造」の技術 (光文社新書 460)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、時代を読み取るいくつもの書籍を送り出してきた三浦 展さんの最新刊。

本書はなんと、それら書籍の舞台裏とも言える、「コンセプトの作り方」までもが明かされており、注目せざるをえません。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

時代を予測するプロが、独自のノウハウを初公開!
収集・整理だけでは、新しい価値は生まれない。
「下流社会」「ファスト風土」「シンプル族」etc.数多くのキーワードを生んだ消費社会研究家、マーケティング・アナリストの調査・分析・プレゼンの技法とは?

まさに「三浦流"知的生産の技術"」であり、おかげで付箋も貼りまくりでした。

「情報創造」の技術










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【目次】

序 情報創造力がないと生き残れない!

1 「まねない力」で生き残れ!
2 どんどん仮説を出そう
3 情報創造はビジネスにとってますます重要 ほか

1章 情報創造はなぜ必要か?

1 パワポづくりで無駄な残業をしていませんか?
2 ちゃんと文章を書いて論理的に考えるべき
3 パソコンに使われてはいけない ほか

2章 情報創造の方法

1 情報受信するには知識と好き嫌いが必要
2 いろいろなことを知っておこう
3 知識を身につけるには、いろいろな人に会え! ほか

3章 情報の収集と整理

1 脳を刺激する自由で楽しい仕事場づくり
2 デスクの配置
3 朝型の方が効率的 ほか

4章 情報創造の事例

【仮説の立て方1】オリジナルなデータをつくる
事例1 ニセ団塊ジュニアと真性団塊ジュニア:世間の通説を疑って新しい世代像をつくる
事例2 Hanako OL:価値観の変化の基礎には分母となる人口の変化がある
事例3 新人類世代:どこで生まれたのかが価値観に影響 ほか


【ポイント】

■情報創造力が上流・下流を決める

 文章理解や計算力などの情報処理力は誰でもある程度持っていて当たり前ですが、「問題発見や計画立案」になると上流と下流で差がつくのです。特に30〜40歳ではその差が大きい。「問題発見や計画立案」の能力は上流男性と下流男性で48ポイントも違うのです。情報処理カよりも情報創造力こそがこれからのビジネスパーソンが生き残るための重要な条件なのです。


■コンセプトとターゲットがあれば、そこに商品ができる

私にとって自分で本を書くことは商品をつくることとあまり変わりありません。まずコンセプトがあり、次にターゲットがある。そして、ターゲットに合わせて内容をどうするかがはっきり決まっていく。内容が決まれば、新書にするかどうかとか、価格はどうするか、タイトル(普通の商品で言えばネーミング)はどうするか、広告はどうするかなどなどが決まる。文体だってターゲットに合わせて変わります。自動車などの普通の商品をつくるのと同じなのです。


■どんな調査をすればいいか、どんな質問をすればいいか

多くの会社は「消費者が何を欲しがっているか」しか調査しません。「消費者が欲しがっているものを商品化すれぱ売れる」と考えているわけです。もちろん、それでもある程度は売れるわけですが、これからを予測するために重要なのは、消費者がこれからどういう気持ちで生きていくか、どんな自分になりたいか、何に価値を置いて生きるかを知ることなんですね。


■感情的、感覚的なことを論理的な言葉にする

普通の人は、好き嫌いを感じても、そのままにしています。(中略)
 でも私は、感情的、感覚的なことを、論理的な言葉にするように心がけている。「なぜ私は嫌なのか?」、逆に「なぜ若い人は平気なのか?」を考えて、答えを見つけて説明するのが私の仕事だからです。なぜなら、私のお客さんは「なぜ、若者はそれが好きなんですか?」とか「なぜ、地べたに座っていて平気なんですか?」という答えを知りたがっているからです。


■人間観察を欠かさずに情報創造をしている人もいれば、データをよく見ずにものを考える人もいる

車メーカーの人にこんなことを聞かれたことがあります。今は少子化して子どもの数は平均1.2人以下だ。一人っ子も多いはずだ。だったら3人乗りの車をつくってもいいのではないか。(中略)

 この人は出生数のデータをちゃんと見た方がいいですね。インターネットで調べればすぐにわかります。平均出生数が1.2というのは未婚の女性も分母になった数字なんです。既婚女性だけを分母にするとほぼ2なんです。つまり子どもを産む女性はほとんどが2人産むんでですね。だから3人乗りの車にはあまリニーズはないんです。むしろ家族が3人でも8人乗りの車にゆったり乗りたい人が多いわけです。


■「短期」「中期」「長期」だけではなく、同時に原因を「火薬」と「引き金」に分けて考えること

 少年Aが父親を殺したという事件が起こったとします。その原因には「火薬」と「引き金」があります。引き金は、出来事が起きた直接的な原因です。たとえば「おまえはバカだ」と言われてカッとしたといったことが引き金ですね。
 しかし、引き金が引かれる前に火薬が少しずったまっていたわけです。たとえば「生まれてからずっと親に冷たくされていたので不満が鬱積していた」といったことが火薬です。


■情報を収集・整理しながらも、次々新しい仮説を考える

重要なのは、情報を整理しながら同時に仮説を考える、仮説が出たらすぐに情報収集の基準を変えるという作業を毎日することです。ところが彼は、情報の整理とは情報を日付順やアイウエオ順に並べることだと思っている。それは間違いです。情報の整理とはそれ自体が創造なのです。


■情報創造力の重要は本質はストーリーカだと言ってもよい

たとえば、帰宅する電車の中で疲れた女性を見た。随分疲れているようなので印象に残ったとします。そうしたらそのことを「電車の中の疲れた女性」とメモします。
 そこでさらに一工夫。この女性はどこで働いているのか、新宿から乗ってきたから西新宿かな、何歳だろう、どんな会社で働いているのだろう(中略)…と想像して、彼女の人生、生活を勝手につくり上げる。映画の脚本家か小説家になったつもりで、ストーリーを考える。そうすると、そこにひとつの消費者像がいきいきと浮かんでくるはすです。その女性には迷惑な話ですが、そういうイメージづくりをすることは、情報創造にとって重要だと思います。こういうイメージがたくさん増えれば、働く女性向けの癒し商品の一つやニつアイディアが浮かぶはすです。


【感想】

◆付箋をたくさん貼りすぎたため、これでもかなり割愛しておりますが、本来なら載せるべきだったかな、とちょっと反省しているのが、情報整理術としては王道である、メモやノートの取り方。

また、読書の仕方や、新聞を読む理由等々、情報収集に関しても独特なものがあり、当ブログの読者さんとしては、このあたりの内容は気になると思います。

ただ、それぞれのやり方は違えど、これらは類書にも載っているお話ですから、それよりももっと独自のお話を取り上げてみた次第。

実際、三浦さんによれば、情報を集めた後の「情報創造」にこそ、価値があるわけですから。


◆その「情報創造」の具体的な形が、第4章の「情報創造の事例」

ここでは「ニセ団塊ジュニアと真性団塊ジュニア」「新人類世代の出生地による価値観の相違」「第四山の手」といった三浦さんの過去の著作で登場したテーマの誕生秘話が明かされています。

これらの事例でも分かるのが、「まず仮説ありき」だということ。

以前、三浦さんの『下流社会』を読んだときに、私はブログで「少ない調査対象で強引(?)とも思われる持論を展開されている」と書いたのですが、マーケッターにとっての問題は「予測の正否」であって、「サンプル数の多い少ない」ではなかったんですね(スイマセン)。


◆本書でも

むしろ12人のサンプルでも、もっと言えばたった1人のキャバクラ嬢の発言からでも、そこから時代の変化、社会の問題を感じ取り、解釈を加えながら、予測しなくてはならない。それが私に課せられた仕事だと思っています。

と三浦さんは言われており、確かにそうだな、と。

一方で、「団塊ジュニア」のお話のように、オフィシャルなデータ(「人口動態統計」)から読み取れるものについても、企業は検証しないで「第二次ベビーブーム世代=団塊世代の子ども」という前提で商品企画をしてしまったという黒歴史

「調査やマーケティングの仕事をしている人なら、それくらいの検証作業を惜しんではいけない」という言葉も、ごもっともです。


◆同様に面白かったのが、「渋谷の公園通りで定点観測をしてスニーカーを履いている人が何%かをカウントして、スニーカーのPR誌に載せたい」という人に助言したお話。

その人は「30%くらいいるもの」だと思っていたのですが、三浦さんによると、「100人中せいぜい5人くらい」とのこと。

こういう数字も、実際に定点観測の経験があるからこそわかっていることなんですよね。

インターネットだけでなく、こうした「生きた情報」を街の中から拾うことも、「情報創造」には大事な作業なわけです。


◆個人的には、三浦さんが、いかに情報を収集して、実際に活用し、「情報創造」するか、というノウハウを惜しみなく語ってくださっている点に感謝したいところ。

単純な情報整理術ではない分、読む人を選ぶのかもしれませんが、ポイントの最初に触れたように、「情報処理カよりも情報創造力こそがこれからのビジネスパーソンが生き残るための重要な条件」なのですから、多くの方が読んでしかるべきでしょう。

もちろん、実際に企画マーケティングに携わる方なら「マスト」だと思われ。

ぶっちゃけ、他の書評系のブロガーさんやメルマガ発行者さんに出し抜かれる前にご紹介できて良かったですw


これはもう、オススメせざるを得ない1冊!

「情報創造」の技術 (光文社新書 460)
「情報創造」の技術 (光文社新書 460)


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【編集後記】

◆相変わらず英語が苦手な私なんですが。

Twitterで英語をつぶやいてみる (生活人新書)
Twitterで英語をつぶやいてみる (生活人新書)

「140字なら何とかなるんじゃね?」とか言ってみるテストw


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Posted by smoothfoxxx at 07:30
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この記事へのコメント
付箋貼りまくりっすね
Posted by ただお at 2010年05月19日 14:26
smoothさん、こんばんは!
いつも楽しく拝見させていただいています。
今日はヤバいですね。何がヤバいって三浦さんの本とツイッターで英語、の本、ダブルでクリックしてしまいましたよ〜。到着が楽しみです。英語でつぶやいてみたいです(笑)。
Posted by ニャロメ at 2010年05月20日 00:03
>ただおさん

コメントありがとうございます!
スイマセン、ついつい貼りすぎてしまいました。
でも、この本、読む人が読んだら、スゴイ本だと思いますよ〜。

>ニャロメさん

アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
英語のご本は、私は積極的にはプッシュしにくいのですが、三浦さんの本は、鮒谷周史さん辺りがお好きな感じですね(聞いてませんがw)。

ホントは、編集者さんが本の企画を考えるために読むべき1冊だと思っておりまする。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2010年05月20日 04:28