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2009年03月21日

【キャリア育成】「本田式サバイバル・キャリア術」本田直之


  • 本田 直之
  • 定価 : ¥ 1,365
  • 発売日 : 2009/03/18
  • 出版社/メーカー : 幻冬舎
  • おすすめ度 : (23 reviews)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今年に入ってからの活動が活発な本田直之さんの新刊、「本田式サバイバル・キャリア術」

本書のテーマはズバリ、「サバイバビリティ」(生き残る力)。

現在のような大不況時における、ビジネスパーソンの「生き残ることができるキャリアの作りかた」について、自らの体験も踏まえ、語って下さっています。

なお、おしまいに特別対談PDFが特典「アマゾンキャンペーンのお知らせ」もございますので、ぜひ最後までご覧下さい!


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【目次】

プロローグ――一〇〇年に一度の危機を人生最大のチャンスに変える

第1章 個人サバイバルの時代へ――大きなうねりに目を向ける
 
 リーマン・ショックの予兆は九〇年代にあった
 ますます短くなる「会社の寿命」
 給与は下がり続けて当たり前
 転職マーケットも熾烈なサバイバル ほか

第2章 決め手はサバイバビリティ――シングル思考からマルチ思考へ
 
 キーワードは「サバイバビリティ」
 まず土台をすべてリセットする
 「シングル思考」から「マルチ思考」へ
 「シングル・キャリア」から「マルチ・キャリア」へ ほか

第3章 会社で働き、キャリアを磨く――コーポレート・キャリアの法則

 まずはコーポレート・キャリア中心の10年を
 法則1 市場価値・期待価値に惑わされない
 法則2 お金を払ってでも働きたい会社で働く 
 法則3 エージェント五社以上に登録する ほか

第4章 一生通用するキャリアを築く――パーソナル・キャリアの法則
 
 パーソナル・キャリアとはどんなキャリアか
 パーソナル・キャリアをつくる三つのステップ
 パーソナル・キャリアづくりのタイムテーブル
 法則1 起業をゴールにしてはいけない ほか

第5章 サバイバル・トレーニング――思考・行動・仕組みを鍛えなおす
 
 実際の行動で試してみなければ意味がない
 三つの思考停止ワードを禁句にする
 「アウェー」に出て新しい世界に晒される
 ストレスを利用してメンタル・タフネスを鍛える ほか


【ポイント】

■「シングル・キャリア」から「マルチ・キャリア」へ

 シングル・キャリアとは、主に会社の内部で通用するスキルをベースにした「コーポレート・キャリア」だけに依存した働き方。マルチ・キャリアとは、それと並行して、会社を離れても通用する個人のスキルをベースにした「パーソナル・キャリア」を築いていく働き方です。(中略)

ただ、とかく誤解されがちなのですが、シングル・キャリアをリセットし、マルチ・キャリアをリビルドするとは、いきなり会社を辞めるべきだとか、転職ではなく起業すべきだという提案ではありません。
 会社でのコーポレート・キャリアも維持しながら、個人のスキルであるパーソナル・キャリアを身につけていく――これが本当の意味でのサバイバル時代にふさわしいマルチ・キャリアの構築法です。


■「マルチ・キャリア」には「勝ち組」「負け組」という分類は意味がない

 マルチ・キャリアが目指すものは、「勝つ」ことではなく「生き残る」ことです。自分で自分のキャリアをプロデュースできるのであれば、正社員だろうと非正規雇用であろうと、会社に勤めていようと独立していようと関係ありません。


■「雇われ型」から「スキル提供型」へ

サバイバビリティを高めるためには、自分は雇われて仕事をしているのだという考え方をリセットし、自分は個人として企業に対してスキルを提供しているのだという考え方の転換が必要です。(中略)

 スキル提供型の働き方をしていくためには、自分の仕事を個人のスキルという視点から評価する自分なりのものさしが必要です。そのときに有効なのが、「自分がしているのは、自給型の仕事か?クリエイティブ型の仕事か?」という問いです。


■お金を払ってでも働きたい会社で働く

 私は、20代から30代前半までは特に、「会社で働くとは投資である」という認識を持つべきだと思っています。60歳を過ぎても働き続ける時代、最初の10年あまりは投資に回すくらいの気持ちでなければ、実態価値は身につきません。


■実際に会社を選ぶときに大切なのは、「勝ち馬」に乗ること

「勝ち馬」とは、人気がある、生涯年収が高いといった会社ではありません。伸びている会社、強い会社、強い業界が勝ち馬といえます。(中略)

どんなに実力がある人であっても、会社がなくなったり名前が変わったりすれば、キャリアが分断され、活躍の場が閉ざされます。
 逆に勝ち馬に乗れば、同じ努力をしても、自分の力以上の実力を発揮し、成果を上げられます。より質の高い仕事を通して成功体験を生めば、パーソナル・キャリアにつながっていくでしょう。


■「コーポレート・ブランドからパーソナル・ブランドへ

 パーソナル・ブランドづくりの基本となるのは、なんといってもセルフ・メディアによる情報発信です。ブログ、ウェブサイト、メルマガなどの情報発信ツールは、個人サバイバル時代の基本です。そして、これらセルフ・メディアによる情報発信をきっかけにして、雑誌などマスメディアでの紹介やコラム執筆を働きかける、さらには出版というかたちで、パブリックな場に出ていく。このようなステップを経ることで、しっかりしたパーソナル・ブランドを構築することができます。


■会社に属しながらセルフコントロールを高める3つの方法(抜粋):

 ●会社の文句を言わない

 上司や会社の愚痴を言う人は、結局他人にコントロールされていると私は思います。会社批判とは、かたちをかえた会社依存です。

 ●年収が上がっても、生活レベルを上げない

会社員の給料は、個人の実態価値の反映ではなく、景気の都合、会社の都合でいくらでも変動する市場価値に過ぎません。
 ライフスタイルをそのような不確かなものに連動させるのは、自分で自分の生活を決めていないのと同じです。


■パーソナル・キャリアをつくる3つのステップ

 ●第1ステップ 勉強――自分の実態価値を上げる

万人がすべきことは、まずは勉強、インプット。時間とお金という自己資本を投資し、自分資産を蓄積しましょう。
 会社での仕事を通して経験値を高め、自分の実態価値を上げていくことも重要なインプットですし、本を読んだりセミナーに参加したりすることも大切です。

 ●第2ステップ 打診――このアウトプットにバリューはあるか

 ここでやってはいけないのは、すぐに換金しようとすること。たとえばITの勉強をしたからといって、ウェブ関連の作業的な請負仕事をしたりするのは避けるべきです。これは先にも述べたような、時間を切り売りする時給の仕事になりがちで、付加価値を高めることにつながりません。

 ●第3ステップ 事業化――収入を一本化させるのはリスク

 継続して発信していくうちに反応があり、さらに収入が伴ったときが、初めて事業化を考えてもいいタイミングです。たとえば書評ブログを書いていたら読者数が増え、メディアにも注目され、コラムの執筆や講演依頼が来て、その収入がある程度まとまってきたようなケースです。


■起業に成功する人が必ず持っている3つの力

 ●実態価値があるパーソナル・スキル

 ●メンタル・タフネス

 ●リスク対応能力   (詳細は本書を)


■3つの思考停止ワードを禁句にする

 ●「〜が悪い」

「〜が悪い」と愚痴を言いたくなったら、自分が改善できることは何かと「内部要因思考」に切り替えるクセをつけましょう

 ●「〜だからできない」

どんなことにも、「できない理由」は無限に存在します。
 しかし、できない理由を探す時間は、まったく何も生み出しません。それより理想とするところの10%でもいいから、できる方法を工夫したほうがいい。

 ●「忙しい」

タイムマネジメントはすべてのスキルの基本です。よく「忙しい」ことを得意げに吹聴する人がいますが、それはタイムマネジメントができていないことを公言するようなものです。実際、私が知っている本当に優秀な人たちは、決して「忙しい」とは口にしません。


■ポジティブ・シンキングだけではサバイバル状況を切り抜けることはできない

「暗くなったら人から元気をもらってメンタリティを前向きにし、効き目が切れたらまた元気をもらって一度メンタリティを前向きに」という回路は、壊れたエンジンにガソリンを注ぎ続けているのと同じです。その場合、ガソリンを注ぐより、壊れたエンジンを直すのが先決なのは、明らかです。
 あくまで「行動」を伴ってこそのポジティブ・シンキング。サバイバル時代に求められるのは、ポジティブ・シンキングではなく、ポジティブ・アクションです。


【感想】

◆最近、昨年秋以降の大不況の情勢を踏まえた上での書籍が多いです。

というか、逆にそれを無視して本を作る方が違和感があるくらい。

そんな中でも本書は、特にキャリアに関して、「じゃー、どうすればいいの?」という疑問に答えてくれる1冊。

具体的な方法論への落とし込みが見事です。


◆本書を含め、過去の著作でも語られているように、本田さんのキャリアは、山あり谷あり

冒頭のプロローグでは過去の「切羽詰る体験」が語られており、今回の不況以前にも、本田さんが「危機的状況」に追い込まれ、そこから「いかにサバイブしたか」が、本書のベースになっているのだと思われ。

また、MBA取得後、日本に戻って選んだ会社は、オファーがあったうち、「一番年収の低い会社」だったそう(詳細は本書を)。

このエピソードもまさに「パーソナル・キャリアのため」に他なりません。


◆上記でも挙げているように、本書はやみくもに起業副業を推奨しているのではなく、まずは、コーポレート・キャリアを積む、つまり会社内での正しい働き方について指導してくれています。

とくに若い人たちは、「就職してから10年間はまずコーポレート・キャリアを極めろ」と。

ただし、「10年間同じ会社に勤めろ」というわけではないので、たとえ当面転職する気がなくとも、転職エージェントに登録することも勧められています。

この辺がさすが本田さんらしいというか、ぬかりありません


◆第4章ではパーソナル・キャリアについて言及されており、個人的には「パーソナル・キャリアづくりのタイムテーブル」がツボでした。

年代ごとに、やるべきことや意識すべきことが違うのは当然のこと。

ここでは、20代から60代までのあるべき姿が描かれていますので、今の自分自身と比較して調整すると良いでしょう。

私の場合、30代でパーソナル・キャリアの種を蒔いてなかったので、今になって苦労しておりますが。


◆なお、上記の「パーソナル・キャリアをつくる3つのステップ」に本田さんを当てはめると、

ビジネス書を多読するというインプットから、そのサマリーを知り合いに配るといった打診を経て、現在の著述業ならびに出版プロデュースという事業が生まれました。

となります。

ただし、

アメリカ時代からここまで、およそ10年はたってます。

とのことなので、やはり、キャリアというものは、一朝一夕にできるものではないな、と思ったワタクシ。

「急がば回れ」じゃないですが、やはり「日々の積み重ね」が大事なんですね。


全世代の悩めるビジネスパーソンに激オススメ!

本田 直之 ¥ 1,365


【アマゾンキャンペーンのお知らせ】

◆本書の発売を記念して行われる、アマゾンキャンペーンのお知らせを。

なお、対象書籍がもう1冊あるので、そちらも要チェック

日時

3月21日(土)昼12:00〜22日(日)23:59

特典

本田直之氏とファイナンシャルアカデミー代表・泉正人氏による『成功につながる「お金のキー・サクセス・ファクター」特別対談PDF』をプレゼント

10個のポイントをひとつずつ実行することで、
10年たったときに、必ず大きな違いがでてきます。

貴重な特別対談PDFファイルとなっております。どうぞお見逃し無く!

対象書籍

「本田式サバイバル・キャリア術」もしくは、本田直之氏監修の「アロハマネジメント」のいずれか

アロハ・マネジメント
講談社
本田 直之(監修)本田 直之(翻訳)庭田 よう子(翻訳)
発売日:2009-03-17

ハワイの18の価値観を活かした経営の奥義 「アロハ:思いやり、受容」や「ポノ:公正なバランス」など、ハワイの価値観を活かしたマネジメント術。


◆詳しくは、下記キャンペーンページまで!

本田式サバイバル・キャリア術:amazonキャンペーン スペシャルプレゼント!


【関連記事】

【社長の切り札】『「社長力」養成講座』小宮一慶(2009年03月18日)

【提言】「会社に人生を預けるな」勝間和代(2009年03月17日)

【超「仕組み」】『小飼弾の「仕組み」進化論』(2009年03月14日)

【仕事】「仕事がつまらない君へ」小林英二(2009年01月30日)

【個人ブランディング】「抜擢される人の人脈力」岡島悦子(2008年12月18日)


【編集後記】

◆上記のポイントでも出てきた『「勝ち馬」に乗る』ことの重要性について、丸々解説している本がこちら(本田さんの本の中でも紹介されています)。

勝ち馬に乗る! やりたいことより稼げること
阪急コミュニケーションズ
高遠 裕子(翻訳)
発売日:2007-02-01
おすすめ度:4.5

一応、記事にもしておりますので、ご参考まで。

「勝ち馬に乗る!」アル・ライズ、ジャック・トラウト(2007年02月13日)


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この記事へのコメント
               
ご紹介ありがとうございます!
「具体的な方法論への落とし込みが見事」−−そこを評価してくださったのが、最高に嬉しいです。本田さんと本づくりをしながら、その点に一番エネルギーを注ぎましたので。
私個人も、もはや手遅れと思うほど出遅れておりますが、今回の仕事をきっかけに、めげずに、パーソナル・キャリアづくりに精進するつもりです。

Posted by kogita at 2009年03月22日 11:12
               
>kogita様

コメントありがとうございます。

やはり、「落とし込み」は意識されていたのですね。
個人的にはその辺りを丁寧にやることが、本の「売れる」「売れない」に関係してくるんじゃないか、と思っております。
装丁は挑発的(?)なのに、そういう部分に手を抜かないのがさすがですね(笑)。

そして、kogita様は作品を拝見する限りは、キチンとキャリアができてらっしゃるのではないか、と。
そちらの業界は結構転職されるようですが、今後も余裕で大丈夫だと信じております(笑)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年03月23日 00:39