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2009年12月02日

【スゴ本】「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン (著), 小林弘人(監修)


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン
日本放送出版協会
売り上げランキング: 3


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、発売と同時に都内のリアル書店でもバカ売れしているラシイ、話題の本、「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 」

既に大御所のお二人が記事にされているので、お買い求めになった方も多いことかと思います。

土井英司さん

小飼 弾さん


◆私はブログ記事にする作業方法の関係上、PDFファイル形式では入手せず、発売と同時に本を購入。

毎日少しずつ読み進めていたら、12月になってしまいましたよ。←遅すぎw

もし、発売が1ヶ月早ければ、「ビジネス書大賞」最有力候補だったであろうこの本。

聖幸さんも太鼓判押されてます!


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【目次】

プロローグ
第1章 フリーの誕生

無料とは何か?
第2章 「フリー」入門
──非常に誤解されている言葉の早わかり講座
第3章 フリーの歴史
──ゼロ、ランチ、資本主義の敵
第4章 フリーの心理学
──気分はいいけど、よすぎないか?

デジタル世界のフリー
第5章 安すぎて気にならない
──ウェブの教訓=毎年価格が半分になるものは、かならず無料になる
第6章 「情報はフリーになりたがる」
──デジタル時代を定義づけた言葉の歴史
第7章 フリーと競争する
──その方法を学ぶのにマイクロソフトは数十年かかったのに、ヤフーは数ヶ月ですんだ
第8章 非貨幣経済化
──グーグルと二一世紀型経済モデルの誕生
第9章 新しいメディアのビジネスモデル
──無料メディア自体は新しくない。そのモデルがオンライン上のあらゆるものへと拡大していることが新しいのだ
第10章 無料経済はどのくらいの規模なのか?
──小さなものではない

無料経済とフリーの世界
第11章 ゼロの経済学
──一世紀前のジョークがデジタル経済の法則になったわけ
第12章 非貨幣経済
──金銭が支配しない場所では、何が支配するのか
第13章 (ときには)ムダもいい
──潤沢さの持つ可能性をとことんまで追究するためには、コントロールしないことだ
第14章 フリー・ワールド
──中国とブラジルは、フリーの最先端を進んでいる。そこから何が学べるだろうか?
第15章 潤沢さを想像する
──SFや宗教から、〈ポスト稀少〉社会を考える
第16章 お金を払わなければ価値のあるものは手に入れられない
──その他、フリーについての疑問あれこれ
結び──経済危機とフリー

巻末付録1 無料のルール──潤沢さに根ざした思考法の10原則
巻末付録2 フリーミアムの戦術
巻末付録3 フリーを利用した50のビジネスモデル
日本語版解説(小林弘人)


【ポイント】

■フリーがうまく機能する例

ミュージシャンのレディオヘッドやナイン・インチ・ネイルズは、自分たちの楽曲を常にオンラインで無料配信している。それはフリーにすることで、より多くの人々に音楽を届けられ、多くのファンを獲得し、ファンの一部がコンサートに来てくれて、さらに有料のCDやグッズを買ってくれるとわかっているからだ。


■フリーの内部相互補助のいくつかのやり方

  ●有料商品で無料商品をカバーする

  ●将来の支払いが現在の無料をカバーする

  ●有料利用者が無料利用者をカバーする

  (詳細は本書を)


■「ペニー・ギャップ」に関するベンチャー・キャピタリストのジュシュ・コペルマンの話

 ほとんどの起業家は、需要の価格弾力性が常に存在することを前提にしています。つまり、売るものの価格を下げれば下げるほど、需要が上がるはずだと考えます。これが罠なのです。(中略)

 しかし、実際は売上を5ドルから5000万ドルに増やすのは、ベンチャー事業にとってもっとも難しい仕事ではありません。ユーザーになにがしかのお金を払わせることがもっとも難しいのです。すべてのベンチャー事業が抱える最大のギャップは、無料のサービスと1セントでも請求するサービスとのあいだにあるのです。


■アマゾン・フランスの送料無料へのこだわり

1981年にフランスでは、書籍販売者が定価から5%以上の値引きをすることを禁じた法律がつくられていた。2007年に、フランスの書籍販売者組合は、送料を考慮すればアマゾンのサービスはこの法律に違反すると裁判所に訴えたのである。組合が勝ったが、アマゾンのすごいところは、サービスをやめるよりは1日1500ドルの罰金を払うほうを選んだことだ。結局、フリーは違いを生む以上の効果を持っていたのだ。


■従来の市場とネットワーク効果に支配された市場との違い

 たとえば、従来の市場に3人の主な競争者がいるとすると、そのシェアは1位の起業が60%、2位が30%、3位が5%といった形になる。だが、ネットワーク効果に支配された市場では、1位が95%、あとは5%、0%となりかねない。ネットワーク効果は力を1点に集中させて、「金持ちをよい金持ちに」させやすいのだ。


■ネクソン社のオンラインゲーム、「メイプルストーリー」の有料と無料の使い分け

 多くの多人数参加型ゲームと同じで、メイプルストーリーも無料で遊べる。レベルアップしたり、他のプレイヤーと会話したりするなど、1ドルも使わずに楽しく遊ぶことができる。しかし、ゲームの進行を速くしたいのならば、<テレポストーン>がほしくなるかもしれない。それを使えば瞬間移動ができるので、とぼとぼ歩かなくてもすむ。テレポストーンを買うにはゲーム内通貨の<メル>が必要となる。(中略)

重要な点は、強力な武器は買えないことだ。ネクソンは、お金で力が買えることで不公平な二層構造の社会を生みたくはないのだ。その代わりにお金は、時間を節約するため、格好よく見せるため、または少ない努力で多くのことをするために使われる。


■ファッション業界において、偽者が本物を助けているという「海賊版のパラドックス」

消費者は今年のデザインを気に入らなければならない。そのうえ、すぐにそれに不満を持ち、翌年のデザインを買いたいと思う必要がある。(中略)

その解決策こそ偽者が広く出まわることで、高級だったデザインが大衆向けのコモディティになることなのだ。そうするとそのデザインの神秘性は失われ、目の肥えた消費者は何か特権的で新しいものを探さなければならなくなる。


■フリーに立ち向かう方策

フリーと戦うのは簡単なのだ。単純に無料のものよりよいもの、少なくとも無料版とは違うものを提供すればいい。(中略)

 普通のピザハットのとなりに無料のピザハットが開店するというヴァレンティのたとえ話のような状況はまず起きない。でも、これならありそうだ。ピザハットのとなりにドミノ・ピザが開店し、配達に30分以上かかったら代金をタダにするというサービスをする。これは違うサービスを提供することになり、フリーは2店のどちらに注文するかを決めるための多くの要素のひとつとなる。


■無料のルール 4.フリーからもお金儲けはできる

 時間を節約するためにお金を払う人がいる。リスクを下げるためにお金を払う人がいる。自分の好きなものにお金を払う人がいる。ステイタスにお金を払う人がいる。そういったものを皆さんが提供すれば(そして、人がそれに惹かれれば)、人はお金を払ってくれるはずだ。


■従来の無料の試供品とは異なる「フリーミアム」という形態

従来は製品の95%を売るために、5%を無料で提供するのだが、フリーミアムは5%を売るために、95%を無料で提供する。これが成り立つのは、デジタル製品の限界費用がゼロに近いので、95%の製品にかかるコストも少なく、大きな市場にアクセスするためならそのコストを容認できるからだ。だから5%という移行割合は、大きな分母の5%を意味する。


【感想】

◆当たり前と言えば当たり前なんですが、思いっきり割愛しまくり

ページ数350超あるは、事例は豊富だは、コラムは充実しているは、巻末付録(3)は「フリーを利用した50のビジネスモデル」だったりするは、で、もうお腹いっぱい

ぶっちゃけ、キチンと書こうと思ったら3回くらいに分けないと無理だと思われ。

と言っても、既に冒頭の2大巨頭は紹介済みな上に、これから佐々木正悟さんがブクマ集めまくったこの記事の「後編」を書かれるはず。

シゴタノ! ?    好きなことをして食べていくための10のルール【前編】 シゴタノ! ?    好きなことをして食べていくための10のルール【前編】

そこで私は、思うところをつらづらと。


◆まず、「フリー」というやり方自体は、昔から存在しており、テレビの地上波をはじめ、Googleが登場する前から身の回りにもいくらでもありました。

本書ではそういった「従来型のフリー」についても言及していて、自分なりにフト思い出したのが、クラブディスコにおける経済活動(?)。

自分で勝手に例を挙げてみると、こんな感じ(色々な店のパターンであり、全部が1店舗ではありません)。

●女性客はフリー

●9時までの入場はフリー

●平日は何時であっても入場フリー

●店内にキャンペーンガールがいて、配るタバコはフリー

●イベントによってはイベンター自主制作のミックスCDがフリー

★ただしフリーで入っても、ドリンクは有料

★同様にフリーで入っても、VIPスペース、VIPルームはテーブルチャージが付く


こうしてみると、本書のフリーのパターンに色々と当てはまるわけで、なるほど、夜遊びもビジネスの勉強になるものだな、と。

・・・当時は全く何も考えてませんでしたがw


◆ただ、これらは著者が「アトム(物質)経済」と呼ぶものであり、本書のキモはやはり「ビット(オンライン)経済」でのフリーでしょう。

代表的なところでは、「複製問題」があるとはいえ、コンテンツ産業

一部のロックバンドや、ブラジルのテクノ・ブレーガ(ブラジルの伝統音楽をテクノサウンド調で奏でたもの)のバンドは、曲の著作権以外の部分(コンサートや物販等)で収益を挙げています。

中国にいたっては、音楽自体は「完全にマーケティングの道具」(「音楽に課金した瞬間に99%のリスナーを排除することになる」そう)に過ぎず、むしろCMスポンサーを見つける等して収益化しているのだとか。

個人的には納得しきれているワケではない(旧世代だからか?)のですが、頭ごなしに「コピーイクナイ!謝罪汁!」と思考停止する前に、一応本書の14章「フリーワールド」をお読み頂きたいところ。


◆もちろん、このような著作権ビジネスだけでなく、本書のテーマは幅広い業種で考えるべきものです。

私の同業者である吉澤大先生も、Twitterでこのようなつぶやきを。

吉澤大(ヨシザワマサル)(yomasaru) on Twitter

FREEを読んで思ったけど、税理士の相談業務は知恵袋やマッチングサイトの無料相談との競争に。打ち勝つにはコンテンツそのものじゃなくて「この人から聞きたい」「この人に正しいと言って欲しい」と言う感情的な支持を得れるキャラクター作りが必要かも。

まぁ、吉澤さんの場合、喋りが得意なんで、YouTubeに動画流しまくるもよし、ボツ原稿ブログで公開とかしているので、それで客寄せもできるかとw

いずれにせよ、「ビジネスモデル」「マーケティング」「広告」「集客」「根付け」等々、本書を読んでヒントが得られるジャンルは多岐に渡るハズ。


◆ちなみに、もし立ち読みするのであれば、321ページからの3つの巻末付録をオススメ。

巻末付録1 無料のルール──潤沢さに根ざした思考法の10原則
巻末付録2 フリーミアムの戦術
巻末付録3 フリーを利用した50のビジネスモデル


のいずれも、非常に濃厚で、ここだけPDFファイルにして1万円とかで売ってもいいくらい。

実際にはそんなことをするどころか、本書は先行してPDF版を無料配布したわけなのですが、それにもかかわらず、有料の本が軒並み書店の売上ランキングに入っているという。

これこそまさに、「本書の主張が正しいからなのでは」、と思った次第。


今さらですが、当然、激オススメでございます!

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略


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【編集後記】

◆今号のアソシエも、これまた美味しそうなw

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 12/15号 [雑誌]
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2009年 12/15号 [雑誌]

一応買ったんですが、果たして実践できるのか、自分??


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:15
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【読みログ】フリー 〜〈無料〉からお金を生みだす新戦略【Poo-tee-weet? 〜未熟な大学4年生の小さな叫び〜】at 2009年12月02日 20:57
この記事へのコメント
ついにキター!!
たまには買ってみるかな、smooth師匠経由のAmazonで(笑)


Posted by とっしー at 2009年12月02日 12:32
いつも良書の紹介ありがとうございます。
ところで
しばられてみる生き方はもうご覧になりましたか
現代人が求めているものが書かれているとっても良い本ですよ。
Posted by 盆バー at 2009年12月02日 21:05
>とっしーさん

おぉ!アマゾンアタックありがとうございます!
「師匠」と呼んで下さっているのに、あえて今まで買わなかった男気が素晴らしいですwww

>盆バーさん

コメントありがとうございます!
メンタル系のご本は、ウチでご紹介してもあまり反応がないことがほとんどなのですが、リアル書店でチェックしてみますね!


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年12月03日 09:54
やっちまいましたorz
友人からのプレゼントでフリー頂きましたwAmazonの件、勝間さんのやればできるに代替していいですか?w
Posted by とっしー at 2009年12月03日 23:07
>とっしーさん

了解です!
勝間さんのも力作なんで、お楽しみに!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年12月04日 08:47