スポンサーリンク

2007年03月22日

「リクルートのDNA」江副浩正


リクルートのDNA―起業家精神とは何か
角川書店
江副 浩正(著)
発売日:2007-03
おすすめ度:5.0



【はじめに】

◆おはようございます、smoothデス。

今日お届けするのは、先日ニタさん@「教えて会計」に先を越されてしまった(「リクルートのDNA―起業家精神とは何か」)この本。

日本における「伝説的起業家」とも言える江副浩正さんの最新刊です。

その卒業生の多くが、起業家として名をはせているリクルート

まさにその根元に迫る一冊なのでは(汗)??


【目次】

第1章 企業風土について

第2章 私が学んだ名起業家の一言

第3章 成功する起業家の条件

第4章 リクルート創業期

第5章 生き生きと働く風土

第6章 情報誌の領域を広げる戦略

第7章 領域の課題な拡大

第8章 早過ぎた新規事業の立ち上げ


【気になった点など】

■経営の3原則

1.社会への貢献
2.個人の尊重
3.商業的合理性の追求


■経営理念のモットー(抜粋)

1.「誰もしていないことをする主義」⇒隙間産業と言われるが、社会に受け入れられればいずれ市民権を得られる

2.「分からないことはお客様に聞く主義」⇒ただし自分の意見を持って聞くこと

3.「ナンバーワン主義」⇒「同業間競争に敗れて2位になることは死である」

4.「社員皆経営者主義」⇒リクルートの中にスモールサイズの会社を数多く設立していく

6.「健全な赤字事業を持つ」⇒いつも新しい事業の立ち上げを続け、永遠の繁栄を志向する


■私が学んだ名起業家の一言

◆江副さんはその仕事柄、多くの起業家の方のお話を聞かれています。

松下幸之助さん(松下電器)

「人は誰でも得意なことと不得意なことがありまんがな。誰に、どの仕事を、どこまで要望するかが大事やなぁ」


江戸英雄さん (三井不動産)

「公私混同はいけませんよ。自分が経営するゴルフ場であっても、家族や友人とプレーするときは自分で払ったほうがいい。それも社員の見ている前でね」


本田宗一郎さん(本田技研工業)

「優秀な人をホンダに欲しい。ホンダのために働く人はいらない。自分のために働く人が欲しい」


柳井正さん(ユニクロ)

「起業をするのに、とくに素質は必要ないと思います。僕はほとんどの人が起業できると思っています。大事なのは、まず自分でやってみること。そこで何回も失敗して、また懲りずに挑戦する。その繰り返しのなかで経営者として育っていくんです」



■成功する起業家の20ヵ条(抜粋)

2.人がついてくることが大切だが、そのためにはまず自らを磨くこと。必ずしもカリスマ的魅力がなくても、人がついてくるやり方を身につけることはできる。重要なことはメンバーの誰よりも優れた仕事を熱心にしていて、それを継続していることである。

5.変貌している産業社会の新しい要請に応える事業家どうかを自ら問いかけ、周囲の人にも聞くことから始めること。社会の要請に応えていない事業では、一時的に成功することはできても続かない。

6.多くの資本を要さない仕事から出発すること。多くの資本を要する事業は大企業が担当する新事業である。

12.コミュニケーション能力を高めること。昨今はメールやインターネットが普及した。経営者には受け手に理解される文章でメッセージを送る能力が求められる。
 メールは何度でも書き直しができる。書くことで自分の考えを確認できる。コミュニケーション能力は学習によって高められるものである。

19.起業家は自分の考えは正しいから必ず成功するというところから出発するが、それが正しいかどうかを決めるのは顧客である。顧客と常に接して顧客の声を常に聞いていなければ、一時的に成功するが長続きしない。

 

■分からないことはお客様に聞く主義

⇒企業の人事関係者のアドバイスで、新卒求人広告誌『企業への招待』において「掲載企業が採用したい学科別一覧」をマトリックスで掲載し、好評を得る

⇒『週間住宅情報』を創刊した時も、お客様の声を聞き、地域別、沿線別に、求める物件が容易に検索できる仕組みにした

⇒「情報の送り手ではなく、情報の受け手の読者の意見を大切にして情報誌を作っていく」


■雑誌の新しい販売ルートを開拓

⇒「広告だけの本」は、トーハン、日販といった取次会社では扱ってもらえなかった

⇒そこで直接書店に『就職情報』を持ち込み、売上金はすべて書店に差し上げる方式をとった(一般の雑誌を売った場合の書店の取り分は約20%)

⇒結果、多くの書店で一番目立つ売り場に『就職情報』を置いてもらえた


■単行本の失敗から生まれた本の情報誌

⇒リクルートは単行本の出版に過去2回挑戦し、いずれも撤退

⇒単行本の情報誌『ダ・ヴィンチ』を創刊し、出版社に「 1/8ページ15万円、カラー写真入り」で誌面を買ってもらう

⇒毎月出版される1000点あまりの本の情報を掲載、著者別、出版社別に読者が検索できるように編集し、成功


【読後の感想など】

◆いやー、起業に興味を持つものとしては、大変面白かったです(笑)。

意外なことに、私が著書を拝読した、多くのリクルート卒業生の方は出てこないんですが、その分江副さんが語りまくっているというか(笑)。

ウソかホントかわかりませんが、本書を読む限りでは、私が「リクルートの創業者」として勝手にイメージしていた、「リーダーシップに溢れるバイタリティがある人」とはちょっと違う感じがしました(汗)。

どちらかというと、USENの宇野さんのような印象。



◆元々は東大の大学新聞における、就職活動のための広告代理店から始まったリクルート。

当時から「情報」という無形のモノの価値を、十分に生かすスタイルをとってきたのがよくわかりました。

それは例えば、上記にもあるように書店が売上総取りの『就職情報』だったり、情報の受け手はタダで入手できる(今をときめく(笑))『ホットペッパー』や『R25』だったりするわけで。


◆ちなみに、かつてリクルートにいたゲームクリエーターの斎藤由多加さんは、自著「ハンバーガーを待つ3分間の値段」の中で、雑誌『住宅情報』を「雑誌という名を装ったひとつの発明品」と看破しておられます。


この本はあまり知られてませんが、名著なので、興味がある方はご一読を。

(このブログでの記事:【再録】★「ハンバーガーを待つ3分間の値段」斎藤由多加 (著)【マインドマップ付き】


◆ちなみに、最後の章では「早過ぎた新規事業の立ち上げ」として、結果的に失敗に終わったいくつかのビジネスが紹介されており、ここも参考になります。

特に通信等のインフラに左右される場合、こちらの予想が大幅に狂うことも多々(「光ファイバーはもっと早く普及するハズだった」とか)。

また、技術革新が予想よりも早くなると、サービス自体も陳腐化することもあるわけですね(「大型コンピュータがこんなに安くなるなんて」など)。

つまり、ビジネスモデルというものは、それ単独でではなく、実際にサービスが行われる場面において評価されるということ。

独りよがりもいけません。


◆新書だけに、項目的にサラリと触れているだけの部分もありますが、それでもこの厚さでこの内容は秀逸

将来的に起業を考えている方や、実際に起業をなさっている方なら、読むだけの価値はあります。

最近の起業本の中ではピカイチ!





【編集後記】

◆地元ネタで申し訳ないんですが、自由が丘のアンナミラーズが、いつの間にかなくなっていました。

7f3a413d.jpg

















・・・って言うか、2006年の9月に閉店しているんじゃないですか(汗)!

30年近く営業してきたのに、ちょっと残念です。



人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「起業全般」へ

この記事のカテゴリー:「企業経営」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

Posted by smoothfoxxx at 07:15
Comments(11)TrackBack(1)起業全般このエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/50935890
この記事へのトラックバック
『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』江副浩正(著) リクルートと言えば、...
『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』江副浩正(著)【独立起業家ネットビジネスブログ:実践起業!成功への道。blogで人脈は作れるか?】at 2007年04月04日 10:10
この記事へのコメント
smoothさんこんにちは。またまた逸品の登場ですね。すごくおもしろそうです。
Posted by 週末起業サラリーマン at 2007年03月22日 07:50
smoothさん、こんにちは!

思わず、面白そうだから、読み直そうと・・(笑)。
アンミラですね、私も、駒沢公園側の店がけっこう好きでした。

ご紹介、ありがとうございます。

Posted by ニタ@教えて会計 at 2007年03月22日 08:14
こんにちは。

わたしも読みました。
おもしろかったです。

カリスマ性がある印象でしたが、実際は違うのかもしれません。
人の評価と自分の評価は違うでしょうけど。
Posted by 独立起業家:こばやし at 2007年03月22日 10:50
こんにちは。
これは面白そうですね。
今は読む本が大量にあるのであれですが
とりあえずメモしておきました^^
Posted by シン@偽哲学者 at 2007年03月22日 13:36
こんにちは!

うちにも、何人かリクルート出身の
お客さんがいらっしゃいます。

企画力の抜群に加え、元リクの看板を
活用した営業力も抜群なのですが、
すべて成功するとは
限らないのがビジネスの
むずかしいところで。(^^;

Posted by ヨシザワ@手ガネ経営 at 2007年03月22日 14:03
これは見逃しがちですね。タイトルではスルーする〜。たぶん。引用どころ満載で・・。お目にかかったら一度読んでみます。ありがとうございます。
Posted by ぼうや at 2007年03月22日 17:59
江副さんってなつかしいですね。

でもリクルートは本当に何人もの優秀な人を輩出しているし、やっぱり江副さんの
やり方を学んだからかな?!
Posted by イヴォンヌ at 2007年03月22日 18:09
改めてそういう先人の言葉を読むと、
頷けること多いですよね。

さまざまな方の考えを取り入れ、
自分なりに活用していくことですね。

応援クリック!ぽちっ

Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年03月22日 19:40
かつて世間を騒がせたイメージがありなんとなく良い印象をもっていませんでしたが、今日の書評を拝読し、興味が湧いてきました。

>>顧客と常に接して顧客の声を常に聞いていなければ、一時的に成功するが長続きしない。

そうですよね。名文じゃないですか。
こちらもチェックしてきます。
Posted by ビルダーナース at 2007年03月22日 21:06
smoothさん、こんにちは!
ちょうどこの本を購入したところで読むのが楽しみです。
トラックバックさせてくださいね。
Posted by 手文庫 at 2007年03月24日 14:43
はじめまして.

いつも楽しく読ませていただいてます.

まとめ方がとてもうまいなぁと思い,コメントを書いてみました.

やはり多くの本を読んでいると他の関連する本や事柄を織り交ぜられて,とても参考になる書評になりますね.

これからもいろいろ勉強させてください.
Posted by ooolong at 2007年03月31日 21:50