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2009年06月13日

【仕事術】「一流になる力」小宮一慶


一流になる力 ビジネスで勝ち残るための教科書 (講談社BIZ)
一流になる力 ビジネスで勝ち残るための教科書 (講談社BIZ)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、小宮一慶さんの最新作、「一流になる力」

アマゾンの内容紹介よりも、本の帯のフレーズの方がまとまっているので、そちらから引用します。

「一流以外はノーチャンス」になる時代のサバイバル戦略。
大勢のビジネスパーソンと関わってきた著者が書いた「成功への一番の近道案内」です!

何が「成功へのカギ」なのか。

小宮さんの新たな面が垣間見れる1冊です!


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【目次】

プロローグ <二極化>時代をあなたは勝ち残れるか?

第1部 一流になる力(1)環境を正しく読み解く

第1章 プロの時代
 経済危機が終わっても、日本は低成長が続く
 「誰でもできる仕事」はどんどん低賃金になる
 「床」と「天井」が消えて、二極化時代が始まった ほか

第2部 一流になるちから(2)正しい考えを持つ

第2章 「考え方」が誤っていると成功しない
 理屈より「考え方」が大切
 優れた経営者の本から「考え方」を学ぶ
 私利私欲を捨てた人に、お金は集まる ほか

第3章 会社と自分を正しく見極める
 アメリカの「解雇のルール」は理にかなっている
 二流の経営者の下に一流の部下は育たない
 部下が働かないとき、良い上司は自分で動いてみせる

第3部 一流になる力(3)正しく行動する

第4章 「一流」をめざして勉強する
 30代からはじめる「一流」をめざす勉強法
 仕事の「本質」はオン・ザ・ジョブだけではわからない 
 勉強したら、仮説と検証で仕事を深めていく ほか

第5章 自立して生きる
 
 第1節 チャンスと準備

 第2節 コントロールする

 第3節 会社を支える

エピローグ 天職を見つけるために

特別付録 統計数値からマクロ経済とビジネス環境を「読み解く」


【ポイント】

■日本のホワイトカラーは楽をしてきた

 人脈を広げたり勉強してスキルを身につける努力をせずに、企業内部での世渡り力の向上(と、そのために夜は仲間との飲み会)ばかりやっている人が多いために、歳とともに実力が増すどころか、歳とともに社外で役に立たなくなってしまっているのです。
 それは年功序列に甘えてきたからです。そうした現実が広く知られているため、日本では年齢が高くなるほど、人材市場での価値は低くなっています。


■IT化の本質は、「知恵の時代」になるということ

 物知りも計算力もいらないとなると、人間に求められるのは「知恵」しかありません。「知恵」とは、得た「情報」を人にとって意味のあることに変える能力のことです。


■優れた経営者の本から「考え方」を学ぶ

実践経営哲学 (PHP文庫)
PHP研究所
発売日:2001-05-01
おすすめ度:5.0

「経営というものは、人間が相寄って、人間の幸せのために行う活動だといえる。
 したがって、その経営を適切に行っていくためには、人間とはいかなるものか、どういう特質をもっているのかということを正しく把握しなくてはならない。いいかえれば、人間観というものをもたなくてはならないということである」


稲盛和夫の実学―経営と会計
日本経済新聞社
発売日:2000-11-07
おすすめ度:4.5

「物事の判断にあたっては、つねにその本質にさかのぼること、そして人間としての基本的なモラル、良心にもとづいて何が正しいのかを基準として判断をすることがもっとも重要である。27歳で初めて会社経営というものに直面して以来、現在にいたるまで、私はこのような考え方で経営を行ってきた」


■利益は「目標」であっても「目的」ではない

「目標」とは、そこに至るまでの通過点であり、評価ポイントです。
「目的」とは存在意義です。


■「利他心」をもつ

自分さえよければ、という自己中心的な人は成功しません。人から嫌われるからです。しかし、利他心を持つことは、自己犠牲することとは違います。周りにいる人を幸せにして、自分も幸せになることです。それはちょうど良い仕事をした会社が、お客様にも社会にも喜ばれて、自社が繁栄するのと同じです。


■転職の前に自分の実力を見極めるには

 自分に外の世界で通用する実力があるかどうかは、「過去3年ないし5年の間に、同業他社からスカウトの声がかかったか」で知ることができます。


■数字の苦手意識から脱するためには?

 私の勧めはまず身の回りの数字を知り、数字で把握する習慣をつけることです。たとえば自分の売上を記録して、毎日把握しておくというのはどうでしょうか?
 自分の給料の額を知らない人はほとんどいませんが、自分の会社の売上高がどのくらいか、意外にみんな知らないものです。自分の部署、自分自身の売り上げをきちんと把握することが、まず第一です。


■チャンスは準備している人にだけ訪れる

 何がチャンスなのかは、準備をしていない人には分からないのです。ほとんどの人には準備がなく、何度か訪れているはずのチャンスも意識されることもなく空しく過ぎ去っているのです。
 たとえば独立を計画し準備していた人にとっては、勤めている会社の倒産さえも飛躍のきっかけとなり得ます。成功した後に振り返れば、「あれは自分にとって大きなチャンスだった」と思えることでしょう。


■30代、40代は仕事の「食わず嫌い」をしてはいけない

「今の仕事が嫌だから辞める」というのは、キャリアダウンに至る典型的な道筋です。(中略)
 若いうちは「自分には見えていない」「自分にはまだ十分に実力がない」と思わなければなりません。そしてどんな仕事であれ、目の前に現れた仕事をチャンスととらえ、全力でぶつかってゆくことが大切です。食わず嫌いで「損な役回りだ」などと思っていたら、せっかくのチャンスが逃げていってしまうのです。


■年収2000万円の人より年収500万円の人のほうが「忙しい、時間がない」と感じている理由

年収2000万円の人は、時間的には間違いなく忙しいはずです。しかし年収500万円の人と比べて、「時間が不足している」とは感じていません。時間に対しても「自分が主人である」という感覚がずっと高いのです。
 多くの人が気づいていないのですが、感覚的に「忙しい」ということと、物理的に「時間当たりの仕事量が多い」ということは違います。
「忙しい、忙しい」と言っている人は、実は客観的に見て忙しいわけではなく、時間を思うように扱えないストレスを感じているだけなのです。つまり時間に使われているのです。


【感想】

◆本書はタイトルにもあるように「一流を目指す」ための「モノの見方」「モノの考え方」さらには、「勉強の仕方」等々について、小宮さんのご経験を踏まえて書かれています。

過去の著作では(私が読んだ限りでは)、小宮さんの顧問先ほか、外部の事例が多かったのですが、本書は小宮さんご自身の若かりし頃のエピソードが出てきているのが特徴と言えるかも。

異動先の部門部門で上司に可愛がられたという小宮さん。

その理由は「いつも目の前の仕事に一生懸命だった」から。

 為替業務のときは「為替ディーラーになりたい」と本気で思い、システム部門では「システム部長から頭取を目指す」と本気で思って、努力しました。だから認めてくれたのです。人はがんばる人間には、チャンスをやろうと思います。逆に「今の仕事が嫌だ、嫌だ」と言っている部下を引き上げてやろうなどと思う上司は、どこにもいないと知るべきです。

なるほど、ごもっとも。


◆また、長年勤められた銀行を辞めたきっかけも、たまたま飛行機で隣合わせた岡本アソシエイツの代表の岡本行夫氏に「うちの会社に来ませんか」と誘われたから、というのも初耳でした。

ただ、これにしたって、日頃の積み重ねがあって、小宮さんの中に「光るもの」があったからこそのこと。

まさに「チャンスは準備している人にだけ訪れる」というワケですね。

私もいつスカウトされてもいいように、日々ブログを書いて鍛錬しております。←違うw


◆今までの小宮さんの著作は、意識的にか「スマートに」まとめられている感じがしました。

それに対し、本書で垣間見ることができる小宮さんは、もうちょっと人間味が溢れているというか。

「結論」「理由」だけでなく、そこに至った「プロセス」も加味されていて、講演会等で拝見する小宮さんの魅力に近い感じを受けたワタクシ。

かつてディスカヴァーの干場さんのアンテナに引っかかった「小宮さんの人間的な魅力」本書の隠し味ではないか、と。


◆なお、小宮さんの著作である『「社長力」養成講座』をご紹介した記事(【社長の切り札】『「社長力」養成講座』小宮一慶)のポイントで、真っ先に挙げている、「日経の月曜の紙面にある『景気指標』

この読み方について、本書の特別付録の『統計数値からマクロ経済とビジネス環境を「読み解く」』では、実際の紙面から数字を拾ってきて、懇切丁寧に指導してくださっています。

『「社長力」養成講座』を読んで、「よし!やってみよう!」と思ったものの速攻挫折した自分には、ありがたい限り。

ありがとうございます!


読んで実になる1冊!

一流になる力 ビジネスで勝ち残るための教科書 (講談社BIZ)
一流になる力 ビジネスで勝ち残るための教科書 (講談社BIZ)


【関連記事】

【仕事術】「藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー」藤田 晋(2009年04月26日)

【仕事観】「いい仕事ができる人の考え方」村山 昇(2009年04月06日)

【社長の切り札】『「社長力」養成講座』小宮一慶(2009年03月18日)

【実践的経営法】「レバレッジ・マネジメント」本田直之(2009年01月16日)

【仕事術】「人は仕事で磨かれる」丹羽宇一郎(2008年07月25日)


【編集後記】

◆今日の小宮さんのご本に関連して。

ソロスは警告する 2009 恐慌へのカウントダウン
ソロスは警告する 2009 恐慌へのカウントダウン

昨年9月に発売されるやベストセラーとなった、あの『ソロスは警告する』の続編です。

予言通りの「バブル崩壊」はなぜ、いかにして引き起こされたか。
オバマ政権や欧州各国の首脳が行うべき、経済回復の処方箋とは?
2009年はこれからどうなる?
そして・・・・・・ソロスはどう動く?

伝説の投資家が新たに語りおろす、投資家・ビジネスパーソン必読の「未来予想図」!!

テーマ的に当ブログとしてはキツいのですが、中身は濃そうです。


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この記事へのコメント
               
「一流になる力」の詳細な書評有難うございます。しっかり読んでいただきうれしく思います。
今後ともよろしくお願いします。

Posted by 小宮一慶 at 2009年06月16日 14:23
               
>小宮先生

著者様直々のコメントありがとうございます。
記事にも書きましたように、先生の新たな1面を垣間見れた気分です。
今後は、日経新聞月曜版も読みこなせそうな気になっております。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年06月17日 03:14