スポンサーリンク

2009年10月20日

【「最強」アナログ読書術?】「ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング」6つのポイント


  • 三輪裕範
  • 定価 : ¥ 1,470
  • 発売日 : 2009/10/16
  • 出版社/メーカー : 創元社
  • おすすめ度 : (1 review)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、丹羽宇一郎・伊藤忠会長のブレーンの1人として知られる、三輪裕範さんの最新刊である読書術のご本。

実は三輪さんのことを初めて意識したのは、右サイドバーにも掲載してある、「週刊東洋経済 2008年6月21日号」の読書特集がきっかけでした(ちなみに、私もちょこっと登場しております)。

その特集で、三輪さんのパートに付けられたタイトルが『財界首脳のブレーンが直伝!「最強」アナログ読書術』というもの。

特集に登場されている他の方(本田直之さん、勝間和代さん、佐藤 優さん、齋藤 孝さん、池田信夫さん)の読書量(50〜100冊/月)より、一桁違う数字(8〜10冊/月)ゆえ、逆にどんなスタイルなんだろうと気になった方もいらっしゃったかもしれません。


◆本書は、そのタイトルどおり、「クオンティティ(量)」ではなく「クオリティ(質)」を目指す読書を推奨。

アマゾンの内容紹介から一部引用します。

速読や多読で月に50冊や100冊もの本を読む行為は、学者や評論家ならまだしも一般のビジネスマンにとっては現実的な数字とは言えない。「せっかく時間をかけて読んだ内容を忘れてしまう」「もっと本から得た知識を活用したい」というビジネスマン、読書人のための正攻法読書術。

「アンチ速読派」が溜飲を下げる(?)1冊かも。


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

第1章 クオリティ・リーディングという考え方

 読書の「質」を重視する
 批判的読書とは何か
 速読は逆に非効率 ほか

第2章 クオリティ・リーディングのための時間確保術
 
 朝30分の読書から始めよう
 朝型読書のメリット
 どうしたら朝2時間を確保できるか ほか

第3章 クオリティ・リーディングのための本の選び方

 読書の目的を明確化する
 30代は拡張志向、40代は収束志向
 「フォーク型読書法」のすすめ ほか

第4章 クオリティ・リーディングのための本の読み方

 社会人の読書で常に意識すべきこととは何か
 「適時適書」のすすめ
 「スキマ時間」には何を読めばいいか ほか

第5章 クオリティ・リーディングのためのフォローアップ
 
 人間は忘れる動物である
 ノートを使う
 「もったいない」という気持ちを大切にする ほか


【ポイント】

■1.読書の「質」を重視する

◆まさにタイトルに関連したお話を。

三輪さんは前提として、「若い方の場合は、まだ知識等が少ないので、多くの読書によってそれらの獲得を心がけることが賢明」としながらも、いつまでも読書量を重視していてはいけない、と主張なさっています。

もし単なる知識獲得や娯楽目的ではなく、読書から知的刺激を受けて、それらについて自ら考えたり、自ら考えをまとめていくという「創造的読書」を目的とするのであれば、「少なく読んで多く考える」という読書の「質」を重視した「クオリティ・リーディング(quality reading)」を目指していく必要があるのです。

もちろん、「質」を保ちながら「量」も確保できればベストなんでしょうが、なかなかそういうわけにもいきません。

「何が何でも速読・多読」という昨今の風潮に対する、苦言と考えてよろしいかと。


■2.「高カロリー」な本を読む

◆「クオリティ・リーディング」の要諦としてあげられているのが「知識と情報のメタボ化」

これはメタボ対策のように体内の蓄積を減らすのではなく、逆に少しでも「知識や情報を蓄積」していく行為を言います。

それにはどうするか?

一読してすぐに理解できるような簡単な軽い内容のものではなく、多少「頭にもたれる」くらい歯応えのある高カロリーな本を、自ら意識して選んで、読んでいく必要があります。

これは非常に耳イタイお話。

私の場合、理解しきれない本を読んで、このブログで下手にご紹介しようものなら、ツッコミされまくるの可能性があるので、意識的に避けております。

うーん、積読状態の難しめの本も、手を出さないといけなさそう・・・。


■3.「スキマ時間」を過大評価しない

◆読書法について、「スキマ時間をいかに制するかが勝負」みたいな話を、自分でも以前、某インタビューでお話させて頂いたことがあるのですが、三輪さんはこれもバッサリ

一つには、スキマ時間が「不規則で不安定」であること。

外回りの営業でもない限り、毎日外出する人は少ないでしょうし、通勤の行き帰りも、座れたり本が開けなかったりとこれまた結構条件が異なってきます。

また、スキマ時間は自分でコントロールできません

待ち合わせ時間の前だと、いつ相手が来るかわかりませんし、私のようにATMで並んでいても、順番が来たら、途中で中断しなければなりません。


◆そこで三輪さんが提案しているのが「適時適書」

これは

「スキマ時間」と「まとまった時間」の性格の違いを十分に考慮した上で、その時間の性格にあった最適の本を読む

というやり方です。

私が読むのは、いつも「手軽に読める本ばかり」なので、特に区別しなくてもいいと思っておりますが・・・。


■4.リアル書店とネット書店を使い分ける

◆これは、実際におやりになっている方も多いことかと。

三輪さんの場合はこうです。

私の場合は、リアル書店では新刊本を中心にしながら時々一部の既刊本を、また、ネット書店では中古本を中心にしながら時々既刊本も購入するという使い方を基本にしています。

周りにある程度大きな書店がない場合には、新刊本もネット書店の方が確実ですが、こと中古本をリアルの古本屋で探すのは、結構大変だったりします。

ただ、あらかじめ買いたい本が決まっているなら、中古はネット書店が確実ですが、偶然の出会いを求めるのなら、リアルの古本屋(やブックオフ等)めぐりも楽しかったりw

私の場合、中古CDを漁っていた時代の「掘る」感覚が蘇って参りますw


■5.新聞朝刊の第1面の最下段の書籍広告をチェックする

◆書籍の新聞広告と言えば、2面、3面の最下段のどでかいスペースが有名です。

ただしその部分は大手出版社でないと出せない料金なのだとか。

一方、第1面の最下段(「三八ツ」「三六ツ」)なら別。

 一般的に言って、こうした「三八ツ」広告に掲載される本というのは、紙面スペースが小さいために広告掲載料が比較的安くすむこともあり、どちらかというと、大手出版社よりも中小出版社による本の広告が多くなっています。


◆ただし、「安い」と言っても、広告掲載料がペイできるほど売るというのも大変なこと。

それだけに、この「三八ツ」に広告を出す本には、広告元の中小出版社が自社の命運を賭けるような自信作が多くなっています。

これは全く知りませんでした。

今までキチンとチェックしてませんでしたが、今後は1面最下段も要チェックですね!


■6.読後にフォローアップする

◆本書では、本を読んだ後のフォローアップについて丸々1章を費やしているのですが、ここでは簡単に。

まず本を読みながら、自分が心動かされた部分に、後で見返したときにすぐ見つけることができるよう、をつけます。

そしてそれらをノートに書き写すのですが、その際に注意すべき点が4点。

1)書き写す文章は10箇所程度に厳選する

2)魅力的な見出しをつける

3)読んだ本はできるだけ早めに書き写す

4)テーマが決まるまではノートを作らない


◆詳細については本書を見て頂くとして、面白いのが2番目の「魅力的な見出しをつける」というもの。

そもそも、このノート作りは、後から見返すためのものなのですが、見出しが魅力的でないと、その部分を読み飛ばしてしまうのだそう。

この辺は、ブログの記事のタイトルにも通じるところですね。


【感想】

◆実は本書の中で「クオリティ・リーディング」の中核をなすものとして「批判的読書」という考え方が挙げられています。

もっとも、ここでいう「批判的」という言葉は、「非難する」とか「あら捜しをする」という意味ではありません。
 それは、本に書かれた内容をそのまま正しいものとして受け取ることではなく、自分自身の判断基準をもとにして、著者ではなく、読者の立場から考えながら読んでいくということを意味しています。

そこでお言葉に甘えて(?)、読んでいて違和感を感じた部分を少々。


◆まず、読んでいてふと思ったのが、本書で言及している読書とは、「手段」なのか、「目的」なのか、ということ。

私の場合、読書を完全に「目的」とするのは、物語等の「ビジネス書以外」のケースがほとんどです。

おまけに主に読むのが、比較的ライトな「専門書ではないビジネス書」なわけですから、結果的に、「速読・多読」になってしまっているだけで、特に意識して速読しているつもりはありません。

むしろ、私は「一字一句」読んでいるので、別に速読でもなんでもないのですが。


◆また、上記にもある「手書きのノート作り」に関しては、ユダヤ人の「全身学習法」を引き合いに、「五感を使うことによって、勉強や記憶の効果を飛躍的に向上させる」と本書では主張されています。

もちろん、その点を否定するわけではないのですが、結局は、PC等を使ったデジタルの場合の「検索性」とのトレードオフなのだと思われ。

ちなみに、確かに「手で書く」というひと手間で、記憶に残りやすい、という側面はあるのですが、私は税理士試験の理論暗記で、理論を手書きで写している間、頭の中は別のことを考えており、全く記憶に残りませんでした。

とはいえ、逆に「手で書かないと覚えられない」という人もいたので、手書きに関しては、「向き不向き」があるのではないか、と。

そもそも私の場合、「後から自分で読んでもわからない」くらい字が汚いので、そちらの方が問題かも。


◆ちょっぴり批判的(≠非難的)なことも書いてみましたが、本書は、昨今の「流行の読書術」(速読・多読)とはかなり違ったテイストになっており、主流派であるそうした読書術に馴染めない方にとっては、好意的に受け止められると思います。

さらには、「読みやすいビジネス書」を卒業して、骨太の専門書にトライしたい方にも、しっくりきそう。

私としては売れ線のビジネス書以外の本を読む際に、挑戦してみたいと思った次第。

アナログの道は、それなりに険しそうですがw


三輪裕範 ¥ 1,470


【関連記事】

すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)

【知的生産】『「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術』齋藤 孝(2009年09月02日)

【読書ハック】「READING HACKS!」原尻淳一(2008年10月12日)

【読書力】『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』小宮一慶(2008年09月19日)

「レバレッジ・リーディング」本田直之(2006年12月06日)


【編集後記】

「仕事はストーリーで動かそう」でお馴染みの川上徹也さんの新刊が登場。

川上 徹也 ¥ 735

すぐれた演説・スピーチには、人の心を揺さぶり、歴史を動かし、世界を変える力がある。小泉純一郎の郵政解散演説、オバマの民主党大会史上最高の演説、ブッシュが九〇%超の支持率を得た九・一一演説、キング牧師の「私には夢がある」演説…。こうした名演説には、必ずといっていいほど使われている手法がある。伝えるべきメッセージを、「人類共通の感動のツボ」を突くようなストーリーに託して語っていたのだ。ストーリーテリングの専門家が、ビジネスにも有効なスピーチの法則を、具体例をあげて明らかにする。

プレゼン等をなさる方なら、要チェックですね。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「読書・速読」へ

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:15
Comments(0)TrackBack(2)読書・速読このエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/51737491
この記事へのトラックバック
著者の三輪さんは現役バリバリのビジネスパーソン。 伊藤忠商事で会長秘書等を歴任した後、現在は情報調査部長を務められていて、あの丹羽会長の懐刀とも言われているくらいだから、超多忙なはずなのに、これまでに著書も8冊出版されている、正真正銘のスーパービジネスパー...
【書評】ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング【ビジネス書で「知」のトレーニングを! ?? 知磨き倶楽部】at 2009年12月04日 14:21
今年71冊目。満足度★★★★☆現在が何事にも即効性を求める時代であるからこそ、逆
【読書メモ】クオリティ・リーディング 三輪裕範【レバレッジ投資実践日記】at 2010年06月20日 17:54