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2007年10月29日

【本当の自分】「あなたは人にどう見られているか」松本聡子


あなたは人にどう見られているか (文春新書 598)
文藝春秋
松本 聡子(著)
発売日:2007-10
おすすめ度:4.0



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で「タイトルが気になって」つい手にとってしまった一冊。

アマゾンの商品紹介があまりにぞんざいなので、出版元の文芸春秋さんのページから。

東京工業大学で大講堂を超満員にした人気講義が一冊になりました。
気軽な心理テストや、ふだんは気にも留めない口癖やちょっとした仕草などから、「人にどう見られているか」を判定します。巷にあふれる「俗説心理学本」と違い、すべて最新の研究成果を元にしているので安心して読み進めるうちに、いつの間にかあなたの知らない「あなた」が浮かび上がってきます。対人関係の改善に、ビジネスでの自己イメージ向上に、もってこいの本です。

さていったい「本当のあなた」とは???

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【目次】

第1章 「自分」とは何か
 はじめに―人はなぜ誤解されるのか?
 「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の姿はなぜ違うのか
 あなたが持つ「未知の側面」はどうしたら知ることができるのか ほか

第2章 あなたは人にどう見られているか
 あなたは人にどう見られているか
 人を見るときにはどういったメカニズムが働いているのか
 「親しさ」とはなにか ほか

第3章 脳とわたしたち
 なぜ同じことをしても好かれたり嫌われたりするのか
 人はどうして「血液型性格分類」を信じてしまうのか
 「相手の気持ち」は「自分の気持ち」? ほか



【ポイント】

■血液型人間学
⇒血液型人間学は各血液型の性格特徴自体がとても抽象的かつ曖昧で、ある程度誰にでも当てはまってしまうような面もある

⇒そのため「バーナム効果」が働きやすく、「血液型占いは当たっている」と感じやすい

⇒日本人の多くが自らの血液型と血液型分類に関する知識を持っていることは、人の人格形成に影響を及ぼす可能性があることがしばしば指摘されている


■「呼び名」が性格に影響を与える?
⇒心理学者である小林多助氏の著書『幸せを呼ぶ名前・逃がす名前―音波心理学による「新姓名判断」』によると、音の持つ響き、つまり音波の刺激が脳に影響を与えることや、音の響きが無意識や深層心理に働きかけるサブリミナル効果を持つことなどから、「呼び名」が性格を変化させることすらある、と説明している

⇒特に名前の第一母音は重要

1)名前の第一母音がAの人(例:TAKASHI)
 積極的で、好奇心が強く、行動力もあり、自己主張が強い

2)名前の第一母音がIの人(例:MIKA)
 1つのことにとりかかると、とことんそれを突き詰める。原理原則を重視する。真面目だが応用力には乏しい。(以下略)




■「作り笑顔」の見分け方
⇒大頬骨筋は意識的にコントロールしやすいのに比べ、眼輪筋の一部分は意識によるコントロールがしにくいため、作り笑いをすると、口元は笑っているにもかかわらず目元にはあまり変化が現れない、という現象が見られる

『本音は顔に書いてある』の著者のビーズ夫妻によると、顔の表情を主につかさどるのは右脳であり、右脳は左半身に信号を送り出すので、作り笑顔では顔の右側より左側に顕著に表情が現れると説明

⇒さらに、作り笑顔はすぐに消えて跡形も残らないのに対し、自発的な笑いは長く残り、消え方もゆっくり均一、という違いもある



■目は口ほどにものを言う
●視線と深層心理の関係

⇒上記、『本音は顔に書いてある』より

1)過去に見た映像を思い出すとき
 目は上向きになる。

2)音を思い出すとき
 視線が左右どちらかに向いて、耳を傾けるときのように小首をかしげる。

3)感情や気持ちを思い出すとき
 視線は右下に落ちる。

4)心の中で誰かに話しかけるとき
 視線は左下に落ちる。


●瞳孔でわかる好き・嫌い

⇒シカゴ大学で心理学科の学長を務めていたエッカード・ヘスは、瞳孔の大きさを左右するのは、快・不快の刺激であることを明らかにした

⇒人は心地よい刺激(セクシーな異性やおいしそうな食べ物の写真など)を見ると、瞳孔が広がる

⇒上記、『本音は顔に書いてある』の中で、ピーズ夫妻は、通販カタログの写真において、モデルの瞳孔を大きくすると売上が45%も伸びたという例を紹介し、人は瞳孔の変化を無意識のうちに察知しており、相手の瞳孔が拡大すると自分の瞳孔も拡大し、気持ちも高ぶる、と述べている


■「女の勘」はよく当たる?
⇒実際に、女性のほうが非言語的なシグナルを感知し、解釈する能力が長けていることが多い

⇒その理由として、女性の脳には他人の行動を評価する領域が14〜16箇所もあるのに対し、男性の脳には4〜6箇所しかないことが関連していると言われている

⇒結果として、女性は男性よりも相手の声の調子や表情、しぐさなどの非言語的なシグナルを敏感に察知できるため、嘘や浮気に勘付くことが得意


【感想】

◆冒頭にあるように、『巷にあふれる「俗説心理学本」とは違う』と言いながらも、非常に身近な次元の話題が「これでもか」と展開されていて、お腹いっぱい(笑)。

『東京工業大学で大講堂を超満員にした人気講義』というのも納得です。

ていうか、大学の講義って「どんなのー」と思って調べてみたところ、こんなのみたいです。

・・・「精神医学入門」???


◆実は、ポイントとして挙げませんでしたが、本書はところどころ

都内総合病院の精神神経科で心理士としても勤務中

でもある、著者の松本さんの専門領域のお話が挿入されています。

最後のエピローグでは「森田療法」なるものまで紹介されていたり。


◆ちなみにエピローグの小見出しはこんな感じです。

『他者とよりよい関係を築くには』
『「人からどう見られているか」を考えることの意味とは』
『「傷つく」とはどういうことか』
『あるがままに生きる〜森田療法〜』


・・・何だか、ポイントで挙げた内容とは全然違うテイストのような。

むしろ、本当はこちらのテーマで書きたかったのではないか、と思ってみたり。


◆個人的にウケたのが、やはり上では挙げてませんけど、「自分の子供に期待する性格」という部分。

これは「期待する性格特徴」「許容できる性格特徴」を、兄、弟、姉、妹ごとに、女子大生にヒアリングしたところ、非常に面白い結果が出た、というお話です。

例えば、「期待する性格特徴」は、兄なら「落ち着きがある、指導性がある」などで、姉なら「落ち着きがある、世話好き」とか。

「許容できる性格特徴」は、兄なら「威張りたがり、気難しい」、妹なら「依存心がある、わがまま」といったところ。


◆これらが表になっていて、ブランクになっているところが2箇所ありました。

それは、「許容できる性格特徴」「期待する性格特徴」の部分。

少なくともヨメのところのお姉さんとヨメの関係を見た限りでは、まさにそう

ヨメ曰く「なーんにも期待されたことないもん(爆)」

逆に、ヨメのお姉さんは、色々な期待をかけられ、プレッシャーをかなり感じていたような・・・(汗)。


◆また、ポイントで挙げた『「呼び名」が性格に影響を与える?』というハナシは、私も結構意識している部分があって、ムスメの名前を考える時には、まず名前に含まれる母音から決めました。

第一母音だけでなく、名前全部の母音を先に決めて、その母音を用いた名前を次に、最後にその名前で、画数的に良さげな漢字を当てはめて決定したんですよね。

後づけでわかった、「私たち夫婦の名前の漢字の一部を使っている」というところだけを他人に言うと、「ステキな名前の決め方ですね」と感心されますが(爆)。


◆本書は多くの事例により、多角的に「自分」「他者」との問題、さらには「自分自身」について分析しています。

ポイントで挙げたのはほんの一部であり、他にもまだ、さまざまな事例(「わたしたちは顔のどこを見られているのか」「どのような体形の人がトクをするか」等)が豊富に収録されていて、この手の雑学チックなモノがお好きなら満足できるかと。

一通り読んだ私としては、気になった部分をさらに掘り下げるツモリ(さっそくアマゾンアタックかけた本があります)です。

うーん、ビジネスに応用できそう(笑)。

人間って、面白いですね(笑)!



【関連記事】

【モテ】「ベストパートナーになるために」ジョン・グレイ(2007年08月09日)

『「心のブレーキ」の外し方』石井裕之(2007年01月21日)


【編集後記】

◆昨日の午後は、ヨメがムスメとママ友達の家に行き、私とムスコはお留守番。

ムスコが昼寝を始めたすきに、ネットサーフィンをしていて、流れ流れてこの動画に(いつ削除されるかわかりませんが(汗))。

『雨の夜明け』大貫妙子



私は昔から歌唱力のある人(汗)よりも曲作りが上手い人が好きで、日本のアーチストの中では、この頃の大貫妙子がツボでした。

なお、この曲のプロデュースは坂本龍一。

その後の中谷美紀等の、一連の坂本龍一の作品のさきがけだったような気がします・・・って、昨日のはてブの人気エントリーで、「砂の果実 / 中谷美紀 with 坂本龍一」が挙がっていたので、思い出したように検索かけたんでした(笑)。

ROMANTIQUE(紙ジャケット仕様)
BMG JAPAN
大貫妙子(アーティスト)加藤和彦(編曲)清水信之(編曲)坂本龍一(編曲)
発売日:2006-12-20
おすすめ度:5.0


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4月に出産予定の我が子。 どうやら男の子のようです。 名前考えな・・・。 というわけで、smoothさんのところで見つけた幸せを呼ぶ名前逃がす名前―音波心理学による「新姓名判断」を読みながら、夫婦で悩んでいます。 第一母音は"A"がいいかなぁ、とか。 せ...
どうやら男の子【読書人の行き着く先】at 2007年12月14日 00:53
                               
この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

これは、気になりますね。
わたしも、何かの本で、目の動きは読んだ覚えがあります。
やりだすと、はまりそうですね。
Posted by ニタ@「教えて会計」 at 2007年10月29日 12:10
               
moothさん、こんにちは。

>呼び名」が性格に影響を与える
これは初耳でした。
新しい仕事場は全員愛称呼びなんでどうなんだろ?気になります。
Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年10月29日 17:47
               
こんばんは。
東工大の文系科目の授業は楽しいものが多かったです。
理系の学生ばかりなので、先生はゼミとかを受け持つ必要がなく、自分の研究に専念できる良い環境だと言っていました。
その分、授業に力を入れられるのかもしれません。
宗教学とかマスメディア論とかかなり人気がありました。

Posted by じ〜うぇん at 2007年10月29日 23:30
               
smoothさん、こんにちは!

>特に名前の第一母音は重要

…これを知るだけのために購入しそうな勢いです(笑

僕の場合、HNと本名の母音も違うので、両者を見比べて見たい気も。(正反対だったらどうしよう…)
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年10月29日 23:45
               
>ニタさん

目の動きの話は結構有名な気がします。
私もどこかで読んだ記憶が(汗)。
この本自体、その手のネタが満載という(笑)。

>LuckyUSさん

呼び名の話は、ウチの妹が通称(?)を改名したことがあって、ある程度意識はしてました。
結構当たってる気がしてます・・・。

>じ〜うぇんさん

おぉ!東工大OBの方から内部情報が(笑)。
ありがとうございます。
なるほど、そういう事情があったんですね!
ところで、今お伺いしようと思ったらアメブロメンテ中なんですが(汗)。

>淺田さん

名前部分について詳しくお知りになりたいのであれば、上記で挙げた元ネタ本のほうがいいと思われ(笑)。
自分は、本名とこのsmoothという名前と、さらに音楽活動してた時とで、全部第一母音が違うので、ぶっちゃけそっちは気にしてませんが(笑)。




Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年10月30日 01:12