スポンサーリンク

       

2007年09月18日

【情報収集】『3時間で「専門家」になる私の方法』佐々木俊尚


4569695043
3時間で「専門家」になる私の方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、このブログではお馴染みの佐々木俊尚さんが、自らの仕事術について初めて(?)述べられた本。

昨日、一足先に小飼 弾さんのブログで紹介(「書評 - 3時間で「専門家」になる私の方法」)されているので、気になっている方も多いのではないでしょうか(もう買っちゃいました(笑)?)。


◆サブタイトルとして「ITジャーナリストの超情報収集・整理術」とあるように、さまざまなツールやサイトを使いこなす、佐々木さんの仕事のやり方が、かなり詳しく公開されています。

この辺は、「元新聞記者」という経歴と、現在の主たるフィールドである「IT関連」での取材経験が、うまく結実している結果かと。

仕事に役立つ情報の集め方とそのさばき方が満載です!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!



【目次】

第1章 激変した「情報をめぐる環境」
 劇的に変わった2つの理由
 情報蓄積時代の頂点の方法 ほか

第2章 新聞記者は無意識に「マトリックス」を描く
 新聞記者はどう情報を集め、どう書いているか
 タイムリミットに向けての分担作業 ほか

第3章 クオリアを身につけよう
 なぜマトリックスを描くのか
 全体の構造がきれいに見通せる ほか

第4章 実践・3時間で専門家になる
 日経テレコン21の使いこなし方
 見出しからポイントを見抜く ほか

第5章 実践・3時間で専門家になる
 クオリアをすくい上げるとは何か
 次の段階は、情報収集の「面積」を狭める 

第6章 ニューロン型情報収集のノウハウ
 インターネットを使えば3時間でちょっとした専門家
 「一本道型」「進化の爆発型」「ニューロン型」 ほか

第7章 セレンディピティを実現する
 偶然を引き寄せるマジック「セレンディピティ」
 インターネット時代だからセレンディピティが可能に ほか


【ポイント】

■情報収集の方法が劇的に変わった理由
⇒「インターネット時代に入って、情報量が爆発的に増えた

⇒「ウェブ2.0と呼ばれる検索エンジンやソーシャルブックマーク、ブログ検索など高性能な情報収集ツールが次々と登場してきた」


■情報収集の変化
⇒以前は、「まず情報を自分のところに蓄積する」のが大前提

⇒今は「膨大な量の情報の中から、いかに的確に情報を選別し、他を捨て去るか」


マトリックスを用いる
●マトリックスの有用性

⇒新聞社ではキャップがマトリックスを図表化して、「記事に必要な要素」(「事故の経緯」「病院の様子」等)と「取材対象」(「地元県警本部」「事故現場」等)を埋めて、全体像を把握する

⇒このマトリックスを使うやり方は、インターネット時代でも有用


●マトリックスを描く第一歩

⇒必要となるのは、対象となる分野の「直感的な世界把握」

⇒重要なのは、インターネットの中に存在する「情報源(ソース)」をきちんと切り分け、それぞれのソースに応じた「適切な方法」で情報をすくい上げていくこと


■インターネットのソース
⇒大きく分けると次の4つに分類される

A 新聞記事・雑誌記事などオフィシャルなデータベース
B 一般のウェブサイト
C 個人や企業のブログ
D 2ちゃんねるなどネット掲示板の書き込み

AからDへと進むにつれて情報の信頼度は下がっていき、逆に情報のディープさ(深み)は濃くなっていく

⇒結果、情報の収集はAからDへと順に進めていくのが良い


■ソースごとの特性
●日経テレコン21⇒特定のキーワードに関係した記事を、狭い時期の範囲内で集中的に調べるのには格好のツール

⇒逆に、長い期間をターゲットにして、曖昧な情報をしかもピンポイントで探し出すにはあまり向いていない

⇒また、法律や大綱といったものが「第三者からどう評価されているか」等を調べるのにも適している


●検索エンジン

⇒あいまいな検索でもかなりきちんとした検索結果を返してくれる

⇒「幅広く検索し、ピンと来たらピンポイントで絞り込む」という「一点突破型の検索スキル」の最初で使う


●ブログ検索

⇒ブログというのは「人々が特定の分野のことについて、どのように感じたり、考えたりしているのか」をダイレクトに知ることができる貴重なツール


●匿名掲示板

⇒毎日膨大な数の有用な情報がやりとりされている「非常に貴重な情報源」でもある

⇒生々しい心情の吐露こそ2ちゃんねるの真骨頂

⇒ただし、真贋アリ


■情報の「ハブ」(中心地・車軸)を発見する
⇒試行錯誤を経て、このハブにたどり着くと、そこからさらにさまざまな分岐を引き出し、情報収集の方向性を広げ、深みを増していくことができる

「気づきポイント」や情報が高密度で集まっているウェブサイトなども、ハブとなり得る

⇒このハブをうまく見つけることが、情報収集では非常に重要な意味を持っている


■気づきを得るスキル
「時系列での比較」という作業は、実に重要

⇒思考をいったん整理するためには情報収集の途中でも、そのときどきに応じて自由自在にマトリックスを描いてみる


■ニューロン型情報収集とは?
「一本道型」(目的を決めてしまったら、その方向に向かって一気に情報収集を進めてしまうような直線的な方法)と「進化の爆発型」(目的をどんどんあちこちに拡大してしまう情報収集)のいいとこどり

ハブを交差点にして、幅広く情報収集を行うのと、深く突き進むのを交互に繰り返しながら行う(詳細は本書を)


■セレンディピティを実現する
はてなブックマークタグ検索

⇒目的とするキーワードがテキストに含まれていなくても、利用者がそのキーワードでタグを付ければ関連性が出てくる


【感想】

◆上記ポイントでは触れませんでしたが、本書は具体的に「少子高齢化」というお題に対して、佐々木さんが、情報をいかに集め、いかに整理し、そして記事の方向性を定めるか、という実例がかなり詳しく掲載されています(サイトの引用や紹介がかなり多いです)。

作業を進めていくうちに、こちらが当初予想していたものとは、ずい分違った方向に進んで行き、それがまた結構面白かったり(笑)。

しかも、場面場面でどういうソースをどのように使うか、というTIPSも参考になりました。

これはブログで書くネタがない時にも、使えそうなヨカン(笑)。


◆このブログの読者さんは、検索エンジンはもちろん、はてブや2ちゃんまで使いこなしている方も多いのではないでしょうか?

ただ、そんな方でも、さすがに上記の「日経テレコン21」までは、手を出されてないと思われ。

1件読むごとに「見出しで5円、全文で50円」だそうなので、おそらく私用で使うことは。今後もなさそうですが(汗)。


◆それと、「マトリックス化する」というのは、今後実践してみたいところ。

私のように「木を見て森を見ず」的な人間には、最も重要なやり方なのではないか、と(汗)。

そして面白かったのが、そういったロジカルな面もありつつ、「クオリア」「セレンディピティ」と言った必ずしもロジカルとは言えない要素も、本書では重要視されていること。


◆結局本書で提唱されているやり方の「キモ」は、上記で言うところの「気づきポイント」を見つけられるかどうかにかかっていると思います。

・時間の経過からとらえなおす
・マトリックスを描いてとらえなおす

結論だけまとめてもピンと来ないと思いますので、できれば本書の174ページから184ページ辺りを読んで頂きたく・・・。

4569695043
3時間で「専門家」になる私の方法


【関連記事】

【仕事術】できる人のスピード仕事術(2007年06月07日)

「デジタル・ワークスタイル」徳力基彦(2007年05月08日)

「情報探索術」関口和一(2007年01月31日)

「情報のさばき方」外岡秀俊(2006年11月17日)

「知的ストレッチ入門」日垣隆(著)(2006年10月12日)


【編集後記】

◆最近ムスコが夜中に何度も起きてしまうため、ヨメが寝不足気味(汗)。

そこで昨日は、ムスメと二人で、しましまタウン溝口店に行ってきました。



手前のがムスメです。

この後、歌ったり踊ったりで、大変でした(笑)。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ


最近読んだ本 - livedoor Blog 共通テーマ

スポンサーリンク




                               
この記事へのトラックバック
               
佐々木俊尚さんの本。インターネットという巨大データベースを活用することで、短時間で「専門家」になる方法を紹介しています。もちろん本当の専門家には及びませんが、あるテーマ...
ネットを駆使して「専門家」になる(3時間で「専門家」になる私の方法)【創造マラソン】at 2007年10月18日 08:06
               
3時間で「専門家」になる私の方法 Amazonでの購入は↑から ネットを活用すれば、 かつては途方もない作業が必要だった 「情報収集」が、3時間でできるようになった。 その実践的な方法を全公開!(PHPより) 溢れすぎた情報社会で 自分が欲しいと思った情報をど...
【情報収集】3時間で「専門家」になる私の方法【【オト人】オトナな人生を歩もう【まずは好き嫌い改善】】at 2008年01月23日 15:51
                               
この記事へのコメント
               
昨日の本も面白そうでしたが、こちらも実務力UPのために良さそうですね。
ニューロン型情報収集って表現がいいなぁ。
左脳的表現方法の習得にも役立つ??

しまじろう可愛い〜。
私も一緒に踊りたい(笑)

Posted by ビルダーナース at 2007年09月18日 12:29
               
smoothさん、こんにちは!


しましまタウンが、リンク切れでした。
ウチのムスメは、どうか、気になるところです。歌って・踊ってというのは、大好きですね、やっぱり。

Posted by ニタ@「教えて会計」 at 2007年09月18日 14:24
               
ネットのおかげでほんと情報が早くなりましたよね。

整理するのも大変ですが、
基本的本質がみえやすくもありますね。

応援くりっく!ぽちっ
Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年09月18日 15:50
               
smoothさん、こんばんは
ご紹介の本、すでに購入済みで手元にあります。これから読むところなので、あとで記事を拝見します。
個人的には子供がしまじろうファンなのでうらやましい構図です。HPなどでも掲載されていますがショーを見てみたいと思ってます。マーケティング的にも。(笑)
Posted by マチスケ at 2007年09月18日 20:13
               
うわ、昨日かって今日届きました
この本。

すぐに専門家にならないと
いけない事案が・・・・
Posted by ヨシザワ at 2007年09月18日 21:04
               
smoothさんこんにちは。私もしましまタウンいきましたよ!私の娘のしまじろうは、洋服がグリーンなんですよね。なぜか馴染んでくれない娘に困ってしまいました。でもクリスマスコンサートにはいきますよ!
Posted by 週末起業サラリーマン at 2007年09月18日 21:39
               
smoothさん、こんばんは!

この本、騨さんのブログで目をつけました〜。○○専門家ブログ、みたいに調べた知識をまとめてみるのも面白そうな気がします。
Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年09月18日 23:18
               
smoothさん、こんにちは!
この本、最近目をつけていました。新聞記者の仕事術に興味を持っていました。「マトリックス」を使うと、伝わる文章を素早く書くことができそうですね!
Posted by パピヨン土方@成功者になるための!!オンライン図書館 at 2007年09月19日 05:59
               
>ビルダーナースさん

情報収集や整理術もひとそれぞれですけど、本書は物書きさんが実際にやられているという点で、興味深かったです。
それと、そちらは新たな展開があるようで、今後が楽しみですね〜。

>ニタさん

リンク切れの件、ありがとうございました(修正しました)。
ムスメはとりあえず踊り系は得意です(笑)。

>院長サマ

情報も多すぎると消化不良になりがちなので、ヒトサマの整理術は参考になります。
それといつも応援ありがとうございます。
私も微力ながら応援させて頂いております。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年09月19日 08:20
               
>マチスケさん

マーケティング的に言うなら、サンリオピューロランドも面白かったですよ(笑)。
うーむ、それにしても、この本買われてましたか〜。
皆さん、結構早いですね。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年09月19日 08:22
               
>ヨシザワさん

さっそくこの本の教えを活かして、「専門家」になってください。
それと、例のリンク相変わらずだったんですが(汗)。

>hikaruさん

服がグリーンのしまじろうって、想像できないんですけど(笑)。
ただ、ベネッセの教材っておまけとか内容が、毎年少しずつ変わってるみたいですね。

>淺田さん

それって、弾さんのことですか(汗)?
ブログで一歩掘り下げて考えるには、このような思考も必要かと思います。
私の場合、要約と脊髄反射的感想なので、対象となる「本」しかソースがないんですが(笑)。

>パピヨン土方さん

本書の内容は、新聞記者時代に培われたスキルとその後のスキルの「いいとこどり」のようなので、私もぜひ取り入れたいと思ってます。
このブログだとなかなかそのレベルまで行きませんが(汗)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2007年09月19日 08:22