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2008年11月06日

【キャリア形成】「やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!」渡邉正裕




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、有料のニュースサイト「MyNewsJapan」を立ち上げた、渡邉正裕さんの新作。

タイトルからは分かりにくいのですが、まさにその「MyNewsJapan」を立ち上げることになった経緯と、渡邉さんご自身の「キャリア構築の考え方」について解説されています。

アマゾンの内容紹介から。

広告収入に依存することが当然とされてきたニュースビジネスにおいて、広告なし、有料課金のモデルで事業化にこぎつけたのは、日本の歴史上、初めてのこと。なぜそのような困難な事業を実現できたのか。机上の理論ではなく、現在進行形で実行している筆者が、具体的な経営数字とともにルポ形式で実践内容や成功のポイントを明らかにする。

この本を読んで、起業を志す方が出てくるのかも!


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【目次】

1 なぜ 「ビジネスモデル構築力」 が必要なのか 

2 やりがいある仕事でサラリーマン以上に稼ぐポイント

3 新聞記者時代に身についたこと 

4 コンサルタントとして身についたこと 

5 本格的なビジネスモデル構築

6 新事業スタート後の試行錯誤

7 実際の経営データ推移


【ポイント】

・一見、儲かりそうもない事業分野でも、確固たる動機を持ち、精巧なビジネスモデルのもとで粘り強くやりとおせば、勝算はある

・「社会的な役割が求められているにもかかわらず、ビジネス化が困難だと思われている市場」は、いわゆるブルーオーシャンで誰も参入しないため、まずは小規模で高収益のビジネスを設計すればよい

・キャリア構築やWEBの使い方によっては、「やりがいのある仕事で、かつ民間以上に稼ぐ」という道がある

・「やりがい」とは、「命」を「使う」に値すると思える目的であり、「DNAレベル」または「魂レベル」の問題

・「ビジネスモデル構築力」とは、端的に言えば「カネ儲けスキル」

 だが、あくまで、仕事そのものにやりがいをもとめるべきだ。両立させなければならない、というのが本書の主張である。両立のためにすべきことは、意図的に両方のキャリアを歩むことだ。揺るがぬ目的を持って、複線型のキャリアを歩み、市場原理のなかで、限界の限界まで公共性の高い仕事を成り立たせることを考え抜く。なかでも、その複線型キャリアのなかで必修科目となるのが、ビジネスモデル構築力を身につけること、である。

・2つのスキルを持っている人、複線型のキャリアを歩めた人は、会社から見ると新人を2人育てるようなものだから、コストがかかり、企業としては許されないが、逆に転職市場では有利になる

・業種的には、商社(リクルートを含む)やコンサル会社は経営に近い仕事を多く経験でき、若い段階でビジネスを回すチャンスに恵まれやすい

・やりがいが分からない人は、とにかく責任ある仕事を、競争の激しい市場原理の中で行い、切磋琢磨するなかで発見していくこと

だから、「やりたいことがないからフリーター」というのは最悪で、分からない人は環境が厳しいほどよい。三井住友銀行や野村證券にでも入社して、日々、"鬼軍曹"に鍛えられれば魂に火がつくだろう。

・使命感や目的が明確な人は、社会的に達成されていない目的をベースにキャリアを考えると、必然的にオンリーワンのキャリアを歩むことになるし、それがビジネスモデル構築において武器になる

 私の場合は、新聞×経営に、大学時代からのWEB知識が加わって、インターネット新聞経営のオンリーワンキャリアになった。動機は、社会的弱者の視点で権力を監視するジャーナリズムをツールとして、社会をより良いものに改革したいというもので、もともと学生時代からマグマのように持っていた動機が、新聞記者時代に顕在化した。

・非営利機関は、民間では採算が合いにくい分野で仕事をするため、民間よりも高度な経営ノウハウを必然的に要する

・動機が明確でビジネスモデル構築力があるのなら、儲かりにくい公共性の高い分野でも、公共性が高いがゆえに競争が激しくなければ、成功することは不可能ではない

・課金以外の方法で、ブログで生計が立てられればそれに越したことはないが、アルファブロガーと呼ばれる人でも成功していない

・コンテンツさえあれば、あとは、あらゆるメディアを使って、3度売り、4度売りを行って顧客に伝えていくことでレバレッジを利かせ、秀逸なビジネスモデルが成立する

・新聞社が、速報記者を高く評価し、そちらに力を入れるのは、それで株価が動くから読者(投資家)にとってカネ儲けの種になるという理由もあるが、逆に調査報道をさせたくないというマイナスの理由もある

 調査報道はヒトもカネもかかる割りに、広告主である企業にとっては、痛いところを突かれたら困るので、突っ込んだ調査などやってほしくない。なぜ広告を出してあげている媒体に、痛いことを書かれねばならないのか、調査報道なんかやるなら広告の出稿を止めてやる―となるのはごく自然だろう。

・リクルートの発想:『「人生の節目」は、人生の方向性にかかわる決定的に重要な情報だから、必ず市場がある』

お稽古(ケイコとマナブ)、就職・転職(リクナビ)、結婚(ゼクシィ)、住宅購入(フォレント)、車(カーセンサー)・・・


【感想】

◆本書は目次にもあるように、第2章までが、渡邉さんの主張される「複線型キャリアパス」のお話。

「やりがい」「お金」のどちらか二者択一ではなく、「やりがいのある仕事で、かつ民間以上に稼ぐ」という第3の道を歩むためにはどうすべきなのか。

この点について、渡邉さんはこう言われています。

「目的志向の複線型キャリアパスを意図的に描き、自分が活躍したい分野での現場感覚・知識・人的ネットワークを身につけつつ、もう一方のキャリアラインでビジネスモデル構築力を磨く」

ポイントでも一部挙げておりますが、より詳細な内容については、ぜひ本書をお読み頂きたく(汗)。


◆私の場合は、どうしてもこのブログが「やりがい」のように位置づけになっているのですが、間違っても本業とのシナジー効果は望むべくもありません(笑)。

となると、ゆくゆくは、ブログ単体でお金儲けを目指さなくてはならないのか、と思いきや、本書にはハッキリ「アルファブロガーと呼ばれる人でも成功していない」と書かれているワケでして(汗)。

本書では、お馴染み小飼 弾さんが例として挙げられていますが、私が知ってる限り、執筆時より今はもうちょっと稼がれているハズ。

それでも、個人のブログとしては日本で屈指の小飼さんも、アフィリエイト報酬だけですと、たとえば在京キー局等の役員の給与と比べれば見劣りするわけで(多分)、なかなか難しいところです。


◆第3章以降は、渡邉さんご自身の職歴を振り返る形で、それぞれの職場におけるキャリアの積み方について。

ポイントにも挙げたように、広告主の意向を反映させなければならない新聞社(もちろん、広告の入るマスコミは基本的に同じでしょうが)は、厳密な意味での「ジャーナリズム」は実現できていない、と。

これはある意味当然と言えば当然なのですが、知らないで入社している人がほとんどなのではないでしょうか?

私のゼミの同期や先輩・後輩にも新聞記者は多いものの、基本的に入社するためには「質の高いコンテンツを書く」能力だけが求められている関係上、「広告が入るからうんぬん」なんて話はこれっぽっちも頭になかったと思われ(汗)。

入った後で、みんなどう折り合いつけたのやら・・・。


◆一方で、新聞社の後の転職先である外資系コンサル会社で身につけたスキルは、私たちビジネス書好きにも馴染みがあるものです(笑)。

実は以前、渡邉さんのこの本を読んで驚いたのが、それぞれの業界ごとにキレイなマトリクス図が描かれていたこと。

若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか
東洋経済新報社
発売日:2007-02-23
おすすめ度:3.5

これも、外資系コンサルをやっているうちに身に付いたスキルなのだそう。

このようにして、キャリアを積んでリターンを得るわけですね。


◆なお、前後しますが、渡邉さんが新聞社時代に身につけられたのかもしれないスキルの1つが、「文章力」

上で挙げた本を読んだ時も思ったのですが、ものすごく読みやすい(私と波長が合う?)文章を書かれています。

個人的には、「私がしっくりくる文章」のベスト5は確実。

私も見習いたいところです(個人的に)。


◆さて、第5章からは「MyNewsJapan」というビジネスモデルについてのお話がほとんどなので、汎用性という意味では、ちょっとキツイかもしれません(特にコンテンツビジネスに興味がない方)。

特に、第7章は「実際の経営データ推移」というかなり細かいお話ですから、この渡邉さんのビジネスモデルに関心がないと、結構読み飛ばされちゃいそうな(汗)。

ただし、ご自身が今後、何らかの形でコンテンツ作品を世に問おうとされる方であれば、ビジネスモデルの検証を含め、このあたりも軒並み必見(汗)。

もちろん、シンプルに「書籍出版」のみを志すのも宜しいのですが、やはり「シングルソース・マルチユース」こそが、これからの私たちが目指すべき方向ではないか、と。


◆ちなみに、この渡邉さんの「MyNewsJapan」の購読(閲覧?)料は月額1890円。

「お金を払ってでも皆が見たがったであろうネタ」を、2007年のアクセス数ランキング(PV)から、抜粋します。

1 浜崎あゆみの美容整形疑惑に迫る(1)スッピン歌姫を見た美容外科医の"顔"分析

2 「納豆で血液サラサラ」は嘘 「あるある大辞典」とNHKのトリック

3 エコナ、自社研究でもガン促進を示唆 花王はデータ公開拒否

4 ソフトバンク店員が最後の告発「甘い話には必ず罠が潜んでいます」

5 吉野家牛丼から骨 「フライドチキン並み」3本にも、店長「今日は骨多い」と平然(後略)

広告収入がないだけあって、既存のマスコミではできない、かなり際どいネタだらけです罠(汗)。


書評系ブロガーとして存分に楽しませて頂きました!




【関連記事】

【キャリア形成】『自分のために「キャリア」を自分で創る』(2008年09月09日)

【キャリア形成】「キャリアをつくる9つの習慣」高橋俊介(2008年07月28日)

【自分ドメイン】「会社を替えても、あなたは変わらない」海老根智仁(2008年04月26日)

【キャリア形成】「会社を利用してプロフェッショナルになる」溝上憲文(2007年12月03日)

「すぐに稼げる文章術」日垣 隆(2006年12月22日)


【編集後記】

◆一昨日、某リアル書店で発見した分厚い本(汗)。

世界一わかりやすい脳を鍛えて記憶力を強くする方法
総合法令出版
Michael Kurland(原著)Richard A. Lupoff(原著)小山 晶子(翻訳)
発売日:2002-10
おすすめ度:4.0

厚さの割には安い(1995円)んですが、それでも488ページってどうよ、って言う(涙)。

買ってみたかったんですが、荷物も重かったので断念しますた。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:30
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35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書) 【本の概要】◆今日ご紹介するのは、ニュースサイト、「MyNewsJapan」編集長である、渡邉正裕さんの「キャリア本」。 新書とは思えない濃さで、「キャリア形成」のノウハウを伝授....
【オススメ】『35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』渡邉正裕【マインドマップ的読書感想文】at 2010年10月14日 07:33
この記事へのコメント
こんちちは、smoothさん

毎度、力作の記事で感嘆してますが、
今回は私も読ませて頂いた著作でしたので、
殊更、面白かったです。!(^^)!

私にとっては内容も濃かったですが、
渡辺氏の気合いを感じました。


smoothさんは様々な人との交流があり、フォーカス(焦点)のような位置だと思いますから、
是非、稼げるアルファブロガーになって頂く事を蔭ながら見ていきたいと。(笑)

(笑)になってますが、アフィリエイト以外で稼げるブロガーモデル(評論家とか?なんでもいいけど)に是非と。

では、また。(^_^)/~
Posted by ケイエム at 2008年11月06日 12:46
smoothさんこんばんわ♪

これ、たぶん初めて?smoothさんが書かれる前に読了した本です(strengths finderは除く)(笑)

渡辺さんの最初の会社と比較的近い職種なもんで、「ん〜な広告があるとこで『ジャーナリズム』なんかきつかろう」という話は結構身近に聞いております(^^;)。

いろいろ聞くと広告以外にも結構縛りがあるらしいんですけどね〜……(>_<)。

たしかにニュース系で有料サイトで成功しているのは、渡辺さんとこくらいかなと思います。

有料のコンテンツだと佐々木俊尚さんのメルマガは購読していますが、正直、まだ「メルマガが有料」という感覚にまだ慣れずにいるとこです。

本気でコンテンツ系で起業しようと思ったら確かに「シングルソース・マルチユース」(どっかで「紙」とかのモノに落とし込む)以外にあまりいい方法が思いつかないですね〜。

※ そういえば時事の湯川鶴章さんも『次世代マーケティングプラットフォーム』の中で「(これからはコンテンツの時代じゃないから)物書きはつらい」ということ書いてらしたような記憶が。
Posted by きく at 2008年11月06日 23:06
>ケイエムさん

いやー、確かに渡邉さん、気合入ってましたね〜(笑)。
ただ、ヤフーアドワーズとかグーグルアドセンスって、マスメディアとは違うし、NGはある意味しょうがないかな、と思ったんですが。

アフィリエイト以外でしたら、出版社さんにバナー広告出してもらうとかですかね?
評論家といっても、結局「誰が」「何に」対してお金を出すのかというところがキモかと(汗)。

私は今のように、読者の皆さんに楽しんでいただければ、それでもいいと思ってマス。

>きくさん

そうでした、きくさんはモロに「渡邉さんの最初の職場」系ですもんね。
先に読まれたのも納得です。
てか、この本、タイトルからこんな内容だとは気がつきませんでしたし(汗)。

縛りがいろいろある、というのは何となく知ってます(俗に言う「タブー」とか)。
それでもそういう縛りのあるお話の方が、ニーズもありそうですよね。

佐々木さんも毎日出身ですし、やはり新聞記者さんは「書く」ことをマネタイズするセンスというか意欲があるのかな、とか。
私も新聞社出身のゼミの同期に「よくタダでそんなに毎日書いてるなー」とあきれられましたし。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年11月07日 00:56