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2007年01月26日

転ばぬ先の経済学


転ばぬ先の経済学「転ばぬ先の経済学」デイヴィッド・R. ヘンダーソン (著), チャールズ・L. フーパー (著)

【はじめに】

◆おはようございます、smoothデス。

今日お届けするのは、昨年最後の記事、「2006年未紹介本・ベスト3!」にてご紹介した、経済本。

本書の主要テーマは「判断ミス」

以下、訳者の高橋由紀子さんのあとがきから。

判断ミスは少ない方がいいに決まっている。ではどうすれば、それを減らせるのだろうか。本書の著者であるディヴィッド・ヘンダーソンとチャールズ・フーパーは、判断ミスを防ぐ基本的な原則が、「経済学」と「意思決定科学」の中に数多く見出せるということに気がついた。それらの原則に、一般常識を加味して、正しい判断を導くためのツールをまとめたものが本書である。

どうです?読んでみたくなりませんか(笑)?



【目次】

考えればものごとはうまくいく
明確に考える
価値を考える
何が変わったのかと訊ねる
自分が何を欲しているのかを知る
どんな人にも偏見はある
何が重要かを知る
よりよい選択肢を創り出す
意識的に最良の選択肢を選ぶ
リスクは成長の一部
不均衡を利用する
情報の価値を知る
単純に考える
鞘取り(裁定取引)を考える
正しい行動をする



【気になった点など】

★サンクコストの2つのタイプ

◆経営の現場でたまに耳にする「サンクコスト(sunk cost)」という言葉。

(参考:ウィキペデイア 埋没費用

「新製品の開発にこれだけ資金投下したのだから、今さら止められません!」という感じですかね(笑)?


◆自分としては何となく感覚的にわかったつもりでいたところ、何でもサンクコストには2つの種類があるとか。

■タイプ1.「ヒーズ・デッド・ジム(死んだよ、ジム)サンクコスト」

⇒金や時間などがすでに投資された後、見込みが無いのにさらに投資すること

■タイプ2.「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド(ゾンビの夜)コスト」

⇒サンクコストなのに、それがまだ生きているかのように思い込むこと


◆この2種類のタイプの例は、1980年代後半のB1爆撃機の存続を検討する議会で、賛成反対の双方の主張に見られました。

●賛成派

⇒「B1爆撃機を廃止したら、研究開発につぎ込んだ何十億ドルを無駄にすることになる」と主張(タイプ1.)

●反対派

⇒これまでに使った費用に今後さらに見込まれる出費を加え、「B1爆撃機はそれだけのコストに値しない」と主張(タイプ2.)


◆この場合、コストのほとんどはすでに発生済み

ゆえに、「将来の出費」だけ考えれば、「B1爆撃機はそれより価値がある」と賛成派が主張すればよかったことになります。


★コストに注目する

◆在庫を削減することは、多くの利益を生み出します。

ただし、場合によっては、在庫がないことによる、販売の機会損失についても考慮しなくてはなりません。


◆例えば製薬業界の場合、在庫過剰と在庫不足による損失が非常に非対称です。

薬剤の標準的な価値に基づいて計算すると、余分な在庫を1瓶、1ヶ月保管するコストは、7.97ドル。

一方、1瓶在庫が不足した場合の損失は、なんと1,350ドルで、余分な在庫のコストの16,930倍にものぼります。

多くの会社はコストに注目しますが、一番注目する必要があるのは利益なのです。


★デシジョンツリーによる航空券購入の決断

◆デシジョンツリーとは、意思決定の際に用いるモデルの一種(参考:「デシジョンツリー」@IT情報マネジメント用語辞典)。

会議に出席するために、格安航空券を購入する「意思決定」に当てはめて考えてみます。

●今現在のチケットの値段・・・350ドル
●来週のチケット値段・・・1200ドル


ただし、会議の日程が確定しておらず、変更される可能性が20%あるとした場合。


<デシジョンツリー>

c1534b58.jpg











∴今チケットを買った方が、1200ドル―590ドル=610ドルの節約のチャンスがあることになります。


◆ただ、ここで問題になるのが、「会議が変更される可能性をどう見積もるか」

これについては、逆算するのが有効です。

このケースで「会議が予定通り行われる可能性が何パーセント以下なら逆転するか」を考えてみると、約29%

(350ドル×29%+(350ドル+1200ドル)×71%=1202ドル)

つまり、「会議が予定通り行われる可能性が29%以上」なら、今航空券を買った方が得なのです。


【読後の感想など】

◆本書の「あとがき」によると、著者の一人であるデビッド・ヘンダーソンは、大学勤務時代、「どんな難解な経済学の知識も、身近な例やエピソードを用いて、学生達に楽しく理解させる」というので有名だったそう。

本書も確かに、身近な例が満載で、私個人としては楽しく理解できたツモリです(汗)。

ただ、それが今回の記事として、上手く表現されているかは別なんですが(汗)。


◆いやー、それにしても付箋貼りまくりだったんですよね(笑)。

da312f0e.jpg

















こんな感じで、他にもご紹介したい項目がわんさか。


◆そんな中、今回例に挙げた3つの項目は、実はいずれも、私が生活している上で、実際に取り入れたいと思った部分でして、「もし○○をしなかった場合の損失は〜」とか、「今○○をやることによるリターンは〜」なんて考えるようになりました。

例えば仕事が終わって事務所を出る際、鍵を閉めてから、「ガスファンヒーターを消したかどうか」が気になった時も、消し忘れていた場合の損失の大きさに怯えて、また鍵を開けて部屋に戻ったりとか(汗)。

・・・これは単なる「健忘症」という話もありますが(笑)。


「ヤバい経済学」のような、きわどさはありませんが、「意思決定」に興味がある方には、是非読んでいただきたいところ。

かなりオススメ!


【今日のお買物】

速読勉強術―限られた時間で差をつける!
すばる舎
宇都出 雅巳(著)
発売日:2007-01
おすすめ度:5.0

私が尊敬する宇都出雅巳サンの新作。

即買い!


【編集後記】

「ムスメの寝言」シリーズ。

「いっ、いやー、かたさない(片付けない)で〜!」

夢の中でおもちゃをかたづけられてしまった模様(笑)。

最近、よく娘の寝言で起こされます(汗)。


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Posted by smoothfoxxx at 07:10
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この記事へのコメント
smoothさん、こんにちは!
これは買いですね。
B-1爆撃機と言えば、当時、某米国コンピューターメーカーに勤務していた父は、この生産工場でコックピットに座ったとか言っていた記憶があります。
今では、考えられませんが。

Posted by ニタ@教えて会計 at 2007年01月26日 08:25
 smoothさん、こんにちは。
具体例があるとわかりやすいですね。
意思決定のための基礎的な考え方として
取り入れるのは良いと思います。
普段の生活からずっとこれやっちゃうと
ちょっと息苦しいかも
ガスファンヒーターのコストと
自分が部屋に戻る時間のコストとか
比較しちゃったりして。

Posted by LuckyUS at 2007年01月26日 11:08
こんにちは。
かなり論理的な感じですね。
こういうのも知っておくと良いですよね。

Posted by こばやし at 2007年01月26日 11:14
検索窓うまくいったようでよかったです^^
それにしてもすごい数の付箋ですよね。
それだけいい項目だらけだったってことですよね。
気になりますね。
応援クリック!ぽちっ

Posted by 笑顔整体 健康の知恵袋:院長 at 2007年01月26日 14:03
smoothさん、こんにちは。
サンクコスト勉強になりました。
前の会社でも思い当たることがあったので思い返してしまいました・・(^-^;)
実ケースから、こうならないように
したほうがいいな。とか学べそうですね!
すごい付箋の数!(^-^)

Posted by たなか@心レベル at 2007年01月26日 14:10
こんにちは。私も車に乗っていざ、となってから「コーヒーメーカーのスイッチ切ったかな?玄関のドアは?」と何度も戻ります。確か、なんとか不安症候群という一種の病と読み、自分で納得したことがあります。帰省の時なんか、大変です。
それにしても付箋ほんとにはりまくりですね。
*リターンと損失を常に考えられるのはすごいですね。

Posted by meg[ at 2007年01月26日 14:28
>>多くの会社はコストに注目しますが、一番注目する必要があるのは利益なのです
これはまさにウチの社長に読んで欲しいですね。コストってことばかりに目がいく社風なので、気持ちも後ろ向きになります・・・・
私も考え方の物差しを増やす意味で読みたくなりました・・・
健忘というより計算嫌いなので、数字を見ると背中がかゆくなりそうです。

Posted by ビルダーナース at 2007年01月26日 17:23
多くの会社は利益に着目しますが、
最も大切なのは「手ガネ」
なのです。(^O^)/
在庫には金利もついていますので。

Posted by ヨシザワ at 2007年01月26日 21:30
smoothさんこんにちは。
これは買いですね!
非常に興味深いです。

Posted by 週末起業サラリーマン・・・hikaru at 2007年01月26日 22:45
smoothさん、こんばんは!
「判断ミスを防ぐ」の一言で飛びつきたくなってます(笑)。そういう心理系の話、大好きです^^;

Posted by 淺田 義和@創造マラソン at 2007年01月27日 01:35
smoothさん、こんばんは。
今回の1冊は早速アタックかけさせていただきました!
smoothさんの付箋の数が、この本の濃さを物語っていますね。
寺下先生の件は了解しました。
遅れてのコメントでスミマセン(汗)。

Posted by 決断コーチ at 2007年01月27日 20:23
smoothさん、こんにちは!
スゴイ付箋紙の量ですね。smoothさんがこれほどチェックされていることでこの本の良さが分かります。
この本のタイトルだけは知っていましたが、考えていた内容と全く違っていました。面白そうですね。

Posted by 手文庫 at 2007年01月28日 10:43