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2010年03月02日

【52のルール】「伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52」アラン・M・ウェバー




【本の概要】

◆当ブログの読者さんなら、きっと次の3冊はご存知のことと思います。

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (1))

実はこれらは、いずれもアメリカのビジネス誌、『ファスト・カンパニー』の巻頭特集記事が元になったものなのだそう。

そして今日ご紹介するのは、その『ファスト・カンパニー』を苦労の末立ち上げた、創刊メンバーのアラン・M・ウェーバーの「ビジネスルール」をまとめ上げた1冊。

メインタイトルはアレだと(個人的に)思いますが、中身は直球ど真ん中の正統派でした!


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【目次】

ピンチのときこそ、リラックス
有権者の本当の望みを知れ
「目的は何か」を問い続けよ
「解決」より「予防」が安上がり
「現状でのコスト」>「変化に伴うリスク」であれば改革せよ
額縁を変えて絵を見よ
「システム思考」をせよ
新しいカテゴリーをつくれ
「出発点はお金」を肝に銘じよ
「よい答え」より「よい質問」〔ほか〕


【ポイント】

■有権者の本当の望みを知れ

●それは役に立つか?
●それはもっとよいものに改善できるか?
●それは新しくて、もっとよいものか?

 こうしたすこぶる米国的な投票基準に、あなたのアイデアやサービスを照らし合わせてみよう。あなたの提供するものがこの基準に合致するなら、消費者たちのハートと財布の争奪戦に向けて、有利なスタートを切ったことになる。


■額縁を変えて絵を見よ

 もし、あなたがジャーナリストで、「自分はニュースを提供する商売をしている」と思っているなら、あなたはいずれ仕事がなくなる可能性が高い。ニュースは商品だが、顧客が欲しているのは「意見を提供するビジネス」だ。彼らはニュースを商売にしているわけではない。彼らは、「ニュースを提供する商売を陰で支えているもの」を仕事にして成功している。


■「どちらか」ではなく「どちらも」選べ

「ハーバード・ビジネス・レビュー」は教育的だが、エンターテインメント性はない。一方、「フォーチュン」などのビジネス誌にはエンターテインメント性はあるが、教育性は劣る。「ファスト・カンパニー」はこの両方を満たす「エデュテインメント(エデュケーション+エンターテインメント)」事業に乗り出したのだ。


■スタート時には「4C」が必要だ

1.変化(Change)

 立ち上げの成否は「その事業が現状を変えられるかどうか」にかかっている。つまり新事業をはじめるなら、現状を変えるものを提供する必要があるのだ。

2.つながり(Connection)

「ファスト・カンパニー」は二種類の「つながり」を生み出した。一つは、アイデアのつながり、もう一つは人のつながりだ。

3.会話(Conversation)

私たちは会話を通じて、お互いにアイデアを築き合い、新しい経済的価値を生み出している。「ファスト・カンパニー」の記事は、どれも新しい会話の口火となることを目指したものだった。

4.コミュニティ(Community)

「ファスト・カンパニー」の立ち上げに備え、成功を収めた雑誌の歴史を調べたことがあった。そのときに気づいたことは、際立った雑誌は一つの時代を特徴づけ、さらに一つのコミュニティをまとめ上げていた。


■「効率よいもの」より「掘り出しもの」

 マネジャーは「効率のよいもの」を好む。効率を求めれば改革は受け入れられない。改革は摩擦を生み、摩擦は負担を生む。効率よくするためには毎日同じ道を通って職場へ行き来する。そのほうが簡単でわかりやすいし、注意を払う必要もない。
 一方、起業家は「掘り出しもの」を好む。起業家は、新しいアイデアを生み、アイデアを試す実験をするのだ。起業家は毎日同じ道を通って職場へは行こうとは思わない。新しい道を探検し、新しいことを体験する自由を欲するのだ。


■部下がリーダーに求めていること

「目的(意図)をはっきり語ること」、「価値観を率直に語ること」、「評価基準(評価指数)をはっきりさせること」の3点だ。


『エクセレント・カンパニー』『ビジョナリー・カンパニー2』の一致した結論

すなわち「企業が成功するかどうかは、社員の質とその扱い方にかかっている」
 ソフト(人に関する部分)がハード(お金に関する部分)につながる。そういうことだ。すばらしい社員がすばらしい企業をつくり、ひいては、すばらしい財務実績につながる。決してその逆ではない。


■「コンテンツ」より「コンテキスト(背景・文脈)」

あなたがどれほど多くの生の事実を知っていようが、その価値は、あなたが事実につけるコンテキストによって決まる。だからこそ、コンテキストはコンテンツよりも重要であり、パイプがあろうがなかろうが、それが変わることはないのだ。


■目の前の問題からはじめよ

彼(ムハマド・ユヌス)は、銀行創設も社会運動も考えていなかった。彼は、助けを必要としている一人の女性を見かけ、「彼女を助けずにはいられなかった」、それだけだったのだ。
 他の多くの社会改革事業についても同じことが言える。身近な課題に取り組むことが営利・非営利、どちらの起業家にも役立つモデルを生み出す。


【感想】

◆いつも通りポイントをサクサク挙げてみましたが、本書の「本質」はこのような形で抜き出したものでは身に付かないかな、と思ってみたり。

本書で提示されているのは、「知識」というより「知恵」

とにかく、52のルールの全てについて「自分ごと」として消化されており、それぞれ「実体験」に基づいて述べられているのがスゴイです。

しかも登場するのが一流の著者・学者・実業家だったりするわけで、圧倒されまくり。

ちなみに、初っ端にインタビュー相手として登場するのは、西ドイツのシュミット元首相だったりしますw


◆本書の教えは、PCで言うなら「ソフト」ではなく「OS」

色々なノウハウを学ぶ前に、一通り理解しておくと、芯から成長できる気がします。

アマゾンの内容紹介に、ダニエル・ピンクの言葉として

「スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』が好きな人は、きっとこの本が大好きになる」

と言うのがあるのですが、それも納得。

中身が深い分、ポイントを抜き出すのが難しい箇所は泣く泣く割愛しておりますので、是非本書で全体をご確認頂きたく。


◆なお、52のルールはアトランダムに並んでいる(章立てがない)のですが、巻末に「テーマ別目次」というものを発見。

それによると、本書のルールは「仕事の姿勢」「リーダーシップ」「起業」「変革・イノベーション」「戦略」「新しい視点」「6つに分類」されているようです。

私は最初から順番に読みましたが、次に読むときは、テーマごとに拾って読んでいくと、また違った発見があるのかも。

また、「仕事の姿勢」「起業」が多いのはわかるとして、面白いのが「新しい視点」のルールが結構多いこと。

この辺は、ダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」(本書にも出てきますw)にも通じますね。


参考記事:「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)(2006年05月25日)


◆一方、自身の人生経験を元に、深い話が多く登場する点では、「ある広告人の告白」にテイストが近いかも。


参考記事:「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)

これも名著でした。

もっとも、冒頭にあるように多くの名著を産んだビジネス誌の編集長が書いた本なのですから、この位のクオリティはクリアして頂かないとw

個人的にも線を引きたい衝動を抑えるのに必死でした。


まさに将来に渡って読み返したい1冊!



【関連記事】

【起業&仕事術】「小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」(2010年02月26日)

【スゴマニュアル】「完全網羅 起業成功マニュアル」ガイ・カワサキ(2009年06月07日)

「広告の巨人オグルヴィ語録」デイヴィッド・オグルヴィ(2007年03月01日)

「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)

「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)(2006年05月25日)


【編集後記】

◆ちょっと気になるセミナー。

週刊東洋経済』キャリアセミナー Think!キャリア〜20代ビジネスパーソンの仕事・会社選び | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン

何たって、講師が渡邉正裕さん城 繁幸さんですからね〜。

これは面白そうです(私は年齢対象外ですがw)。


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