2008年08月21日
【脳活性】「脳がどんどん若返る生活習慣」米山公啓
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、米山公啓先生の新刊。今回のご本のテーマは、「楽しみながらの脳の活性化」です。
私が本書で惹かれたのが、従来の「右脳・左脳論」とはちょっと異なった説のお話。
キーワードは、「新規性の習慣化」です!

【目次】
序章 脳を鍛える前に
わからないことだらけの脳
日常生活で脳に刺激を
「新しい体験」をする ほか
第1章 脳が冴える朝の迎え方
起きてすぐ始める脳活性
駅まで歩きながらの脳活性
駅と電車内で ほか
第2章 脳をフル回転させるオフィスワーク
仕事と脳活性を両立させる
ランチタイムを無駄に過ごさない
第3章 脳を鍛える午後の仕事
脳によい昼下がりの過ごし方
休憩時間の脳の休ませ方
第4章 脳をいきいきさせるオフタイム
脳を鍛えるウォーキング
夕食を・創造的に・つくる
くつろぎタイムを脳活性に生かす
終章 究極の脳活性法
何かを追求できる人生こそ幸福
最後のチェック
【ポイント】
■2つの「右脳・左脳」論
⇒「従来の説」だと、右脳はアナログで、左脳はデジタル、右脳がイメージで、左脳が論理思考⇒新しい右脳・左脳論は、右脳は新規性を取り入れ、左脳はルーティンワーク(決まり仕事)をこなすという説
⇒太古の生活を考えると、右脳で新規性に飛びつくよりも、手順化された作業を左脳でこなす方が、私たちの生存率が高かったことを脳はよくわかっているあえてシンプルに説明すると、たとえば買ってきたばかりのテレビゲームをやるには、まず右脳を使います。ルールを覚えたり、そのゲームのよくあるパターンを学習したりします。しばらくやり続けて脳が慣れてくれば、左脳が処理するようになるわけです。
⇒一見、相矛盾したトレーニング「新規性の習慣化」したがって裏を返せば、新規性をうまく取り入れるということが大切なのです。そして、左脳が働くまで、しっかりと練習や訓練が必要になります。(中略)
新しい体験は脳にとって苦手なわけですから、わざと右脳に負担をかけ、それがルーティン化されて、左脳がうまくこなせるようになるまで、しっかりと働いてもらえばよいわけです。
■起きてすぐ始める脳活性(抜粋)
●カーテン⇒遮光カーテンなどで完全に外光を遮ってしまうと、明るくなったから目覚めるという自然の体内サイクルが得にくくなるので、ある程度、光を通す素材のほうがいい
■脳を刺激する音楽
●右脳刺激(抜粋)ホルスト 組曲惑星から「木星 喜びをもたらすもの」
●左脳刺激(抜粋)
マーラー 大地の歌より「青春について」
■コーヒーの香りで脳刺激
⇒豆の種類によって脳に与える影響が違う●「ブラジルサントス」「マンデリン」
⇒脳の働きを活性化し、情報処理のスピードを速める効果
●「グアテマラ」「ブルーマウンテン」
⇒高いリラックス効果
(『ブレインヘルス・ニュース』No18/特定非営利活動法人日本ブレインヘルス協会/2007年2月20日より)
■記憶だけでしゃべる
⇒人は会議等において、目の前にメモや資料がないとき、脳はその最大限のパワーを使って、何をどのように話すか懸命に考える⇒プレゼンテーションでパワーポイントに頼りすぎると、話し手・聞き手がお互いに脳を活性化して繰り広げる対話とは、かなり異なった状態となる
■人と会う
⇒アルツハイマー病の人の認知機能は、社会的つながりの程度が多いほどよく維持されている⇒つまり、人と会うほど認知賞になりにくい
■週に1度は初めての店でランチ
⇒元来、人間は味に関しては保守的であり、新しい店を開拓するよりも、知っている場所で前に食べたことのあるものを食べる方が安心⇒逆に「週1回は必ず新しい店で」とノルマを課すと、それなりの意志が問われ、かつ、お店や料理のことを考えざるを得ないので、それまでの昼食時間とはすごし方が全く変わるはず
⇒初めての店で初めてのものを食べるときには、脳はその味を感知しようとフル回転で働く
■15分間の昼寝
⇒30分を超える昼寝は深い眠り(ノンレム睡眠)の最中に起きてしまうことになり、目覚めが悪く、すっきりしない⇒昼寝はボケ防止によいとも考えられている
■名刺を使って記憶を整理する
⇒名刺をもらったら、その名刺にその人の印象を書き込んでおく⇒長々とメモを記すのではなく、ポイントを2点ぐらい、後から見て、どんな人だったかを思い出すヒントになるようなことを書く
⇒ときどき名刺を見直して、その人を思い出す
名刺に書き込んだメモを読み返し、そのときどきに自分が抱いた印象を記憶の中から呼び覚まし、なぜそう感じたのか、本当にそうなのかなどと思いをめぐらせてみるのです。
■ウォーキングの効果
⇒歩くことによって前頭葉が活発化する⇒速足歩きは心身の老化を遅らせる
ニューヨークのアルバートアインシュタイン大学のロウ・ホルツァ助教授らは、認知力に問題のない70歳以上の高齢者186人を対象に、脳の働きと歩行との関係を調査しました。すると、歩行速度の速い高齢者ほど記憶力や計画能力を含む認知力テストで高得点を上げるという結果が出ました。
■自然物に意識的に目を向ける
⇒人工的に作られたものは、形が画一化されており、丸いものや非対称的な形が少ない⇒自然物は、曲線的だったり、形もいびつ
自然物を見ることには、視覚情報のバランスを取り戻す効果があります。私たちの目を通して脳に飛び込んでくる情報は、四角や直線のものに偏っているため、丸いもの、非対称のものを見て、バランスを取り戻すのです。
【感想】
◆本書はいくつかの「章」や「見出し」で分けられてはいますが、全体を通して、「脳の活性化のためのハック集」といってもいい作りです。ちなみに、小見出しは全部で48個あるので、「覚えておくと便利な脳の活性化のためのハック48選」という、ホッテントリメーカーまんまの記事を書こうかと思ったくらい(ウソ)。
しかもそれぞれが、「仕事術」や「アイデア術」等で目にしたことがあるものが多く、なるほど、「脳を活性化する」というテーマでくくってしまってもよかったのか、と思った次第(ちょっと乱暴ですが(笑))。
◆内容的には、年齢を問わず実践できるものがほとんどです。
個人的には一番難しそうなのが「初めての店でのランチ」。
そもそもランチ会談ですら同じ店でばかりやっている私にとって、週に1軒新規開拓するのは結構タフかと。
・・・確かにこの件について考え出すと、結構脳ミソ使ってます(汗)。
ハッ!まさに活性化か!
◆また、名刺のメモに関しては、顔写真がついていない場合、私は後で似顔絵を描くようにしています(特に本業関係)。
これは、先日お会いした某公務員さんの似顔絵。

昨日の記事にあったように、知らない人から見たら、「似てるか似てないかわからない」のですけど、私はこの絵を見ると、ご本人の顔がパッと浮かぶので、これでOKです(笑)。
◆それと、コーヒーの香りの件は、全く知りませんでした。
今は全然コーヒー飲んでいないので試せないのですが、知らないで朝っぱらからリラックスするコーヒー飲んでいる方はご注意を(笑)。
・・・でも、そんなに違うものなんですかねー。
コレに関して、上記でも挙げた「ブレインヘルス・ニュース」の該当号のPDFファイルがありましたので、コーヒー好きの方(笑)はご覧下さい。
BH News No.18(PDFファイル)
◆結論として、冒頭でも書いたように、「新しいこと」を積極的に取り入れて、右脳に刺激を与え続けるのが、活性化の秘訣のようです。
ポイントでは挙げませんでしたが、「鼻をつまんでコーヒーを飲む」というのも刺激になるそう。
・・・花粉症全開で鼻の穴が閉鎖されている時の私も似たようなモノなんですがー(笑)。コーヒーを飲んでいるのに香りが感じられないと、私たちは「味気ない」と感じるだけですが、脳は「おかしい」と違和感をおぼえ、舌の感覚だけで、口の中に入ってきた液体を分析しようと努力します。いつもなら無意識のうちに分析できるはずなのに、勝手が違うわけですから、「これは何だろう」と一生懸命に考え始めます。このようにわざと脳に違和感を抱かせ、焦らせて働いてもらうのも、脳活性の方法としてはとても有効です。
◆本書は、その対象として、「脳が冴える15の習慣」の読者あたりを想定していると思います。
ただ、本書の方が、もうちょっととっつきやすいというか、かなり身近なレベルまで落とし込まれていると言いますか(笑)。
それゆえ、「小ネタ好き」「脳ネタ好き」ならお楽しみ頂けるのではないかと思われ。
日々の生活から脳活性を!
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「脳が冴える15の習慣」築山 節(2006年11月18日)
【編集後記】
◆昨日のリアル書店でのお買い物。久々に当ブログのツボなジャンルである「時間術」のご本。
どんな内容か楽しみデス!

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