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2009年05月02日

【脳科学】「最新脳科学で読み解く 脳のしくみ」サンドラ・アーモット,サム・ワン




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、日本でも人気の脳科学に関する1冊。

2008年にアメリカで出版され、ベストセラーになった本書は、2009年、すぐれた科学書に贈られるAAAS(アメリカ科学振興協会)
/Subaru「SB&F(サイエンスブック&フィルムズ)賞」を受賞済み。

アマゾンの内容紹介から一部引用します。

わたしたちは脳の10%しか使っていないとか、酒を飲むと脳細胞が死ぬとか、あなたは信じていませんか?
多くの人が真実だと思いこんでいる脳の神話の大半は俗説です。
それは、神経科学者(脳科学者)が科学的に証明しています。

もっと驚くのは、この複雑な器官について科学者がすでに発見していることが、実験室の外の世界にほとんど知られていないということです。

内容的には、結構「目からウロコ」でしたよ!




【目次】

QUIZ 脳をどれくらい知っている?
序 章 あなたの脳のユーザーズ・ガイド

第1部 脳の世界とあなたが住む世界

第1章 脳って信用できる?
第2章 灰白質と銀幕――映画で学ぶ脳のしくみ
第3章 考える肉――ニューロンとシナプス
第4章 魅惑のリズム――体内時計と時差ぼけ
第5章 水着を持ってきて――体重調節のしくみ

第2部 脳で感じる五感

第6章 ちゃんとよく見て――視覚
第7章 カクテルパーティーもへっちゃら――聴覚
第8章 においと味と脳──嗅覚・味覚
第9章 なんでもまかせて――皮膚感覚

第3部 脳の一生

第10章 偉大な脳を育てる――幼児期
第11章 大きくなあれ――感受期と言葉
第12章 反抗とその原因――小児期と青年期
第13章 研修旅行――学習
第14章 山の頂きへ――老化
第15章 脳はいまも進化している?

第4部 感じる脳

第16章 脳のお天気――感情
第17章 忘れ物はないかな――不安
第18章 幸せとその見つけ方
第19章 そっちはどう?――性格
第20章 セックス、愛、つがいのきずな

第5部 考える脳

第21章 砂糖は1個それとも2個?――意思決定
第22章 知能をめぐって
第23章 休暇のスナップ写真――記憶
第24章 理由のない合理性――自閉症
第25章 火星と金星へちょっと寄り道――認知の男女差

第5部 変性意識状態の脳

第26章 気にしてる?――意識の研究
第27章 夢のなか――眠りの神経科学
第28章 精神的価値を追い求めて――スピリチュアリティ
第29章 誕生日を忘れる――脳卒中
第30章 長くて奇妙なトリップ――薬物とアルコール
第31章 脳はどれくらい深い?――脳の中心部を刺激する療法

終 章 脳を鍛えるトレーニングのウソとホント


【ポイント】

◆本書は、脳に関する俗説のいくつかを否定する立場を取っています。

どの俗説を否定しているのかをここで挙げること自体、一種のネタバレとも言えるので、まずは、本書の冒頭にある「QUIZ」の中から、面白かったものを選んでご紹介してみようかと。

本書を読めば、以下のような設問内容も全てクリアになります!


問4 時差ぼけ解消に一番効果的なのは?

 (a)目的地に着いた日の夜、メラトニンを飲む
   (訳注:日本では薬事法で許可されていない)
 (b)数日間、日光を浴びない
 (c)目的地で午後の日光を浴びる
 (d)電灯をつけて眠る


問6 友人があなたのおなかをくすぐろうとしている。
  我慢するには?


 (a)友人の手に自分の手を重ね、いっしょにくすぐる
 (b)指の関節を噛む
 (c)くすぐり返す
 (d)水を1杯飲む


問7 学校の成績がよくなりそうなことは?

 (a)クラシック音楽を聴きながら眠る
 (b)クラシック音楽を聴きながら勉強する
 (c)子どものときに楽器の演奏を習う
 (d)勉強を休んでビデオゲームをする
 (e)cとd


問10 あなたは騒がしい部屋にいて友人に携帯電話をか  けようとしている。
  相手の声がよく聞こえるようにするには?


 (a)大声で話す
 (b)一方の耳をふさいで、もう一方の耳で聞く
 (c)話すときに耳をふさぐ
 (d)話すときに送話口をふさぐ


問13 目の見えない人が、見える人より得意なことは?

 (a)言葉を理解する
 (b)音を聞く
 (c)話をおぼえる
 (d)犬をしつける


問19 わたしたちは脳をどれくらい使っている?

 (a)10%
 (b)眠っているときは5%、起きているときは20%
 (c)100%
 (d)知能によって違う


答えは本書にて!(ネタバレ自重ゆえ)


【所感】

◆本書は巻末の索引も含めれば342ページと、なかなかの厚さです。

しかも脳科学の専門用語もちらほら散見され、キチンと最初から理解して読み進めるのだとしたら、結構大変だったかもしれません。

ただし本書の冒頭で言われているように「いつでも、どこからでも」読み始めて良いのが、本書の魅力。

まさに序章のタイトルにあるように「あなたの脳のユーザーズ・ガイド」とも言えます。


◆また、各章ごとに、大胆に(?)配置されたコラムだけ読み進めても、かなり満足できそう。

何たって、本が始まって2つ目のコラムが「わたしたちは脳の10%しか使ってない」

・・・ってホント?

上記の問19にも出てきてますね。


◆コレについては、アマゾンの内容紹介で、本書が対立する立場を取っていることが明示されているので、ちょっと引用してみます。

本書を通じて、語り口がちょっとフランクなのは気にしないで頂きたく。

 脳についてどんなことを知ってる?ランダムに選んだ人たちにそうたずねたら、おそらくいちばん多いのは「わたしたちは脳の能力の10%しか使っていない」という答えだろう。これを聞くと、神経科学者はみんなゲンナリする。(中略)

 でも脳を研究している科学者からすると、この説はまったくナンセンス。だって、脳はものすごく効率的な装置で、無駄なところはほとんどないはずだからね。(中略)

ちなみに、このような説が出てきた背景として挙げられているのが、次のようなお話。

 この「10%神話」が生まれたのは、「いくつかの特定の脳領域は機能が複雑で、損傷の影響がごくわずか」であることも理由のひとつだろう。たとえば、大脳皮質の前頭葉が傷ついた人でも、日常的行為のほとんどをこなすことができる。ただ、彼らは状況に応じた適切な行動を選択できない。重要なビジネスミーティングの最中に、席を立ってランチを食べに行ってしまうかも!こういった人たちが社会で生きていくのがどれほどたいへんか、想像はつくよね。


◆さらに、当時実験に用いていたマウスの日常生活にとっては、前頭葉が必要でなかったため、初期の神経学者たちは、前頭葉は大した働きをしないのだと考えたのだとか。

その後、もっと高度な実験によって、この見解が否定されたときには、すでに「10%神話」が根付いてたという。

というわけで、私たちの脳はすでにイッパイイッパイに働いている模様。


◆ただし、自分自身の経験から言うと、頭は鍛えれば能力が上がるし、放っておけばあっという間に退化します。

このブログでも何度か書いたように、税理士試験直後の私の脳には、B5サイズ100ページ分の理論が、丸まる入ってましたが、逆に数年後には、実家の電話番号もド忘れするようになりました。

あんまりにもド忘れがひどくなったので、私より1年先に私の倍の暗記量で試験に臨んで合格していた先輩に相談した位です。

すると、その先輩のド忘れのひどさはもっと深刻だったそうで、すでに病院で診察を受けていた(!)ものの「問題ない」と言われていたという。


◆私は、なまじ自分の暗記力に自信があったため、そのときは半信半疑だった(「何か他に原因があるに違いない!」と思ってましたw)のですが、その後パソコンを買い、手で字を書かなくなって、さらに漢字をド忘れするようになって、やっと自分なりに納得しました。

俗世間で言われるような「脳の10%」とは違いますけど、私にとって、「ベスト」の状態と、「ワースト」の状態とでは、能力的には平気で10倍くらい違っていそうです。

そういう意味では、ある一定以上の負荷をかけ続ければ、数倍くらいは余裕で違ってくるし、私たちの脳にはまだ開拓余地があると言えるのではないでしょうか?


◆また、「頭を鍛える」という観点から、本書内にはいくつか興味深い論点が出てきます。

「モーツァルトは効果があるのか?」

「ソフトウエア等の脳の訓練プログラムは?」

前者は第10章、後者は終章に詳しく載ってますので是非ご覧アレ。


全ての「脳に関する本」を読む前に!



【関連記事】

【脳】「記憶力をのばしたい!」キャスリン・ジェイコブソン・ミラン(2008年07月23日)

【実践!】「脳が教える! 1つの習慣」ロバート・マウラー(著),本田直之(監修)(2008年07月06日)

【頭脳的仕事術】「脳と気持ちの整理術」築山 節(2008年04月15日)

【脳】「Mind パフォーマンス Hacks」Ron Hale-Evans(2007年09月08日)

「記憶脳革命」スコット・ハグウッド(2007年05月18日)


【編集後記】

◆こちらは、タイトルに「脳」と入ってはいるものの、ニュアンス的にはガチではなさそう。


「生活習慣」的な感じですね。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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いや、いい本だと思うんですよ。 この方のお薦めで買ったんですし。 【脳科学】「最新脳科学で読み解く 脳のしくみ」サンドラ・アーモッヮ..
内容よりも翻訳が気に入らないと言うことありませんか?【若だんなの新宿通信】at 2009年05月19日 18:09