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2009年09月10日

【プレゼン】「アメリカ人が教えるプレゼンテーションの秘訣53」から選んだ8つのポイント




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久々のプレゼン本

今まで散々、この手のジャンルの本をご紹介しておきながら、実は私のプレゼン歴というのは、「サラリーマン時代に2回新入社員研修の講師をやっただけ」というものでした。

つまり、ぶっちゃけ「初心者」に過ぎないわけで、過去のご本のいくつかは、結構オーバースペックだった気がしないでもなく。


◆それに比べて今回の本は、かなり「基本的な部分」に注力している印象。

出たのも3年くらい前ですし、ホントなら、一番最初に読んでおくべきだった1冊かもw

今般、「53の秘訣」の中から8つ選んでみましたので、ご覧下さいマセ。


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【目次】

なぜアメリカ人はプレゼンがうまいのか

プレゼンスキルは日本人にとって重要さを増している

身体的なものを活用する

プレゼンの内容を練る

聞き手と交流する

自分の使用するツールを使いこなす

準備、準備、準備!


【ポイント】

■1.背筋を伸ばしてまっすぐ立つ

「言われなくとも」、と思う人も多いと思いますが、念のため。

 まっすぐ立つと、聴衆の目には「自信がある」というふうに映ります。英語では「stand tall」という表現がありますが、「stand tall」していると印象が良くなります。「stand tall」の姿勢は、実際の身長とは関係なく、体をまっすぐ伸ばして立つことがポイントです。

もう1つ気になることが。

 率直に言えば、多くの日本人は姿勢が前かがみで、十分に真直ぐではないので、自信が不十分のように見えます。

私も確かに、若干猫背気味なので、これは注意したいところ。


■2.原稿を読むときでも下を向かない

◆本書でも他のプレゼン本と同じく「アイ・コンタクト」の重要性をうたっているのですが、その注意点の1つがコレ。

教壇に原稿等を置いて話していると、皆、下を向いてしまって、聴衆とのアイ・コンタクトが不十分になる傾向があります。

そこで、その対処法。

引用文の紹介など、原稿を読み上げたい部分は下を向いて読むのではなく、原稿を手に持って、顔を上げて読んだほうが良い印象を与えることができます。

著者の1人も、聴衆からのフィードバックで、下を向く癖を認識していたものの、なかなか直せないでいたところ、たまたまビデオに撮られた自分の姿を見てショックを受けて直したそうです。

心当たりのある方はご留意を。


■3.普通の会話のペースより、やや遅いスピードで話すようにする

◆声については、「大きさ」も重要なのですが、現場で「聞こえますか?」と確認する人が多いのに対し、「スピード」については、あまり確認されたことがないような。

 ほとんどの人は、聴衆の前に立つと緊張してつい早口になってしまう傾向があるため、意識してゆっくりしたペースを保つように努力をする必要があります。そもそも、プレゼンテーションを前もって決まった時間内に収まるようにしているのであれば、急ぐ必要はないはずです。

事前にリハーサルをするのは当然としても、リハーサルより本番の方が、絶対緊張するわけですから、やはり「早口」には注意したいものです。


■4.パラ言語のテクニックを用いる

「パラ言語」とは、「イントネーションのように、文字には書き起こすことのできない情報」のこと。

本書では、

1.言葉を適度に強調する――ストレッシング(stressing)
2.イントネーションを変える
3.文の間に間を入れる――ポージング(pausing)
4.言葉を少し伸ばす――ストレッチング(stretching)

といったパラ言語のテクニックが紹介されています(それぞれ詳細については、本書でご確認を)

基本的に日本語は、英語等に比べると「平たん」な言語なので、多少はこの「パラ言語」のテクニックを用いないと、一本調子になりがちですし、そうなると、最悪居眠りされる可能性もアリ。

人前に2回しか立ってない私でも、一応「平たんにならないように」ということだけは気をつけた記憶が。

私は、テンポに変化を持たせたのですが、上記4つのテクニックは、「大事なことを強調する」、という点でも効果があると思います。


■5.聴衆は「お芋」だと思う

◆緊張や不安を克服するテクニックとして。

 これはアメリカで昔からあるマインドトリックです。本番前に非常に緊張している場合、聴衆が皆椅子に座って並んでいるのを見て、椅子に人ではなくて芋がいっぱい並んでいる風景を想像します。
 「ただの芋だ」
 こう自分に言い聞かせます。そうすると、聴衆がそんなに怖い存在ではないと認識して少し安心できるというものです。

他にも、聴衆が「パジャマ」「下着姿」で座っているところを想像する、というのも紹介されていました。

いずれにせよ、ユーモアを使って緊張をやわらげるというわけですね。


■6.カードを使ってプレゼン内容を整理する

◆プレゼンの内容を練る際には、まず持っている情報をすべて書き出してみよ、と。

 そしてその情報を、重要なものから始め、細かいものへと順番に並べます。

その際に用いると便利なのが「カード」

「各カード1枚に1つのアイデア」を書き込んで並べるのがオススメだそうです。

具体的なサイズ等については言及されてませんでしたが、大きめのポストイット等が良さそうがな感じ。


■7.スライドに情報を入れすぎない

◆この点については、多くのプレゼン本でも言われていますね。

著者の1人は、彼らの会社に新しく入ってくるセミナー講師たちに、いつもこう言っているそう。

 「スライドに入っている情報はセミナーの骨でしかありません。話す人の役割は、その骨に肉と肌と洋服をつけることです。全部がスライドに書かれているのであれば、聞き手はセミナーに出席しなくてもいいのです。家でその資料を読めばいいのですから。」

なるほど、確かに。


■8.感情的に反対意見を言う人に対しては、まず、その人の感情を認める

◆質疑応答の際には、反論や質問を装った反対意見等が出ることもあります。

ロジカルな意見に対しては、ロジカルに対応すべきなのですが、問題は、反論を持っている相手が感情的になった場合

そういう時には、「相手の感情を認める」ところから答えに入ると良いそう。

ほとんどの場合、相手は自分の意見や感情を認めてもらえればある程度落ち着きます。しかし相手の意見や気持ちを認めないで、あなたが必死に自分の意見だけを訴えてしまうと、逆に相手がもっと感情的になってしまう可能性があります。

具体的には

「これはあなたにとって、とても大事なポイントですね」
「これについては非常に関心がおありですね」


という具合に、まず、相手の感情を認めるところから始めるのが大事とのこと。

・・・一瞬、メーカー等における「クレーム対応」と同じような気がしましたがw


【感想】

◆冒頭で述べたように、かなり基本的なところからやさしく書かれているご本でした。

「目からウロコの驚愕テクニック」といった感じではなく、逆に「王道」ど真ん中を歩んでいると言うか。

ただ、全く何も知らないビジネスパーソンが、いきなり社内等でプレゼンをやるとしたら、ここに書かれていることのほとんどができないでしょうね。

実際私も何もプレゼン本を読まずに、社内講師をやったわけですし。


◆ただ私の場合、前年に同じ部の先輩が担当した講義で、新入社員が「爆睡しまくり」だったのを目の当たりにして、「これではいかん」と思ったワケで。

いや実際、何も知らない新入社員が聞くには、結構つらいテーマだったんですがw

やるべき講義の内容は、私もその先輩とほぼ同じだったため、「スライド」「話し方」に注力して、何とか爆睡だけは回避w←次元が低いw

当時、今の私の知識があれば、さらにまともな講義ができたのに・・・って、当時はビジネス書のビの字も知らなかったですけど。

そもそも、20年近く前には、今のように便利なノウハウ本もなかったかも。


◆いずれにせよ、私を含め、「プレゼン童貞」の方や、それに近いレベルの方なら、「会場の温度にまで気を配る」ようなブライアン・トレーシーのこの本とかは、恐らくオーバースペックかと。


参考記事:【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)

この本自体は、極めて優れたものですし、付箋も貼りまくりました。

ただ、本当に実践できるかどうかと問われると、モジモジしちゃうだけで。


◆それに比べると、本書の場合、実際の講演者向け、というよりは、一般ビジネスパーソン向けだと思われ。

アマゾンの内容紹介にもこうありますし。

ここがヘンだよ、日本のプレゼン。一生懸命プレゼンの勉強をしているあなたが知らなくて、アメリカ人ならだれもが知っていることをお教えします。トヨタ、ソニー、富士通等の研修で著者が伝えているプレゼンのポイントを満載。

そういった企業の研修で用いられているということは、やはり基本を極める王道系ではないか、と。

逆に、本のコンテンツ的には激プッシュまでは行きませんので、今までご紹介した本を「荷が重い」と感じた方にだけそっとお教えしたいな、とw


とか言いながらも、私自身はクリアできてないんですが。



【関連記事】

【プレゼン】「伝える技術50のヒント」を読んで知った7つのコツ(2009年08月29日)

【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)

【おすすめプレゼン本】「SEのプレゼン術」克元 亮(2008年07月02日)

【話し上手】「話し上手の法則」田中省三(2008年03月04日)

【スゴ本!】「理系のための口頭発表術」はかなりキテます!(2008年02月22日)


【編集後記】

◆何やらこの本が、アマゾンキャンペーンをしているみたいです。

橋本 和彦 ¥ 1,470

『3本線ノート術』アマゾンキャンペーン!!期間限定・豪華特典プレゼントキャンペーン!

期間が9月8日(火)〜14日(月)とのことなので、書店で確認してからアマゾンアタックしても良いかも。


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この記事へのコメント
               
いつも楽しい記事ありがとうございます。

さて、いつも気になる言葉づかいがあります。「王道」という語です。

どうやら、「正道」の意味で「王道」を使われているようですが、まったく逆の意味になるので、訂正されたほうがよいと思います。

(王道=王様だけが通れる特別な道=近道・楽な道の意。)
Posted by h_tee at 2009年09月11日 16:26
               
>h_teeさん

コメントありがとうございます。
また誤用のご指摘も感謝です。
正直、知りませんでした(汗)。

ただ、「正道」が正しいのだとしても、ブログで使う場合、いちいち注書きしないと読者さんはわからないと思います。

別に開き直るつもりとかでもないのですが、本来の意味とは違った意味で、広く使われているのも事実ですし、逆にもはや本来の意味で使っているケースの方が少ないと思います。

アマゾンの本の検索欄で「王道」と入れて出てきた本のどれほどが、本来の意味で使ってるでしょうか?

http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%89%A4%93%B9

個人的には、今後は「本来の使い方とは違う」と認識した上で、今までどおりの使い方で使うつもりです。

気になるかもしれませんが、ご了承下さいマセ。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年09月12日 03:43
               
ブログ主さんのポリシーは分かりました。普通にTYPOかと思ったのですが、私の感覚とは違うようですね...

私はどうしても最初に「学問に王道なし」のアリストテレスの故事が頭に浮かんでしまうので、違和感が抜けないのですが、そんなに広く使われているのですね。

もしかして、王道=「道」の王様、みたいなニュアンスで世間では捉えられているでしょうか。

今後とも面白い記事期待しております。
Posted by h_tee at 2009年09月13日 00:33
               
>h_teeさん

コメントありがとうございます。

>もしかして、王道=「道」の王様、みたいなニュアンスで世間では捉えられているでしょうか。

私もそんなニュアンスで使ってました。
世間的にも、というか、アマゾンで見ても、正しい意味で使っているタイトルはなかったような。

あのPHPからもこんなタイトルの本が出てますし。

『松下幸之助の見方・考え方―ビジネスの王道はこうして歩め!』

よりによって、松下幸之助さんが「近道・楽な道」を薦めている(PHPの編集ですが)とも思えませんし、間違いでありながらも、既に市民権(?)は得ている感じです。

この部分は気になるかもしれませんが、今後とも当ブログをよろしくお願い申し上げます。
このたびは、ご指摘ありがとうございました。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年09月13日 02:03