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2007年11月06日

【スゴ本再び?】「ついこの店で買ってしまう理由」博報堂パコ・アンダーヒル研究会


ついこの店で買ってしまう理由(わけ)
日本経済新聞社
小野寺 健司(編集)今野 雄策(編集)
発売日:2005-07-02
おすすめ度:4.0


【本の概要】

◆今日お届けするのは、以前ご紹介して、大評判だった、こちらの本の続編。


今回も相変わらず、買物行動を科学的に分析しております。


◆本書の特徴は、著者であるパコ・アンダーヒル氏が、実際に日本の売り場を見て思ったこと、感じたことが書かれている点。

各項目が、見開き2ページで完結し、また、左のページにはイラストや図が満載していて読みやすいことこの上ないです。

前作が「理論書」だとしたら、今回はまさに「実践書」

実際に、現場で回し読みができて、すぐに効果が出そうな一冊です!


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【目次】

1 今、買い物はどう変化しているのか
 二一世紀のパラダイム・チェンジ
 世の中・生活者の七つの変化を知る
 二一世紀のマーケティングツールとは ほか

2 つい買ってしまう法則
 入口をコントロールする
 商品を生活シーンの中に置く
 「初めの一歩」をつくり出す ほか

3 「法則」はリサーチから始まる
 購買転換率
 販促物の接触率
 カタログの接触状況 ほか



【ポイント】

■戦略から戦術へ
⇒20世紀のマーケティング論は、戦略を一つの大きな柱にしていたが、21世紀においては、柱は「戦略ではなく戦術にある」と考えている

⇒例えば、スーパーマーケットでの顧客の買物の約60%〜70%は、いまだに計画外の買物


■どこが本当の入口なのか考える
⇒例えば、正面の入口はすごく立派なのに、実はほとんどの買い物客は殺風景な入口から車で来店するケース

⇒重要なのは、いい印象を与えるためだけでなく、どこからどんな買い物客が入ってくるかによって商品の配置も決まってくるということ


■「見せ場」と「売り場」をつくる
「見せ場」「店に入る気にさせる」場であり、「売り場」は文字通り「売る場」

⇒極端に言えば、「見せ場」に置いてあった商品に惹かれ店内に入り、「売場」においてあった商品を買う仕組みでいい

⇒よくないのは、「見せ場」であるはずなのに、一番売りたいものが置いてあるケースで、この場合、通路側だけで購買検討が行われ、店舗の中に入ってこず、店舗全体としては効率が悪い


■買い手が欲しい形の情報で伝達
⇒通常、一生のうち、洗濯機を買うのは3,4回なので、ほとんどの人がみな毎回、初心者の状態でお店に来る

⇒当然、前回買ったときよりテクノロジーが発達しており、最新の情報だけ伝えていてもダメ


■入口よりも出口でアピール
⇒スーパーや百貨店、ショッピングモールの入口には、クレジットカードのパンフレットやセール情報などの掲示があるが、果たしてこれらは効果的か?

⇒買うものが決まっているお客さんはまず見ない

⇒入ってくる人に向けているこれらのPOP類は、出ようとする人に向ける(フリー客が多ければ、入口に向ける方法もアリ)


■ビジョンはロイヤリティ形成に使う
店頭のビジョン(最近は40型程度の薄型が多い)は、ある程度は目を引くが、集客の効果はそれほどない

⇒ビジョンは集客のためでなく、ロイヤリティ形成に使うべき

⇒ファッションブランドや化粧品であれば、商品がどれだけこだわりをもって品質高くつくられているかを語っている映像を、購入した商品の包装を待つ間に見せるべき


■トイレは効果的なプロモーションスペース
男女別々の特別なメッセージが伝えられる場所

●男性用

「こういう風に言えば、奥さんを説得できます」

●女性用

⇒ある百貨店では、女子トイレに化粧品などのサンプルが置いてあって、自由に試せるスペースとなっている

⇒気に入れば、同じフロアですぐに買って帰れる

⇒実際には、女子トイレを見たことがない幹部が多いため、活用しようという発想も生まれない


■カゴを活用する
⇒店内で2品以上持っている買い物客を見つけたら、買い物カゴを勧めるべき

⇒入口だけでなく、店内のいろいろな場所に買い物カゴを置くことが基本

⇒買い物カゴを置くことが邪魔だと思っていたらそれは間違いで、むしろ買い物カゴが見当たらないことが買い物の邪魔をしている

⇒買い物カゴは、「手に取りたくなる」「使う気になる」デザインも大事

⇒その買い物カゴ自体も買うことができるようにして、バッグごと持って帰れるのも手


■高齢者に対する配慮
⇒特に日本は、高齢者が激増しているエルダー大国なので、高齢者に配慮すべき

POPや価格表示は、バリアフリーな読みやすい文字サイズ、デザイン

⇒エルダーは色を見分ける力も下がってくるので、特に黄色っぽい色に白い字のものは避ける

光を感じる力が年齢とともにどんどん落ちるので、年齢の高い売場ほど明るくしてあげるとよい


■男性はテクノロジーを買い、女性はリザルトを買う
男性機能やスペックが大好き(400万画素より500万画素)で、女性は最終的に何が得られるか(うまく、きれいに撮れるのか?)を意識している

ドリルを例に取ると、男性はドリルに"切れ味"を、女性はそれによってあく"穴"を求めている

⇒従って、店員の説明やPOP、メッセージにも、女性客を意識した配慮が求められる(例:冷蔵庫の容量は「何キロリッター」ではなく「何がどのくらい入るか」


【感想】

◆前作同様付箋貼りまくりでした(笑)。

今回もポイントで抜き出したのは、半分強くらいに過ぎません(その割にはやたら抜き出しまくってます(汗))。

もちろん、前作とかぶる部分も当然あるのですが、前作よりも構成がシンプル(見開きで完了)なせいか、さらに理解しやすかったです。


◆私が「腑に落ちたポイント」として挙げたいのが、上記の「どこが本当の入り口なのか」というお話。

ヨメの実家で、車で某大型スーパーに買出しに行くと、車を地下駐車場に留めて、そこからエスカレーターで上にあがるんですが、ここがまぁ殺風景なこと。

ここをちょこっと手直ししたら、それだけで売上も少しは上がりそうな気がします。


◆また、「戦略」よりも「戦術」と上記で挙げたように、内容的に細かいTIPSもあるため、イラストも効果的だったり。

ついこの店で買ってしまう理由











これは、「POPを作る人に、必ず現場を視察してもらいましょう」というお話のイラスト。

確かに言葉だけではわかりにくい内容ではあります。


◆なお、本書のおしまいには、パコ・アンダーソン氏の会社であるエンバイロセル社と博報堂が共同で行った「駅ターミナルの家電店でデジカメと洗濯機に関する調査」のデータが載せられていて、これまた興味深いです。

例えば、「売場に来たお客のうち何パーセントの人が買うか」などなど(詳細は本書を(笑))。

実際に、リアルでお店をやってる方でも、この辺の数字をご存知の方は少ないのではないでしょうか?


◆調査は他にも、「カタログ、POP、店員への接触率」ですとか、「どの陳列方法がよいか」「買うブランドはいつ決めているのか」など、あまり目にした事がない調査結果が満載です。

というか、実際にお店をやってる方なら、コレを読んだ後には、同じように調べてみたくなるのではないか、と。

実は自分も、このブログで似たようなことができないかな、と思ってみたり(笑)。

もっとも、ウチは、一部のコアなリピーターさん(笑)によって、支えられているという話もありますが(大汗)。


◆いずれにせよ、本書は「使える」という意味では、前作を上回る出来だと感じます。

私も顧問先でリアルのお店をやってらっしゃるところには、ぜひオススメしてみたいな、と。

前作に納得された方はもちろんのこと、前作をお持ちでない方には、激しくオススメ!

ついこの店で買ってしまう理由(わけ)
日本経済新聞社
小野寺 健司(編集)今野 雄策(編集)
発売日:2005-07-02
おすすめ度:4.0


【関連記事】

【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル(2007年10月09日)

【キャンペーン有】『お店の「バカ売れ」ポイントをつくる技術』中山マコト(2007年06月21日)

「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)

「ウェブユーザビリティの法則」スティーブ・クルーグ(2007年03月19日)

「これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。」藤村 正宏 (著)(2006年05月21日)


【編集後記】

◆先週末の日経新聞で見つけた製品。

いえそば
タカラトミー
発売日:2007-10-02
おすすめ度:4.0

製品以上に、情報商材並みに長い(笑)、アマゾンのセールスページは見ものです。

本の紹介も出版社さんが、これくらいページを作りこんでくれたら楽なのに(爆)。


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Posted by smoothfoxxx at 08:37
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この記事へのコメント
マンダリンオリエンタル東京の
タパスモラキュラーバーでは、
注射器からチューっと
1本ずつそばを出す「手打ちそば」が
出ますよ。

他にも、ヤクルト味のビールとか

楽しいのでオススメです。
Posted by ヨシザワ@手ガネ経営 at 2007年11月06日 09:09
smoothさん、こんにちは。

これまた魅力的な本ですね。
今回はマーケットプレイスじゃないからアサマシが(笑)
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年11月06日 19:07
smoothさん、こんにちは!

> 「どこが本当の入り口なのか」

…Webサイトやブログで言ったら、LPO的なお話ですね。「見せ場と売り場」など、ちょっと参考にしてみます。
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年11月06日 22:01
smoothサンこんばんは?
おはようございます??
カゴは色々な場所に置く、というのはいいですネ!まさにお客様の立場に立った【α波の脳】の愛あるマーケティングデスネ。当店ではなぜか4つも5つも商品を抱えてらっしゃるお客様を頻繁に見かけますので、レジでぼーっとしてないでそのようなお客様がいらっしゃらないか目を光らせ小走りでカゴをお届けしています♪←嬉しそう
カゴが重そうなお客様には休憩中や勤務時間外でもカートをお持ちしましょうかと声かけます←アタリマエ
Posted by 瑠璃 at 2007年11月07日 04:01
連続コメント失礼します。
先日パコ・ムーロ氏の『なぜ、エグゼクティブは書けないペンを捨てないのか?』を立ち読みしある一行に涙し購入し先ほどじっくり読み計三行に涙しました。
hikaruサンにも「立ち読みなさってでも」とお願いしちゃったのですが(汗)、smoothサンがもしご購入なさったら書評を宜しくお願い致します<(_ _)>
Posted by 瑠璃 at 2007年11月07日 04:11
>ヨシザワさん

ほぉ、あのマンダリンがねー。チョットビックリですよ。
でも私はあんなスゴイところで講演会はしません(笑)。
アスターあたりで何とか・・・。

>LuckyUSさん

そこにツッコミますか(笑)。
確かにマーケットプレイスでもまだ値崩れしてませんよね。
ゆえに今回は言及しませんでした(笑)。

>淺田さん

特に物販系なんかそうですが、すべてのページに問い合わせ先や申し込みフォームを置くのがサイトの常識ですものね。
ブログはまぁ、別として(笑)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年11月07日 07:16
>瑠璃さん

そうそう、現場の方がいらっしゃったんでした(笑)。
瑠璃さんのような販売員さんがいらっしゃると絶対売上も違うかと。

そして「なぜ、エグゼクティブは〜」シリーズは2冊とも未読です(汗)。
読んだら検討しますね!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年11月07日 07:18
smoothさん、こんにちは!


神田さんの、マーケティングセミナーに行ってました。面白かったです。

小売関係の本は、私も結構読みますが、購買心理がダイレクトで、分かりやすく、参考になります。

Posted by ニタ@「教えて会計」 at 2007年11月07日 07:48