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2008年10月20日

【フツウにスゴ本】「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ (著), 神田昌典 (監修)


ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則
ダイヤモンド社
神田 昌典(監修)齋藤 慎子(翻訳)依田 卓巳(翻訳)
発売日:2008-09-20
おすすめ度:4.5


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今まで何度か引き合いに出してきた「スゴ本」(汗)。

前書きでも、「ある広告人の告白」(これもスゴ本)等の名著を残しているデイヴィッド・オグルヴィはこう述べています。

ジョン・ケープルズは違う。何と49年間も、コピーライターの仕事に専念してきたのである。だからこそ、類のない一連の知識を蓄積してこれた。この本は間違いなく、いままでで1番役に立つ広告の本である。

確かに、結果重視の科学的アプローチには、ぐうの音も出ませんでした。

マジですごいです(汗)!


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【目次】

第1章 これが新しい広告戦略だ
第2章 広告は見出しが命
第3章 どんな見出しが1番注目されるか
第4章 効く見出しはこう書く
第5章 35の見出しの型──その効果は検証済み
第6章 どんぴしゃりの訴求ポイントを見つけるには?
第7章 「テスト済み広告」と「テストしない広告」
第8章 熱意を込めてコピーを書く方法
第9章 コピーの出だしはこう書く
第10章 効くコピーはこう書く
第11章 コピーの売込み効果を高める20の方法
第12章 誰もがぶつかる問題を避ける方法
第13章 こうすればもっと問合せが増える32の方法
第14章 最大数のお客にアピールする方法
第15章 どんなレイアウトとビジュアルが1番注目されるか
第16章 小スペース広告で利益を上げる方法
第17章 頭の体操10問──成功した見出しはどっち?
第18章 広告をテストする17の方法


【ポイント】

・効果的な見出しの4つの特徴:
  「得になることをアピールする」
  「新情報を提供する」
  「好奇心をそそる」
  「手っ取り早く簡単な方法」

・「効果検証済み」の35の見出しの型(抜粋)


 →型15.「エピソード」を伝える・・・「こうして私はひと晩で記憶力をアップしました」

 →型20.見出しに「求む」を入れる・・・「求む、危険な時代に信頼できる人」

「求む」という言葉には人を引きつける力がある。読んだ人は何が求められているのか知りたくなるからだ。

 →型31.いまはまだ買わないように伝える・・・「自動車保険に入る前に、この実例をお読み下さい」

・広告を試す最善のテストは、その広告で商品が実際に売れているかどうかしかない

・もし何かにワクワクしたら、そのワクワクをすぐにその場で書き留めること

・『リーダーズ・ダイジェスト』に学ぶ書き出しの6つの型(抜粋):
  「ハッとすること」
  「ニュースネタ」
  「引用」
  「エピソード」

・効果的な冒頭部を書く3つの簡単なルール:


 →短くする。冒頭部分が長いと読む気が失せる

 →見出しで言った内容を続ける

 →その商品を買ってもらえる1番の、あるいは複数の重要なベネフィットを短い言葉で伝える

・お薦めのコピー13タイプ(抜粋):
  「単刀直入なコピー」
  「エピソードコピー」
  「ありのままを伝えるコピー」
  「署名入りコピー」
  「ティーザーコピー(じらしコピー)」

・避けるべきコピー3タイプ:
  「詩的なコピー」
  「きざなコピー」
  「信じてもらえないコピー」

・コピーは相手を中心にして書く

「人々が安心するのは、グッドイヤーのタイヤを使っているとき」ではなく、「安心をお感じになるのは、グッドイヤーのタイヤをお使いのとき」と書こう。

・人には写真の下に印刷された短い説明を無意識に読む癖があるので、ビジュアルの下には必ずキャプションを入れる

・広告による宣伝効果を追跡できる企業が使っているのは、「スタイルコピー」ではなく「セールスコピー」

・一般的にコピーは削るほど質が上がるので、500ワードのコピーを書くスペースがあるのなら、ただ500ワードのコピーを書くのではなく、まず1000ワードのコピーを書き、それから500ワードに圧縮する

・「こうすればもっと問い合わせが増える32の方法一覧」(抜粋):
  「オファーを見出しに入れる」
  「『無料』という言葉を強調する」
  「パンフレットに有名人のまえがきを入れる」
  「いますぐ行動するように促す」
  「結果を記録する」

・広告のコピーを書くときは、小学6年生の国語の教科書に出てくるような言葉を使うこと

・コピーが長くてビジュアルのスペースが少ししかない場合、そこに入るもので何よりも目を引くのは、「人の顔」

・広告をテストする場合、自分が読んで誰かに聞いてもらってもいいが、他の人に声を出して読んでもらい、それを自分が聞くほうがよい



【感想】

◆本書は、最初値段を見て、ページ数が多いこともあって「高っ(汗)!」と思ったのですが、読み進めていくうちに、「何コレ、むしろ安いじゃん!」に変わったと言うくらい、中身の濃い1冊でした。

とにかく「事例が豊富」

上記でポイントに挙げたような「結論」を導き出すに至った事例が、「これでもか!」とばかりに列挙されています。

必要に応じて、実際の広告(元々はカラーのものもあったかもしれませんが)も、解説入りで挿入という、親切ぶり・・・。

adfe174d.jpg



















◆ホントなら事例をもっとご紹介したいところなのですが、「どこがキモだった」「何が悪かった」等の解説まで合わせると、一つひとつがかなり長くなるので、今回は泣く泣く割愛しまくりました。

ただ、個人的にツボだったのが、ちょっとした表現の違いで、結果が大きく変わってくる、という例。

例えば、

「すばやく簡単にきちんと車を修理する方法」

という見出しを

「すばやく簡単にきちんと車を直す方法」

にしたところ、注文が20%増加したそう。

いや、好きです、こういう話!

気にしない人だと「どこがちがうんだYO!」となりそうですが、実際に数字が違うわけですから。


◆そして、それだけ数字にこだわるだけあって、「テストの方法」については、第18章を丸々使って詳しく解説しています。

ここを読むだけでもかなりの知識が得られるかと。

当然、付箋も貼りまくり(汗)


◆なお、キチンと学習できたかを確認するために(?)、第17章では、「頭の体操10問──成功した見出しはどっち?」と題して、同じ商品に対して、成功した広告と失敗した広告を併記しています。

これがガチで手ごたえあり(汗)!

明らかに分かるものもあれば、考えに考え抜いて、結局間違ったものもありました(汗)。

・・・何のための付箋なんだか(涙)。


◆なお、「76年読み継がれてきた伝説のバイブル」というだけあって、本書では「インターネット」のことは、まったく考慮されていませんでした(冒頭の神田昌典さんの「監訳者はじめに」を除く)。

ただし、「広告の効果を数字で測定する」という本書の主張からすれば、かえって、インターネットが普及した現代の方が、本書の教えを実践しやすい、とも言えます。

「監訳者はじめに」で神田さんが

いまから12年前のこと──毎晩、むさぼるように本書を読んでいた。ベッドのなかで眠気に意識を失うまで、手放さなかった。目覚めても、開かれたままのページに舞い戻った。

というのも、あながちウソではないと思えるくらいの充実ぶり。


買って損なしの名著です!

ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則
ダイヤモンド社
神田 昌典(監修)齋藤 慎子(翻訳)依田 卓巳(翻訳)
発売日:2008-09-20
おすすめ度:4.5


【あわせて読みたい】

◆今回の「ザ・コピーライティング」の中で駆使されている、広告のさまざまな測定方法を編み出したのが、レスター・ワンダーマン。

本書は、今や一般的に行われている様々なテクニックがどのようにして生まれたのかを、ワンダーマン自身の半生記として解説してくれています。

アマゾンの商品説明にもあるように、この本もインターネット全盛の「今」だからこそ読んでおきたい「目からウロコ」の発想が目白押し!

この本も文句なしに激オススメです!

ワンダーマンの「売る広告」
翔泳社
株式会社電通ワンダーマン(監修)藤田 浩二(翻訳)
発売日:2006-10-11
おすすめ度:5.0


【関連記事】

【実践!】「人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 」牟田静香(2008年10月16日) はてなユーザーの評価

【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日) はてなユーザーの評価

「ネットで稼げるコピーが3日で書ける! セールス文章実践ドリル」竹内謙礼(2006年12月13日) はてなユーザーの評価

「10倍売る人の文章術」ジョセフ・シュガーマン(著)金森重樹(監訳)(2006年05月08日) はてなユーザーの評価

「書いて売れ!―セールスライティングの技術」 堀内伸浩 (著)(2005年08月18日) はてなユーザーの評価


【編集後記】

◆先日、土井英司さん「1000冊に1冊の名著」とメルマガで激賞したこの本のアマゾンの在庫が、やっと補充されたようです。

即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
三笠書房
吉越 浩一郎(翻訳)
発売日:2008-09
おすすめ度:5.0

・・・当ブログはあまりマネジメント系はウケが良くないのですが、さすがにあれだけプッシュされると気になりますね(汗)。


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この記事へのコメント
               
smoothさん こんにちは!

joshibenと申します。

私も今まさに、この本を読んでいる最中です。
確かに値段も少し高めで、厚さもすごいですが、それだけの価値はありますよね。
コピーの大切さを痛感しているので、
この本を読んでさらに勉強したいと思ってます。

Posted by joshiben at 2008年10月20日 11:13
               
こんにちは、smoothさん。

私も書店で早速購入しましたが
何十年前にここまで広告の技術が
確立されていたとはただすごいの一言です。

実は、以前翻訳されていた書籍も
古本屋さんで購入したのですが
如何せん今の時代とあまりにも
ずれもありましたし何よりめくると
破損しそうで大切に読まなければ
いけないのが難点でした。

新しく翻訳された本なら大きいですし
何より見やすいのがいいですね。

ある人はこの本は絶版になる可能性が
高いので、商売に関係する人なら
絶対買うべきと言っていました。

私も間違いなくお勧めできる書籍
だと思います。
Posted by doug at 2008年10月20日 13:52
               
絶対に読みます。

ありがとうございました。
Posted by にんにん at 2008年10月20日 15:11
               
>joshibenさん

ご無沙汰しております〜。
確かに厚い本ですが、中身も超濃いので、お買い得ですよね。

そうそう、土井さんのセミナー良かったでしょう?
子供が二人目生まれる前までは、結構土井さんのセミナーは常連だったんですよね、私。

ところで、joshibenさんのブログのヘッダーのお顔がjoshibenさんではない、と知って、ショックを受けております(ウソ)。

>dougさん

前のバージョンまでお持ちでしたか!
さすがですね!
そんな苦労をなさってまで読まれた方なら、本書のありがたみもさぞかし実感されてらっしゃるでしょうね〜。
私なんて、何も知らずに最初は「高っ!」とか思ってたわけで。

なるほど、また絶版の可能性があるわけですか。
自分用のとは別に、オークション用に買っておきますか(ヲイ!)

>にんにんさん

ぜひぜひお読みください。
オススメです!

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月21日 02:08
               
>土井さんのセミナー良かったでしょう?

そうなんですよ!すごくよかったです!
土井さんのセミナーを知ったきっかけは、
実はこちらのブログだったので、
ほんと感謝しております!

>ヘッダーのお顔がjoshibenさんではない
そうなんですよ。(笑)
みんな間違えると思って、
「このブログについて」で説明してるのですが、
あんまり見ていないみたいですね。
今度、一瞬だけ自分に変えておきます。(うそ)
Posted by josiben at 2008年10月21日 08:59
               
>josibenさん

また土井さんとお会いする機会があったら、よろしくお伝えください。
土井さんも、セミナーの「濃さ」からいったら、絶対お得なんで、もっと皆さんに参加して頂きたいところです。

>「このブログについて」で説明してるのですが、
>あんまり見ていないみたいですね。

それこそ「ラジオの広告にボートの写真を使う」ようなもんじゃないですか(爆)!
てなわけで、本書をぜひ最後まで読んでくださいね(笑)。



Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年10月22日 02:41