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2009年02月01日

【経営】「だから、会社が儲からない!」嶋津良智




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、最近皆さんが相次いでご本を出されているJBNのメンバーのお1人でもある、嶋津良智さんの最新作。

私にしては珍しい経営本でございます。

アマゾンの内容紹介から。

「起業を志した100人のうち、10年後も生き続けられる会社がわずか1%」という現実をご存知でしょうか?

本書『だから、会社が儲からない!』は、この1%に入るために、「経営者は何をすべきか?」についての私の持論を、凝縮しているものです。

経営者並びに、会社経営を志すビジネスパーソンなら、読むべき1冊です。


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【目次】

第1部 「人と組織」こそ経営の神髄
 第1章 「経営の基本」を知らずして成功はない
  「人と組織」は理念なしでは機能しない!
  理念のない会社は凶器である ほか

第2部 人を育て、組織を強化する
 第2章 必要な人材を採用できない会社に未来はない
  事業ドメインなんて考えるな
  人間性重視で採用すると失敗する ほか

 第3章 いま現在の人材育成が一〇年後の会社を支える
  人を育てられない会社に未来はない
  従業員の8割は教育するな! ほか 

第3部 経営者に必須の資質、必要な事業戦略
 第4章 優れた経営者には共通した資質がある
  経営者はサーチライトを浴びろ!
  経営者は決断と責任から逃げ出すな! ほか

 第5章 シンプルな経営戦略で確実に利益を生み出す
  事業選択が成功するポイントを学べ!
  「何を捨てるか」「何をしないか」を徹底的に考え抜け! ほか 


【ポイント】

■「規則は枠、理念は軸」

会社にあるさまざまな規則は、従業員の行動の枠組みを示したもので、判断を下す際の軸となるのが理念と言う意味です。
 つまり、会社に属する誰もが判断の軸として理念を活用しなければなりません。


■「人」「モノ」「お金」「情報」「時間」という5つのリソース(経営資源)を理念追求に直結する事業に集中させるのが、成功への近道


■企業価値は「従業員価値」と「顧客価値」と「株主価値」の掛け算であり、足し算ではないため、どれか一つでも価値が低下すると企業価値は途端に下がってしまう


■経営者は「何をやるか」よりも「誰とやるか」をまず考えなくてはならない

「偉大な企業への飛躍を指導したリーダーは、まず始めに新しいビジョンと戦略を設定したのだろうとわれわれは予想していた。
 事実はそうではなかった。
 最初に適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、適切な人がそれぞれにふさわしい席に座ってから、どこに向かうべきかを決めている」

(『ビジョナリー・カンパニー』より)



■会社で活躍するのは、自分の強みを生かせる人であり、会社もできる限り従業員の強みが生きる人事をしなければならない

 アベレージが60点の人より、1教科90点の人を集め、それぞれの分野で活躍してもらうほうが人も組織も活性化します。90点の人材をすべての分野で揃えられれば、結果としてアベレージ90点の会社となります。
 そうやって「人と組織」は強化されていくのです。


■アウトプットを前提とすることで、インプットの質は飛躍的に向上する

 たとえば、部門の1人が社外の研修に参加するとします。
 その際、「来週の月曜日、あなたのために2時間取るので、研修で学んだことを他のメンバーにフィードバックしてください」と伝えておきます。
 すると、インプットの質が比べものにならないくらい向上します。


■経営者に限らず、上司が部下に応対するときの注意点:

  「愛は注いでも、情は注いではならない」


■「部下を動かす秘訣」をあるセミナーで質問した際の講師の言葉:

「何を言っているんですか?そもそも人を動かそうとすること自体チャンチャラおかしいですよ。上司というのは、部下が自ら動こうとする環境をつくることが大切なんです」


■日報でのその日1日の振り返りのポイントは「リソース(人・モノ・お金・情報・時間)が上手く使えたか?」


■経営者の仕事は「決断すること」「責任を取ること」「説明をすること」


■本当に素晴らしい上司とは、自分がいなくなっても遜色なく仕事が回り、組織が機能する状態をいち早く作り出す人

 リーダーの真価は、その人がいるときに部下がどう動くかではなく、その人がいなくなったときにわかるものです。


【感想】

◆本書も、以前ご紹介した「だから、部下がついてこない!」もベースとなるのは、「人」のお話です。

実際、本書のプロローグにはこうあります。

 商売の本質とは「すべては人で決まる」ということです。

 この本質を理解せずにマネジメントやマーケティングを勉強しても、成果は出ません。

その点、私のような「個人で事業をしている人」、もしくは「まだ部下がいない」人にとっては、今ひとつ実感がわかないのもまた事実。

そして当ブログでもこの手のご本をご紹介することは、比較的少なかったです。


◆ただしだからといって、全く学ばなくて良いかというと、そうでもないな、とも思っているわけでして。

一つには、学ぶことによって「モノを見るレイヤー(階層)」が違ってくる、ということ。

人を使って経営を行う、ということは、自分一人で行うより、一段高い視点が求められると思います。

もちろん、一生一人でやっていくのなら必要ないのかもしれませんが、少なくとも周りにいる、「そういう視点を持った人」の考え方を理解できる必要があるのではないでしょうか?

私の場合、本業の顧問先はもちろん会社なわけですから、ホントなら仕事術系の本を読むより、こういった「経営」「マネジメント」系の本を読むほうが、本業的には良いと思われ。


◆また、「ピン!」と来たのが、上記ポイントの「会社で活躍するのは、自分の強みを生かせる人」というくだり。

私は今まで、ストレングス・ファインダーで知りえた「自分の強み」は、自分のブランディング「天職」を考えるためのものだと認識していましたが、採用面接のシーンでも活かせそうです。

つまり、会社と入社志望者の双方がこう考えなければいけない、と。

・自分が持っている強みを生かせる環境がその会社にあるのか?(入社志望者)

・うちの会社では、その人の強みを生かす環境を提供できるのか?(会社側)

上記の「1教科90点の人を集め、それぞれの分野で活躍してもらう」というやり方を実現させるには、採用時配属時に、全員にストレングスファインダーをやらせるのが良いような。

というわけで、会社レベルでのまとめ買い推奨(ウソw)

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
日本経済新聞出版社
田口 俊樹(翻訳)
発売日:2001-12-01
おすすめ度:4.0


◆読むだけなら読んで、かつブログにまで書いておきながら、なかなか実践していない私が言っても説得力がないかもしれませんが、たとえ本書の内容を実践できないポジションにある方でも、こういう骨太の本を読むことは、十分に意義があることだと思います。

起業するにせよ、出世するにせよ、いずれは通らなければならないなのですし。

そして、大企業のトップの経営書もさることながら、こういう若手経営者の方の言語化された経験は、私達にとっては有益なショートカットであることは、間違いありません。


読みやすい割には濃厚なコンテンツです!



【関連記事】

【Amazonキャンペーン有】「超!部下マネジメント術」石田 淳(2009年01月23日)

【実践的経営法】「レバレッジ・マネジメント」本田直之(2009年01月16日)

ジャック・ウェルチの「私なら、こうする!」(2007年05月11日)

「社長は親になれ!」 原 邦生(2006年02月14日)

「だから、部下がついてこない!」嶋津良智(2006年09月30日)


【編集後記】

◆昨日から、ヨメ実家に家族で遊びに来ております。

この記事もライブドアブログの予約投稿によるものなので、変な時間にアップされていたら、それは何らかしらのアクシデントがあったということですね。

レス等が遅くなるかもしれませんが、いつも真夜中にレスしていますので、どうかお許しを・・・。


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この記事へのコメント
               
はじめましてorangeee13です^^
応援投票させていただきました。

毎日楽しく拝見しております。
・・とはいってもコメントするのは初めてなんですが。


「平均点60ではなく、専門分野90点の人材」というのも起業を目指す端くれとしては自分も含めて押さえておきたいですね。

「アウトプットを前提とすることで、インプットの質は飛躍的に向上する」
よく言われていることですが、これは普段私もかなり意識しています。本当に全然違ってきますよね。
ただ、僕もブログを書くひとりとしてsmoothさんのように毎日これだけの読書・記事を続けていたら手段が目的化してしまわないかと思ってしまいます。

なにか工夫されているのでしょうか。
Posted by orangeee13 at 2009年02月01日 11:38
               
ご無沙汰しておりますITおやじです。
実は自分の会社を設立しまして、ブログも開設しました。
是非、そちらにも遊びに来てください。
これからもよろしくお願いします!!

僕も起業したからにはちゃんと続けていかなくてはいけませんね。
Posted by ITおやじ at 2009年02月01日 23:12
               
枠と軸の関係、とてもおもしろかったです!
Posted by 齊藤 正明 at 2009年02月01日 23:17
               
>orangeee13さん

初めまして、コメントありがとうございます。
あ、あとランキング応援も(笑)。
ちなみに私にとってブログ書きは、趣味のようなものなので、苦痛とかには全然なりません。
あとは「自分の目的が何か」ですよね。
今のブログはまだ始められたばかりのようですが、1年とか3年続けているうちに、だんだん変わってくる可能性もありますし。

というわけで、工夫というようなものは何もなくて「なるようになる」でやってます(笑)。

今後ともよろしくお願いします。

>ITおやじさん

ご無沙汰しております。
起業おめでとうございます!
今は出がけなんで(笑)、後でお伺いしますね。
今回ご紹介した本のように、会社は継続させてこそ、ですので頑張ってくださいマセ。

>齊藤正明さん

なかなか言いえて妙ですよね。
私もこういう表現がサラっとできるようになりたい・・・(笑)。


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年02月02日 07:58
               

こんにちは、リーダーズアカデミーの嶋津です。

この度は、私の著書を紹介していただき、ありがとうございます!

私のブログにも紹介させて頂きました。

http://blog.livedoor.jp/y_shimazu/archives/1143960.html

気軽に書いていますので、、
もしよかったらお読み頂ければと思います。

今後ともよろしくお願い致します。


リーダーズアカデミー
嶋津


Posted by 嶋津良智 at 2009年02月04日 16:26
               
>嶋津良智様

著者様直々のコメントありがとうございます。
・・・って、台湾からの書き込みですよね(汗)?
お忙しいところわざわざありがとうございます!

また、ブログでのご紹介もありがとうございました。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年02月05日 04:04