2008年03月20日
【オススメ!】「外食の天才が教える発想の魔術」フィル・ロマーノ
【本の概要】
◆今日お送りするのは、私の隠し球(笑)。何度か名前を出しただけで、キチンと記事にしていなかった、「外食の天才が教える発想の魔術」です。
一応、『【必見】ランキングに入っていないオススメ本、7冊+α』という記事で、ご紹介はしていますけど、今回やっと単独で記事にすることにした次第(今さら(笑))。
◆他の方のブログでも、あまり見かけたことがないこの本。
ただ、著者である主人公のフィル・ロマーノ氏ってマジですごいですよ(汗)。
基本、外食産業のお話とはいえ、「集客の工夫」をこのレベルで量産できる頭脳は驚愕モノ!
◆アマゾンのページがアレなんで、参考までに本の表表紙の裏側から抜粋。
最後の1文には、ハゲシク同意。本書は、お客を「あっと言わせる」店舗作りやユニークなプロモーションのコツ、斬新なアイデアを実現するための注意点などを、フィル・ロマーノが自らの半生を振り返りながら体験的に語ったものである。フードビジネス関係者のみならず、あらゆる企業人、経営者、起業家および起業家予備軍に勇気とアイデアを与える一冊。
昨年度の私の「裏ベスト」というくらい、強力な1冊です!
【目次】
レストラン経営におけるフィル・ロマーノの信条プロローグ
1章 少年時代
2章 青年起業家への道
3章 レストラン・ビジネスの世界へ
4章 フロリダでの大成功
5章 一味違ったメニューを求めて
6章 いざテキサスへ
7章 ハンバーガー革命――〈ファドラッカーズ〉の誕生
8章 ベンチャーキャピタリストとしての成功
9章 失敗と失意 パート1
10章 本物のイタリアレストランを――〈ロマーノズ・マカロニグリル〉の誕生
11章 小休止と啓示、新たなる意欲
12章 さらなるコンセプトの実験
13章 妹に捧げるイタリアンレストラン
14章 HMRを超えたHMR――〈イーチーズ〉の誕生
15章 失敗と失意 パート2
16章 息子に捧げるステーキハウス
17章 家なき人々にもおいしい食事を
18章 ニューヨーク最高のレストランが西部へ――〈イルムリーノ〉二号店
19章 あくなき創造力
エピローグ
フィル・ロマーノ 一問一答
フィル・ロマーノが手がけた事業一覧
【ポイント】
◆今回は、あまりにも付箋を貼ったところが多いので、店ごとの工夫ポイントを中心に。■「ナッグズヘッド・パブ」(イギリス風のバー兼レストラン)
⇒モットーは「嘘偽りのない食事の提供」⇒炭火焼グリルをフロアの中央に配置(現在の「オープンキッチン」のさきがけ)
⇒名前と勤め先の電話番号が入れられる専用のビアマグを販売し、店でキープしたビアマグは事前の連絡で冷蔵庫で冷やしておくサービスを提供(お客様に「ここは自分の店だ」と思ってもらうため)
■「ザ・キーホール」(バー)
⇒店には「鍵」を持っていないと入れず、医師や弁護士等の知的専門職の人たちに鍵を送る(その秘書や奥さんやガールフレンドにも頼まれれば送付)⇒バーカウンターに銅板を張って、お客様が希望すれば一人15ドルで名前を彫る
⇒店に売り込みに来た似顔絵描きをやとい、描いた似顔絵を「持ち帰るなら50ドル、店の壁に飾るなら25ドル」という取り決めで絵を描かせた結果、店の壁が似顔絵で埋め尽くされる
■「フレンズ・オブ・エジンバラ・イーティング&ドリンキング・ソサエティ」(スコティッシュ・パブ)
⇒スコティッシュ・パブの歴史と店のメニューを組み合わせた小冊子を作って、それをスコットランドにいる友人に大量に送付し、消印つきで送り返してもらって店で使うことにより、本物の感じを演出⇒それらのメニューを客が次々と持ち帰り、無くなってきた頃、値上げに合わせてメニューを一新し、古いメニューを持ってきた人は、誰でも値上げ前の価格で注文できることにして、地元客を大事に(観光客は、値上げ後の新しいメニューで注文)
■「ロマーノズ300」(高級レストラン)
⇒席を待っている人には、オードブルとシャンパンを無料提供⇒女性には一輪のバラをプレゼント
⇒食肉危機による肉不足の際には、「肉のボイコット運動」を店で行うと同時に、手紙攻勢をかけ、地元メディアや通信社に取り上げられる(お客から文句が来たので、実際にメニューから外したのは短期間だけ)
■「ファースト・ナショナル・バー&グリル」(レストラン)
⇒セルフサービスのビュッフェスタイルで、料理の値段に関係なく分単位で料金をとる時間制を採用(店の回転が速まる)■「エノクス」(ステーキハウス)
⇒メニューの代わりに実際の料理をウェイターに運ばせて注文をとる⇒サラダ係がカートを押して店内を回り、各テーブルでサラダを盛り付けて出す
■「ファドラッカーズ」(高級ハンバーガー店)
⇒「世界一おいしいハンバーガー」を作るための「憲法六か条」を作成(詳しくは本書を(汗)!)⇒挽き肉のコストを抑えるため、肉を1/4頭分をかたまりで買い、ロース芯の部分を切り出して、「ステーキ・サンドイッチ」にし、残りを挽き肉にする(通常1ポンド「1ドル80セント」のところ、「35セント未満」)
⇒しかも肉を挽くのもお客様の見えるところ
⇒店名の由来をよく聞かれるので、ふざけ半分で「創業者」サー・フレデリック・ファドラッカーズなる人物をこしらえ、創業にまつわる手の込んだ話をでっちあげ、その話を収めた限定本やオリジナルTシャツを販売
⇒「世界一おいしい」というお墨付きが欲しかったので、「北米ハンバーガー鑑定協会(HANSA)」なる施設団体を設立して、ハンバーガーコンテストを開催し、優勝(笑)
⇒出店のたびに、アメリカン・エキスプレス・カードの利用者リストを入手し、上記鑑定協会から「最優秀ハンバーガー賞受賞の店<ファドラカーズ>がご当地に近日オープンします」というDMを打つ
■「ロマーノ・マカロニグリル」(イタリアンレストラン)
⇒ワインはタンブラーから飲むようにし、代金はお客様の自己申告⇒店に来たイタリア系アメリカン人クラブのメンバーに無料でランチを振るまい、店の外で記念撮影をし、宣伝広告に(「これぞ本物のイタリアン!イタリア人にはわかる」)
⇒テーブルクロスは、肉屋が肉を包むのに用いる包肉用紙を使い、お客様は食事を待つあいだテーブルクロスにいたずら書きができる
⇒他のレストラン同様、月曜日と火曜日の客足が落ちてきたので、月に1度、どこかの月曜か火曜に限り、食事代を全員無料にするサービスを実施し大評判
⇒大学で音楽を専攻していたウェイトレスが、ふざけてお客様にオペラ調で「ハッピーバースデー」を歌ったところ大ウケだったので、その大学の友人たちも案内係やウェイトレスとして採用し、「オペラ調のハッピーバースデー」を店の基本サービスにする
【感想】
◆お店の特徴だけピックアップしたのに、この膨大な量(汗)。しかも、ここら辺までやって、本の大体半分くらいですよ。
終わりに年表(笑)がついていたので、いくつ店を立ち上げたのか数えたところ、だいたい30(汗)ありました。
日本でもアイデア系の飲食店が話題になることがありますが、とにかく圧倒的に「数」が違います。
どこからこんだけアイデアが沸いてくるのやら・・・。
◆そのアイデアも、現在では「当たり前」のように思っているものでも、実はこのロマーノ氏が最初に始めたものらしい、ということが多々!
逆に本書を読んで、まだ日本で実現されていないものを上手く取り入れる、というやり方もアリかも(笑)。
・・・実は私も一つピンと来たのがあったのですが、当然ここでは書けませんっ!←せこい
◆そんなロマーノ氏の子供の頃の「父親の教え」から。
なお、これが今でもロマーノ氏の「生きる指針」になっているのだそう。「フィリップ、人と違う差異化ポイントをもて。自分らしさを忘れてはいけない。ありきたりなことをするな。世間をあっと言わせろ。何をするにしても、他の誰よりうまくやれ」
これぞブランディング!!(汗)。
◆もちろん、全部が全部成功したわけではなく、失敗した場合には、その原因の分析も掲載しています(「マーケットが小さい」「客層と合わない」等)。
目次にある「失敗と教訓」という2つの章がそれ。
こういう失敗について当事者から学べる本というのも、なかなか珍しいかな、と。
それもこれも、「失敗の数以上に成功している」からですが(笑)。
◆・・・っと、よくよく考えてみたら、日本におけるロマーノ氏の名を広めることとなり、現在の「惣菜チェーン店」ンセプトのはしりとも言われている「イーチーズ」について、触れ損なっているワタクシ(汗)。
・・・今さら量的にも追加はできませぬ(汗)。
お手数ですが、興味のある方は、本書をご覧下さいマセ(スイマセン)。
◆一つ触れておきたいのが、「クチコミ」について。
ロマーノ氏のやり方は、最初に仕掛けを作って、それを来店して体験した人がクチコミで宣伝している、というパターンがほとんどです(目に見えるような行列はさておき)。
特に効果的だったのが、上記「ロマーノ・マカロニグリル」における、月火曜日の抜き打ち無料サービス。
13人と一緒だった男性は、何週間か後、再度店に来てこう言ったとか。
「あのアイデアがうまくいかなかったと思っているなら、大間違いですよ。あのとき一緒だった仲間は、一人残らず家族や知り合いを連れてもう一度この店に来ています。レストランであんなに素晴らしい体験をしたのははじめてです」
◆なお、念のためにつけ加えておきますが、いくらアイデアが豊富だからと言って、料理の味に手を抜いているわけではありません。
ロマーノ氏は味にもこだわりがあるからこそ、例えばファドラッカーズでは、「ハンバーガーの肉を店で挽いた」り、「バンズを随時焼いて、焼き立てを使った」り、というやり方に固執しました。
しかし、氏の手を離れてからは、店で肉を挽くこともなければ、バンズは午前中にまとめ焼き。
合理化の名の元にコンセプトも失われてしまったのだとか。
◆それでもロマーノ氏にとって、ファドラッカーズも数ある手掛けたレストランの1つに過ぎません。
何と言っても全国展開されたレストランコンセプトが、6つもあるのですから。
そのアイデアの秘密を知りたいのであれば、ぜひ本書をお読み下さいマセ。
きっと目からウロコが落ちまくります!
【関連記事】
【起業センス】「なぜ、ベンチャーは失敗しやすいのか?」真田哲弥,東京大学起業サークルTNK(2008年02月04日)【良い店とは?】「流行る店」吉野信吾(2007年09月07日)
【ザ・商人】「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」島田紳助(2007年06月08日)
「小さな飲食店 成功のバイブル」鬼頭宏昌(2007年02月06日)
「これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。」藤村 正宏 (著)(2006年05月21日)
【編集後記】
◆ご報告がおそくなりましたが、NBSの峰崎さんにALL ABOUT ProFileのコラムでご紹介頂きました!ブランディングツールとしてのblogについて(6)
峰崎さん、ありがとうございました!
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この記事へのコメント
こんにちは、smoothさん
凄い、隠し球ですね。
激しく興味をそそられました。
ノウハウ+人生の読み物といった感じが面白そうです。
記事も料理と同じで、元が大切なんでしょが、
いつもながら、どこからそんな情報を得てこられるでしょうか?
(そこが、名コンシェルジュたる由縁なんでしょう。)
最近は、世情を追っかけるばかりなんですが、
自分の凄本を見つけないといけないと思い知らされました。
凄い、隠し球ですね。
激しく興味をそそられました。
ノウハウ+人生の読み物といった感じが面白そうです。
記事も料理と同じで、元が大切なんでしょが、
いつもながら、どこからそんな情報を得てこられるでしょうか?
(そこが、名コンシェルジュたる由縁なんでしょう。)
最近は、世情を追っかけるばかりなんですが、
自分の凄本を見つけないといけないと思い知らされました。
Posted by ケイエム at 2008年03月20日 11:50
smoothさん、いつも面白そうな本の情報を有難うございます。本書も面白くて、ためになりそうですね。さっそく読んでみます。「100円ノート」や「究極の勉強法」も読んでいますよ!!
Posted by 川田浩志 at 2008年03月20日 12:23
面白そうな本ですね。
アイディアがあっても実行に移して、継続するのは大変。そのへんのヒントもこの本で探ってみます。
アイディアがあっても実行に移して、継続するのは大変。そのへんのヒントもこの本で探ってみます。
Posted by ビルダーナース at 2008年03月20日 20:16
>ケイエムさん
掛け値なしに「面白い」ですよ、この本(笑)。
どう扱うか迷ってて、結局年越えちゃったくらい(笑)。
ちなみにこの本は、やはりどこかのサイトか何かでチェックして、当時もやはり発想系の本が好きだったので速攻買いました(確か)。
>川田先生
実は記事には書かなかったんですが、この著者さん、医療器具(「ステント」)を開発する会社をお医者さんと立ち上げて大成功してるんですよ。
そういう意味でも先生にもオススメです(笑)。
>ビルダーナースさん
ビルダーナースさんにもこの本はオススメ(って皆に言ってる(汗))。
この方、お店のデザインと言うかレイアウトにも結構凝ってて・・・って全部省いちゃってますね(汗)。
スイマセンでした〜。
掛け値なしに「面白い」ですよ、この本(笑)。
どう扱うか迷ってて、結局年越えちゃったくらい(笑)。
ちなみにこの本は、やはりどこかのサイトか何かでチェックして、当時もやはり発想系の本が好きだったので速攻買いました(確か)。
>川田先生
実は記事には書かなかったんですが、この著者さん、医療器具(「ステント」)を開発する会社をお医者さんと立ち上げて大成功してるんですよ。
そういう意味でも先生にもオススメです(笑)。
>ビルダーナースさん
ビルダーナースさんにもこの本はオススメ(って皆に言ってる(汗))。
この方、お店のデザインと言うかレイアウトにも結構凝ってて・・・って全部省いちゃってますね(汗)。
スイマセンでした〜。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年03月21日 01:08
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