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2008年02月13日

【文章術!】「文章のみがき方」辰濃和男




【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、土井英司氏激プッシュの一冊。

『朝日新聞』のコラム「天声人語」の元筆者である、辰濃和男さんの文章術のご本です。

土井さんが昨年末のセミナーで取り上げられた時点で、個人的にはチェックのみしていましたが、わざわざこちらの本でも推薦されているのを見て、あわてて注文(汗)。

果たして、その内容はなるほどね!と思わせられるものでした。

確かに文章を書く必要がある人なら、読んで損はありませぬ(汗)!


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【目次】

1 基本的なことを、いくつか
 毎日、書く
 書き抜く
 繰り返し読む
 乱読を楽しむ ほか

2 さあ、書こう
 辞書を手もとにおく
 肩の力を抜く
 書きたいことを書く
 正直に飾りげなく書く ほか

3 推敲する
 書き直す
 削る
 紋切型を避ける
 いやな言葉は使わない ほか

4 文章修業のために
 落語に学ぶ
 土地の言葉を大切にする
 感受性を深める
 「概念」を壊す ほか


【ポイント】

■毎日、書く

◆著者の辰濃さんがまず薦めるのが、「毎日何かしら書く」ということ。

それは別に日記でもいいそう。

 この章の「まとめ」は極めて単純です。
 「毎日、何かを書く」ということです。日々、たゆまずに書く。そのうちにきっとあなた自身の文章が形をなしてゆくはずです。
 毎日の素振りをせず、いくら野球の解説書を読んでも、野球が上手くなるはずはありません。

ブログやmixi日記のように外部に公開するかどうかは別としても、文章を磨くために「毎日書く」ということは大事なようです。


■繰り返し読む

◆文章を書く(みがく)本なのに、「読む」とはこれいかに。

 この本は、文章のみがき方を考える本ですが、あえて「読む」という項目を設けたのは、「いい文章を読むことは、いい文章を書くための大切な栄養素だ」という思いが私のなかにあるからです。

なるほど。

しかし、ただ読むだけではいけない模様。

 この章で私がいいたいのは「多くの本を読むこと、そして、これはと思う本があったら、精読しよう」ということです。書き抜く。傍線を引く。感想を書く。要約を書く。あらゆる形でその本と対話をし、格闘し、感謝し、座右においてまた繰り返して読む。

うーん、この辺になると、自分としては実践し切れていないことが明らかですね。

特に「繰り返して読む」というのは、私の場合は、最初に読んだ後、ブログの記事にしてしまうと、たとえ良い本であっても、もうほとんど読んでいないような(汗)。

今後、留意したいところです。


■借り物でない言葉で書く

◆いきなりまとめ部分を引用します。

作家、井上ひさしさんの言葉から。

1.自分にしか書けないことを
2.自分の感覚、心でとらえ
3.借り物でない自分の言葉で
4.だれにでもわかる文章で書く。

これはこちらの本からだそう。

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)
新潮社
文学の蔵(編集)
発売日:2001-12
おすすめ度:5.0

アマゾンでの評価も非常に高いようなので、とりあえずカートに(笑)。


■自慢話は書かない

◆私もこのブログを書く際に意識しているのは、「自慢よりも自虐」「smoothメソッド」より)。

最近、自虐ぶりが甘くなっているので、イカンなー、と反省していたところでした(汗)。

マスコミに取り上げられたので、ちょっと調子こいてたんでしょうか。

 自慢話よりも、失敗談を。私たちの多くは、海に身を投げた平知盛や北海道で戦死した新撰組の土方にひかれ、チャプリンの失恋話や。落語の熊さんのおっちょこちょいに親しみを感ずる習性があるようです。
 良寛さんも、戒めの言葉として、まっさきに「手がら話」をあげています。ご要心。

了解しました(汗)!


■単純・簡素に書く

◆これもまとめ部分が秀逸なので、抜粋して。

1.単純に書くには、さまざまな言葉の群れのなかから、いちばん大切な言葉を選ぶという習練が大切です。なにを選び、なにを捨てるか、という習練です。
2.そのためには、もやもやしたものから「いちばん何を伝えたいか」を選ぶという作業が必要になります。

その選ぶ作業が結構大変なので、私の場合、やたら長文になっているという話も(汗)。


■書き直す

◆この章では、辰濃さんが推敲をする際に意識している注意点が、23も列挙されています。

全部を書けませんので、いくつか抜粋して。

1.一読して、主題(あなたがこのことを伝えたいと思っていること)がはっきりと浮かび上がっているかどうか。
4.自分が読み上げている文章を、読み手がすんありと理解できると思うか。
11.漢字とひらがなの割合はどうか。漢字が多すぎて、ページ全体が黒っぽくなっているということはないか。
13.文末が単調になっていることはないか。たとえば「である」が何回もつづいたり、「だった」が何回もつづいたりということは原則として避けたい。

他にもドキっとするポイントがいくつかありましたので、ご参考まで。


■いやな言葉は使わない

◆それは例えば、作家甘糟りり子氏にとっては『自分探し』であったり、同じく作家中野重治氏にとっては『総理』であったり。

最初、タイトルだけ読んで、「え?そんなの当たり前では?」と思った私が甘かったです(汗)。

 自分のなかに「いやだと思う言葉」「居心地が悪くなる言葉」の数々を蓄える。それを使うまいと思う。そして、その言葉がなぜいやなのか。なぜ気恥ずかしいのかを追求してみる。そのことは、当然、言葉に対するあなたの感覚をきたえることになるでしょう。

感覚的に「好き」「嫌い」というのではなく、その理由を掘り下げていく過程もまた、文章をみがくことになるのだな、と。


【感想】

◆記事からは分かりにくいと思いますが、この本、非常に読みやすかったです。

さすがに文章術の本で、読みにくいのもどうかと思いますが、それにしても文章が上手い(汗)。

内容を噛みしめて読む前に、一度その舌触りを味わって頂きたいくらい(笑)。

さすが『「天声人語」の元筆者』だけのことはおありです。


◆構成としては、ご本人が古今東西、色々な作家さんの本や文章論から、「これは!」というものを引っ張ってきているだけあって、説得力もアリ

この本を読む前と読んだ後では、きっと書く文章にも違いが出る・・・ってこのブログについてはノーコメントで(汗)!←説得力低下(涙)

でも、目次全部を見ていただければ(コチラのサイトにあります)、その有用性もお分かりいただけるかと。


◆そして何が辛かったって、私は「絶対本に線を引かない」主義なんですが、この本は、「文章術のテキスト」として、線を引きまくりたい衝動にかられたんですよ、マジで。

ちなみに、学校の教科書や参考書、税理士の専門学校のテキストには線引きまくりだったので、この本も「テキスト」と見なして、いつか線を引くつもり(笑)。

でもヘタレなんで、最初はエンピツで勘弁(爆)。


◆私のこの文体は、そう簡単に変わらないかもしれませんが、それでも素直に読んでよかったと思えました。

突拍子もないことは書いてありませんので、「目からウロコ」という方は少ないハズ。

ただ、こういう基本に忠実な文章術の本は、迷った時にそこに帰れるという安心感があります。

ブロガーのみならず、社会人ならば手元に置いておくべき本だと思われ。



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「あたりまえだけどなかなか書けない文章のルール」堀内 伸浩 (著)(2006年05月23日)


【編集後記】

◆久々にムスメの画像を。

3b3ee2b1.jpg

















着ているのは、白雪姫のコスチュームです(一応)。

ただ、ドレスの下が黒のタートルネックだったので、むしろ魔女に近いという話も(汗)。


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この記事へのコメント
               
岩波新書だし、マジの連発だし、これは買いですね!

いいなぁ、白雪姫。
あっ、でもりんごを持ってないじゃないですか。
りんごを手にもう1枚!
Posted by ビルダーナース at 2008年02月13日 12:00
               
smoothさん、ご無沙汰です。
私は線を引きながら頭に入れる主義なんですが、『「絶対本に線を引かない」主義』のsmooothさんがそこまで言うなら衝動が高まります。注文して帰りますね。


Posted by まちすけ at 2008年02月13日 20:32
               
>ビルダーナースさん

私の傾向として、文章が上手い人の本はそれだけで加点しちゃいますね(笑)。
もちろん、この本は内容も良かったですけど。
リンゴは忘れてました(汗)!
次回は必ず!

>まちすけさん

お買い上げありがとうございます。
私と言うより、土井さんが激プッシュしてたので、ハズレではないと思いますよ(笑)。
線はホント滅多に引きたくならないんですけどねー。
定期的に見直したい一冊でした。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2008年02月14日 07:55