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2007年03月01日

「広告の巨人オグルヴィ語録」デイヴィッド・オグルヴィ


広告の巨人オグルヴィ語録
海と月社
デイヴィッド・オグルヴィ(著)山内 あゆ子(翻訳)
発売日:2007-02-16


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!


【はじめに】

◆おはようございます、smoothデス。

今日お届けするのは、先日購入した旨ご報告済みの、デイヴィッド・オグルヴィ氏の新作(もっとも氏自身は、1999年に死去されてますが)。

「デイヴィッド・オグルヴィ」といえば、やはり以前このブログでご紹介したこの本を読まれた方も多いかと思います。

ある広告人の告白[新版]
海と月社
デイヴィッド・オグルヴィ(著)山内 あゆ子(翻訳)
発売日:2006-06-15
おすすめ度:4.5

(このブログでの記事:「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)

土井英司氏が力説されていたように、確かに名作でしたよね。


◆今回の本は、元々は、オグルヴィ氏が50年以上に渡って残した論文や手紙、メモ、講演録を秘密裏にまとめて、75歳の誕生日にプレゼントするために作成されたものだとか。

なお、一般書として刊行するに当たり、3時間半ものインタビューが行われ、その抜粋が巻末に収録されています。

しかもこのインタビューが、実はスゴイ(汗)。

個人的にはココだけでも元取った気分です(笑)。←最近多用気味


【目次】

序文
1 若かりし日々
2 ノート、メモ、手紙
3 リスト
4 講演と論文
5 経営方針と企業文化
6 リーダーシップ--マネージメントで忘れられた要素
7 デイヴィッド・オグルヴィ75歳--フランスの自宅でのインタビュー


【気になった点など】

◆残らず重要なので、特に強調等はしません(汗)。

■各国支社のクリエイティブ・ディレクターに宛てたメモから(抜粋)

1.君はその国で一番注目される広告を作っているか?
3.クライアント候補にアッと驚くようなキャンペーンを、少なくとも4本見せられるか?
10.どのCMでもブランド名を数回以上繰り返しているか?
19.問題とその解決策、ユーモア、適切なキャラクター、実生活のワンシーン――、これらを盛り込むようにしているか?
23.商品が使われているところを常に見せるようにしているか?
25.CMの最後に、必ず商品パッケージを見せているか?



■文章を書くコツ(抜粋)

2.しゃべるように書くこと。「自然に」ということだ。
3.単語や一文の長さ、段落を短くすること。
5.どんなテーマでも、2ページ以下に収めること。
7.手紙やメモは、書いた当日に出さずに、翌朝声に出して読んで修整すること。
10.相手に行動してもらいたいなら、書いたりしていないで、相手のところに行って、何をしてほしいか直接言うこと!



■1955年にアメリカ広告代理協会で行ったスピーチからの「予言」

「自社のブランドに最高のイメージを与え、もっとも明確な個性を確立するために広告を使っているメーカーは、市場で最大のシェアを獲得し、最高の利益を獲得するでしょう 
(中略)
不滅のブランドイメージを打ち立てることこそ、ブランドを人々の生活の一部に織り込む唯一の方法です。しかし値引き戦略では、そんなイメージを築くことは不可能です」



■「名言集」より

●「我々は売る。そうでなければ存在する価値が無い」

●「人々を退屈させておいて商品を買わせることはできない。興味を持たせて初めて買ってもらうことができる」

●「消費者は馬鹿ではない。消費者はあなたの奥さんだ。彼女の知性をあなどってはいけない」



■成功の原因(インタビューより)

「成功というものを、何か物質的なものを手に入れるだとか経歴だとかいうようなつまらないものだけで計るのはやめることだ。そうじゃなくて、自分や家族といった人々の幸せという観点から考えるべきなんだ」

「僕の物質的な成功の原因?何よりも僕が世界一客観的な人間ってことだな、自分自身に対する客観性も含めて」

「セールスマンとしての腕もあるね。新しい仕事を持ってくるのがとびきりうまかった。 
(中略)
理由はわからないが、ともかくものすごくセールスがうまかった。繰り返すがこれは本当に重要なことなんだよ」

「僕はそこそこ独創的だが、度を超すほどじゃない。これがいいんだ。度を超すほど独創的じゃないということがね」

「それと、これは客観性と関係があるんだが、僕はリサーチ畑からこの業界に入ったから、これが大きな強みになった。クリエイティブな役割を担うとき、あるいはクリエイティブなものを見るときにも、常にリサーチャーの目で見てきた。この点はユニークだと言っていいと思う」


【読後の感想など】

◆いやー、これまた「剛速球がど真ん中に来たのに、ビビって手が出ない」くらいの力作でした(意味不明)。

前作、「ある広告人の告白」も骨太でしたが、こちらはさらに著者であるオグルヴィ氏の内面というか「素」に近い分、読んでいて「クスッ」と笑ったり「うーん」と唸らされたり、「ドキッ」としたりと大忙し。

ブログではあえて、わかりにくい表現(外人特有の「言い回し」)の部分をご紹介しなかったものの、むしろそういう皮肉っぽい内容もスマートに表現できるのが、オグルヴィ氏の魅力でもあるような・・・って、全然紹介してないじゃん(汗)。


◆ということで、ちょこっとだけ。

KLMのマネジメント・スーパーバイザー宛の手紙で、、「観光客というものは、休暇に晴天を求めるもの」「事実観光客の大半は北から南へ向かい、フロリダやカリブ海といったエリアが人気があるのもそのため」「だから長い間よく晴れた日の写真を追い求めてきた」と続けた上で、最後の一文がコレ。

「今回、霧がたちこめる曇り空のオランダの写真をお使いになるつもりとのことですが、さぞかし格別の理由がおありのことと思います。お聞かせ願えますでしょうか?」


◆また、冒頭にも書いたように、最終章のインタビューでのオグルヴィ氏の公けにされていなかった(多分)いくつかの事柄も、大変興味深く読めました。

特に、「スコットランド人であるオグルヴィ氏が、何でパリのレストランで働くようになったのか」という点については、実はこの本が出るまでは明らかにされていなかったようです。

もっともそのレストランで働いていたからこそ、その後、アガクッカー(アガ社製調理器)のセールスマンとして才能を発揮するのですが(笑)。


◆ちなみに、本書の第1章に、1935年に24歳のオグルヴィ氏が書いたアガクッカーの「訪問販売の手引き」の抜粋が載せられているのですが、この手引きは1971年発行のフォーチュン誌で「これまでに書かれたセールスマニュアルで恐らく最高のもの」と評されたとか。

もちろん、ここも必読デス!


◆それにしても、本書は「マーケティング」「ブランディング」だけではなく、「マネージメント」「ライティング」、さらに「セールス」等々のヒントが満載でした。

個人的にはメタファーの使い方などもお勉強になりましたし。

「ある広告人の告白」と同じく、タイトルだけ見て、広告関係者の方しか手に取らなかったとしたら、もったいない事この上ないです!

超・オススメ!

広告の巨人オグルヴィ語録
海と月社
デイヴィッド・オグルヴィ(著)山内 あゆ子(翻訳)
発売日:2007-02-16


【編集後記】

◆昨日、職場の駅の出口でもらった試供品。

77e64569.jpg











「王様のマンゴー」

こうしてブロガーである私の手に渡ったのも何かの縁かと(?)。

なかなか美味でございました。


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは。

>消費者はあなたの奥さんだ。彼女の知性をあなどってはいけない

ターゲットが違っていても、そういう考えって大切だなぁって強く思いました(^-^;

それ以外にも抜粋を読んでると勉強になることが多いです。

いい本の紹介ありがとうございます。

Posted by たなか@心レベル at 2007年03月01日 08:24
               
smoothさん、こんにちは!

う〜ん、セールスと聞くと、喉から手が出てきますね。

例の機械は、まだ売れていません。
検索されている気配もありません。
Posted by ニタ@教えて会計 at 2007年03月01日 09:35
               
smoothさん、こんにちは。

すごく読みたくなりました。
感動した言葉を、全部自分のものにしたい
という衝動がこみ上げてきます。

いやぁ、良い本の紹介ほんとにありがたいdす。

Posted by LuckyUS at 2007年03月01日 09:50
               
smoothさん、お早うございます。

オグルビーのこの書籍は探しているんですが
中々見つからずまだ未読です。

ますます読みたくなりました。

今日の書籍は、必読ですね
Posted by doug at 2007年03月01日 10:33
               
土井さんのメルマガで紹介されていた本ですよね。
そこで初めてオグルヴィさんの名前を知りました。とっても面白そうです。
私も「消費者はあなたの奥さんだ」という比喩にグッときました。
文章の書き方にしても参考になりそうだし、買いかな。
Posted by ビルダーナース at 2007年03月01日 10:39
               
こんにちは。

まだ読んでませんが、手元にあります。

いろいろ発見がありそうで、楽しみです。
Posted by 起業独立:こばやし at 2007年03月01日 11:21
               
剛速球がど真ん中に来たのに、
ビビって手が出ないくらいの力作ですか(
笑)

確かに面白そうですね^^
読んでみたくなりました。

応援クリック!ぽちっ
Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年03月01日 11:41
               
smooth様こんにちは。
>「消費者は馬鹿ではない。消費者はあなたの奥さんだ。
>彼女の知性をあなどってはいけない」
お〜、これこれ。あなどっている幹部さん、時々いらっしゃいますからね。
良い本をありがとうございます。
Posted by meg at 2007年03月01日 11:58
               
今日は激オススメなんですね!ぱくっ!ところでYAHOOに異変ありましたか?アクセス等の変化はありませんか?
Posted by 週末起業サラリーマン at 2007年03月01日 13:00
               
smoothさん、こんばんは
論文、手紙、メモ、講演録からインタビューまで、オールスターですね。そこまで言われると読んでみたくなります。
でも、その前に目の前にある「ある広告人の告白」これを読んでからでないと(汗)
Posted by マチスケ at 2007年03月01日 20:06
               
ある広告人の告白を読んでいても、
激オススメ何ですね。

条件反射で購入いたします。(^O^)/
Posted by ヨシザワ at 2007年03月01日 21:02
               
これはストライクなヨカンですね。いい目をしてますね。さすがです。
Posted by ぼうや at 2007年03月02日 14:45
               
smoothさん、こんばんは!
> ◆今回の本は、元々は、オグルヴィ氏が50年以上に渡って残した論文や手紙、メモ、講演録を秘密裏にまとめて、75歳の誕生日にプレゼントするために作成されたものだとか。

これだけでもこの方のすごさがうかがえますね。本にできるだけの濃さが普段からあるということですよね。
Posted by 手文庫 at 2007年03月04日 00:47