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2009年01月26日

【整理術】「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」デビッド・アレン (著)田口 元(監修)


はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
二見書房
田口 元(監修)
発売日:2008-12-24
おすすめ度:5.0


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨年末時点で購入していながら、今まで諸般の事情により記事にしていなかったご本。

というか、発売直後からつい最近まで、アマゾンではずーっと在庫切れだったという話もある、「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」をやっとお送りしようかと。

「ライフハック系」のコンテンツがお好きな方なら、既にお買い求め済みの方も多いであろうこの本。

本は分厚いですが、とても読みやすく、かつ、理解もしやすかったです。

後は、いかに実践するか・・・って、それがいつもの私の鬼門なんですが。


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【目次】

第1部 GTDの基本
  1.仕事は変わった。さて、あなたの仕事のやり方は?
  2.生活をコントロールする―GTD実践のための5つのステップ
  3.創造的にプロジェクトを進めるために―プロジェクトプランニングの5つのステップ 

第2部 ストレスフリー環境で生産性を発揮しよう
  4.さあ、始めよう―時間と場所、ツールの準備
  5.収集―“気になること”すべてを集める
  6.処理―inboxを空にする
  7.整理―最適な受け皿を用意する
  8.レビュー―システムの機能を維持する
  9.実行―最善の行動を選択する
 10.プロジェクトを管理する

第3部 基本原則のパワーを体感しよう
 11.収集の習慣を身につけると何が変わるか
 12.次にとるべき行動を決めると何が変わるか
 13.望んでいる結果に目を向けると何が変わるか


【ポイント】

■GTD(Getting Things Done)の3つの要点:
 
 ●頭の中の「気になること」を"すべて"頭の外に追い出す

 ●それらすべての「気になること」について、求めるべき結果と次にとるべき行動を決める

 ●そうして決めた、とるべき行動を信頼できるシステムで管理し、定期的に見直す


■ビジネスパーソンのストレスの大半が、自分もしくはほかの人から課された「やるべきこと」がうまく片付いていないことから生じている


■行動の3つのリマインダー

 ●今すぐやる


 ⇒2分以内にできることならば、ただちに実行する

 ●誰かに任せる

 ⇒2分以上かかることは、自分がやるほうがよいか考えてみる

 ●あとでやる

 ⇒「2分以上」かかり「自分がやるべきこと」ならば、「次にやる行動」リストに加え、適切なタイミングで見直せるようにする


■ファイリングのポイント(抜粋):

 ●雑多な資料のファイルは手の届く範囲に

 ファイリングは手早く、簡単にできないといけない。いちいち席を立つ必要があると、整理するべきものを積み上げてしまう可能性が高くなる。


 ●新しいフォルダをたくさん用意しておく

新しい情報をファイルしたいときに手元にフォルダがないのは非効率的だ。私はいつでも、引き出しの半分近い量のフォルダをストックしている。


 ●引き出しの中身が4分の3以上にならないようにする

 ファイルの量がこれ以上になったら危険信号だ。いっぱいになってしまうと、もう入れられないという潜在意識のせいでデスクに放置しがちになる。


 ●ラベルライターでファイルに名前をつける

 ラベルを使うと、ファイルの機能性はぐんと向上する。(中略)
 ファイリングシステムをスムーズに使いこなすには、ラベルライターを手元に置いていつでも使えるようにしておく必要がある。人から借りようなどと考えてはいけない。もし、ファイルを作るときにラベルライターがなければ、書類は無残にも積みあがっていくはずだ。ホッチキスのような定番アイテムだと思ったほうがいい。


■「時間ができたときにやるべき行動」のリマインダーは、その行動に必要な"状況"で分けておくのがいちばん効率的

具他的には、実行に必要な道具や場所、人ごとに分類するわけだ。たとえば、パソコンが使える状況でないとできない行動は、「@パソコン」のリストに分類する。外出先でやることならば「@買い物・雑用」のリストに入れる。


■備忘録ファイル

 ⇒紙などの実体のあるリマインダーを、将来の特定の日のinboxに"自動的"に入れてしまう
 
 ⇒「日別ファイル」(1~31)と「月別ファイル」(1~12)の計43個のファイルで構成

 (使い方等、詳細は本書を)


■行動のリマインダーを状況ごとに整理する2つの理由

 ●ある特定の場所・道具がないとできない行動があるので、"状況"ごとに分類されたリストがあると便利

 ●「次の物理的行動は何か」という重要な判断を、リストに入れる時点でやらざるをえない

私の行動リストはすべて状況別になっているので、リストに入れるときには必ず「次にとるべき行動」を考えなければならない。パソコンが必要か、電話がいるか、店に行かなければならないかをそのつど判断することになる。状況をよく考えていない「@雑用」というリストを作っている人がいるが、こういう人はたいてい、次にとるべき行動を考えずにリストに入れてしまっている。


■「予定外の仕事」についての考え方

 すべてのやるべきことを把握したうえで、入ってきた仕事をほかの仕事より優先させるのなら、何も問題はない。それが最善の行動だからだ。しかしほとんどの人は、すべての「やるべきこと」について求めるべき結果と次にとるべき行動を明らかにする作業をしていない。やるべきことが曖昧なまま、とりあえず緊急性が高そうに見えるものばかりをやっていると、ストレスはどんどん溜まる一方だ。じっさいのところ、多くの人にストレスとパフォーマンスの低下をもたらしているのが、これらの"予定外のこと"なのだ。


■GTDがボトムアップの方がうまくいく最大の理由は、現実に関して頭の中が整理され、自分にとってより大きな意義のある目標や、漠然とした将来像について考えやすくなるから


■GTDと従来の時間管理手法との違い

 GTDはこれまで提唱されてきた時間管理術とはかなり異なっている。それほど重要でないと判断したものについては、管理、把握、実行における重要性も低いというのが、ほとんどのモデルの考え方だ。しかし、私の経験からすると、これはまちがっている。少なくとも、潜在意識のレベルではこのような区別はされていない。だからこそ、すべての約束を意識の表面にもってくる必要があるのだ。つまり、収集し、目的を明らかにして、定期的にレビューすることで顕在意識に認識させなければならないのである。


【感想】

◆冒頭にも書いたように、非常に読みやすく、わかりやすい1冊でした。

さすが実際に著者のデビッド・アレン氏と交流もある田口 元さんが監訳されただけのことはあります。

当初は本の厚さにビビって後回しにしていたのですが、こんなことならもっと早く読んでおけばよかった、と反省しきり・・・。


◆また、このGTDというシステムを実践するには、才能お金はほとんどいらないでしょう。

もちろん、ファイルやらラベルライターといった、文房具関係は多少必要ではあるのですが、高度なシステムやネットワーク環境も不要。

必要なのは、「時間」「やる気(意志)」ぐらいなもの。


◆ところが、この2つが結構クセモノ。

GTDの具体的な手法については本書をお読みいただくとして、最初の方で、「頭の中の気になることを書き出す」という作業を行うのですが、これがかなりの苦行な模様。

こちらの本では、技術評論者の編集者の方の「体験レポート」があって、「気になること」「100項目ほど書く」という苦行を実践されています。


・・・100個って結構大変ですよ、マジで。


◆また、こちらの本のあとがきでも、同じく田口 元さんが、GTD実践のためのアドバイスとして『「頭の中にある気になることを全部書き出す作業」を十分にやること』ということを言われていたり。

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
二見書房
David Allen(原著)田口 元(翻訳)
発売日:2006-05
おすすめ度:4.0

今回の本でも、この作業(「収集」と呼ばれています)のプロセスについては「必ず完全に行わなくてはならない」と明記されています。


◆さらに、GTDシステム維持のカギをにぎっているのが、「レビュー(週次レビュー)」という見直し作業。

だいたい毎回2時間程度かける必要があるため、折角本人が行おうと思っても、仕事や用事が飛び込みで入ってきて、おざなりになってしまったり、ついつい後回しになってしまって、自然とフェードアウトというのは最悪のパターンです。

まぁどのやり方でもそうなのですが、こういったシステムは「続けられなければ意味が無い」わけなので、「続けようとする意志」がないといけません。


◆ただし、こういったハードルさえ乗り越えることができれば、その見返りかなりのものになると思われ。

ご自身の活躍ぶりに絡めて、田口さんも本書の「監訳者あとがき」でこう言われています。

 このように数多くの活動をこなすことができたのは間違いなくGTDのおかげだ。すべての「やりたいこと」を頭の外で管理し、魅力的なプロジェクトのお誘いがあったときにそれらを見直すことで、自信をもって「やりましょう!」と言うことができたからだ。
 GTDと出会っていなかったらこれほど多くのことを成し遂げることはできなかっただろう。もしあなたも人生をより充実させたいと願っているならば、ぜひGTDを実践してみて欲しい。

最近では私自身も色々と本業以外のお話を頂くことが増えたのですが、確かにGTDを実践できていれば、お断りすることもなかったプロジェクトもあったかも(遠い目)。

いや、マジで!←手遅れ


◆なお、全面的でなくとも、そのエッセンスとしてGTDを取り入れたい方は、上記「備忘録ファイル」や、「行動のリマインダー」「ファイリングのポイント」あたりは、かなり役に立つと思います。

もちろん、「GTDフル装備」を望まれる方なら、本書は「かゆいところに手の届く」親切設計で対応しておりますので、ぜひご一読を。

まさに「GTD完全マニュアル」とも言える力作です!


はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
二見書房
田口 元(監修)
発売日:2008-12-24
おすすめ度:5.0


【関連記事】

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【時間術】「エンジニアのための時間管理術」Thomas A. Limoncelli(2008年06月13日)

「デジタル・ワークスタイル」徳力基彦(2007年05月08日)

「3分LifeHacking」山口真弘(2007年05月06日)


【編集後記】

◆今日の気になる本。

グーグル・ジャパン社員11名の英語習得術をメインで紹介。さらに、各章末にコラム「グーグル・ジャパン社員に聞いた仕事術」として仕事術をまとめている。

「英語勉強法」「仕事術」という「1冊で2度美味しい本」のよう。

思わずアマゾンアタック敢行しますた!


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【GTD】『ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編』デビッド・アレン(著),田口 元 (監修,翻訳)【マインドマップ的読書感想文】at 2010年11月29日 08:03
                               
この記事へのコメント
               
smoothさんこんにちは!
これは〜ためになりそうな本ですね!
読みます!ポチッ!
私も仕事や勉強にたくさん手を出しているので、最近収集がつかなくなってきてしまっていて…。
ちょっとこの本を読んで、良い方法を学びたいと思います!
いつも参考になる本の紹介ありがとうございます!!
Posted by 二代目 at 2009年01月29日 14:07
               
>二代目さん

アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
でも冗談抜きで、この本は使えると思います。
ただ、記事にも書いたように忙しいと「続ける」ことが大変かもしれません。

これに関して、丁度「lifehacking.jp」さんで参考になる記事がありましたので、良かったらご覧下さい。

「本当に忙しいときでも GTD の効果を引き出す7つのポイント」
http://lifehacking.jp/2009/01/extreme-gtd/
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2009年01月30日 00:35