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2007年10月09日

【スゴ本!】「なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学」パコ・アンダーヒル


なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学
早川書房
鈴木 主税(翻訳)
発売日:2001-02-22
おすすめ度:4.0


【本の概要】

◆今日お届けするのは、以前ご紹介した、「ウェブユーザビリティの法則」激プッシュされていた一冊。

アマゾンマーケットプレイスで安値でボコボコ出ているのを見て一瞬不安になったものの、紹介してくれた「ウェブユーザビリティの法則」があまりにも良かったので、信じて購入したところ、大正解!

リアルとネット、両方のビジネスに使える優れた内容でした。


◆アマゾンの「商品の説明」から、「出版社 早川書房 編集部」のものを。

「買いゴコロ」をくすぐる、「売りゴコロ」の秘訣! 本書は、進化しつづける買い物文化を小売店を調査しながら的確に把握し、「フォーチュン」100社に挙げられる優良クライアントの数々を小売業界の第一線へと導いてきた究極のノウハウ「ショッピングの科学」を紹介するものです。顧客の購買行動をつぶさに観察し、商品化計画から陳列・販売にいたる小売りの店づくりについてのアドヴァイスをわかりやすく提供しています。徹底したフィールドワークで売れる店づくりの秘訣を明かす本書は、売る側のあなたも、買う側のあなたも、「なぜ買ってしまうのか」、そのしくみに思わず膝をたたくこと請け合いです。

下の画像の付箋の数をご覧アレ。

80933715.jpg













マジで目からウロコが落ちまくることウケアイです!


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【目次】

第1部 ショッピングの科学の誕生
 こうして科学が生まれた
 小売業者が知らないこと

第2部 ショッピングのメカニズム
 入口と移行ゾーン―ショッピングの始まり
 手の問題の重要性 ほか

第3部 ショッピングの統計的研究
 男性と女性のショッピングの相違点
 女性が小売店に求めるもの ほか

第4部 ショッピングの力学
 意志決定をつかさどる感覚的な要素
 三つの要素 ほか


【ポイント】

■ショッピングにおける行動の調査結果の例

●試着室にもって入ったジーンズを実際に買う割合

「男・・・65%」「女・・・25%」


●コンピュータを眺めている客が実際に買う割合

「土曜日の午前中・・・4%」「午後5時以降・・・21%」


●ショッピングモールの家庭用品の店で

「客が買物カゴを使う割合・・・8%」「カゴを使う客が実際に品物を買う割合・・・75%」「反対にカゴを使わない客が品物を買う割合・・・34%」

 この場合は当然、過去に学んだことのすべてを利用して、カゴを使う客の数を増やす方法を提案する。ショッピングの科学とは、あえて言うなら、調査、比較、分析を通して商店や商品を買い物客により適合させるための高度な実践的な学問だからだ。


●ショッピングの科学が証明したこと

「買い物客は店にいる時間が長くなるほどたくさん買う」

「客が店内に滞留する時間は、その場がいかに快適で楽しいかによる」


■ヒトの行動メカニズム

●手の動き

⇒ほとんどの人が右利きなので、客に買わせたいものがあれば、客の立つ位置よりもやや右寄りに陳列すべき


●顔の向き

街路では人はどのようにウィンドウに近づくのだろう。ほぼ例外なく斜めからだ。人は店の左か右から歩いてくるからだ。しかし、ほとんどのウィンドウが、真正面から見られることを前提としてデザインされている。正面から見られることなど滅多にありはしないのだが。



■男女の買物の仕方の違い

女性は86%が買物をするときに値札を見るが、男性は72%

⇒娘は父親と一緒だと、母親だけに連れられた場合よりも高価なドレスを買ってもらえる

男性は道をたずねるのを嫌がるのと同じで、自分で商品の情報を仕入れたがる(例:パソコンショップでぶらつく等)

 私が新しい店を開こうとするところで、女性に気持ちよく買物をしてもらおうと思うなら、男性の好む店、たとえばパソコンショップ、30分は楽につぶせる場所に隣りあった土地を探すだろう。逆に、コンピュータ・ソフトを売る店なら、婦人服店の隣を選び、男が嬉しそうに集まる店をつくるだろう。


女性は、自動車ディーラー、整備工場、自動車部品店とのつきあいをあからさまに嫌っていることが報告されている

 ここでも迅速かつ賢明な措置は、車の修理や部品の販売に女性を雇うことだろう。(中略)
数年前、われわれは大型商店の自動車部品売場を調査した。買い物客の90%は男性だったが、コンピュータ情報端末の利用者の25%が女性だった。明らかに、この女性たちは疑問があっても、店員から答えてもらえなかったのだ。(中略)
 明日にでもガソリンスタンドを買ったら、私は真っ先に大きな看板を出す。「どこよりも清潔なトイレ」。



■高齢化社会のショッピングのあり方

●視覚面

⇒鎮痛剤、風邪薬、ビタミン剤等の使用法、成分表示の活字の大きさは、ほとんどが6ポイントから9ポイントだが、これでは高齢者の買い物客を寄せ付けない

ごく一般的な50歳の人の網膜が受ける光は、平均的な20歳の人の網膜が受ける光の3/4になっているおり、多くの店やレストランはもっと明るくする必要がある


●身体面

⇒(車椅子に頼ったり、階段が満足に登れなくなる)25年後には、現在の複数階からなるショッピングモールが、全員ではないにせよ、全人口の1/5にとっては不便なものになりそう

⇒洋服についた小さいボタンやホック、とりわけうしろ開きで着脱しにくい婦人服などは、簡単なチャックか、そもなくばベルクロのマジックテープにつけ変えたほうがよい


【感想】

◆学ぶべき点が多い一冊でした。

上記の画像のように、とんでもなく付箋を貼ってしまったため、そこからポイントを選ぶのに苦労したくらい(笑)。

とにかく、ほとんどの内容が、実際に集めたデータに基づくもので、説得力があるのも魅力的です。


「通路が狭くて、後ろを通る人とお尻がこすれてしまう」「置かれている場所が高くて手が届かない」「陳列棚の一番下で身をかがめないと取れない」といった、ちょっとした状況を改善するだけで、売上が目に見えて上がる、というのは、まさにコストをかけずに売上を上げる妙技。

ただ、問題は、そういうポイントに気が付くかどうか

本書において著者たちが用いた手法も、「ひたすら買い物客を観察する」というものです。

撮影する営業中の商店のビデオも、年間2万時間にものぼるとか(汗)。


◆この、利用者の行動を逐一観察する、というやり方は、まさに「ウェブユーザビリティの法則」で推奨されていた「ユーザビリティテスト」と同じ。

サイトの管理側や、商店の経営側というのは、えてして「自分本意」というか、「利用者はこう思う(する)に違いない」と決め付けていて、それが全く見当違いだったりします。


◆例えば、著者がある大手チェーン店のCEOに、店のコンバージョンレート(この場合は、来店者が実際に購入した割合)がどのくらいだと思うか訊ねたところ、そのCEOは「ほぼ100%である」と回答。

理由は「客が店に来るのは買うものがあるからであり、買わないのは、お目当ての品が在庫切れの場合のみ」だと。

しかし実際は、「この業態にしてはかなり高い」とはいえ、48%に過ぎませんでした。


◆店に来た人が何故買わないのか、また、買わないかもしれないのに何故来るのか

もしくは、買うつもりがなかったのに、なぜ買ってしまうのか。

お店を経営する方なら、ぜひ考えて頂きたいところです。


◆ところで、これだけの内容の本が、なぜにマーケットプレイスで大量に安く出回っているのか、理解に苦しむワタクシ(「実は全部でっちあげでした」というのはナシでお願いしますよ!)。

今まで何度か良い本が安く出品されているのを目にしたことはありましたが、本書こそが最大の「謎」(汗)。

コンディションが悪いならまだしも、「良い」や「非常に良い」までもがザクザク転がっています。

正直、新刊のしょーもない本(?)を読むくらいなら、まずこの本を正座して読むべき。

マーケットプレイスの本を全部買い取って、4000円位の値段つけて、出品してやろうかってくらい(ウソ)。

昨日中古本の記事を書いたばかりですし、これはもう、未読の方は、マーケットプレースで購入決定ですね(笑)!


なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学
早川書房
鈴木 主税(翻訳)
発売日:2001-02-22
おすすめ度:4.0


【関連記事】

◆同じパコ・アンダーヒルでも、博報堂絡みなので、日本の状況にも対応しているであろう本がコチラ。

ついこの店で買ってしまう理由(わけ)
日本経済新聞社
小野寺 健司(編集)今野 雄策(編集)
発売日:2005-07-02
おすすめ度:4.0

先ほどアマゾンアタックしておきました。


【関連記事】

【キャンペーン有】『お店の「バカ売れ」ポイントをつくる技術』中山マコト(2007年06月21日)

「究極のマーケティングプラン」ダン・ケネディ(著)、神田昌典(監訳)(2007年04月16日)

「ウェブユーザビリティの法則」スティーブ・クルーグ(2007年03月19日)

「これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。」藤村 正宏 (著)(2006年05月21日)


【編集後記】

◆今朝、職場に来たら届いていた本がコレ。


先日、この記事の編集後記でアマゾンキャンペーンの告知をした、中嶋茂夫さんのご本です。

同時に上記記事で「購入後の具体的なアクションが書かれていない」とか書いちゃいましたが、よくよく申し込みフォームを見たら、注文番号や名前を記入する欄がありました(汗)!!

もし、このキャンペーン目的で購入された方で、アマゾンで購入してそのままの方がいらっしゃいましたら、本日、10月9日の23:59までに申し込みをなさって下さいマセ!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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今回のフォトリーディングのターゲットは(著)パコ アンダーヒル (訳)鈴木 主税さんの『なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学』です。 先日格安にてゲットした1冊。 本書の内容は ちょっとした工夫で、売上効果絶大。「つい、買ってしまう」「絶対、買わせ....
なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学【フォトリーディング@Luckyになる読書道】at 2007年11月06日 06:57
                               
この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは!

面白そうな本ですね。
持っているかもしれませんが?

読んでないのは、間違いないです。
Posted by ニタ@「教えて会計」 at 2007年10月09日 15:52
               
smoothさん、こんにちは。

ショッピングの科学、感覚的にも合っていそうな感じですね。
ここまで徹底して買い物客の行動を調査するのには脱帽です。
さて、確かにマーケットプレイスで格安の値段が付いてますね。
こんなによさそうな本なのに。
こういう本を見つける醍醐味も中古には
ありそうですね。


Posted by LuckyUS@フォトリーダー at 2007年10月09日 15:56
               
smoothさんこんにちは。この本読みました。でも厚さにやられた気が…

また読み返してみます。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2007年10月09日 21:00
               
こういうおもしろくって安くなってる本を紹介していただけるとうれしいです!

アマゾンの批評なんぞ、あんまりアテにならないし、安くてもいい本はあるんですね!
Posted by イヴォンヌ at 2007年10月09日 22:29
               
>ニタさん

持ってて読んでないとはもったいない(笑)。
ニタさんのところでも使える部分がきっとありますよ!

>LuckyUSさん

中古の値段がここまで安くなかったら、もっと早く読んでいたかも知れません(笑)。
個人的には大変お買い得だと思いまする。

>hikaruさん

厚くて図も少ないのですけど、内容が面白くて読みきれました。

>イヴォンヌさん

これは是非マーケットプレイスでアタックして頂きたい一冊ですね。
あと、アマゾンの批評はそんなに悪くないですよー(笑)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年10月10日 09:44
               
持っています。
smoothさんの書評を拝読して買ったのかとずっと思っておりました。ほんとうにおすすめです。
Posted by meg at 2007年10月10日 10:04
               
>megさん

スイマセン、この本「ウェブユーザビリティの法則」の記事でご紹介したまま、記事にはしてませんでした(汗)。
でも、さすがmegさん。
この本の良さがわかってらっしゃる(笑)!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年10月10日 13:01
               
smoothサンこんばんはー。
「お尻がこすれる」「手が届かない」私の中ではやはりアリエマセン(^_^;
本屋サンに注文して買おうかな♪
Posted by 瑠璃 at 2007年10月14日 23:03
               
>瑠璃さん

今ってアマゾンも携帯で注文できるんじゃなかったでしたっけ?
中古で充分だと思いますよ!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年10月14日 23:18
               
いつもこちらのブログを活用させてもらっています!
この本のレビューに関しては、付箋の量にまずインパクト大でした。
ぜひ読んでみたいと思いました。^^

Posted by mayu at 2007年10月16日 20:21
               
>mayuさん

ジャンル的にウチは偏ってますが、参考にしていただけるとは感謝です。
この本は、マーケットプレイスでたくさん出てますので、ぜひぜひ!
応援させて頂きました!!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年10月17日 00:52