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2009年10月08日

【ユニクロ銀座店リニューアル記念?】「柳井正の見方・考え方」に学んだ4つのポイント




【本の概要】

◆今日お送りするのは、ユニクロの会長、柳井 正さんにフォーカスしたムック本。

丁度先週末、事務所近所のユニクロ銀座店がリニューアルオープンし、私自身も実際に買い物をして、ユニクロや柳井さんに興味を持った(今さらw)ところなので、買ってみた次第です。

読んでみて思ったのが、本書は、ユニクロと柳井さんに関して、コンパクトによくまとめられていているな、と。

そこで、今回は「ユニクロの強さの秘密」と思われるポイントを4つ選んでみました。


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【目次】

第1章 なぜ、ユニクロは売れるのか
 
 ユニクロ商品に手が伸びるワケ
 ユニクロ流ヒット商品のつくり方
 990円の衝撃 ほか

第2章 柳井正の仕事術

 失敗を恐れるヒマはない
 目指すはインターネット組織
 社員の力はこう引き出す ほか

第3章 アパレル世界一への挑戦

 不況こそチャンス。最高益の実現 
 売上高1兆円がスタートライン
 服を変え、常識を変え、世界を変える ほか


第4章 新・柳井正物語
 つねに現状を否定できるか
 古い商慣習に風穴をあける
 命がけでリスクをとる ほか


【ポイント】

■1.ユニクロの「安さ」のヒミツ

◆てっきり「中国生産」がその主な理由かと思いきや、次のいくつかの要因が。

●「SPA」という業態

⇒企画から販売まで一貫して行うため、中間コストがかかっていません。

●返品をしないことで価格を下げている

⇒生産委託した製品はすべて買い取ることにより、その分、価格を下げています。

●大量生産によるコストダウン

⇒ユニクロ製品の場合、一商品当たりの生産量がケタ違いに多いため、素材の発注量もケタ違いであり、結果素材単価が安くなるそう。

なるほど、こういう要因が重なることによって、あの破壊的な価格も実現できるわけですね。


■2.失敗を怖れない

◆柳井さんの言葉から。

「大きな失敗をする前に小さな失敗を何回も経験して、そこで勉強することが必要だと思います」

確かにかつては、「野菜販売事業」に進出して、結果的に撤退したこともありましたね。

ただし、こういう言葉を聞くと、なるほどな、と思うわけで。

「ユニクロが1勝9敗でも立ち上がってこれたのは、転んでも骨折はしないからです。擦り傷程度でも、駄目だと思ったら諦めます。多くの企業は、骨折をしているのにもかかわらず、『まだ行ける』と走り続けるから、傷を深くしてしまうんですね」

失敗を怖れず、挑戦し続けることが、ユニクロのDNAなんだと思われ。


■3.品質を支える「匠」プロジェクト

◆ユニクロの高品質を支える要因として挙げられるのが「匠」制度

 ユニクロ製品の約90%は、中国で生産されている。日本の品質基準をクリアするには、中国の仕事の質を日本と同等にしなければならない。
 そこで、ユニクロは、2000年、「匠」制度を導入した。
 繊維産業で30年以上の経験をもち、現場に精通したベテラン技術者、すなわち、日本の高度成長を支えた、腕利きの職人たちを、中国などの委託工場に駐在させ、技術指導にあたらせたのだ。

GAPやH&M、ZARAといった、他のいわゆるファスト・ファッションメーカーと比べて、ユニクロ製品の作りがしっかりしているのには、このようなワケがあったんですね。

確かに、私の愛用している「GIZA45」のTシャツは、来年5年目を迎えますが、まだまだ余裕で現役ですw


■4.経営者はプロであれ

◆今でも思い出されるのが、02年に社長の座を退いた柳井さんが、05年に返り咲いたこと。

参考記事:ユニクロの社長交代:∞最前線 通信

これは結局、「社長がプロの経営者かどうか」が大きなポイントだったよう。

柳井さんの言葉から。

「日本の大企業の経営者の多くは、サラリーマン経営者です。だから、失敗のリスクを背負わない。自分のお金で会社を動かすわけではないし、任期が終われば責任から解放されますからね」

その後のユニクロの躍進を見る限り、交代は成功と言えるのではないでしょうか。


【ユニクロ銀座店に行ってみました】

◆別に私はユニクロが特に好きとか嫌いとか言うのはなくて、必要なアイテムがあれば買いにいく、というレベルの人間です。

ところが私の義兄というのが、結構お金があるくせに、大変な「ユニクラー」で、つい先日「いかにユニクロの製品が優れているか」について、とうとうと説かれたばかりでした。

そこで、リニューアルオープン当日の10月2日に銀座店に突入。

ユニクロ銀座店

















時間的に遅かったのと、小雨が降っていたこともあって、さすがに入場制限はありませんでした(ただしレディスの方は行列ができていました)。

とオモタら、ジル・サンダーとのコラボである、うわさの「+J」が販売開始されていたんですね。

ユニクロ銀座店リニューアルオープン、「+J」求め400人が行列:MODE PRESS


◆さて、そんな話題は露知らないワタクシは、のんびりと、新設された「メンズ館」をチェック。

実は数週間前に買って、着倒していたこのボタンダウンが、結構使えることがわかったので、もう1枚購入(私が買ったのは白ですが)。



脱水後に、きちんと伸ばして(手で叩いたりして)シワを伸ばせば、ビジネスユースにも通用します(てか、最近コレばかり着ていますw)。


◆他にも、着ていないスーツやジャケットがいっぱいあるのに、ついつい濃紺のコットンスリムジャケットを購入。



サムネイルがデフォルトだと、ベージュのようなので、恥ずかしながら実物画像をアップします(ハンガーの関係等で寸胴に見えますがw)。

ユニクロコットンジャケット

















濃紺のジャケットは、1枚持っていると何かと便利。

まだ1回しか着てないので何とも言えないものの、このクオリティで6000円しないのでは、それは他のメーカーはキツイでしょうね(多分)。

・・・って、専門家じゃないので、「●●が××縫いじゃないから駄目だ!」とか言われたらアレですが。


【所感など】

◆というわけで、実際に久しぶりにユニクロの製品を購入してみて、大躍進しているのも、納得した次第。

最近、こんな記事も出てますしね。

ユニクロ:売上高、9月は31.6%増:毎日jp(毎日新聞)

最近オープンした、ユニクロ パリ オペラ店のこの記事もなかなか読み応えがあります。

パリでユニクロに長蛇の列、入場制限も 品質、価格に加え日本らしさが人気の秘密:JBpress(日本ビジネスプレス)

「ファッション・デイリー・ニュース」という繊維や服飾業界の専門家向けの新聞の記者であるクリスティーヌ・ガリモンさんは、既に「ユニクロ」のジーンズの愛用者。
 「(パリ新市街の)デファンスにある『ユニクロ』で買って、何度も洗濯をしているけれども、びくともしない」と、その質の良さを挙げたうえで、「買いやすい値段設定にしているから、きっと成功すると思うわ」と、楽観的な感想。


◆ユニクロはかつてイギリスに進出し、「21店舗中16店舗を閉鎖する」という、柳井さん曰く「大失敗」した過去があります。

その件に関する柳井さんの言葉。

「日本以上に競合がひしめく市場で、認知度の低いブランドをチェーン展開しようとしても、誰も来てはくれません。まずは旗艦店によって、ユニクロのいちばんいいモノを、最大の規模で、いちばん新しい状態で見てもらい、ユニクロを知ってもらわなければならなかった。ブランドを確立してから、チェーン展開すべきだったんです。順番を間違えました」

今回のパリ オペラ店では、そのイギリスでの失敗が活かされているよう。

これぞ「プロの経営者」たるゆえんかと。


◆本書は、メインコンテンツは柳井さんのこの本を踏襲していると言えます。

柳井 正 ¥ 460

ただし、それに加え、著者である片山さんの『THE 21』での柳井さんに関する連載や、過去何度か行われたインタビューを加味。

さらには、つい最近の「+J」まで含めた事例を追加しており、「ユニクロの今」を知るにはなかなか手軽で良い1冊だと思われ。

ただし、ムック本特有の微妙なイラスト(漫画?)もありますので、ガチな経営本がお好きな方には、積極的にはオススメできませんけどネw


30分位で、ユニクロの秘密が色々分かる1冊!

片山 修 ¥ 840


【関連記事】

【藤田田流】「今だからこそ学びたい『藤田 田』の5つの思考法」(2009年08月17日)

【セブンの凄さ】「なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?」勝見 明(2009年06月05日)

【社長の切り札】『「社長力」養成講座』小宮一慶(2009年03月18日)

【オススメ!】「外食の天才が教える発想の魔術」フィル・ロマーノ(2008年03月20日)

ジャック・ウェルチの「私なら、こうする!」(2007年05月11日)


【編集後記】

◆「+J」等の、いわゆる著名デザイナーと、ファストファッションのコラボに関しては、この本にも詳しかったですね。


参考記事:【ブランド経営】「堕落する高級ブランド」ダナ・トーマス(2009年05月22日)

より深くお知りになりたい方にはオススメです。


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Posted by smoothfoxxx at 08:30
Comments(5)企業経営このエントリーを含むはてなブックマーク

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この記事へのコメント
               
どうもはじめまして。
この本ちょっと気になっていたんですが、
ユニクロの現在を知るには手軽でちょうどよさそうですね。
表紙のデザインなどで躊躇していたんですが、
smoothさんの記事を見てやっぱり読んでみようかなと思いました。
これからも参考にさせていただきます☆
Posted by オレクロ at 2009年10月08日 23:55
               
>オレクロさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

ブログ拝見しましたが、ガチなユニクロファンなんですね。
素晴らしいブログだと思います。
勝間さんの「目立つ力」を地で行ってます。

私の記事でもチラっと触れてる「GIZA45」のTシャツ、そちらで検索したらやはり買われてましたね!
私はアレの黒を4,5枚買って、未だに着倒しております。
あの光沢感は、フツウのブランドだったら、7〜8000円くらいしそう。
・・・と言い聞かせてすでに5年着たという(笑)。

本は、コンビニ等にもありますので、チェックしてからで(笑)。
オレクロさんには、やはりユニクロの商品をガシガシ買って記事にしていただきたいと思います。

また、機会がありましたら、お越し下さい。
というか、私がそちらをRSSリーダーに登録しましたよ(笑)。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年10月09日 01:06
               
こんにちは

ユニクロ製品を愛用し、ファーストリテイリングに投資している身としては、当社が活躍することは非常に嬉しいです。

ユニクロのことをあまり知らない人が読む本としては、この本はよさそうですね。
Posted by レバレッジ君 at 2009年10月10日 08:50
               
どうも返信ありがとうございます。
GIZA45のTシャツは、
人気がなかったんだか採算が合わなかったんだかすぐなくなっちゃいまして、
自分ももっと買っておけばと後悔しております。
「目立つ力」読みましたが、
ブログに対する考え方を再確認させてくれて、
自分にとってはとても役立つ一冊でした☆
Posted by オレクロ at 2009年10月10日 23:10
               
>レバレッジ君さん

コメントありがとうございます。
素晴らしい!投資までされてるなんて。

おっしゃるように、ユニクロをあまり知らない方にはこの本でいいと思うのですが、それ以上(経営や投資)だと、ちょっとキツいかもしれませんね。

>オレクロさん

GIZA45のTシャツがなぜ売れなかったのか、今でもよくわかっておりません。
採算の点では、確かにキツかったと思います。
当時は今のように「オシャレ」的なイメージがあまりなくて、単に「安いから買う」みたいな人が多かったのでしょうか?

そして「目立つ力」ですが、内容的には、オレクロさんは充分実践されてると思いますよ!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年10月11日 04:02